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バラナシへ行こう

2016年2月23日(火曜日)
【インド】 バラナシ







「カッピーまたね!!いろいろ頑張って!!」




「今度はしばらく会えんなぁー。元気でなー!」




「フミ君元気でねー!!」







アラコナムの駅は地方都市の小さな町の駅とは思えないほどの雑踏に溢れていた。

朝の日差しだというのにギラギラと強く、プラットホームに続くボロボロの歩道橋の階段を登るだけで汗が吹き出してくる。



インド人の人波に乗り込まれそうになりながらもかきわけ、その向こうにカッピーたちが消えた。






















カッピーとマキちゃんはこれからバンガロールという町に移動して2日くらいして日本に帰る。


三軒茶屋にあるライブバーの四軒茶屋、中野新橋にある隠れ家的バーのモンド。

このふたつの経営をしているカッピー。




他にも周りの色んなミュージシャンの活動のコーディネートをしてあげていたり、とにかく忙しい男なのに、今度はなんとケーキ屋さんをやることになっている。



大阪のケーキ屋さん、フラワーの東京出店に当初から関わり、なぜかフラワーの東京支店を任されることになったという謎の展開。




カッピーがケーキ屋さんて(´Д` )




ほんと、どうなるかわからんもんやわ。









カッピー、ショータ君、俺。

何か面白いことをやろうって言って始まったこのトリオ。


これからしばらく離ればなれだけど、お互いにベストを尽くそう!!


じゃあね、カッピー!!























というわけで乗り込んだローカル列車。

3日前に空港からこの電車に乗ってカデルの学校まで行ったけど、今回は1人ではない。


天才写真家、ショータ君と一緒だ。





「いやー、フミ君とバラナシとかヤバそー!!ホンマ楽しみやわ!!」





4年前にあの優雅なパリで最初に会ったショータ君と、今こうしてインドのローカル列車の中でインド人たちに囲まれてるなんてほんと不思議なもんだ。















風が気持ちよくて、ゆっくりと窓の外でも眺めながら電車に揺られていようと思ったんだけど、そうもいかないのがインドの列車。


ボロボロなのはまぁ仕方ないとして、いきなり電車の中で爆音が鳴り響いた。







ドンドンドンドンドンドン!!!

パンパンパンパンパンパン!!!!


イエエエエエエイイイ!!!!


フオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!







な、なんだぁ!??!と驚いて振り向くと、真後ろでいきなり太鼓を持った男たちが超ハイテンションで演奏をおっぱじめた。


狭い車両の中で太鼓を叩きまくっているのでやかましいことこの上ない!!!


日本だったらやかましい!!何してんだ!!ってなるけど、そこはインド。


乗客たちが大盛り上がりで立ち上がり、ものすごい人だかりで電車の中がとんでもない混乱状態になった。

うるせええええええ!!!!






「イエエエエエエイイイ!!!!ヒュウウウウウウウウウ!!!!」



「イヤッフオオオオオオオオオオオオイイイイイイ!!!!!!」




「ビスケットー!!ビスケットー!!」






そんな足の踏み場もないほど隙間のないぎちぎちの車両に突撃してくるオッさんが売るのはビスケット。可愛い。


聞いてみたところ、なにやら今日はトレインデーとかいう特別な日らしく、それでこんなお祭り騒ぎをしてるんだそうだ。




おかげで乗客が溢れかえってしまい、この状態。















走ってる電車の壁に張りついてる………………

信じらんねぇ………………





















ショータ君と苦笑いしながら電車に揺られ、チェンナイのメインステーションから電車を乗り換え、空港へ向かう。





電車のドアから見えるのは、これぞインドという風景だ。


排水の悪い道路脇に汚水の池ができ、そこを裸足で子供たちが歩き、その横で黒く醜い野生の豚がゴミを食べている。


土と草でできた縄文時代みたいな家があり、崩壊寸前のコンクリの建物が傾き、バラック屋根のエリアは屋根が覆いかぶされ、その下で人々が蠢いているのが想像できた。



どうしても汚いものが目に入って驚いてしまうけれど、これがインドであって、何千年の営みの果ての完成系なんだよな。











ショータ君とそんな風景を電車から眺める。

そして、手に持ってるコーラのペットボトルを見た。


インドでは町でゴミ箱を見つけるのはなかなか難しい。

誰もゴミ箱なんか使わないからだ。



みんなポイ捨て。ポイ捨てがここでは何も悪いことではない。


むしろ捨てたほうがいいという印象すらある。




ゴミはそこらへんに捨てるものであって、分別して資源を有効活用しましょうなんて考えは、人々を見てる限り1ミリもない。


町がゴミ箱みたいなもんだ。







だとしても、やっぱりゴミを捨てるのは日本人としてキツい。

どんなに汚いところでも、ポイ捨てをしないことが先進国の人間の意地だ。


郷に入っては郷に従えとは言うけども、そこまで従うこともないはず。












でも、ショータ君と2人でコーラの空ペットボトルをドアから外に放り捨てた。

ペットボトルは線路の横に飛んでいき、そこでゴミの山の一部になった。



モヤモヤする気持ちと同時に、少し胸がスッキリしている自分がいた。


またなにかひとつ、タガが外れたような気がした。



















駅に到着し、チェックインカウンターへやってきた。

スパイスジェットという、一瞬でインドとわかる名前の航空会社。

やっぱり国内線は規則もゆるいようで、簡単にギターを機内に持ち込むことができた。






そして飛行機はあっという間にチェンナイを離陸してニューデリーに着陸。


ニューデリーには出ずにこのまま経由で別の飛行機だ。





















すんなり乗り換えゲートにやってきたんだけど、すんなりいかないのがインドの交通事情。

たとえ飛行機でもそう。




出発予定時間を30分過ぎてもゲートが開かずに、大量のインド人たちが行列を作っている。

もちろん列に並ばずに平然と1番前に割り込んでくるインド人もいる。


でも不思議なことにそれをみんな注意しないんだからすごいよなぁ。









待っている間に、ショータ君が隣にいたインド人の若者に話しかけた。


ショータ君はこうしてすぐに周りの人に話しかけて仲良くなる。


でもそれが現地の人との交流を狙った旅人的な行動ではなく、いたって自然なのがすごい。





ショータ君は世界中をカメラひとつで回っているアーティストだ。

旅人ではなく、仕事をし、各地で暮らしながら回っている。


海外での生活がしみついていて、外国人との接し方がものすごく自然なんだよな。


実際、話しかけた人とドンドン仲良くなっていく人間力もすごい。


これなら世界中に友達がいるわけだ。

























飛行機は1時間遅れでニューデリーの空港を飛び立ち、わずか1時間ちょいのフライトで着陸した。





空港を出ようとメインエントランスにやってくると…………



まぁ、ドアの外にいるわいるわ。



そう、客引きのオッさんたちが目をギラギラ光らせながら今にも突進してきそうな様子で待ち構えている。




「さて、ショータ君、行こうか。」



「よし、心の準備を整えて行こうか。」





覚悟を決めて、いざ北インドに進入。

ここはバラナシ。聖なるヒンドゥーの神の土地。






「タクシー!!チープ!!ノープロブレム!!」



「トゥクトゥク!!トゥクトゥクグッド!!メニーメニーグッド!!!ノープロブレム!!」



「ジャパニー!!コニチハ!!ノープロブレム!!ミヤサコデス!!」






2秒で客引きたちに取り囲まれた。


耳元でワーワーわめきたてられ、何言ってもノープロブレム。


お前の耳毛が1番プロブレムやわ!!






南インドでは人々が穏やかなのでこんなアグレッシブな客引きなんてほぼいなかった。




シンガポールからチェンナイ、そこからこのバラナシの駅前!!



カルチャーショックなんて生易しいもんじゃない。

うわぁああ……………またこの客引きたちのいる世界に戻ってきたのか……………




















あんまり遅くなると宿を見つけられなくなってしまうので、1分でも早く行くためにタクシーに乗ることにした。


ここからメインガートまでのタクシーの相場は確か1人300ルピーくらいのはず。500円くらい。


しかし客引きたちが口々にわめいているのは1人400ルピー以上の値段だ。

結構いい値段言ってきよる。




飛行機が1時間遅れたせいで、すでに時間は20時半を回っており、早く宿を探さないといけない。

インドで野宿なんて絶対にしたくない。







「カレーカレー!!バーモント!!ジャワ!!」




そこに現れたのはさっきショータ君が話しかけて仲良くなったインド人の若者だった。

困ってる俺たちの間に入ってヒンドゥー語でドライバーと渡り合っている。



心配しないで、僕もガートのはほうに行くからシェアしよう!と言ってくれる彼の名前はイブニーシュ。
頼もしすぎる!!!!






しかしバラナシの客引きはそう簡単なものではない。

インド人であるイブニーシュにすらボッタクリをかましてくるので、うんざりしながら色んなドライバーに声をかけないといけない。


最終的な値段は1人200ルピー。330円。




「いやー、高いよー。僕いつもウーバーとかオラーでタクシーを呼ぶんだけど、それだったら1人でも250ルピーで乗れるんだけどな。」




ネットで呼べるこの特殊なタクシーサイト。


なんと驚くことにトゥクトゥクもこのオラーで呼べるんだって。

それはマジすげぇ!!!

















イブニーシュと喋りながら走ること20分ほど。

タクシーはどんどん町の中に入っていき、ついにメインガートへの入り口であるジャンクションに着いた。



























うわあああああ!!!!!

頭が割れる!!!!!



タクシーを降りた瞬間、トゥクトゥクに轢かれそうになった。

どけやコラァ!!とクラクションが鳴らされる。




洪水。


車、バイク、トゥクトゥク、リキシャー、自転車、牛、牛、牛、ヤギ、人間、牛、猿……………




誰もがノーブレーキでジャンクションに突入し、俺の邪魔をするな!!とクラクションを鳴らしている。

譲り合いはしないのが基本。

とりあえずクラクション鳴らしながら突っ込んでいけば周りがよけてくれると思ってる。














「ぐおおおお!!!バラナシ来たねーーー!!!」



「来たって感じするねーー!!!」



「ナマハゲー!うっわ、マジ久しぶりっていうか元気してた?大阪だったよね!なんでやねん!つって。」





度肝を抜かれるほど流暢な日本語を喋ってくるバーモントが声をかけてきた。

これもバラナシっぽい!!!!!






とりあえずタクシーを降りた瞬間、前も来ていたラッシー屋さんに入ってそのままバングラッシーを飲み、宿に向かう。


バングラッシーってのはリラックス効果のある成分が混ぜられたラッシーのこと。

バラナシでは法的に認められている、いわば名物みたいなもんだ。

地元の人も日常的に飲んでいる。








































ガートの近くから細い路地に入り込むと、これぞバラナシという光景に出会える。



ジメジメした建物の谷間、人が2人も並ぶとギチギチの細い路地が迷路のように入り組んでおり、少し油断したらあっという間に自分がどこにいるかわからなくなってしまう。



どの建物もものすごく古く、何百年も前となにひとつ変わっていないんだろうと思わせる石のくすみやシミ。


ぼんやりと光る外灯が石畳を照らし、暗闇の向こうからインド人が次々と歩いてくる。


さらに曲がり角を曲がった瞬間、牛がどーんと立っていて路地がふさがっていたりする。



もう、マジで面白すぎるわ!!

やっぱバラナシすげぇ!!!


























そんな路地をかなり奥まで入っていき、階段を上り下りし、数百年前にタイムスリップさたんじゃないか?と思えてきたところで、宿に到着。


バラナシで泊まるならここしかない。


そう、久美子ハウス。















30年前、まだバラナシが外国人バッグパッカーたちにほとんど知られていないころから存在する伝説の宿で、おそらく世界最強の日本人宿だ。


ここに来れば普通の宿にはいない若干頭のネジが飛んだ、ヒッピーという名の社会不適合者たちに出会える。





「いやー、前回バラナシに来た時はサンタナに泊まってみたんやわ。日本人宿は初めてやったけど色々めっちゃ引かれてもうて大変やったんやわー。まさか久美子ハウスに来ることになるとはなー。」





サンタナは健全な大学生とかが行く日本人宿、久美子ハウスはこれぞインドの旅人たちってやつらの溜まり場。
そんな感じだ。














久美子ハウスに入ると、まず入った瞬間、久美子さんが目の前で寝ている。


この衝撃に耐えられなかったら久美子ハウスに泊まることはできない。




「あー、いらっしゃいー…………ドミなら3階ねー………おやすみー……………」




俺たちのことロクに見もせずに、また眠りにつく久美子さんは60歳後半くらいのおばさんだ。


帳簿もなにもとらずに勝手に入って寝て、という極限のフリースタイル。


マジでハンパじゃない。














細い階段を3階まで上がるとそこにドミトリーフロアーがあり、みんなそこで雑魚寝をする。


ただ2年前に比べてベッドが増えてる気がした。

ベッドといっても油断したら転げ落ちてしまいそうなほどの小さなものだけど。







若者たちのカッコつけた格言が日本語やハングル語で壁に書かれている。

何十年も前のものもある。


みんなここでバラナシの魔力に虜にされてきたんだろうな。





「ああぁぁぁあああ~~どうもおおぉぉぉ~……………今着いたんですかああああ~~……?」



「ああぁぁぁ、こんばんは~~………あはぁ~…………」





ドミトリーの中には面白そうな人たちが4人ほどいた。


いやー、絵に描いたようなインド旅人だ( ^ω^ )




この面白メンバーについては明日また詳しく書くとしよう。















屋上にあがり、夜のガートとガンジス川を眺めた。

夜気が肌にへばりついてくるようにねっとりしている。

目の前にはたゆたう静寂のガンジス川。

あそこにどれほどの死体が流れているのか。





さて、久しぶりのこれぞインドを味わうぞ。

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