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ついに南下開始

2月15日 土曜日
【エクアドル】 バニョス ~ クエンカ





ゆうべの深酒が残るかもと思っていたけど、意外にスッキリと目が覚めた。

頭も冴えている。


窓から差し込む爽やかな太陽の光。

おあつらえ向きの朝。


ようやく南下開始だ。








ロビーに降りると、スタッフの兄ちゃんが俺の顔を見て慌てて2階に上がっていった。

昨日預けた洗濯物の袋を持って。


頼むぜおい………
今からやるのかよ………



「すまん!!フミ!!急いでやるから1時間だけ待っててくれ!!」


仕方なくネットをしながら待った。

これからペルーのリマまでノンストップで下って行く。
おそらくWi-Fiは手に入らないだろうから2~3日ブログは更新できないかな。

まず今日、向かうのはエクアドル南部にある国内第3の都市、クエンカ。

世界遺産の古い町並みが残る、誰もが行くべきだと言っていた町。

でも観光して回る余裕はないだろうな。
行けるならば夜行を乗り継いでガンガン南下して行こう。


1時間半経ってようやく洗濯物が出来上がったので、兄ちゃんと拳を合わせて宿を出た。

photo:02










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暖かな日差しが降り注ぐバニョスの町は今日も穏やかな空気が流れる。

山々がそびえ、高地の冷たい風が吹く。

そんな中バスターミナルに到着。

ここバニョスからクエンカへの直通のバスはないみたいで、まずは隣町のアンバト、もしくは少し南のリオバンバという町まで行かないといけないそう。

アンバトまで0.8ドル。
リオバンバまで2ドル。

少しでも先に進みたいのでリオバンバ行きのチケットを買った。
たぶん総合してこっちのほうがほんの少しだけど安いと思う。

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屋台でフライドチキンとポテトを買って口に詰め込み、リマまでの長距離移動、最初のバスに乗り込んだ。








photo:04




バスは雄大な山並みの懐を縫うように進んでいく。

どこか懐かしいっていうか、日之影丸出しの景色の中を駆け抜けて行く。

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そしてバスは2時間弱でどこかわからない町の中の道沿いに止まる。

わけもわからず降ろされると、バスのスタッフがあっちあっち!!あっちに行け!!と指をさしてすぐに走り去って行った。


ポツンと取り残される。



言われた通りにとぼとぼ歩いて行くと綺麗なバスターミナルを発見した。

ここらのバスはターミナルの中まで入ってくれないみたい。
注意しないとな。









photo:07




ターミナルの中では、キトキトー!!グアヤキルー!!と、バスの客引きたちが大声で呼びかけている。

大きな荷物を持った旅行者丸出しの俺なんて格好の獲物といったところ。


でもエクアドルで毎日思うことだけど、この国の客引きはとてもあっさりしている。

今まで行った途上国の客引きは荷物を勝手に運んで行ったり腕を掴んで引っ張ってきたりしていたけど、エクアドルの客引きは、そんな強引なことはほとんどしない。


ホテルとってる?いいとこ知ってるよ?いらない?ふーん。

キトに行くの?え?違う?どこ行くの?あー、クエンカならあっちだよ。



こんな具合。
嘘をついてボッタクったりしてくることがほぼない。
マジで分け隔てなく同じ値段。

旅行者を食い物にして稼いでやろうっていうガツガツしたところがまったくない。


みんな本当にスレてないというか、正直で、え?人に嘘ついたらダメじゃん、みたいな素朴さがある。

旅行者にとってゆっくりと腰を落ち着けられる大きな理由のひとつだ。


ただフレンドリーすぎて歩いてるだけでスーパー話しかけられるけどね。
これ何?って1日に10回以上はトロールのこときかれるし。











6ドルのチケットを買ってクエンカ行きのバスに乗り込む。

町を抜けたころ、辺りは濃い霧に包まれ始めた。
窓の外が真っ白になり、どんなところを走ってるのかまったくわからない。

これが霧なのか、雲なのか、とにかく3000メートル近い山の上を走っていることはたしか。

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そんな中、ふと霧が薄くなった瞬間に視界にすごい光景が飛び込んでくる。

目のくらむような断崖、馬を引くインディアンのおばちゃん、山の斜面にへばりつく家々、


そしてこんな不思議な夢の中に出てきそうな町も。


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崖の中に現れた山奥のほんの小さな町なんだけど、中心に丘があってそこに巨大な像がたっていた。

中世にタイムスリップしたような隠れ里。

そのロマンに胸が震える。

photo:10






そんな時代の止まったようないくつもの隠れ里が山のひだにひっそりとたたずんでいる。
霧に包まれながら。





ふとバスを降りてみたくなる。

チケットなんか捨てて、この偶然に身を委ねてみたくなる。


ふらふらとあてもなく歩いてみたい。

こんな名もなき天空の村で生きる人々と話してみたい。



知らない場所に行きたい。
そう思わせてくれる光景がいくつも続く。

photo:11




旅情と郷愁という似て非なるものをここまで併せ持つ国って今まであったか。







日が沈み、山の中が真っ暗闇に包まれると、今度はその小さな町たちが明かりをともし、アンデスの山をささやかに飾る。


寄り添うように群がる明かり。
その真ん中にはひときわ大きく輝く教会。

なんてよく出来た夜景だ。

これが名もなき町だなんて。



エクアドルは全てが、人々の生活の全てが美しい。

もっともっと時間をかけたかった、エクアドル。











バスは夜の22時にクエンカに到着した。
大きなバスターミナルはこの時間でも人の姿が多い。



今夜の宿はどうしようかな。

なんにも考えずにやってきたけど、やっぱりここは南米なんだから野宿は避けたい。

いくらヘロニモたちと鍛えてきたとはいえ、まだそこのタガは外れていない。



とりあえずお腹が空いたので、ターミナルの周りを歩き回って食堂に入った。

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お決まりのビーフとお米とバナナフライ。
もう、なんかちょっとくらい変わったものとかないのかよ。

エクアドルの食のバリエーションは本当少ない。




ご飯を食べながら店員さんに向かいのホテルの値段を聞いてみた。


「あー、15ドルだよー。」



高え(´Д` )

そんな払えないよ………


市街地の安宿街に行けば10ドルを切る宿もあるんだろうけど、ターミナルの周りにあるのはビジネスホテルみたいなとこばかり。




うーん、どうしよう。

市街地の安宿に泊まって明日の朝イチに観光してから出発するか?

クエンカって世界遺産に登録されている町なんだよな。
そんな歴史ある美しい町を目の前にして、スルーなんてしていいのか?

誰もがオススメしていたのに。






ってそんなこと言ってたら確実にイースター島に間に合わなくなる!!!

飛ばすところは容赦なく飛ばす!!!


後ろ髪ひかれるけど………


いやぁ、南米って1年必要だわ。
マジで。







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それから、なんか広場でイベントやってたので地元の人たちに混じって見ていたら、魔女みたいなオカマたちに囲まれてビールを飲まされる。

顔怖え。


するとみんながコップにつがれたビールを最後まで飲み干さずに少し残して地面にこぼしていた。


「あ、それもしかしてパチャママ?」


「あああ~ん!!パチャママ知ってるわよこの子~!!」



オカマたちが抱きついてくる。


無駄に肌きれい。





遊びに行くワヨ!!ってなったけど怖かったので逃げて、バスターミナルに戻って来た。








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ターミナルは0時になっても明かりがついて開放されている。
たくさんの旅行者たちがベンチに座って寝ている。

南米のバスターミナルってセキュリティの関係で夜は閉まるのかと思ってたけど、このクエンカはそうではないみたいだ。

そしてターミナルって泥棒の巣窟みたいなところが多いけど、ここはたくさんセキュリティの人たちが絶えず巡回しており、とても安全。


今夜はここで過ごすか。







ベンチに横になって眠るのは禁止みたいで、ずっと起きていた。

新しいスペイン語の曲の練習をして、日記を書いて。

寝静まったターミナルの中、オッさんが携帯電話で音楽を流しているのが響き渡る。



眠い。
でもセキュリティがいても、やはりここでは眠りたくない。

歩き回ったり、コーヒーを飲んだり、足をつねったり。

目をこすって必死で起きていた。



疲れた体。
1人のバスターミナル。




そうだ、旅ってこんなだったよな。

久しぶりの孤独が心地よかった。






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月曜日にクスコのオシャレなカフェで歌わせていただくことになったんですが、場所はここです。

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クスコのメインスクエアからアレキパという細い路地に入ったところにあります。

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美味しいマテ茶が飲めます。
夜20時からになります。
お気軽にどうぞ!!






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