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長崎で1番行きたかったところ


2016年1月7日(木曜日)
【長崎県】 長崎市








目が覚めてリビングに行くとすごい景色が広がっていた。














大きな窓ガラスの外に長崎の海が朝日をおだやかに浴びて光っており、水平線の向こうから小さな漁船が帰ってくる。

その後ろにのびる船跡が海面に線を引き、しばらくしてからまた消えていく。

何かわからないけど養殖のいけすがポツポツと浮かぶ。



それらの小さな飾りつけが長崎の海を美しくしていた。













「コーヒーがいい?お茶がいい?何時に出て行く?朝風呂は入りたいたいわよね?」




今日も元気な麗子さん。
美味しい朝ごはんとコーヒーをいただいて、またお昼に落ち合う約束をして家を出た。



今日はちょっと用事があるので午前中は1人になりたかった。


























そこから車を走らせてやってきたのは長崎市の南にある小さな町。


大きな橋がかかっており、海の向こうの島とこちらを繋いでいた。


橋を渡りながら海の上で左手を見ると、すぐ向こうにギザギザとした人工的な島が見えた。













あれは軍艦島か。

かつて炭坑で栄えた廃墟の島。

鉄筋コンクリートのアパートや建物が島中に建っており、その姿から軍艦島と呼ばれるようになった。



少し前までは廃墟フェチの聖地というくらいのマニアックな存在だったけど、今では世界遺産に登録されて観光船も運行。一部島に上陸することもできる。





廃墟という秘められたものに群がる心理。

冒険心をくすぐられるんだよな。





開け放った窓から海風が吹きこんで、懐かしかった。



















海に浮かんだ伊王島という、ほんの小さな島の1番奥まで行ってみると灯台の看板があったのでそこに向かってみた。

田舎の細い生活道路をクネクネと曲がりながら林の中を進んでいくと、ぱっと視界が開け、小さな駐車スペースがあった。





車を降りて、のんびり歩いた。


突端にいるのでやはり風が強く、少し肌寒い。




















歩道がカーブしながら海の中に続いており、その先に灯台があった。


水平線に浮かぶような白亜の灯台。



小ぢんまりとしていて、古びてくすんだ白が、まるで何かの物語の中の光景みたいだった。









そこに愛媛県の南海放送ラジオから電話がかかってきて、生出演の電話をした。


「金丸さーん!今はどちらですかー!?」



「長崎の小さな島にいますー。海の向こうに軍艦島が見えますよ。」



「うわ、すごい風ですねー!風の音がすごい!」



こんな風の強い場所で生電話をするなんて悪いことしたかなと思ったけど、そのあと俺のストーミーサイレントをかけてもらったので、歌詞の流れと風の音がバッチリ合ってて我ながらいい演出だったと思った。





電話を終え、しばらく灯台の下で海を眺めていた。
























伊王島のささやかな漁師町を走っていたら、いきなり不思議なものを見つけた。


防波堤、漁船、小さな瓦屋根の民家が並ぶ日本の原風景の中に、大きなキリスト教の教会がたっていた。

おお、すごいな、この違和感。















長崎は外国文化をいち早く受け入れた土地なので、古くからキリスト教を信仰する民衆が多く、さらにはお殿様までキリスト教に改宗するキリシタン大名までいた。

長崎は日本におけるキリシタン王国だった。




しかしキリスト教は殉教を許さず、外国文化の流入もあり、時の権力者たちはキリスト教の弾圧を行う。

拷問されたり、流刑に遭ったり、ひどい目に遭わされたんだけど、人々の中の信仰心はすでに弾圧でどうにかなるような段階ではなくなっており、民衆は人に見つからないようにこっそりとキリスト教を信仰することにした。

これが隠れキリシタン。


彼らは数百年の間ずっと隠れてキリスト教を信仰し続け、明治維新後にようやく信仰の自由が認められて晴れて堂々と十字を切れるようになった。



しかし数百年のもの間、ひっそりと隠れての信仰していたことでキリスト教の形態も少しずつ変わり、神道や仏教と混ざり合い、日本独特のキリスト教を作り出していった。

それもまたすごく面白い。




長崎にはこうした独特なキリスト教が今も息づいており、古い教会が県内のあちこちに散らばっている。

有名な大浦天主堂は国宝に指定されている。



















思わず車を止めて教会への階段を登った。

民家の軒先を通るような細い階段を上がっていくと、結構立派な教会にたどり着いた。


曇天の空にそびえる教会の前面には思いっきり日本語で、天主堂、と書いてあった。




















ドアに手をかけるとすんなりと開いた。

中に入ると、ひんやりとした静寂が滴っていた。


長椅子が整然と並んだ奥に祭壇があり、キリストがいた。





世界中の教会に行ってきた。

都会の教会、田舎の教会、潰れた廃墟の教会で野宿したり、出会った人たちに何回もミサに連れて行ってもらった。

イエスが生まれた場所にも行ったし、イエスが十字架を背負わされて歩いた道も歩いたし、イエスが死んだとされる場所に建てられた教会で様々な人種の人たちに混じって跪いた。



聖歌の歌詞は当たり前だけど、その国によって違い、韓国で聖歌を聞いたときはなかなか面白かった。












海を越えて、この地球のかなりの大部分がキリスト教を信仰している。

イエスは神の使いで、死んだあとに復活したこととか、そんなおとぎ話を信じている。
心の底から。


こんな童話みたいな、不思議な話を。



もはや宗教ってなんだろう?なんて幼稚はことは考えないけど、人間を知れば知るほどに宗教がさらに遠いもののように思えてくる。

人間の生活に密接なものではあるけど、だからこそ遠くて、触れられない別の次元のことのような…………




うまく表現できないな。


とにかく、誰もいない静寂の堂内で1人でじっとキリストを見つめていたら、頭が混乱しそうになった。





なんで人はこんなに脆いんだろうな。





























それから長崎市内に戻り、麗子さんと落ち合って麗子さんが1番好きだというちゃんぽんのお店に連れて行ってもらった。












僕ね、ちゃんぽん超好きなんですよ。

マジでリンガーハットに就職したいくらいです。

最近リンガーハット、麺の1.5倍、2倍が無料でできるんですよ?


もう奇跡です。リンガーハットは奇跡。





んで長崎に来たならばちゃんぽんは100パーセント食べるわけですけど、中華街に行けばいくらでもちゃんぽん食べられます。

なんならちゃんぽん発祥のお店とかあります。

クソ高いですけど。



昔1人で発祥のお店に食べに行ったことありますけど、まぁ値段が高いのでそんなに感動しなかったですね。









それに比べてリンガーハットのちゃんぽん、600円くらいですからね。

店舗によって値段が違うので、安いとこだと550円です。
麺1.5倍で。

マジリンガーハット、東洋の奇跡。





「もうね、中華街のちゃんぽんなんて食べたらいかんったい。地元の人はもっと小さな美味しかとこに行くとよー。」






出てきたちゃんぽん!!












うおおおおお!!!!!

具沢山ーーー!!!!!

なにこのスープのコクと旨みーーーー!!!!!




やっぱりちゃんぽん最高だね!!












お昼を食べたらここで麗子さんとはお別れ。

麗子さん!ありがとうございました!!!

またどこかでお会いしましょう!!

麗子さんだったらまた海外のどっかで会いそうだなー( ^ω^ )
























1人になって長崎の市内に戻り、やっとのことで駐車場に車を止めた。

長崎は山に囲まれた小さな入り江に広がる町だ。

土地がとにかく狭いので駐車場がないし、どこも高い。


結構中心部から離れたところで24時間900円。これが最安くらいかな。









車を止めたら早速町を歩いた。






















寺町通り、古い石造りのアーチ橋がかかるレトロな通りを抜けて、坂道を登る。

長崎は土地がないので山の斜面にびっしりと民家が敷き詰められており、その隙間を縫うように小径が伸びている。


それが坂の町長崎の由縁で、ノスタルジックな旅情を作り出している。























長崎市とえば原爆公園やグラバー邸、出島公園、稲佐山の夜景などなど、1日ではとても足りないくらいの観光地がある町。

でも今日はあそこだけでいい。

脇目も振らずに坂道を登った。

















ボロボロの廃屋や古いコーポなんかがある山の中腹。
まるで迷路のように小径が入り組んでいる。


景色はいいがこんなに路地が入り組んでたら車も入れないし、山の上なのであまりに生活が大変で、年々人々は生活の場を平地に移している。

昔に比べて長崎も高いマンションが増えたそうだ。

そのどっかに福山雅治も住んでるらしい。








確かこの辺りだよなーとキョロキョロしていたら、ふと目の前にそれは現れた。










亀山社中フォオオオオオオオオ!!!!!!











そう、幕末に龍馬たち脱藩者たちが集まって作った日本最初の商社!!

歴史好きにはたまらない場所!!!!



うおお…………ここで龍馬たちがグラバーさんから武器やら船やら買ったりして商売していたのか…………




詳しいことはまぁこのブログの読者さんたちならご存知だろうから割愛。










ドキドキしながら歴史を感じる屋敷の中に入ると!!!!!



あ!!り、龍馬がいる!!!!!

あの有名な袴姿の龍馬!!!!





「きゃあああああ!!!龍馬さんー!!!!!」



「来てくれて嬉しいきに!!」



「きにって言ったしいいいいい!!!!!」





興奮する俺をニコニコして見ている受け付けの女の人に300円耳揃えて払う!!!




「ここで写真撮れるきに!!」



「きゃああああああ!!!!撮るううううう!!!!!」




部屋の中に有名な龍馬の写真のセットが置いてあり、そこで龍馬から写真を撮ってもらえるというナイスサービス!!






ミーハー!!!!












「り、龍馬さんのも撮りたいです!!!龍馬さんと龍馬さんのツーショット撮りたいです!!」



「それでは……………ご無礼つかまつるきに!!!」














ポージング慣れすぎ。













いやぁ……………取り乱しました……………





顔が売れて京に居づらくなった龍馬たちはここ長崎に拠点を移し、日本開国と大政奉還、そして国力を上げて列強に立ち向かうために若い力を集結して活動していた。

たかが30歳そこそこの若僧たちが本気で国を憂い、実際に国を動かしてみせた。



そのパワー。
信念、覚悟。


龍馬はいつも勇気をくれる。

新しいことにチャレンジするのに人の目を気にしていてはいけない。


みんなに笑われようと、自分を信じて突き進んでいけば、たくさんの人が協力してくれる。



視野を大きく、あの海の向こうのことを思い描くくらい大きく持つこと。

そうすれば目の前の小さなことなんてたやすいもんだ。





















亀山社中を出て少し歩くと、見晴らしのいいスペースに龍馬のトレードマークであるブーツのモニュメントが設置してある。


ブーツに足を突っ込んで、船の舵をとる。


自分の行く先は自分で決めるぞ。






















































龍馬おりすぎ。















大満足で長崎観光を終わらせたら、あとはやることはひとつ。

夜に向けて長崎の飲み屋街である思案橋にやってきた。


行こか戻ろか思案橋。












かつてここにあった橋の名前だけど、向こう側は遊女たちのいる華やかな夜の町。

こっち側は家族が待つ家。



男たちはみんなこの橋で家に帰るか遊びに行くか思案したという、なんとも粋な名前の飲み屋街だ。




たった今、龍馬の魂に触れた俺はどうするか。

ふ……………ここで退くわけないじゃないか。


男だったら行く道を行くのみ!!
己の心の声を従うんだ!!

いざ!!橋を渡ってピンサロへ!!










あ、長崎、風俗ないんだった。
健全っすね、チュっす。















これまた路地が入り組む迷路みたいな飲み屋街。

かなり細い小径があっちこっちに伸びていて、グーグルマップがなかったら一瞬で迷子になってしまう。

その小径の両側にズラリとスナックが並んでいて、ものすごくいい雰囲気だ。


大きな飲み屋ビルはあまりなく、ほとんどが古びた昔ながらのスナックばかり。

いやー、本当長崎は旅情の町だ。





















だいたい目星をつけたら、ひとまずご飯を食べに行くことに。


「おーい!フミちゃーん!こっちこっち!!」


待ち合わせしていたのは長崎の友達であるナナちゃん。

ぽっちゃり、というなかなかのおデブさんなんだけど、とっても明るくて優しくて思いやりがあり、いつも友達の真ん中にいる人気者だ。


俺もナナちゃん大好き。





「さて!ご飯何にする?トルコライスの有名やけんそこばいきんしゃる!?」



早口で長崎弁バリバリだからめちゃくちゃ面白い( ^ω^ )




「あ!!ここも有名なお店たい!!ここのパフェ見てこれ!!126センチもあるったい!!いやー、1人で食べてみたかー。」










嬉しそうな顔して鬼みたいなパフェを食べたがってるナナちゃん。
かわいいなぁ( ^ω^ )























































しょうもな………………






















やってきたトルコライス屋さんは41年続く老舗で、地元の人たちが来るところだった。

ナナちゃんいわく、大人のお子様ランチって感じ。

カレー、トンカツ、スパゲティ、サラダがひとつのプレートに盛られた料理だ。



なかなかボリュームがあって吐きそうになりながらもなんとか全部平らげた。

















食べすぎたからどっかでコーヒーでも飲んでゆっくりしようとカフェに行くと、平然とフレンチトーストを注文するナナちゃん。



「ナナちゃん、すごいね……………」



「えー?こんなん普通ったい!!最近はお父さんにマツコって言われとるけんね!おーいマツコーってうちのこと呼ぶったい!!ウケるー。」



「そ、そうなんだね、いやー、ナナちゃんは面白いなぁ。」



「iPhoneで写真ば撮ろうと思ってカメラを起動するったい?そしたらたまにカメラがインカメラになっとって自分の顔の映し出されるやろ。あれ萎えるばい。」







ナナちゃんはみんなの人気者だから男友達も多くて、あまりに仲がいいからその男友達の彼女が、私とナナちゃんどっちが大事なの!?って怒ることがあったみたい。


その時、その男友達がこう言ったらしい。



違うんだよ!ナナちゃんはね、ただのドラえもんなんだよ。だから大丈夫なんだよ!



ひ、ひどい…………ひどいけど爆笑………………





「ひどかろー?せめてドラミちゃんって言って欲しかー。」




ナナちゃん面白いなぁ( ^ω^ )




















そんなナナちゃんが見守る中、飲み屋街に移動して路上をやった。


思案橋でやるのは本当に10年ぶりくらい。

前にどこでやったか忘れたけど、今はもっと場所選びも演奏も上手くなってると思う。




大好きな長崎。

ゆっくり、丁寧にギターを鳴らして歌うと、すぐにお金がギターケースに置かれた。


いやー、さだまさしのウケることウケること。


長崎、遠いけど定期的に来たいなぁ。


















かつて龍馬がここで外国人と渡り合ったように、ただの憧れではなく、外国を舞台に何を出来るようになっていきたい。


インドに渡る前に来られてよかった。














お知らせ!

インド出発までのライブですが、まず次が兵庫県。

1月19日(火曜日)
三田市『Bar ニューオリンズ』
(南ヶ丘 1-17-38)
19時オープン
19時半スタート
1500円(ドリンク別)





次が東京品川のカフェでのライブですが、こちらは完売いたしましたので締め切らせていただきます!
マジでありがとうございます!!!






次に1月25日(月曜日)に、旅出発前の飲み会したいと思います!!

誰でも参加オーケーです!!

場所は東京三軒茶屋のバー、四軒茶屋です。

20時から飲み放題、軽食付きで3000円です。

東京で遊んだみんな、しばらく日本離れるので飲もう!!!






最後が山口県岩国市。大好きな町で思いっきり歌ってその2日後には飛行機です!!

2月7日(日曜日)のお昼過ぎくらいから夕方にかけてやります。詳細はまた後ほど!!
ご予定空けておいていただけると嬉しいです!!

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