8月12日 火曜日
【中国】 シャングリラ
一晩に5回下痢でトイレに行き、2回漏らしてパンツを汚して、こんな情けないことない。
夜中に洗面台でジャバジャバとパンツを洗って、また怯えながらベッドに入る。
もう体のコケ方が毒手にやられた時の刃牙ですよ。
今医者に診てもらったら、シリアスプロブレムだぜ……って言われそうだ。
ちょうど中国にいるんだから裏返らないかなぁ。
裏返ったぁ!!って言いたいよ………
そして烈さんに薬膳中華を作ってもらって、金丸文武復活!!金丸文武復活!!って言われたい………
ベストコンディションで歌って、敵を2秒くらいで遠い彼方へと葬り去りたい。
はぁ……裏返っ、はうっ!!!!
トイレ!!!
こずえちゃんに言われてしまう。
病院だよぅ!!!
さて、病院には行かずにバスターミナルにやってきました。
そしてシャングリラの次の町、シャンチェン行きのバスチケットを購入。
85元、1250円。
んんん………ひとつひとつの移動が高いなぁ………
ここからシャンチェン~リタン~ガンゼ~ラルンガルゴンパ~成都、といったルートで進んでいく。
本当は東チベットなんてそんなに興味なかったんだけど、もうこのシャングリラでどっぷりその魅力にハマってしまっている。
東チベットのハイライト、ラルンガルゴンパまでばっちり満喫して成都に抜けるぞ。
ていうか刻んで行かないと直通のバスとかないんだけどね。
バスチケットをゲットしたら今度は公安局。
タクシーで20元、300円ちょいで郊外の出入境管理局にやってきた。
昨日申請したビザの延長、もうできあがってるかな。
しかし、スムーズに終わって欲しいところなのに、問題発生。
なんと今泊まっている宿が外国人宿泊の登録をしていなかったということが発覚。
マジでやめてほしい。
なんでなの?
最初に泊まる時、外国人OK?って日本のパスポートを見せながら何度も確認したし、公安局に行くから領収書くださいとまで言っていたのになんで俺のこと泊めたの?
ビザの延長のためには外国人宿泊登録をしている宿に泊まっていないといけない。これ最低条件。
おかげで係官に突っ込まれまくり。
「なんでこの宿に泊まってるのか?」
「外国人が泊まれる宿とそうじゃない宿があるのは知ってたのか?」
「宿の人間には自分が日本人であることは隠していたのか?」
質問の嵐を受けて、これマズイんじゃないか……って焦ったが、係官の兄ちゃんが親切な人だったからか、調書をとられるだけで済むことができた。
4~5枚にわたる、宿のことは知りませんでしたという書類を作成し、30発くらい拇印を捺しまくってなんとか事なきを得て、160元、2700円というバカ高いビザ代を払ったら無事中国ビザが貼られたパスポートが返ってきた。
これで新たな30日をゲット。
あとは香港にたどり着けるかどうか……!!
古城に行き、いつものおばちゃんのところでヨーグルトとホット牛乳でリラックスタイム。
うーん、チベットの乳製品の素朴な味わい、たまらないな。
少しひやりとした風が吹き、ひなたに座って暖かい牛乳をすすると子供の頃をふと思い出した。
懐かしいな。冬の朝はレンジでチンしてホット牛乳を飲んでいたなぁ。
おだやかな空気に心が安らぐ。
ホット牛乳は気持ちを落ち着かせてくれる。
昨日聞いた話だけど、この古城の中の瓦礫の山はどうやら火災によるものだったみたいだ。
夜中の2時くらいに1軒の宿から火が出てあっという間に300軒を全焼させる大被害になったとのこと。
しかしバーを営業していた人たちが火災に気づいて、夜中の町を走り回って人々を叩き起こして回ったことで死者はゼロだったらしい。
かつてこの焼け野原には昔ながらの古い町並みが広がり、美しい路地がいくつも入り組んでいたそうだが、今は見る影もない。
ハイペースで復旧が進んでいるみたいだけど、もうかつての歴史的建造物を取り戻すことはできない。
このシャングリラという美しい町を破壊した罪はとても重い。
火を出した人はとんでもないことになってるんだろうな………
そんな復旧が進む町の中で今日も路上開始。
今日の観光客の人たちはみんな写真を撮ってくるだけでなかなかお金を置いてくれず苦戦した。
人だかりが出来、誰か1人がお金を入れたら次々とみんな入れてくれるんだが、その最初が出てきてくれない。
頼むよー……シャングリラから先はおそらく大きな町はないだろうし、観光客もグンと減る。
ここが最後の稼げる町のはず。
今夜稼げないとキツイのに………
というところで雨が降り出した。
終了。ギターを片付けてゆうべのナマステカフェに逃げ込んだ。
あがりは1時間ちょいで153元。2500円。
昨日も聞きに来てくださったカオリさんが今夜も来てくれ、一緒におしゃべりした。
世界一周中のカオリさん。旅の間にこれまでたくさんのブログランキングの旅人さんたちにお会いしてきたそうだ。
リノちゃん、カエルダッシュさん、旅から始まるワンダーワールドさん、ヤッケンさん、
なんか久しぶりにこうしてブログランキングの話しとかしたな。
最近日本人旅人と会うこともほとんどなかったもんな。
ていうかブログ読めないからみんなが元気にしてるのか全然わからねぇ(´Д` )
「タビジュンさんいいですよねー!!可愛いですよね!!なんか旅ブログっぽくないところがいあですよね!!カッコイイし!!」
今までタビジュンさんのこと悪く言う人に会ったことないです。
みんな彼のこと大好きです。
ここまで100%だと奇跡的な人柄ですね。
逆に評判悪い人もいます。
まぁ書きませんが。
タビジュンさん西アフリカ順調かなぁ。
そんな話で盛り上がっていると、お店の奥さんがお茶を持ってきてくれた。
銀のカッコいいポットで注いでくれたのはミルクのような飲み物。
ホットミルクかな?
「バターティーよ。嫌いな人もいるけど飲んでみて。」
こ、これがバターティー!!チベットの伝統的な飲み物!!
うわぁ!!めちゃくちゃ嬉しい!!
その味は!!!
う…………なんかグラタンとかのホワイトソースを飲んでるみたいだ………
おぷ………今まで経験してことない味………
「あのママ、砂糖とかもらえないですか?」
「バターティーはしょっぱいものなのよ。甘くしてはいけないの。どうしても欲しいなら入れてもいいけど。」
ぬ………そう言われるとこのまま飲まずにはいられない。
なんだろう、バターの油が浮いていて、もったりしていて、味はホワイトソース。
に、苦手な人の気持ちがわかった。
これは俺ダメかも………
初めてココナッツウォーターを飲んだ時みたいな未知との遭遇だ………
カオリさんは結構大丈夫みたいだったので助けてもらいながら全部飲んだ。
「私たちはここからさらに北のガンゼという町の出身だからね。もしガンゼの辺りで困ったことがあったらなんでも連絡してくれ。」
カフェのみんなの笑顔に見送られて宿に向かった。
カオリさんと別れ、雨の中を歩いた。
明日から本当に謎のチベット地域へと突入していく。
シャングリラまではよく名前を聞いていたのでまだ観光客にもメジャーな場所だったけれど、ここから先はマジで何もわからん。
言葉も中国語が通じなくなりチベット語に変わっていくらしい。
どんどん僻地へと突き進んでいく。
心細さが胸を熱くさせる。
見たことのないものを見に行くぞ。
あー、チベット!!
ワクワクさせてくれる!!