7月13日 日曜日
【タイ】 バンコク
~ 【インド】 デリー
まったく眠れなかったですね。
ベッドの上で横になって目をつぶってみても思考が冴えて眠りに落ちない。
部屋はとても暑くて、ファンの風が体にあたるのが逆にうっとおしく感した。
まるで遠足とか、ライブの前とか、そんな感じですかね。
ドキドキが止まらないんです。
別に頭では、インドなんて2秒、って思っているのに、体は正直です。
ていうか、インド行っちゃダメ!!っていう謎の警告的なアレか?
おかげで超寝不足のままベッドから起きた。
朝4時50分のカオサン通りは真っ暗で、ほとんどのお店がシャッターを閉めていた。
しかし酔っ払いの白人たちは路上で音楽を爆音で流し、即席のクラブを作って踊りまくっている。
いや、もはや踊るというか前戯って言っていいくらい男も女もエロいことになっており、お互いを刺激しあっている。
アジア人の男はもちろんいないが、アジア人の女は結構いた。
白人の首にしがみついて酔っ払ってキスしていた。
これが明け方のカオサン通りか。
バンは時間通りに待ち合わせ場所にやってきた。
ここから空港まで100バーツ、300円。相当安い。昨日のうちにツアー会社で手配していたのだ。
無言の車内には眠そうな若い白人たち。
みんなこのカオサンを楽しみ尽くし、タイというパーティーカントリーの思い出を持ってどこかへ帰っていく。
空港に到着。
預け荷物は30kgまでなので、なんの問題もなし。
ギターも機内持ち込みOKでスーパー余裕。
チェックインも済み、あとはインドに飛ぶのみ。
よーし、落ち着けよー………文武落ち着けー………
たかがカレーの国じゃないか。
汚くて野良犬だらけで人がそこらへんで寝てて牛が道歩いてていたるところ牛のウンコだらけで死体を川に流してその川で体洗って手でカレー食べてるだけの国だもん。全然大したことないじゃん。
知ってますか?インドにはカレー味の歯磨き粉があるらしいですよ。嘘です。
怖えええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!
インド怖えええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!
嫌だよおおおおおおお
ゴミだらけで水たまりだらけで牛のウンコだらけで物乞いだらけの国で路上なんかやったらジャワを投げつけられてしまうよ………
もしくはマジシャンズレッドを出してクロスファイヤーハリケーンで焼き殺されてしまうかもしれない。これはマジ。
ワクワクはしてます。
所持金1万1千円ですからね。
インドのアライバルビザで60ドルかかるから所持金5千円でインドスタートですよ。カンジーもびっくりですよ。イクゾーは鼻で笑うだろうけど。
え?5千円もあるんすか?贅沢しすぎっすよ金丸さーんとか言って。
ちなみにイクゾー君、今ラオスで所持金千円でガンジー並みの食生活をしてるらしい。
飛行機は三列シートだったんだけど、なんと俺以外の2人も日本人だったという偶然。
なんだかピシッとしたサラリーマンといった感じのお2人だなぁ、これはハシシのディーラーではないだろうなぁと思っていたら公認会計士さんでした。
公認会計士って何するんですかね。
よくこんなこと書くと、公認会計士ってのはねぇ、と知識をひけらかす人がいますよね。
公認会計士がなんなのかも知らないの!?バカじゃないの?早漏なの?と勝ち誇る人がいますけど、公認会計士をキチンと説明できる人って50%くらいですよ。多分。もっと少ないと思う。
あ、なんか知らない自慢みたいですね。
知ってるに越したことないですよね。
なのでダンディなおじさまに公認会計士のことお聞きしました。
「ここにパンダさんとウサギさんがいましてね、パンダさんが100円持っててウサギさんは50円しか持ってなかったらお友達のリス君たちはパンダさんのところに遊びに行くでしょ?でも実はパンダさんは10円しか持ってなかったんですよ。おかげでリス君たちはパンダさんからドングリをもらえなくてムカついたから毛を全部むしりとってパンダか豚かわからないようにしちゃうんですよ。パンダさんがちゃんと本当に100円持ってるのか調べる象さん役が僕たちの仕事です。」
とても分かりやすく説明してくださいました。
俺そんなにバカじゃない!!
いや、本当はもっとキチッと教えてくださいました。
要は会社がウチは業績いいですよーってウソの決算書を作って株価を維持したりして周りに損害を与えるのを防ぐお仕事らしいです。
日系企業がある場所には世界中どこにでも行くらしいです。
「会計事務所もいろいろあってヤクザまがいのところもあるんですよ。首が回らなくなってきた会社ってのはまともな会計事務所ではズルをしてもらえないんで、ズルをしてくれる悪い会計事務所にお世話になるんです。そしたら僕らは、あぁあの会社もそろそろ終わりかってわかるんです。そういう悪い会計事務所のことを業界用語で最終処分場って言うんです。」
最終処分場、という言葉の響きがなんとなく頭の中に残った。
飛行機は無事、ニューデリーの空港に着陸した。
人の波に乗って歩いていくと、イミグレーションカウンターが見えてきた。
さっさとスタンプをもらってゲートを通過していく他の乗客たち。
俺はまずアライバルビザを取らないといけない。
周りを見渡すと、向こうの階段の奥の方にビザオンアライバルという文字が見えた。
噂では手続きがかなり面倒くさくて、小さな不備でも突っ込まれまくって入国拒否を食らう人が結構たくさんいるというこのインドのアライバルビザカウンター。
大丈夫、準備は万全。
全て完璧に用意してきている。
おらぁ!!なめてんじゃねぇぞカレーばっか食いやがって!!
「はいー、この書類に記入してー。」
流暢な英語を喋るインド人。
やべぇ、インド人だ。
浅黒い肌と鼻ヒゲと今までのどのエリアとも異なる顔の作り。
インド人は世界中にいるから別に珍しくはないけど、歩いてる人全員インド人だからビビる。
やべぇ、インドに来たんだ。
ドキドキしながら書類に記入していると、衝撃のミスに気づいた。
滞在予定のホテルの予約番号とか、インド出国用のチケットのフライトナンバーとかを記入しないといけないんだけど、そんなこともちろん想定内で、わざやざネットカフェでプリントアウトをしていた。
俺完璧。カレー。
と思っていたら、そのプリントアウトした紙を全部預け荷物のバッグの中に入れているというウンコ漏れかけるミス。
「あ、あ、あの、先に預け荷物のバッグを取りに行かせてもらえないですか……?カレーマジで好きっす。ココイチやべえっす。」
「預け荷物はイミグレーションの先だ。先にビザを取らないと入ることはできない。」
こっ……!!!
やべぇ、これ結構やべぇんじゃねぇのか?
するとそこに同じ飛行機に乗ってきた日本人の兄さんが声をかけてきた。
「大丈夫ですか?地球の歩き方に載ってるホテルとかをテキトーに書いとけばいいみたいですよ。」
そう言いながらインドの地球の歩き方で申請書類の書き方を見ながらパパっと記入していくお兄さん。
あっという間に終わって去っていった。
みんなさっさと申請を終えていき、カウンターに1人取り残された俺。
ぬおおお…………やべぇ、どうしよう………
とりあえずお兄さんの地球の歩き方を見せてもらってホテルの名前だけはテキトーに書いた。
でも予約番号なんてどうやって書けばいいかわかんねぇ。
コルカタから中国への飛行機もせっかく持っているのに、フライトナンバーが書けない。
あああ!!!なんつー凡ミスだああああ!!!追い返されるかもしれねぇ!!
カレー食べたいああああああ!!!!
後編に続く