4月20日 日曜日
【オーストラリア】 ヌーサ
宮崎の一番街のマクドナルドがなくなったみたいです。
これで晴れて県庁所在地の中心部にマクドナルドがない県になりました。
なんてこった………
サラエボでもあるのに………
ちなみにオーストラリアのマクドナルド、チーズバーガーが250円くらいです。最安メニューで。カンガルーに食わしとけって感じですね。
しかもコンセントがないのでもう行く価値1ミリもないんだけど、ソフトクリームだけはなぜか30セントという破格の値段。
なのでマクドナルドを見かけたらいつもソフトクリームなめてます。
ここヌーサには町の中心部にマクドナルドがないのでそれだけ残念。
ていうかなんでマクドナルドって人気なんだろう。
海外にきて知ったことだけど、ハンバーガーとフライドポテトって海外では日常的に食べられているもので、そういったお店ってめちゃくちゃたくさんある。
バーガーキングとかハングリージャックとか他にも星の数ほどあるハンバーガー屋さんで、どうしてあんなに美味しくないマクドナルドをみんな選ぶんだろう。たいして安くもないのに。
ブランド力なんだろうなぁ。
一番街からマクドナルドは消えたけど、宮崎には最高に美味しいご飯屋さんがたくさんあるのでみなさん是非遊びに来て下さい。
案内しますね!
プロバンスの風!
蚊帳から顔を出すと、生い茂る木々から漏れた陽の光りが芝生を照らし、朝露がキラキラと輝いていた。
朝から叩き起こされることもなくゆっくりと眠れたこの公園。
ランニングの人もおらず、静かな朝のひと時。
「おはようございますー………」
コンクリートの上にバスタオルを敷いて寝ていたジュンペイ君がノソノソと起き上がる。
バスタオルて(´Д` )
可哀想すぎる(´Д` )
「いやー、ゆっくり眠れましたね、最高です。」
「そ、そんな格好で寝てて大丈夫?寒くない?」
「大丈夫です。中学生の時にお父さんが借金を残して蒸発して家なくなってヤクザに拉致られたりとかしてたんでこんなの全然楽勝です。」
た、頼むからこれ以上不幸な話やめてくれ!!
涙が止まらない!!
「蒸発するたびにオカンと大阪市内のサウナを一軒一軒探して回ったりとかしてましたね。今はめちゃ幸せですけどね!!あー、食パンうめー。」
「ジュ、ジュンペイ君、明日ヌーサ出るんだよね?」
「はい、ブリスベンからメルボルンに飛んで、そこから日本に帰ります。」
「よし、今夜はここでバーベキューしようよ。」
「なんすかそれ、完璧じゃないですか。」
短い間だったけどイクゾウ君に負けず劣らず面白い男だったな。
不幸すぎるけど。
まぁ俺のバッグもかなりの不幸っぷりだけど。
もういい加減限界だな。
「イレブンスリーって知ってます?」
そんなジュンペイ君とセブンイレブンで朝のコーヒーを飲みながらのんびりとお喋り。
ジュンペイ君は大阪の和泉というヤンキーが多くて有名な危険エリアの出身だ。
「毎年11月3日の夜に近隣の暴走族たちが集結して走るんです。信号無視したり道路封鎖したりしてすごいことになるんですけど、11月3日だからイレブンスリーって言うんです。」
荒んだ少年時代を過ごしていたことでグレてしまい、ジュンペイ君も1度だけこのイレブンスリーに参加したことがあるそう。
ナニワトモアレって漫画があるけど、あんな感じなのかな。
今はそんな元ヤン的な空気はまったく感じさせないジュンペイ君。
むしろ内気で爽やかな好青年。
彼の作る曲のメロディはとても俺の中にはない美しいもの。
もっと経験を積んだらきっといいシンガーになるだろうな。
今日は夜にバーベキューをしたいので早めに路上をやって夕方くらいに寝床に戻ることにしよう。
イースター休みの日曜日。
月曜日まで連休ということで今日も溢れんばかりの人で賑わうヘイスティングストリート。
木漏れ日の中、いつものジーンズ屋さんの前でギターを鳴らした。
最近また連続で路上に立っているので少しずつ疲れが溜まってきている。
声の調子は悪くない。
お金の入りもいい。
でも集中力が続かないな。
すると目の前に止まった1台のバンから、おじさんがたくさんの機材をおろし始めた。
ここの広場でいつもやっているミニライブの準備みたいだ。
俺の真後ろでセッティングを始めるおじさん。
「あ、すみません、動いたほうがいいですか?」
「大丈夫大丈夫、まだ準備に1時間くいかかるから続けて。」
とてもフレンドリーで笑顔が素敵なおじさん。
どうやら彼が演者らしいんだけど、プレイヤー自ら1人でこんな大きなセッティングを全部やってしまうんだな。
おじさんのセッティングが終わったので俺も路上終了。
あがりは58ドル。
そして少しおじさんのライブを見ていくことに。
まぁ、上手い。
歌もギターもアレンジも、全てが完全に一流のプロの域。
こんな素晴らしいボーカルなかなかいないぞ。
このおじさん、この前もここでやってたみたいで、その時に緑色の照明に照らされていたのでジェニファーさんがピッコロが歌っとったでーと失礼極まりないことを言っていたけど確かにピッコロ。
ピッコロだけど歌うますぎ。
オーストラリアに入ってから、バーやレストランの中でライブミュージックをやっている雇われミュージシャンをよく見かけるんだけど、そのレベルの高さはこれまでの国でもトップレベルに入る。
日本でオッちゃんたちがポロポロと懐メロをやってるのとはワケが違う。
完全にホールでやってもおかしくないレベルの人が小さなバーとかでBGM代わりの歌を弾き語っている。
そんな人たちの中で路上をやっていると、自分の演奏の力のなさが身に染みて情けなくなる。
俺はこの旅の中で少しは上手くなったんだろうか。
少しは人の心に届く歌がうたえるようになっただろうか。
わからなくなるよ。
そろそろ行きますとおじさんに言うと、販売していたCDをくれた。
ハリーさん、勉強になりました。
ありがとうございました。
よーし!!若干へこんでるけど今夜はジュンペイ君との最後の夜。
スーパーでお買い物をして公園に戻り、バーベキューコンロのボタンを押す!!
そして、
これの、
これ。
「うめぇ!!」
「これ美味すぎるやろ!?ビールうめぇ!!なんで男2人なんだこの野郎ジュンペイ!!」
「よし!!音楽かけます!!」
ザ・バンドのライブで、ニールヤングやボブディランやマディーウォータース、クラプトンとか奇跡みたいなゲストが立て続けに出てくるアルバムを流すジュンペイ君。
この野郎!!いい趣味してやがる!!なんで女の子いないんだ!!
暗い公園の中にウェィトが流れる。
ザ・バンドの味のあるラフな演奏がとても渋い。
ドンドンパン、ドンドンパン
たどたどしいタム回し。
それがすごくカッコイイ。
音楽って楽しい。
でもすごく辛い。
やり甲斐はあるけど、ずっと背負っていくのは苦行みたいなもんだ。
捨ててしまえば楽なのにな。