ラオスで謎の強烈な下痢と体のだるさに襲われて動けないでいます。
他にもトラブルまみれでマジで結構ズタボロです。
なんとか気合いで進んでいましたが、旅存続の危機くらいダメージでかいです。
でも旅は続きます。
日本を目の前にしてへこたれてたまるか。
看病してくれる方がいますので、寂しさはないです。
頑張ります。
6月22日 日曜日
【タイ】 バンコク
昨日行ったウィークエンドマーケットは完全に観光客のためのもので、バンコクのローカルを感じられるものではなかった。
もちろん地元の人もいるんだけど、観光客向けの場所ってのは警察の警備が厳しいものでタイでは路上を狙いにくい。ていうかほぼ出来ない。
もっとローカルな場所に行かないといけない。
というわけで今日はバンコク1のローカルマーケット、クローントーイマーケットを攻めることに。
前に一度行ったことがあるカンちゃんももう一度行きたいということで一緒に宿を出発。
朝ごはんどこで食べようかと話していると、宿の目の前の路地にあるハイパーボロボロな屋台が目に止まった。
おばちゃんが何か作っており、数人のお客さんが椅子に座っている。
いつも朝からお昼くらいまでしか人のいない屋台で、夜はホームレスハウスみたいになっているこのお店。
黒ずんだ看板に10という文字があるのは知ってたけど、ほかの文字は全部タイ語なのでなんて書いてるか1ミリもわからない。
ちょっと試しに注文してみた。
するとタイラーメンが出てきた。
タイではこうしたヌードルスープ屋さんがどこにでもあるんだけど、だいたい値段は30バーツ。100円。
これが10バーツ?30円だぞ?
マジかよと思いながら食べてみると、ビビるくらい美味かった。
すげぇ!!これ美味え!!
これぞまさしく地元の人のためのご飯。
カンちゃんの話ではこうした激安の30円タイラーメンの屋台は何軒かあるらしいんだけど、そのうちの1軒はなぜか日本人のたまり場になっており、カオサンの日本人宿に泊まってる人たちはこぞってそこに食べに行くらしい。
看板も日本語で書いてあったりして、カンちゃんも前に友達とそこに行ったそうだけど、不味いそう。
「ここ美味いわー。ナンプラーかけたらもっと美味しいで!!」
スープまで全部飲み干して10バーツ払って朝からご機嫌で市バスに乗り込んだ。
バスを降りるとそこはもうテレビで見た戦後のバラック市が広がっていた。
ボロボロのトタン屋根、年季の入ったカゴに入れられた野菜や果物。
細い路地が蜘蛛の巣のように張り巡らされ、隙間なくお店や屋台が並び、ものすごい数の人が歩きリアカーやバイクが押しのけながら行き交う。
お肉や魚介、野菜、果物、香辛料、そして虫。
食品でここにないものはないというほど。
足元は割れたガタガタのアスファルトになっており、水たまりができてべちゃべちゃだ。
威勢のいい声が飛び交い、たくさんの人が20バーツ、60円の紙幣を手に持って品定めをしている。
観光客の姿はほぼなく、見事に地元の人たちばかり。
市場独特の活気が路地という路地にひしめいていた。
こいつはいい!!
ベガの娘発見。
のだが、昨日のウィークエンドマーケット同様、ここもあまりの店の多さにまったく隙間がなく歌えるようなスペースが見つからない。
歩き回ってかろうじて閉店しているお店を見つけ、前にわずかな隙間があったとしても、すでにそこには移動屋台が焼き鳥を売っていたり物乞いのおじさんが座り込んだりしている。
市場中をグルリと回ってみたが良さそうなポイントは発見できない。
ていうかこんなローカル市場の中で歌うなんてアリなのか?
あー!!もういい!!もう開き直ろう!!
アリに決まってる。こんなもんで諦めていたらアジアではなんにもできねぇ。
南米スタイルでいくぞ。
市場バスキングに頭切り替えろ。
人がひっきりなしに行き交う細い路地でギターを取り出し、カンちゃんにお金用の箱を持ってもらって横に立ってもらう。
これで歩きながら歌うことが可能だ。
市場中をしらみつぶしに回ってやるぞ。
買い物客のバイクが並んでいる前に強引に陣取り、市場バスキング開始。
いきなり50バーツ紙幣が入った。
後ろの八百屋のおっさんが入れてくれた。
周りのお店に迷惑にならないかなと心配していたが、店先のおばちゃんたちはニコニコと微笑んでくれ、奥で仕込みをしていたお姉ちゃんたちが出てきてカンちゃんの持った箱にお金を入れていってくれる。
買い物客の人たち、バイクタクシーの運ちゃん、ここにいる誰もがウェルカムで、警備員さんも向こうでおっさんとくっちゃべっており、俺たちのことを気にする様子もない。
カンちゃん、顔^_^
路地を変え、違う場所でも歌いまくる。
市場の中のミニ酒場で昼間から飲んでるおっちゃんたちが俺たちに手招きしてくれ、ビールを渡してきた。
あまりにもローカルな場所なので誰1人英語を喋れない。ハロー、よりもコニチワーのほうが彼らは分かるよう。
当たり前にタイ語で陽気に話しかけてきてまったく理解できないんだけど、みんなが超フレンドリーに俺たちをもてなそうとしてくれてるのはガンガン伝わってくる。
すると奥から女の子が大量のタコを茹でたものを持ってきた。
新鮮なタコをぶつ切りにしてただ茹でただけ。
それをトウガラシを漬け込んだナンプラーのタレにつけて食べた。
こういうやつがマジで1番美味い。
声を上げるほど美味いと喜ぶと、みんなもっと食べろもっと食べろと勧めてくる。
またビール出てきた。
タ、タイやっぱりやべぇ………
地元の人たちのエリアに行かないとダメだよなぁ。
それからも移動しながらわずかな隙間を見つけては歌いまくった。
雲が切れて太陽が顔を出すと凄まじい暑さになり、立っているだけで汗が噴き出してくる。
宮崎の真夏も嫌になるほど暑いけど、東南アジアの太陽はそれ以上に人体を壊してしまいそうなほど地上に近い。
すぐ頭の上で燃えているようだ。
気力が奪われぶっ倒れそうになってギターを置いた。
もう無理だ。
あがりは740バーツ。2400円か………
タイ人はみんな優しいし大好きな国ではあるけど、これだけやって2400円しかいかないのはやっぱり寂しいな………
手持ちのお金は順調に減ってきている。
早くもシンガポールドルを半分くらい使ってしまっている。
この調子だったら中国にたどり着くころには5万円くらいになっているはず。
なんとか日銭を稼ぎながら動いて行ければ、台湾までたどり着けるはず。
台湾まで行けばかなり稼げる見込み。
インドやベトナムではまったく稼げないはずなので、タイなんかで所持金を減らしてる場合じゃないのに、なかなか思うようにいい場所を見つけられない。
アジアはやはり稼げない。オーストラリアあたりで貯金してきたのは正解だった。
いや、正確には稼げる。
場所さえ見つけられれば、でかくは稼げないけど、少しずつでも貯蓄していけるくらいは稼げる。
でも今の1日も無駄にできないラストスパートの中でアジアの路上は厳しすぎる。
なんとかしないと。
気持ちばかりが焦ってしまう……………
バスに乗ってカオサン通りに戻り、今夜も相変わらずお祭り騒ぎのパーティータウンの中でケンゴ君と合流した。
いつも1人でぶらぶらしているというマイペースなケンゴ君。
彼はあさってにバンコクを出てタイ北部のチェンマイという町を目指すとのこと。
俺もそのつもりだったし、カンちゃんもチェンマイからラオスへ行くコースみたいなので、みんなもうしばらくはどこそこで会えそうだな。
バンコクを出る前にまだ行かなければいけない場所がある。
タイを代表する観光地であり、重要な仏教遺跡のアユタヤ遺跡だ。
あんまり詳しくはわからないけど、たくさんの寺院の跡があり、なによりめちゃくちゃ有名な木の根に埋れた仏陀の顔があるのがこのアユタヤ遺跡。
行き方としては、ツアーを組むのが1番良さそうだ。
バンコクから2時間くらい離れたアユタヤという町にあるんだけど、なにやら遺跡は1ヶ所に固まってるものではないらしく、町のあちこちに散らばってるそう。奈良みたいに。
★片道250バーツ、800円のバス
アユタヤまで行き、自分でトゥクトゥク捕まえたり歩いたりしながら周る。
★450バーツ、1500円のツアー
バンでホテルへの送迎、アユタヤ遺跡群を回ってくれ、それぞれの遺跡の入場料も込み込み。ランチもついてる。ガイドも。
迷う必要ゼロ。
ツアーで行くべし。
昨日偶然会ったアンナちゃんも私も行きたいと言っており、なにやら韓国人の友達も一緒にいるらしく、全員分のツアーの申し込みをしておいた。
大所帯だな。
いつもの屋台通りで、ケンゴ君とカンちゃんと3人でご飯を食べ、ビールで気持ち良くほろ酔いになった。
明日のツアーは朝早いので早めに寝ようかと宿に戻っているところだった。
「あ、どうもー。コンバンハー。」
いきなり誰かが声をかけてきた。
日本人風の兄ちゃんが歩道の脇に座っている。
ヒゲの生えたタイ風の服を着た兄ちゃん。
兄ちゃんの横には日本語で書かれた安宿の看板が置いてある。どうやら日本人宿みたいだ。ここに泊まってるやつなのか、働いてるやつなのかわからんけど。
「どーこ泊まってんの?ママ?ここいいから移っちゃいなよー、マジで。」
ママゲストハウスってのはカオサンの有名な日本人宿。
「お兄さん、どこの国の方ですか?」
「ワタシ?ワタシミャンマージン。アッハッハッハァ。」
体をのけぞらして足を伸ばし、クソみたいな冗談をドヤ顔で言ってくるいかにもアジアにいるアジア通の俺すげぇみたいなやつに遭遇。
彼女らしき女の人と2人でいる。
彼女のほうもいかにもな感じ。
「アジア回ってるとこなのー?ラオカンはもう行った?」
ラオスとカンボジアを略してラオカンと言ってくる。ドヤ顔で。
気持ち悪いのでケンゴ君とカンちゃんが相手してくれてる後ろで無言で立っていた。
「お2人はどう回ってるんですか?」
「いや~、もうタイに住んじゃってるのぉ。参っちゃうよね。ほーんと困っちゃうわー。」
「半年で旅行に来てんだー。いやー、俺も旅行しテぇ~。」
ここにイクゾー君がいたら爆笑だっただろうなぁ。
イクゾー君がよく、日本人宿にいる上から目線の日本人旅人、っていうモノマネをしてくれてたんだけど、まぁこれが大げさでめちゃくちゃ面白い。
君たちのやりたいこと俺全部分かるんだよねぇ~、もうそういう奴全員見てきたからさっ、みたいなイラつく感じのモノマネなんだけど、まさに寸分の狂いもないモノホンが今目の前にいる。
「あ、そっちのお兄さん、ダイジョウブ~?顔赤いけど、元気なさそうだし。」
「大丈夫ですよ。さ、帰ろうか。」
最近この手のやつに会ってなかったから忘れてたなぁ。
ほんとなんであいつらって初対面でタメ口なんだろう。
ああやって宿に来る日本人たちに自分たちのことを語って大学生とかにすごーいとか言われてそうでもないよハハハーとか言ってんのかな。
アジアの日本人宿は自分語りの人が多いとは聞いていたけど、モロそんな感じだったな。
って明日日本人だらけでツアーでアユタヤに行く俺だけど。
~~~~~~~~~~~~~~~
舞ちゃん、頑張れ。
でも無理したらダメですからね。