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バングラデシュ、陸路アライバルビザ入国にトライ

2016年3月29日(火曜日)
【バングラデシュ】 ベナポール






「フミはすごいな。俺ならそんな汚い宿、1分もいられないね。」




朝からカデルの面白メールに笑わせてもらいながら宿をチェックアウト。



このサダルストリートでダブルが350ルピー、600円でしかもサクサクのワイファイがあるなんてもはや他の宿の選択肢なんてない。


挨拶しても、返事ってなに?くらいの勢いで無視してくる感じの悪いスタッフも、慣れればまぁ許せるレベルだ。



マリアゲストハウスはコルカタで1番のバッグパッカー宿。










ていうかコルカタほど宿の客引きがアグレッシブなところってあんまりない気がする。


サダルストリートに足を踏み入れた瞬間、子供から爺ちゃんまでみんなが、ユワナシングルルーム?と声をかけてくる。



そうして連れて行かれてそこに泊まれば宿からマージンが支払われるんだろう。

町の人からしたらとても美味しいバイト。





でも、ということは客引きに連れて行かれなければ正規の値段で泊まれるということ。



まぁ町のことを知らない人だったらそうした客引きに連れてってもらうのも悪くはない。

マージンだってその客引きの立派な斡旋料だ。





ちなみにルームルーム!と言われた時に、いくら?と聞くと、ウルトラ安いからカモン!!って言われて、いやいくらなの?って聞くと、言葉を濁しながら500ルピー………でもワイファイ付きだよ!!この町にはワイファイの付いてる宿はほとんどないからね!!とか言ってくる。



それで、マリアは350ルピーでダブルでワイファイついてるよと言うと、へーふーん、みたいな顔してまたチャイをすすってる。




コルカタのアグレッシブな客引きとのやりとりも、もうずいぶん慣れた。
















ていうかこのハンバーガーまじで美味しい。







サダルストリートに行った人なら誰でも知ってるブルースカイカフェ。

ウェスタンフードを出してくれるのでいつも欧米人バッグパッカーや日本人旅行者でいっぱいだ。


値段も悪くなくて、このチキンベジバーガーとペプシで145ルピー。250円。




屋台で50円で飯が食えるコルカタではなかなかの贅沢だけど、このチキンベジバーガーまじで美味い。

マックとかケンタッキーなんかよりよっぽど美味い。


スタッフは相変わらずクソがつくほど愛想悪いけど、ワイファイまであるんだから観光客からは大人気だ。






バッグパッカーなんだから地元のローカルフードを食べないといけないよ、と?



もうマサラはマジで勘弁してください。



















というわけで今日も朝イチでブルースカイカフェで美味しいバーガーを食べてから出発。








朝のコルカタの町はすでに活気に満ちており、今日1日の商売の品物を運ぶ人夫さんたちが慌ただしく行き交っている。








頭に野菜なんかが詰め込まれた巨大な風呂敷を乗せたたくましいおじさんたち。

自転車にまだ生きたニワトリを無数にくくりつけて走る爺さん。

大きなガロン缶を肩に担いで、ヨロヨロしながら歩く子供。















日本みたいに鮮度や品質に究極にこだわった物を、保冷車で高速運搬!!なんてことはここではまったく見られず、とにかく人力だ。

これで食中毒で人が死んだりしてないんだから、それはそれで運送経路が整ってるのかもしれない。

ていうか先進国が気にしすぎなのかな。

人間の免疫力ってすごい。



















バングラデシュの首都ダッカまでは高速バスで15時間らしい。

なので観光客用の直通バスは朝の5時とか6時とかにコルカタを出発する。




それでも着くのは夜の20時だ。

それから宿を探すのは大変だろうし、治安も気になる。




なのでとりあえず今日は国境を越えて近くの町に泊まって明日の朝にダッカに向かうことにした。

それなら夕方くらいにはダッカに到着できるはずだ。






ていうか国境超えられるか知らんけど。



な、なんも持ってないけど大丈夫かな…………


まぁあんまり治安よくないみたいだから、もし入れなくてもそんなに残念ではないけどね。



交通費も浮くし。


ラーメン食べたいし。











ラーメン食べたいしいいいいいいいいいいいいいいいいいいえけいいいいいい!!!!!!


















ごっちゃごちゃに人で溢れてゴミにまみれた道を歩き、軽く道に迷ってなんか行列がすごいことになってる病院みたいな敷地に迷い込んだりしながら駅に到着。



いつものハウラー駅ではなく、シアルダー駅。

確かじゃないけど、インドの南や西に向かう列車はハウラーから、ダージリンなんかの北や東に向かう列車はこのシアルダーから出てるっぽい。




とりあえず地図を見て、バングラデシュに向かって太い道が通ってるあたりの町に行けば国境があるはず。

国境線の近くにボンガアンという町があるので、そこに行けばなにか分かるだろう。


というわけで駅で切符を購入。
ボンガアンまで20ルピー。35円。激安。

分かりにくくてしょうがない電光掲示板をにらみつけ、ボンガアン行きの表示が出た瞬間、大量に移動する人ごみにまみれて電車に乗り込んだ。




























電車は2時間ほどでボンガアンに到着した。


かなり小さな田舎町で、駅前には細い商店が並ぶ通りがある。

木々が多く、ひなびた、いい感じの田舎だ。







地図を見ると、ボンガアンから国境付近まで線路が通ってるように見えるんだけど、誰に聞いてもオートリキシャーで行きなと言う。

んー、あんまり交渉とかしたくないんだけどなぁと思いつつも仕方なくオートリキシャーの運ちゃんに話しかけた。




「ペトラポルまでいくらですか?」



「150ルピーだよー。」



「高っ!え、ていうか高いかもわからん…………シェアだといくらですか?」



「シェアだと50ルピーだよー。」





地図を見る限り10キロほどの距離がある。

それで85円なら悪くない。


ていうかこんな田舎のインド人たちはみんなノンビリしてて、今から嘘つきます!金払え!!みたいなジャワ感は全然ない。

みんな優しい顔をしてる。




地元の人たちがすでに座っているオートリキシャーに混ぜてもらうと、6人を乗せてすぐに出発。



田舎のささかな町を抜け、オートリキシャーは緑豊かなジャングルの中の1本道を快調に走っていく。クラクション連発しながら。


周りに広がるのは南国の植物で、その中に草でできた原始的な民家が散らばっている。






















20分ほど走ると、なにやら賑やかな場所にやってきた。


森の中にオートリキシャーが待機し、屋台が並び、車がたくさん行き交っている。


ここがボーダーなのかな。


オートリキシャーを降りて、久しぶりの国境の雰囲気に少し緊張しながらブラブラ歩いて行くと、脇道にかなり小さな文字でイミグレーションと書いてる看板を見つけた。




こ、これか…………?

まさかこれじゃねぇよな?

















とにかく行ってみるかと脇道に入っていく。


すると横にボロボロの建物の入り口があった。









え?入っていいの?撃ち殺されたりしない?って思いながら恐る恐る歩いて行く。



するとその先の部屋にやる気なんて微塵もなさそうなイミグレーションカウンターが4つくらい並んでた。

田舎の商店の番台みたいに簡素なカウンター。


人は全然おらず、オッさんがその番台で鼻毛を引っこ抜いている。

ひ、暇そうだな……………








鼻毛抜いた手でパスポート触られたくないので、すーっとオッさんの前を通り過ぎて隣の若い兄さんのカウンターに行こうとしたら、鼻毛のオッさんに呼び止められた。


俺が見てやるぜ!!と自信満々な顔してる。


次の瞬間、右手を思いっきり鼻から引き離すオッさん。


そして指先の抜けた毛をマジマジとながめている。




ビザとか絶対いらんやろ………この国…………














「バングラデシュ行くんだー。ところでカレー好き?」



「はい、3日だけ行ってまたインドに戻ってきます。カレーマジ好きです。」



「へー、どこ行くのー?何カレーが好きなの?」



「首都のダッカに行きます。ココイチがす………じゃなくてミックスベジカレーが好きです。」



「そうなんだー!!オクラとか最高だよね!!」



「オクラいいですね!!レンズ豆の揚げ物とかマジ超リスペクトですよー!!」



「お!レンズ豆の揚げ物知ってるの!?お前最高やな!!」



「いやー!そうなんですよー!あはははー!!」



「あはははー!!」



「えへへへへー!!」



「じゃあバングラデシュのビザ見せて。」




なんだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!




「ちょ、え、いや、日本人はバングラデシュビザはアライバルで取れるはずなんですけど………カツカレー食べたいです。あ、いや!カツカレーとか嘘です!!」



「ふーん、まぁ行っていいよ。」






バスン。

インド出国完了。





はぁはぁ………び、ビビらせんじゃねぇよ…………

カツカレー食べたいよ…………



まぁここまでは予想通り。
インド出国は問題ないと思っていたからな。


勝負はここからだ。



バングラデシュ、陸路手ぶら入国なるか。


















インド側のオフィスを抜け、中庭みたいなところを通って行くと、表通りに出た。

大きなゲートがあり、ここが国境のようだ。












鉄格子の向こうに日本のものに似た国旗が見える。

緑と赤の配色の日の丸だ。



向こうがバングラデシュか。

久しぶりの歩き国境越えだな。







ゲートを抜けると、横にあった小さな建物へ。

カウンターがふたつあるだけの質素なイミグレーションがあった。







よーし………覚悟キメていくぞ。


この日のためにヒゲも綺麗に剃り、髪の毛も今は短いし、どっからどう見てもジャスティンビーバーだ。

お父さん、世界ってどうして憎しみ合ってるの?的な無害この上ない仔犬のような表情を作ってチンチンかきながらイミグレーションにパスポートタッチダウン!!!




「こんにちはー、いやー今日も世界は美しいですね。太陽さんこんにちは!つって!!てへへ。」



「おいガキ、バングラデシュビザはどうした?」





ヒョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

前戯なしいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!




「い、いや、あの、日本人はバングラデシュビザはアライバルで取れると日本政府から教えてもらった気がしないわけでもないような感じのアレがアレでバングラデシュ最高!!」



「ほう?バングラデシュの何が最高なんだ?」



「いやー!!マジでアレです!!困っちゃうなー!!アレですよ!!星とか超綺麗ですよね!!」



「そこに座って待て。」






パスポートを持って別の窓口に行って何やら相談している兄ちゃん。


ていうかイミグレーション職員なのに英語ほとんど喋れないとかこれまでで初めてな気がする。


しかもみんなポロシャツにジーパンとか私服。


ゆるすぎる。














「おい、早漏!!こっち来い!!」



「あ!!はい!!いやー、バングラデシュに来たからにはやっぱご飯ですよね!なんかカレー的なやつとか楽しみです!!あとは海!!海に面してますもんね!!ヤッベェ、超楽しみ!!」



「ゴーホーム。」



「本当あとはイスラムのモスクとか行っちゃおうかな!!いやー!!素手でお尻ふくのとかマジで最高!!え?今何て言いました?」



「ノービザ。ユー。ゴーホーム。」




















ガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガクガク(´Д` )(´Д` )(´Д` )





「ちょ、ちょっと待ってください。そりゃ僕はバングラデシュのこと1ミリも何も知りませんけどアライバルビザが取れるはずなんです。お願いします!!お願いします!!」




英語がほとんど喋れない兄ちゃんに、怯えた子猫みたいな顔して同情を誘いつつお願い攻撃。

しかし兄ちゃんはまったく動じない。



ま、マジか………

やっぱりビザとってから来ないといけなかったか…………………






「マジですか…………あああ…………インシャアッラー…………」



「お!お前なんでそんなの知ってんだ!?おい、この小僧インシャアッラーって言ったぞ!!」



「なんだと!こいつはムスリムか!?」



「アッラーが望むならだと!!」




かつて中東で覚えたお決まりの言葉。インシャアッラー。

中東ではこの一言で全てが解決するような便利な言葉なんだけど、まさかの効力で風向きが変わった。


奥から話の分かりそうな兄ちゃんが出てきて、ちょっとそこに座って待ってるんだと言ってきた。





ベンチに座っていると周りにいたバングラデシュ人が続々と話しかけてくる。



「バングラデシュにようこそ!!」



「バングラデシュはビューティフルカントリーだよ!!」





まだ国境を越えて5メートルくらいしか進んでないのに、ここはすでにれっきとした別の国。

そして人々はみなバングラデシュ人であることに誇りを持っている。


待っている間に色々と教えてもらった。





バングラデシュの通貨はタカ。

1アメリカドルが77タカってのが換金の相場。

1リットルの水の値段は20タカらしいので、30円てとこだ。
インドより少し物価が高い。




アミ ダッカ ジャボ

私はダッカに行きます



エスィバス

これはいくらですか?




ドンノバール

ありがとう




バロウ

ナイストゥーミートユー




簡単な言葉を教えてもらっている間、人々はとにかくバッグにくっついてるトロールを触ってくる。

こんなただの人形がそんなに珍しいか?

途上国に行くといつも人々はトロールと写真を撮りたがる。











「おい坊主!!こっち来い!!」



1時間くらい経ってからさっきの話の分かりそうな兄ちゃんが俺を呼んだ。




「30日、お前はバングラデシュにいていいぞ。それ以上いたら捕まえられるからな!!エンジョイトラベル!!」




バスン!!

スタンプゲット!!



よっしょああああああ!!!!
バングラデシュ、手ぶらアライバルビザもぎ取ったぞコノヤロウ!!!






「ドンノバール!!アルハンドレラ!!」



「コノヤロウ!!お前はムスリムか!!なんでそんな言葉知ってやがる!!バングラデシュを楽しみやがれ!!」







イミグレーションを出て思いっきり空気を吸い込む。

ふううー、新しい国の匂いだ。

この国ではどんな出来事が待ってるかな。


ダッカ行きのバスターミナルはここから結構離れたところにあるみたいだけど、この新鮮な気分を味わいたくてのんびり歩いた。






























バングラデシュはアジア最貧国と言われている。

そしてイスラム教の国でもあるので、少し緊張する。


でも風景はいたってインドと同じようなもんだ。

リキシャーが走り、路上で野菜が売られ、ボロボロの黒ずんだ商店でオッさんがチャイを淹れている。


砂埃が舞い上がり、太陽が照りつけ、道の向こうをかすませている。


人々は俺のことを見ると、ジーーーーっと見つめてくる。

俺が視界から消えるくらいまでずーーーっとガン見している。


よほど外国人が珍しいのか、それともそういう国民性なのか。











人々が木陰で何かのゲームをやっていたので足を止めてみた。
ハイパーホッケーとビリヤードを足したようなゲーム。
笑顔で兄ちゃんたちに挨拶をした。


さっきまで俺のことをガン見していた人々の中に逆に俺から飛び込んだらどうなるか。




一瞬にしてバングラデシュ人たちに取り囲まれた。



「うおおおお!!!日本だと!!日本人がいるぞおおおおおおおお!!!!」



「なんだとおおおおお!!!どこだ日本人はどこだ!!!!」



「日本最高やべえええええええ!!!!!」










どっから出てきたのかソッコーで30人くらいの人だかりが出来上がり、そこからみんなだ写真撮影大会。

ひたすら写真を撮りまくり、セルフィーしまくり、キリがないのでまたねー!と立ち去ると、みんな超絶笑顔でバイバイー!!と手を振ってくれる。




え、なに、バングラデシュ好き。





嬉しいな。やっぱり知らない場所に来る喜びこそ旅の理由だ。




















それからまた歩いていたら美味しそうな匂いのする食堂があった。


通り過ぎてから立ち止まり、そういえばもうお昼過ぎだなと思った。



引き返してその食堂をのぞくと、真っ黒な鉄板の上でいくつもの種類のカレーが煮込まれている。

鶏肉と、牛肉もある。

そうか、ここはヒンドゥーの国ではないので牛も食べるんだな。













ていうかインドと違ってベジタリアンの国じゃないんだ!!

めっちゃ嬉しい!!










カレーを眺めていた俺を店員さんたちが見つけた瞬間、ワオ!!ボス!!カモン!!カモンシット!!!と大興奮して中に案内してくれた。



とりあえずチキンカレーを指差すと、ご飯、生野菜、魚のすり身団子、そしてカレーが皿に乗って出てきた。


みんなニコニコしながらこの謎のアジア人を見つめている。










うーん、こんなズタボロの食堂でご飯食べたりしたらまたお腹壊すんじゃないかウメエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!









なにこれウマっ!!ウマスギル!!!

コクの中にあるスパイシーさ、チキンも味があるし、油もいい感じ!!


ヤッベェ!!すっげぇ美味い!!!!

カレーおかわり!!





あまりに美味くてお腹いっぱいになるまで食べてしまった。

やべぇ、イスラム文化とカレー文化の融合、半端じゃねぇ。
バングラデシュのご飯すっごい美味しい!!!


値段は170タカ。250円。

ちょっと高いかなと思ったけど、まぁこの美味しさなら大満足だ。




え、あれ、なんか、バングラデシュ好き。



















ていうかこんなノンビリしてたらもう今日のダッカ行きのバスは終わってしまっただろうな。

まぁ今日はこの小さな町に泊まってみるのも悪くないか。




歩き続けてようやくバスターミナルに着くと、そこにはいくつものバス会社のオフィスが並んでいた。

道路にそれぞれのバスが並んでいる。




綺麗なエアコンバス、ズタボロのお化けバス、年 値段もそれぞれだろう。



ただコルカタからダッカの直通バスが2000円なので、ここからならいくらかは安いはずだ。




「どうもー、ダッカ行きのバスありますかー?」



「オーイエーカモン!!日本人!?超ヤベェ!!」



またもや一瞬にして人だかりができる。





「ダッカ行きかい!?エアコンバス?それともエアコンなし!?」



「エアコンなしだといくらですか?」



「500タカだぜベイベー!!カゴシマサイコウ!!」




720円よっしゃ!!っていうかなんで鹿児島とか知ってるの!!??





「バスは何時に出ますか?」



「8時だぜコンチクショウ!!日本ウヒョウ!!!」



「そっかー、じゃあまた朝に来ますね。」



「すっとこどっこい!!夜の8時だぜ!!夜行バスで朝にはダッカさベイビー!!」







え、やだ、バングラデシュ好き。















ソッコーでチケットを購入して、夜まで時間があるので町の散歩をすることにした。


ワンハンドレッドパーセントクソセーフティーだ任せとけボケ!!と兄ちゃんが言うのを信用してオフィスにギターを置かせてもらって出かけた。






日本から持ってきてたタバコがついに底をついたので、とりあえずタバコを買うかと商店へ。


周りにいた兄ちゃんたちにどれが美味しい?と聞くと、これをオススメしてくれた。







10本入りで25タカ。35円。ゲロ安。

うん、味も悪くない。




みんなしてこれはどうだい!?これは!?火をつけてあげるよ!!と周りに集まってきて、これでもかと世話を焼いてくれる。

バングラデシュ人、優しい…………





「チャイ屋さんはある?」



「ぬへぁ!!日本人がチャイを飲みたがってるぞ!!!」



「俺にいいいいいい任せとけえええええええ!!!!!」




みんなで近くのチャイ屋さんに連れて行ってくれ、席を空けてくれる。

座る前に席の上を息で吹いてゴミを飛ばしてくれるという気の使いよう。



今にも崩壊しそうなボロボロの小屋の中、優しそうなおじちゃんたちに混ざってチャイをすする。

インドに比べてタバコが激安なので、バングラデシュの人たちはみんなタバコを吸っており、このチャイ屋の中でもみんなプカプカだ。















比較的英語を喋られる兄ちゃんがずっと横に座って色々教えてくれた。


人口は1億5千万人。日本より多いっていうか、世界で7番目の人口らしい。

人口密度は世界一。すげすぎ…………こんな小さいのに。



かつてはイギリス占領時代はバングラデシュ、パキスタン、 インドはひとつの国だったらしい。


それが1946年に独立を果たすと、インドとパキスタンが分離。


この時はまだバングラデシュはパキスタンの飛び地として東パキスタンって呼ばれていたみたい。



そして1971年にようやくパキスタンとバングラデシュが分離して独立。



この辺りもだいたい植民地の歴史を経験してる国ばかり。

日本ってそう考えるとすごい国だよな。

まぁアメリカの植民地みたいなもんだけど。





後で調べてみたら、かつてはイギリスの東インド会社がおかれ、このベンガル地方はインド全域の植民地の中心として繁栄を極めたんだそう。



それが今ではアジア最貧国。

本当行政って大事。







「インドとバングラデシュは仲良いの?」



「うーん、まぁまぁいいよ。でも今は良くないかな。」



「なんでなの?」



「クリケットのせいさ。この前インドとバングラデシュの試合があったんだけど、インドが卑怯なことしやがったんだ!!チクショウ!!」





理由が可愛い。





あんまり楽しくてチャイもおかわりし、タバコも3本も吸ってしまい、そろそろバス停にも戻ろうかなお金を払う。


しかしチャイ屋のおじさんは手を振る。





「えっと、おいくらですか?」



「気にすんなボウズ!!てめーはゲストだから金はいらねぇとよ!!」



「えええ!!!そ、そんな払いますよ!!」



「払わんでいいって言っちょるやろうが!!そん代わり、ひとつ約束しろ。」



「な、なんですか………?怖いこと言わないでくださいね……………」



「バングラデシュを楽しまなかったら承知しねぇぞこのチンカスが!!!」



「渋ぃ!!!いやああああああ!!!もう超絶楽しむうううううう!!!」




















それからバス停に戻ったんだけど、みんながオフィスの前に椅子を出してくれて座り、ずっとお喋りしててめっちゃ楽しい。スーパーフレドリー。


チャイを持ってきてくれるし、お菓子持ってきてくれるし、パイナップル買ってきてくれるし。


パイナップルを切るまな板が自転車のサドルっていうアレはもう超汚くてうわぁ……ってなるけど、これは仕方ない。


食べますよ。

ケツを乗せるところで切ったパイナップルを。






ていうかいきなりこんなに人から食べ物をもらいながらも、もちろん睡眠薬ことは頭をかすめる。

口に含んでも、しばらく舌で味わって、変な味がしないか確かめてから飲み込んでる。



目の前でニコニコしてるこの超絶優しい人たちを疑いたくはないけど、油断も絶対にしたらいけない。





「あいつはマジでカンギッセレなんだ!!」


「あいつはスモールカンギッセレ!!」


「うるせぇ!てめーがカンギッセレだ!!」





カンギッセレってアホという意味らしく、みんなでアホアホ言いあってる。


オフィスの前に座ってると、町の人たちがみんな集まってきて、挨拶をし、笑顔で握手して、冗談を言って笑う。


もうなんだこれ、トルコ以来じゃないか?これほどのスーパーウェルカム。


まだ入国して数時間しか経ってないのになんだこれ?













時間は20時になり、やってきたバスに乗り込む。

仲良くなったやつらがバスの中までついてきて、最後の最後まで世話を焼いてくれた。




バスのエンジンがかかる。


ゆっくり走り出した車内から手を振ると、みんなが一斉に手を振ってくれた。


見えなくなるまで手を振ってくれた。



座席に座ってふぅと一息。

胸に広がる柔らかい感情。









え、なに?







もうバングラデシュ大好き。

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