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結構へこたれそう

2016年2月29日(月曜日)
【インド】 コルカタ







ゆうべのこと。


水シャワーを浴び、疲れ切ってベッドにぶっ倒れたんだけど、お腹が鳴り出してトイレに走った。



やっぱり水しか出ない。
体力が落ち込んでいて体がダルい。






ヨロヨロと部屋に戻って横になったんだけど、寒気がしてきてタオルケットだけでは足りなくなってきた。




バッグから寝袋を出して体にかけて震えていると、今度は胸が苦しくなってきてトイレに走ってゲロを吐いた。


酒も飲んでないし、大食いしたわけでもないのになんでこんなに気持ち悪いんだ。



トイレから動けずにひたすら嘔吐し、部屋に戻った。

















朝になって目を覚ましたが、体のダルさがひどくてベッドから起き上がれない。

寒気がしてめまいがする。

なんなんだよこれ…………食中毒かなんかか?




これから26時間も電車移動するのかと思うとウンザリしてくるが、せめてもの救いは電車の等級が3Aというそれなりに高いクラスだということ。


これでジェネラルだったらマジで死んでたわ…………

















荷物をまとめ、宿を出ようとレセプションに行って鍵を返した。

愛想の悪い兄ちゃんともこれでオサラバだ。



すると珍しくこの兄ちゃんが俺に何か言ってきた。

インドなまりでよく聞き取れないが、どうやらこう言っていた。







「コピー、コピー。パスポート、ビザ。」







はぁ…………

おいてめぇ………

なんで今それを言う……………




この宿は建物の4階にある。

毎回はぁはぁ息を切らして登っているのに、今それを言われたらまた登って来ないといけねぇじゃねぇか。

前もって言ってればいくらでもコピーしてくる時間はあったのに。バカすぎるぞ。


このクソ体調の悪いときに…………











キレそうになりながら、部屋に荷物を置いて鍵を閉めた。


が、ふと猜疑がわいてバッグの中のお金を全部持って出た。


こうやって出発直前に荷物から遠ざけて金を盗む手口なのかもしれない。タイの宿で盗まれたときみたいに。





頭がボーっとして思考力が低下している。


警戒することは大事なことだ。

でもそんな風に周りの人間を疑ってると、どんどん心が荒んでいくのがわかる。



早く誰も疑わないで済むようなところに行きたい。
















サダルストリートに降りてネットカフェでコピーをとってもらい、またはぁはぁ言いながら4階まで上がってレセプションに叩きつけた。

荷物をとって宿を出ようとすると、その兄ちゃん、マリファナ?ハシシ?と言ってきた。


この後に及んで売人までするか。



無視して階段を降りた。












































バスに乗って6ルピー、10円でハウラの駅に到着。


そこまで暑くないのに、身体中から変な汗が吹き出してきてアゴを伝う。


うー、気持ち悪い…………最悪だ。












目の前には洪水のように行き交う人の波。

その足元で眠るボロ切れをまとった人。




ゴミがこれでもかと散乱し、建物は崩壊寸前で、人々はみな葉タバコから染み出した赤い液体を口からベッ!!と吐き出している。


























北インド、タフすぎる。



少し歩いただけで疲れてブロックに座り込んだ。

するとすかさず話しかけてくるオッさん。





「ヘイ!!どこに行くんだ!!」



「チェンナイですよ…………」



「チェンナイだったらあっちの新しいターミナルのほうだ!!1kmあるから俺がポーターしてやる!!」



「隣のターミナルまで1kmってどんな巨大な駅だよ……………そんなにないですよ、歩いて3分くらいです。」



「そうか!!じゃあ150ルピーで運んでやる!!どうだ!!」



「だから大丈夫です…………ありがとうね。」



「お!!ていうかこれはなんだ!!?ウオウ!!ヤベーー!!!!みんなこっちこい!!すっげぇぞー!!!!」





トロールを見つけた瞬間、大喜びして周りの人たちを呼びまくるおじさん。












インドではいつもこれだ。


まぁこのおかげで助かってる部分もあるけど。


トロール、ノルウェーまでたどり着いたらゆっくりしような。




















下痢して汗をかいていると脱水症状になると前回の病気のときに教えてもらったのを覚えていたので、なるべく水分を摂るようにしてるんだけど、そうするとすぐまたトイレに行きたくなる。




急いで駅の中のトイレに入ると、まぁとにかく汚くて、床はびしゃびしゃ、汚物まみれ。


ギターとバッグを置く場所がない。




誰かといれば荷物を見ててもらえるんだけど、これが1人の大変なところなんだよな。





ギターはなんとか壁に引っ掛け、バッグは仕方なく背負ったままでしゃがみこんだ。

バッグ背負ったままトイレとかしたことないよ…………

















なんとかトイレを終えてプラットホームに向かっているところで、体に電気が走った。


あ!!!iPhoneがない!!!


猛ダッシュでトイレに走る!!!!




さっきしゃがむ時に目の前の凹みのところに置いたんだ!!!

あああああ!!!なんてこった!!!このインドで!!!!!!





トイレに戻ると誰かが入っていた。

1分くらいしか経ってないので、俺の後に入った人がまだいるはず。



いや、もしかしたらトイレに入った瞬間、iPhoneを見つけてダッシュで逃げたかもしれない。


インドでiPhoneはかなり高額で売れる。





あああ……2ヶ国目でいきなりiPhoneなくすとかマジでネタにもならねぇよ………………










トイレのドアが開いた。

ガバッと中に入ると凹みにiPhoneが置いてあった。


すぐにiPhoneをつかんで外に出た。


本当、運がいいんだよなぁ。



























チェンナイ行きの電車は予定通り14時50分に走り出した。


3Aの車両は想像していたよりも普通で、スリーパーにエアコンがついているくらいのシャボいものだった。

ベッドもとても狭い。











でもエアコンがあるとないの差は大きいようで、スリーパーにいたような大騒ぎするガキたちはここにはおらず、みんな上品な大人たちばかりだ。

外国人だと面白がってからかってくるやつもいないので、それなりにリラックスできた。



力を振り絞って狭いアッパーベッドに上がり体を横たえた。












しんどい。

風邪ではないようだけど、倦怠感で体が敏感になっている。


身体中、汗と埃にまみれているし、トイレでは紙などなく水と手で洗わないといけないのでどうしても気持ち悪い。


不潔感は精神を滅入らせる。









明日の夕方までこの列車の中か。










あー、みんな元気かなぁ。

ちょっとホームシックになるわ。

へこたれそうだ。



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