2015年2月15日(月曜日)
【シンガポール】 シンガポール
チャンギのフードコートでこの写真を日本にいるカンちゃんに送ったら、発狂しそーーーー!!というメールが返ってきた。
バリにずっと住んでたカンちゃんはインドネシア料理が大好き。
これって何て料理なんだろ?
ナシなんちゃら?
カンちゃんが言うにはサンバルってやつみたい。
今回の2人旅は俺の大好きな場所に多く行くことになると思う。
後半でアジアに戻ってきて、カンちゃんの大好きなバリに行くかはわからないけど、もし時間があって可能なら、カンちゃんが暮らしていたバリのローカルを2人でバイクに乗って回れたらなんて素敵なことだろう。
カンちゃんが大好きなご飯をカンちゃんの行きつけだったレストランで美味しいでしょ!って自慢されながら食べてみたい。
2人とも海外を回っていた旅人。
持ってるネタはたくさんあるよな。
ヨーロッパに行ったらケバブいっぱい食べようねカンちゃん。
さて、今日も新しい場所を開拓してみようとチャンギから電車に乗り込んだ。
やってきたのはドーバーという駅。
ここはシンガポール国際大学という1番大きな大学をはじめ、色んな学校が密集している学生エリア。
シンガポールで路上をやってみて思うのは、若者たちの好奇心がとても強いこと。
今や世界に大いに開けているこのシンガポールで、大学に行き、様々な人種と交流しているエリートの彼らは本当の意味での国際人だ。
海外のことにとても興味があり、路上をやっててもどんどん話しかけてきて、旅の話を興奮しながら質問してくる。
いつもやってるドビーゴートの石段もアートスクールの学生たちとの交流が楽しいんだよな。
というわけでユニバーシティエリアを攻めてみることにした。
結果、ユニバーシティエリアはまったくダメだった。
ドーバーの駅を降りた瞬間、大学への連絡通路が始まっており、すぐに敷地内になる。
イメージでは駅の周りに大学生の集まるレストランとかショップが固まっており、大学生街が出来上がってるんじゃないかと想像していたんだけど、大学自体、かなり郊外にあって周りは道路が走っているだけの寂しい雰囲気。
なんにもない。
大学の中に入ってみればとても路上なんて出来るロケーションじゃない。
それでもどこかにいい場所があるんじゃないかと、すさまじく広大な敷地を歩き回った。
ここはシンガポール国際大学だけじゃなく、様々な種類の大学が密集しているユニバーシティタウン。
とにかくエリアが半端なく広大すぎる。
駅が3つくらいあるし、無料バスもあちこち走ってる。
どっかに歌える場所ないかなぁと、ひたすら歩き回ってみるんだけど、まず学生たちがまったくいない。
今はまだ授業中なのか…………
かろうじて敷地の中に、巨体なアパートエリアを見つけた。
いくつものレジデンスがドゴンドゴンと建っている場所で、学生とか職員さんとかが住んでいるんだろう。
入り口の広場にはレストランが固まっており、おそらく夕方から学生たちで賑わうはず。
でもこんな敷地の中でバスキングなんて出来ないよなぁ。
セキュリティの見回りすっごい。
地図を睨みつけると、大学と大学をつなぐカレッジリンクロードって細い通りがあったので、ここは学生たちがいっぱい歩くはず!!!うおおお!!!頑張るぞおおお!!!と根性で汗だくになりながら歩いてって来てみたら、ただの車道。学生皆無。
いい加減疲れすぎて、ヘタヘタと日陰に座った。
いやー、まだ大きなキャリーバッグをエッちゃんの家に置かせてもらってるからいいものを、これで全部持って歩くのはきついだろうなぁ…………
なんか朝から右手が痛いし…………
肌が敏感になってて、風が吹くだけでも痛い。
勘弁してくれよ………
この2年くらい風邪ひとつひかないほど体調良かったのに……………
それからも根性で歩いたが大学の敷地内にはやれそうな場所はなかった。
疲れ果てて駅にたどり着き、手ぶらで帰るわけにはいかねぇと、通路でギターを取り出す。
せめて50ドルは稼いでやらねぇと気がすまん!!
シンガポール病院って書いてる看板の前でギターを思いっきりストローク!!!
………しようとしてピックが6弦に触れた瞬間、警備員登場。
「ハーイ、ここでパフォーマンスしたらいけないよ。向こうに行ったら大学だからそっちでやるといいよ。」
「今行ってきました………やるとこないんです……………」
「そうかそうか、オーチャードの地下道に行くといいよ。あそこは他にもたくさんのパフォーマーがいるからね。」
おとなしくギターをしまって電車に乗り込んだ。
シンガポールの人たちはみんなオーチャードの地下道に行くといいよって言う。
あそこが1番の街のど真ん中だし、地元の人も観光客も多いからだ。
日本のデパートである高島屋があるんだけど、その地下にはかなり複雑な地下道が張り巡らされており、バスカーたちの激戦区になってる。
バスカーだけならいいんだけど、シンガポールでは身体障害者で路上活動してる人が多く、ティッシュを売ったりパフォーマンスとも言えない下手な楽器演奏をしている人がたくさんいる。
だいたいそういった人たちが街のいい路上ポジションを占領しているので、新参者は彼らの邪魔にならない所を探さないといけない。
彼らは自分たちのポジションか脅かされるのを極端に嫌うので、ソッコーで警察に通報されてしまう。
シンガポールの路上ポイントは他にもブギス、そしてクラークキーが一般的。
どちらも大道芸の割合が多く、日本人のパフォーマーも結構いる。
タンピネスやベドックなんかの郊外の住宅エリアでも、ショッピングモールの前にはだいたい地元のミュージシャンが陣取っていたりする。
俺が知らないだけで、他にもポイントはあるんだろうな。
なんとか新しい、いいポイントを開拓したいんだけどな。
しかしあんまり悠長なことは言ってられない。
シンガポールの滞在はあと5日。
インドに向けてしっかり稼いでおかないとカレー屋にならないといけなくなる。
てか怖っ!!!インド行くの俺!?
今度はお金盗まれないように気をつけないとなぁ。
というわけで、急いでやってきたのはいつものドビーゴート。
わざわざ激戦区の中に生音で突入するなんてアホのすること。
自分の演奏が活きる場所でやるのが路上のコツだ。
ここは他のパフォーマーはいないし、注意もされないし、雰囲気もいい。
目の前が車道なので少しうるさいけど、人通りは多いし、後ろがアートスクールなのでクリエイティブなやつらと友達になれる。
本当にいい場所だ。
17時からスタートし、19時まで。
夕方からだと気温も下がるので日中にやるよりだいぶ涼しかった。
持ってきたCDも売れて、とてもいい感じ。
「あれ!?もしかしてあなた、フジですか?」
横で聞いていたシンガポール人の兄さんがいきなりそう聞いてきた。
「え?違いますよ?」
「じゃあ、フジって人知りませんか?日本人で、2年前にここで歌ってたんです!!あなたみたいに!!」
「フジ………?うーん………わからないなぁ………イクゾーじゃないくて?」
「あ、フェイスブック知ってるから見せるよ!!この人!!」
そのフェイスブックページを見て納得した。
なるほど、アツシ君か。
フジイアツシだからね。
ていうかアツシ君ここでやってたんだね!!
思いがけない話が聞けて嬉しかった。
それにしても、このドビーゴートの階段。
いつも世界一周してるっていう日本人ギター弾き語りがいるよね?って思われてそうだな。
今日は2時間やってあがりは122ドル。
疲れた…………体力落ちてるなぁ。
チャンギに戻り、路上で差し入れでもらった手巻き寿司を食べた。
日本にはないアボガドとかなめ茸なんかが入った不思議な味の手巻き。
残り4日。
どんな出会いが待ってるかな。