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ソウル、もう完璧だ

9月10日 火曜日
【韓国】 ソウル





2年。たったの2年。

ひとところに留まって暮らしていれば、平凡に毎日すぎていく。

毎日同じ顔ぶれに挨拶し、同じ道を通って学校や仕事に行き、同じご飯を食べる。

代わり映えのしない日々。

普通に暮らしていればそうなる。
文明国で生きる以上、そうしなければいけない。
文明の恩恵にあずかるためには、人間は誰かを支え、誰かに支えられて生きていく。


そして責任がともない抜け出せなくなり、いつの間にか義務が誇りとなり、諦めが達観となる。

盆の中の水をこぼし続けるような時間の経過を見て見ぬ振りして歳を重ねていく。


時間は、なかなか早い。







たったの2年。

あっという間の2年。

時間は誰にでも平等で、そんなかけがえのない日々の中で出会えた無数の人々。


飛び去って行く時間の中で、一体どれだけの人と繋がっていられるだろう。













「ガンナム行こうぜ!!ガンナムスタイル!!」


「そうやね!!あれだけ世界中で言われ続けたんだ!!本物見るぞ!!」




5つ星公園で目を覚ましてまずはカッピーと作戦会議。


おととしから去年にかけて世界中で旋風を巻き起こしたガンナムスタイル。韓国人のサイって人の曲で、振り付けの乗馬ダンスと一緒に爆発的に売れた。

俺は日本にいなかったら日本でどれだけメジャーだったかは知らないが少なくとも海外ではとんでもない大フィーバーだった。

ヨーロッパではどこのクラブでも爆音でかかっていたし、マクドナルドなんかのファストフード店でもヘビーローテーション。
中東やアフリカなんかの後進国でもほとんどの人が知っていた。


そしてアジア人だからといってガンナムスタイル~!!ってどんだけからかわれたことか………

ガンナムスタイルってなんだよ……ってめちゃくちゃうっとおしかったなぁ。



ガンナムっていうのはソウル市内にあるいちエリアのこと。
オシャレなお店が立ち並び、ある程度お金を持った裕福でイケてる人たちが集まる、日本でいったら渋谷みたいなとこになるのかな?青山とか。そんな場所。

韓国の中でも最先端の街にいるセクシーな女の子たちのことを歌った軽い曲ってわけだ。



そういうわけならここソウルに来てガンナムに行かないわけにはいかない。

本物のガンナムスタイルってやつを見に行ってみよう!!




そうと決まれば野宿道具をたたんでコンビニでオニギリを買ってカップラーメンで朝ごはん!!
まさにガンナムスタイル!!

それから公園の横にある空き地のバリケードの裏の草むらに荷物を隠すというナウなガンナムスタイルで身軽になり地下鉄へと向う!!
イヤッホウ!!












というわけでガンナムに着きました。

よーし、イカしたセクシーレディーはどこにいるかなー………



「とりあえずカフェでもしようか。ガンナムスタイル的に。」


「そうやね、ガンナムなコーヒータイムしようか。」


「お、これとかいいんじゃない?天使は私たちの中にだって。ガンナムスタイルやね!」




テキトーに見つけたエンジェルインアスコーヒーというカフェへ。

photo:01




オシャレカフェの中でここぞとばかりにタコ足を使って電子機器を充電しまくるというのがガンナムスタイルの基本中の基本。

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そしてガンナムのイケてる人たちはゆったりと時間を過ごすもの。決して慌ただしい余裕のない行動はしない。

photo:03





余裕のある行動を………











ネットで作業をしていたら気がついたら17時に。







おひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!

まだなんもしてねええええええええええええ!!!!!!!







は、早く歌いに行かないと!!

ていうかセクシーレイディーは!!??











photo:04




はい、セクシーレイディー登場。

カッピーが3年前の最初の世界一周中にウィーンで出会った女の子がやってきた。

うん、可愛い。




そう、ただ無駄に時間を浪費していたわけではない。
一見クソみたいな腑抜け野郎に見えながら実は大事なことはキチンとこなしている。
その大人の余裕こそがガンナムスタイルの真骨頂。

そして出会い、人の繋がりというものを大切にし、青臭く見えてしまいがちな友情というやつをおろそかにしない。

国境と人種を超えた友情。ガンナムスタイル。




ヒョンジェ、会いたかったよ。







「うおー!!!ヒョンジェーーーー!!!!久しぶりーーー!!!」


「フミさんーー!!!ハウハブユービーン!!!!」


カフェに現れたもう1人の大事な友達、ヒョンジェ。
初めて会ったのはヨルダンのアンマン。

あのアラビアのアザーンが轟く汚いカオスの街を歩いている時に、現地人に取り囲まれて言葉が通じずに困っていたコリアンボーイ。

ヒョンジェ。


甘いマスクの彼といつも一緒に遊び、ヨルダンを出た後、エジプトのカイロの安宿で偶然また再会した。

蚊がたくさんいたあのボロボロのドミトリーの中、ヒョンジェはいつも夜中まで1人で蚊を殺すラケットを振り回していた。

そんな愛されキャラのシティーボーイは実はソウル大学という韓国で1番の大学を卒業した天才なのだが、一切気取ったところがなく、フレンドリーでオープンな心を持っており、そんな彼が大好きだった。


俺の韓国人の最初の友達。
ずっとヒョンジェに会いたかった。




「フミさん、あれから長かったね。危険な目には遭わなかった?イマジンは今も歌ってる?」


「遭いまくりだよ。イマジンも歌ってるよ。ヒョンジェ、俺がヨルダンでイマジンを歌ってるのを見てディープミーニングって言ったよね。覚えてるよ。」


「そうだね!!あー!!今夜は飲もう!!」




久しぶりの友達に再会して、カッピーの友達のユーちゃんも可愛いしテンション上がってきたけど、まずは歌わないと。

一発ガンナムで歌わないことにはソウルは出られない。



「ヒョンジェ、この辺で歌うならどのへんがいい?」


「任せて。ローカルの俺の言葉は間違いないからさ!!」



というわけでやってきたのはガンナム駅の11番出口。
階段を上がると、そこにはいくつかの木がはえた小ぢんまりとした広場があった。

ソウルは先進国の大都市らしく、指定された場所でないと路上喫煙は許されていない。

木陰の小さな広場がそうで、たくさんの人がタバコを吸いに来ていた。

広さ、静かさ、申し分なし。
ヒョンジェ、わかってるね!!







というわけで早速演奏を開始すると、タバコを吸っていた人たちや仕事帰りの人たちがパラパラと足を止め始め、遠巻きにこちらを見ている。

お金もすぐに入り始め、好感触。
こりゃいいぞ。



「うおおおおお!!!!ハクシュウウウウウ!!!!」



そこにいきなりテンションの高いおじさんとおばさんのグループが乱入してきて俺の目の前に来て踊り始めた。

何を言ってるかはわからないが、合いの手を入れたり、遠巻きで聞いてる人たちを呼び寄せたりして一気に大盛り上がり。

陽気なおじさん効果で人だかりはさらに膨れ上がり、拍手と手拍子が広場に響き渡った。

photo:05






「キムチキムチ!!チゲ!!」


誰かがお金を入れようとするとおじさんが、おいおい、たったこれだけかい!?とかぶりを振り笑いを誘う。
すると仕方ないわねぇと財布からさらに紙幣が取り出される。

あまりにも和やかな雰囲気。

誰もが笑顔で、みんな喫煙のひとときを楽しんでいた。

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「ヒョンジェ!!これがガンナムスタイルかい!?」


「アイドントシンクソー。でもいい感じだね。」


ヒョンジェもニコニコしながらその大盛り上がりの一員になってくれた。

photo:09












嵐のようなおじさんグループが去って行き、それから数曲歌ってひと段落したところでギターを置いた。
あがりはわずかに30分くらいで37000ウォン、3700円。


いつの間にかカッピーのもう1人の韓国人の友達、ユーちゃんの友達、ヒョンジェの男友達なんかが集まってきており、俺たちのグループがかなりの大所帯に膨れ上がっていた。


「よーし、それじゃあみんなでご飯行こう!!」


「行こう行こう!!」


「何食べたい!?辛くていい!?」


「辛くなかったら韓国じゃねぇ!!」


「その通り!!」



ワイワイ騒いでいると知らない兄ちゃんが話しかけてきた。



「あー、いやー、すごくいい歌でした。感動しました。」


「あ、歌聞いてくれてありがとうございます。よし、兄さんも一緒に行こう!!」


「え!いいですか!?」


「行こう行こう!!辛いの食べようぜー!!」


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もう誰が誰だかわけわからんことになりながら8人で地下鉄に乗ってホンギに戻る。

夜のホンギはいつものように大にぎわいで、まともに歩けないくらいの混雑なんだけど、今夜は俺たちもそのお祭り騒ぎの一員だ。

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ユーちゃんオススメの焼肉屋さんはとにかく最高だった。
サムギョプサルから始まってカルビ、冷麺、その間に絶え間無く出てくる様々な種類のキムチやナムル。

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「カルビにそのソースをつけてキムチと一緒に食べるの!」



今まで世界を旅してきて、ここまで日本人の口に合う料理があっただろうか。

アルゼンチンのアサドも最高だったけど、韓国焼肉は大衆料理としては間違いなく今までの外国の料理で1番美味い。

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日本で韓国式焼肉ってやつは数える程しか食べてない。
だいたい日本にあるんだから日本人向けの味つけになってるだろうし美味いと感じて当たり前だ。


なので本場で食べるとそうでもないんじゃないか?と思っていたが、




もうとんでもなく美味い。

一口一口に感動して声を上げずにはいられない。




「フミさん!!ソウジュ飲もう!!」


「何それ!?」


「俺たちバッグパッカーたちのお酒ですよ。フミさんもそういうのたくさん飲んで来たよね?」



ヒョンジェがニヤニヤしながら一口サイズのグラスにお酒をついでくる。

分かってるよ。どうせめちゃくちゃ強くて安くてすぐ酔っ払える酒ってことだろ。

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しかし飲んでみたそのソウジュというお酒はまるで辛口の日本酒みたいにサラッとした飲み口のいいアルコールだった。

これならクイクイいけてしまう。
そして辛いキムチや油の多い焼肉を食べた口の中をリフレッシュさせてくれる。



「そう。いつの間にかたくさん飲んで明日はハングオーバー。フミさん!!明日も飲もうよ!!カッピーさんも明日のフライト乗らなくていいよ!!」


「えええ~!!ヤバイよー!!明日は本当に帰らないとお店の営業あるから~!!でも美味いー!!あ!!コラ!!もうこれ以上つがないでくれ~!!」


「カンペー!!」


「カンペー!!」

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たらふく食べて、たらふく飲んで、フラフラになってお店を出た。

俺とカッピーがお金を払おうとすると、あなたたちはゲストだから一切払わないで!!と制されてしまう。



人で溢れかえるホンギの盛り場をみんなで笑いながら歩く。

初めて訪れる国なのに、周りにこんなにもたくさんの友達がいるってどういうことだろう。


ヒョンジェが肩を抱いてくる。
まるで古くからの友達みたいに。

知らない国で、こんなにも心を許せる仲間たちに肩を抱かれている。

充実感と嬉しさが胸の奥底まで満たしていく。


夜空には月があって、見上げると幸せで幸せでたまらなかった。









完璧だ。

もう完璧だ。

明日ソウルを出よう。

もうこれ以上はない。

これ以上素晴らしい夜はない。

ヒョンジェは明日も残って飲もうよ!!と言ってくれるが、このままの気持ちで先に進もう。





たった2年。

タバコを吸うように短い時間。

その間に何が出来るだろう。

何が正しい選択だろう。




何が正しいかはわからないけど、胸を張って言える。

俺のこの2年は最高の2年だった。

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