2016年2月17日(水曜日)
【シンガポール】 シンガポール
今日はちょっと場所を変えてみようとチャイナタウンに行くことにした。
昔イクゾーが開拓した町で、シンガポールの中でも英語が通じにくいかなりローカルな中国人エリア。
イクゾーはショッピングモールを繋ぐ連絡通路の上で歌っていたけど、チャイナタウンには他にも人の歩く通りはいくらでもある。
それに現在はチャイニーズニューイヤー。
たくさんの人で賑わっているだろうし、彼らはだれかれ構わずお年玉袋をバンバン配りまくっているのであがりも期待できる。
ジョジョ!?
というわけでやってきたチャイナタウン。
駅を降りた瞬間、あちこちに中国語の漢字が広がっており、究極の先進国シンガポールにあってとてもローカルな空気が漂っている。
街中ではスーツやドレスのイカした人々ばかりだけど、ここではラフな格好をしたオッさんおばさんが多い。
お店も漢方とか数珠とかそんな中国的なものが目につく。
とりあえずご飯食べようとショッピングビルの中のフードコートにやってきたんだけど、とにかく値段が安い!!
どれも3ドル以下のものばかりで、高くても5ドルくらいだ。
他のエリアに比べて2ドルくらい違う。
ワクワクしながらテキトーにオカズ指差しのお店でワンミートツーベジのプレートを注文。
唐揚げうまっ!!!
でも太いモヤシかなと思って指差したオカズが、なんかもにゅもにゅしたコンニャクみたいなやつで美味しくなくて食べられなかった。
オカズがめっちゃたくさんあるんだけど、味が想像できないからハズレてしまうことがあるんだよなぁ。
でもこれで300円。
よっしゃ、早速やってるか!!とやってきたのはここ。
このモールとモールを繋ぐ連絡橋。
その名もイクゾーブリッジ。
別にどこでやってもいいんだけど、懐かしいしここでやってみるか。
なんか話ではあれからイクゾーがここで歌いすぎたせいか、地元の中国人のオッさんが来るようになって楽器演奏を始めてしまい、やれなくなったと聞いていた。
とりあえず今日はいないみたいだ。
2年も経てば色々変わるよなー。
橋の真ん中でギターを取り出して歌った。
風が強くて楽譜がめくれてしまい、ようやく今回楽譜を止める洗濯バサミを持ってくるのを忘れていたことを思い出した。
洗濯バサミは路上には必須アイテム。
きっと他にもいろんなものを忘れているだろうな。
これからどんどん海外仕様に体も装備も整えて変えていかないと。
5000円のパールギターも1年以上ほったらかしていたせいでスネた音しか出してくれてなかったんだけど、最近になってようやく3弦が伸びるようになってきた。
今回の旅もよろしく頼むよ。
しかし、どうもお金が入らない。
人通りは申し分ないんだけど、まったくもって反応が悪い。
あれ、なんでだろ。
シチュエーションは完璧なはずなんだけどな。
ポツポツと入りはするが、これではどうにもならん。
んー、イクゾーが見つけたこのイクゾーブリッジ。
不動の稼ぎ場であって欲しいんだけどな。
やっぱり安定のドビーゴートに移動することにした。
日差しが照りつけるドビーゴートの石段はやっぱり安定してお金が入る。
しかし面白いことに稼げる時間帯があって、だいたいこの場所では13時から17時までが反応がいい。
18時から仕事終わりの帰宅ラッシュが始まって人通りがドバッと増えるんだけど、こうなるとみんな足を止めなくなってしまう。
シンガポールは日中は暑いからパフォーマーたちもだいたいこの帰宅ラッシュの時間帯に合わせて路上に出ているようなので、みんな見慣れてしまっているんだろう。
毎日毎日路上パフォーマーを見ていたらよほど目立つ人でなければ風景の一部になってしまうんだよな。
俺もさすがに毎日ドビーゴートでやりすぎている。
ちゃんと場所を変えながら飽きられないようにやらないとな。
明日は違う町でやってみよう。
ていうか本当は今日も違う町でやってみるつもりだったんだけど、またドビーゴートにやってきたのはちょっとした約束があったから。
この前話しかけてきた若者が水曜日の20時にまた会いに来るよ!と言っていたのだ。
ザックっていうシンガポリアンの大学生。
そんなのほんの口約束。
こういう場合、来ないことがほとんどだ。
律儀に守る必要なんてない。
俺は旅人だし、気分で場所を変えるときもある。
ネットがないんだから連絡のとりようもないし。
よーし、そろそろ帰ろうかなー、とギターを置こうとする。
そうそう、来るかどうかわかんないやつを待っとくことなんてない。
でも、時計を見ると19時。
もうちょっとしたら20時か……………
どうにも気になる。
ただの口約束なんだから待つことなんてないんだよなぁ。
でもやっぱり気になる。
もしあいつが本当にここに来て、俺がいなかったら俺のことを約束を守らないやつって思うだろう。
それか何か用事が入ったんだろうなって想像してくれるか。
約束を守ることって難しいけど、なるべく守りたいよな。
「ハーイ!フミさん!!どうもです!ご飯買ってきたから向こうに座って食べましょう!!」
20時ちょうど、ギターをしまってそろそろ行こうかなと思っていたところにニッコニコしながらザックがやってきた。
手にお弁当の入った袋をさげて。
あー、よかった、さっさと帰らなくて。
「僕は将来はアップルみたいな世界を変えるITの会社を作りたいんだよ!!」
大学でビジネスの勉強をしているというザック。
きっと優秀なシンガポリアンになってこの国の経済を支えていくんだろうな。
それからチャンギに戻っていつものように今日のあがりを数えた。
今日はなかなか渋くて155ドル。
しかし気がつけば、毎日歌っていたことでいつの間にか財布の中のお金は10万円を超えていた。
日本から持ってきたのは2千円だったのに。
7日間で生活費を抜いてこれなら大したもんだよな。
本当に、これからバスキングの旅をしようと思ってる人に言いたいのは、いきなりシンガポールとかオーストラリアとか台湾とか、確実に、そして大量に稼げるのがわかっている楽勝な国から始めたらなにも面白くないってこと。
俺は今回はインド前の貯蓄という目的で来てるけど、これが世界一周の最初だったら、いきなり大金を貯められてしまって全然苦労がない。
いまやバスキング旅もかなり一般的になってはいるけど、みんな同じようなところにしか行かないのが見ててつまんないんだよな。
後進国に行ったらほとんど路上に出ないし。
ゾロさんみたいに、金がなくなったら稼げる国に戻ればいいやんー、っていう潔い考え方はもはや気持ちいいけどね。
村上ショーさんとか、1回動画見たけどめっちゃ上手い。歌もギターも俺なんかよりよっぽど上手いし、日本語の曲のみ、それもオリジナルメインで勝負してるってところは尊敬に値する。
あの村上ショーさんが中南米でどう歌うのか見てみたいんだけどな。
逆に40位くらいにぼっちシンガーっていう人がいるけど、その人はアフリカの、それも旅人が恐れて町に一切出ないと言われるヨハネスブルグとかダルエスサラームとかの超危険地帯で現地のアフリカ人に揉みくちゃにされながら路上をやってる。
すげぇっていうかここまでいくとよくわからん(´Д` )
今回俺もアフリカ行くけど危険だと判断したら絶対にやらんとこう。
やっぱり俺も路上パフォーマーなので、他のバスカーのブログは面白いので結構見る。
今俺が読んでて思う1番素敵な路上パフォーマーはシミ君。
路上漫画パフォーマンス。マジで新しい。
しかもそれが誰かの真似ではなくて、数々の失敗や模索、試行錯誤の上で確立されたスタイルだからこそ価値がある。
旅も攻めまくりで面白いし、あのブログがいつも30位前後なのが不思議でならんわ。
2人でふたりさんが帰国して、もう俺がいた当時の旅人さんはほとんどいない。
ダンボーさんも帰国してサラッと綺麗にランキングから姿を消した。
次はどんな面白い旅人が出てくるんだろうなー。