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体罰したい

2016年3月19日(土曜日)
【インド】 ベロール






ヤモリの鳴き声で目を覚ました。


竹の天井が見え、iPhoneの時計を見ると9時半だった。


ヤバい、風邪でキツいからって寝すぎてしまった。


といっても早起きしないといけないわけでもないんだけど。















朝、いつものようにタンクの水で洗面をしてクラスの方に歩いていくと、コズエさんがいた。



「金丸さん、今日も2クラスに教えてもらってもいいですか?体調悪いところすみません。なんとか子供たちが言うことをきくようにサポートしますので。」




もちろんやらせてもらう。
そのためにここに来てるんだ。

あの利かん坊のガキンチョたちになんとか音楽の楽しさを伝えるぞ。
















というわけで1クラス目は外の木陰にあるブランコのところでやることに。


今日もまぁクソがつくほど元気に叫び散らかしており、走り回って落ち着きがないことこの上なくてまるで子供のころの自分を見てるみたいだブッ飛ばすぞコノヤロウ!!!


































「座れやあああああ!!!!座って喋るな!!いいな!!喋るな!!喋るなよ!!わかったか!!?喋るな!!喋るな!!」



「ヒョオオオオオウウウウウウ!!!!ウンコチンコウンコチンコ!!!オヒョおおおお!!!!」



「おいコラ?お前喋るなって言っただろ?なんで喋る?喋るなって言ったよな?」




ニヤニヤしてる悪ガキ。




「よし、サレガマパダニサ歌ってみろ。はい、サレガマパダニサ~~。」



「サレガ……マ……パダ…………」




前に来させて1人で歌わせると途端に蚊の鳴くような小声になる。




「全然ダメ。まったくできてない。座っていいよ。」



「シェケナベイブェェエエエエエエエエエエ!!!!!キャオラ!!キャオラ!!」




みんなの元に戻した瞬間、デイブリーロスより激しく体をくねらせてシャウトする子供。


てめぇの頭に暗闇の爆撃をブチ落とすぞコラアアアア!!!!




はぁはぁ……………

これを2年とかマジで尊敬しますコズエさん……………









ブッ飛ばすぞコノヤロウ?の顔。










コズエさん、馴染んでるなぁ。





















「オーウ!エクセレーント!!素晴らしいですね!!続けてください。」



そこにやってきたのは見知らぬおじさん。

どっからどう見ても普通のおじさんなんだけど、綺麗な英語を喋って、ニコニコして、なんだか柔らかいオーラのある人だな。




「あ!ラム先生、どうも!!」



「コズエー!何か困ってることはないかい?何かあったらなんでも言うんだよ!いいね?」





どうやらこの人がこの学校の設立者であるラム先生のようだ。


チェンナイの大学で教授をしてらっしゃるかた。

かなり忙しい人らしく、たまにしかここには来られないので今日会えたのはラッキーだったな。







さっきから何度も電話が鳴って、忙しそうに電話しているラム先生。


しかし電話を切ったら俺たちに優しく話しかけてくれる。




「とても忙しそうですね。」



「そうなんだ、明日からはパリの大学で2週間講義をするんだよ。でもこれが私の人生だからね。忙しいのはいいことだよ。」





明日からパリの大学で講義て!


驚いていたらなんとこの先生。


ジュネーブで行われる国連の会議とかに出席するようなとんでもない人物だった。



素晴らしい人格者で大学での人望も厚く、前にラム先生が色んなしがらみから大学の学部長から降ろされた時に、生徒たちがデモを起こして大学が1週間閉鎖したというからすごい。


よほど生徒たちから愛されてる人なんだろうな。



このピースオブガーデンでも、やはりラム先生の人柄があってこそ先生たちはついていってるんだろう。





ここは完全なるラム先生のプライベートスクール。

私財を投入し、貧しい子供たちに教育をし、まさしくこれこそ社会貢献以外のなにものでもない。


世の中にはこうした活動に重箱の隅をつつくように文句を言うやつがいるけど、どう考えてもラム先生は素晴らしい人だ。





金を放り込めばいいって問題じゃない。

自分の責任で、人生をかけてここを運営している。
こんな多忙な人なのに。


その覚悟が俺にあるか?


頭がさがる。


































お昼ご飯の時間になったんだけど、食欲がほとんどなくてランチはとらなかった。


風邪の症状があまり良くなってなくて頭痛がひどいってのもあるんだけど、空腹を通り越すとハングリーハイみたいな状態になって空腹を感じなくなってくる。


旅をしていてアドレナリンが出てるとこの不思議な領域に突入するんだよな。




前回の旅から久しぶりのこの感覚。

腹が空っぽで体が細くなっていくのを感じながらも精神が研ぎ澄まされていく。


あの生ぬるい日本の飽食からようやくここに体が戻ってきた。








ご飯を食べずにそのまま午後の授業。


教室に入ると、木の長テーブルに生徒が座っていた。

ここは5年生のクラスだ。
インドでは小学校は5年生までみたい。


上級生は机が与えられるんだな。





ここはコズエさんが力を入れて1年間みっちりつきあってきたクラスなだけあって、かなり英語が分かるようだった。
日本語も挨拶くらいならできるみたい。


3~4年生の子供たちよりもお兄さんお姉さんなので、いきなりチンポチンポーーー!!!って絶叫して転げ回ったりするような浮かれポンチはいないようだ。



とは言っても私語はするは言うこと聞かないわでコズエさんも声を張り上げてる。












まずはいつものようにサレガマパダニサから。

いつものようにまったく発声できない子供たちにヤキモキしながら席を回っていく。



なんでドが出せないんだよ!!!!

あー!!もう!!!!!





しかしそれはインドの子供たちがこれまで音楽というものに触れ合ってこなかったせいに他ならない。

子供がいつの間にか言葉を喋り出すように、音楽も長年聞き続けることで体に染みついていくものなんだということを今回よく思い知った。




自分で楽器から正しい音を出すこと。

それで音感が養われると信じたい。



よし、ついにリコーダーを教えるときが来たぞ。















「はい!!みんな聞いてー!!!聞きなさいー!!!」




コズエさんの声が教室に響く。




「今からリコーダーを配るけど、3つの約束を守るんだよー!!ひとつ目は使い終わったら洗って元の場所に戻すこと!!」




「洗って元の場所に戻すことー!!!!ウヒョウ!!!」




「リコーダーで人を叩かない!!」




「リコーダーで人を叩かないー!!アマアマアマアマァァァァアアア!!!!」




「先生が喋ってる時にリコーダーを吹かない!!分かったー!!???」




「先生が喋ってる時にリコーダーを吹かないー!!ウワアアオオウウ!!ゲロッパ!!ゲロウレ!!ゲロッパ!!リビニナアメーリカアアアアアアアア!!!!!」






絶対わかってねぇこいつら……………





まぁとにかくやってみないことには始まらない。

1人1人にリコーダーを手渡して回った。


うー、感慨深い。

ちゃんとインドの子供にリコーダーを渡せた。













「よーし、それじゃあまずは何も押さえないで吹いてみてー。こんな音が出るからねー。」




プーと音を出してみせる。



その瞬間、教室が騒音地獄に変身。





「ピイイイイ!!!ピイイイイ!!!!」



「ピョイヨオオオオ!!ピーヒャアアアアアア!!!!!」





子供たちが全力を込めて思いっきり息を吹き込むので耳をつんざく不協和音の高音が鳴り響いた!!




「やめろおおおお!!ストップ!!ストーーーーーーップ!!!」




耳をふさぎながら叫んでるのにやめずにおどけながら吹き続けるボケ。


リコーダーを横に持ってタミルの笛はこんなだよー!!と叫んでるガキ。




「コラアアアア!!!!やめろおおおおおおおおお!!!!!!」




ようやくリコーダーを口から離した子供たち。

でも吹きたくてたまらなくて今にも口をつけそうだ。




「やめろよ。吹くなよ。先生が喋ってる時は吹くなって約束だよな?わかってるよな?吹くなよ?」




ピョイイイイ!!




1人吹くボケ。



そいつの近くに寄っていき何も言わずに睨みつける。


ニヤニヤしながら周りにおどけるガキ。











ふぅ、殴りたい。



このガキを今ここでぶん殴って泣かして晒し者にし、他の子供たちにルールを守らないとお仕置きが待ってるんだという社会の仕組みを身をもって教えたい。


それを理解しないまま大人になるからこの国は我慢の心や譲り合いの心を持たない人間で溢れてるんだ。





あー、マジでこの前の日記で体罰する先生とか信じられねぇって書いたけど、前言撤回だ。



体罰って今の日本では重罪だ。

ちょっと小突いただけで親が目の色変えて乗り込んできてあなたは教師失格だ!!と罵られて教育委員会に通報されて、よくわからんけど色々問題になる。


しかし40~50年前の日本では体罰なんて当たり前で、軍隊みたいに厳しかったからこそ規律があり、そうした教育を受けた人たちが真面目に働いて働いて日本の経済成長を成し遂げたんだ。


日本はストレスの多い国だと言うけど、そうした規律が日本の豊かさや治安を保たせているのは間違いない。





インドは今ガンガン経済成長している。

しかしそれは一部のエリートたちによるもので、ものすごく偏った成長だ。

国全体の底上げをするには必ず規律を守るという教育が必要なはずだからてめぇ勝手にリコーダー吹くなボケコラァァアアア!!!!!





「サー!!ウヒョウ!!タミルソング!!シング!!」



「ノーサレガマパダニサ!!ニューソング!!」



「ピーヒャラピーヒャラビイイイイイイイイイイイ!!!!!!」







今日できたこと。


リコーダーの持ち方、指の配置だけ。



でもそれも出来ない子が半分。


あとの半分は配置は合ってるけど穴がちゃんとふさげない。



つまり誰1人正しい単音すら出せないままカオスに終了。


こ、これは大変だ………………





「コズエさん、これちゃんと覚えますかね………………」



「が、頑張ります…………」




マジで1年はいないと何も出来ねぇわ…………

















今日の俺の授業はこれでおしまいで、最後に土曜日の特別な会があるということで見学させてもらった。


パーティメントという政治の議会を模した会を子供たちが行うもので、議長がおり、宿題をちゃんとやってるかなど、学校生活の改善点をみんなで発表しあうものらしい。









タミル語なので何を言ってるかわからないのでコズエさんに通訳してもらいながら見学。




「あ、今は宿題をやってるかどうかのチェックです。」



「あ、今は誰が給食をいつも残しているかというやつです。」



こうしてみんなで発表しあうんだけど、まぁただのチクリ合い。

足の引っ張り合い。



人間の醜さが全部見えるこきおろし大会だ。




「あいつはいつも宿題をしてねぇ!!」



「うるせぇてめーはいつも給食残してるだろうが!!!」



「残してねぇ!!先生!!あいつはいつも外でトイレしてるよ!!」



「してねぇ!!お前はクソだ!!あいつは朝礼の時にいつもふざけてる!!」



「してねぇわ!!」



「ウヒョオオオオオオオオ!!!!!」





醜すぎる……………

自分の非は潔く認めず、人のアラをチクリまくって責任逃れ。


いや、日本の小学校でもこんなだったかなぁ……………もうちょっとましだったような気がするなぁ…………





日本って小学校の時から道徳の授業がすごくたくさん行われている。

これってインドで活動しているコズエさんが言うにはかなりすごいことらしい。


他のインド隊員とのディスカッションでも話されるそうだけど、こうした道徳教育はインドではほとんど行われていないらしい。


つまんない科目だったけど、あれが俺たちの人格形成にいい影響を及ぼしてたのかなぁ。


教育ってマジでマジでマジで人間の基礎を作るものなんだなぁ。





先生怖い。

宿題してない子の手を木の棒でバシバシ叩く。









こいついつもは超絶浮かれポンチ。宿題まったくやらないから叩かれた。















今日はオートリキシャーに25人。すげすぎ………













学校が終わり、今日はコズエさんとベロールの町にご飯を食べに出かけた。


外食くらいインド人の友達と行ってもいいんだけど、彼らと行くと肉を食べるのも気を使う。
タミルナドの人はほとんどベジタリアンだから。




「コズエさん!!ジャンクなものを食べましょう!!なるべく体に悪いものがいいです!!化学調味料とか添加物がドップリ入ってて油まみれで1ヶ月放置してても腐らないくらい防腐剤ハンパないやつ!!オーガニックは嫌だアアアアアアアア!!!!!!!」




「それじゃあインドのファストフード店に行きましょう!!」




「すっごい体に悪いやつ食べたいです!!!」

















ハンバーガーが雑。




「ふぅー、まったく、何でこんなに歪んでてぐしゃぐしゃになってるの?もっとふうわり優しく作れないのかなぁ。だいたい俺なんてハンバーガー食べまくってきてるからね?主食?ってやつ?ホント参っちゃうよね、どうせこのチキンもマサラ味とかしちゃうんだろうね。クスッ。いやーマジ困るー、俺ほどのグルメになると困るー。ゆまちゃんのおっぱい触りたくて困るー。」













え……………?なにこれ………やだ、美味しい……………






美味しいいいいいいいいいい!!!!!!



フライヨー最高!!!(インドのファストフードチェーン)







「よし!!!コズエさん!!このままアレを探しましょう!!ラブホじゃないですよ!!困っちゃうな!!」



「あ、あれですか…………私……恥ずかしい!!」



「ふふふ………コズエさん……ずっと1人ぼっちで田舎の村にいてもうずいぶんご無沙汰じゃないんですか?思いっきりぶち込んじゃいましょうか!!デカイやつを!!!」






ハァハァハァ……………


興奮が止まらない…………


俺もずいぶんご無沙汰だったからな……………


もうどうやればいいのか俺もわからないけど…………



簡単なんだよ………ただ口に含めばいいんだよ、この大きなものを…………




ハァハァハァ!!!!!



もう我慢できない!!!!!



コズエさん!!!!!!






































死ぬかと思った。


口に入れた瞬間、後頭部が爆発するかと思った。


クラッカーみたいに脳髄が破裂しかけた。




連日40℃のインドで20日くらい飲んでなかったんだよ……………


この世にこんな美味しいものがあったなんて!!!!!!!!!















そしてたった1本で死ぬほど酔いました。


インドではビールは見つけにくいです。


そして町の人に不良と思われるから、あんまり人目についたらいけません。


特に今は先生してるので品行方正でいないといけない。
カデルファミリーも酒は嫌いなのでアラコナムでは飲めないし。



コズエさんも村の目があるから酒はやめてるとのこと。

まぁコズエさんはもともとあんまり飲まないみたいなので、フルーツジュース飲んでました。


でも今日はアラコナムじゃないし、ベロールの町だし、やりたい放題だぜこのズルムケ野郎が!!!





きゃあああああああああああああああ!!!!!!

美味しいよおおおおおおおお!!!!!!

楽しいよおおおおおおおおおお!!!!!!



このまま王様ゲームして最初は板東英二のモノマネするとかクソどうでもいい命令から始めて巧みにエロいほうにもっていって、最終的におっぱいをおっぱいをおっぱいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!







「金丸さん、私一応これでも公務員なのであんまりブログにマズイことは書かないでくださいね。」





はい!!!超すみません!!!

死んで出直しまっこりモッコリ!!


イエエエエエイイイイイイイイイ楽しいいいいいいいいい!!!!!


ヒゲ剃っていい!?ねぇ、店員さん!!そのヒゲ剃っていい!?




ビールとタバコイエエエエエイイイ!!!!!!




はい?タバコは外で吸えと?

これは失礼。




ぱいおつうううううううううあうううううううういいああああああああああマジシャンズレッドオオオオオオオ!!!!!!





















頭痛で死にそうになって帰りました。




コズエさんはちゃんと真面目です。



僕もそこそこ真面目です。




あー、久しぶりのビール、死ぬかと思った。






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