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暴走族だったあの頃

1月25日 土曜日
【エクアドル】 バニョス



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男の子なら誰でも1度はそういう時期があったと思うんですが、だいたい中学後半から高校前半のころって、バイクに憧れてブンブンブーン!!とかいきがります。


まぁほとんどの人は実際乗り回したりはしません。

ヤンキーのすることです。


ヤンキーって田舎に多いじゃないですか。

だから宮崎ってマジヤンキー半端なく多いんですよ。

僕の周りにもたくさんいましたので、いつもそいつらと遊んでましたけど、僕自身はバイク乗ってブーン!!とかはしてませんでした。

健全にロック少年でした。

金髪にしてギター弾いてました。








そして今思い出してみると、あの頃のケータ君はほんとにひどかったなぁ………

直管マフラーでエビテール、ハンドルを鬼曲げして、毎週土曜日の夜になると宮崎で1番賑やかな橘通りでフカしまくっていました。





そうです、彼は暴走族だったのです。




若者のギャラリーがタコ踊りして煽る中、彼らは道路を封鎖して街にゴッドファーザーのテーマを轟かせていました。
特攻服着て。

ちなみにケータ君の特攻服に刺繍されていた文字は「日南最狂」でした。



あの時のケータ君はほんとに危ない男で、とにかく近隣では名の知れた男でした。

僕はヤンキーでもなんでもなかったんですが、ケータ君とはよく遊んでいました。

危ない男だけど、僕のことは慕ってくれていました。



1度街を歩いている時に、変なガキが僕に絡んできたんだけど、その時ケータ君、いきなり持っていたジョージアのエメラルドマウンテンでそいつの頭を殴って血まみれにしたことがあって、僕が止めなければ彼は今ごろ前科持ちだったかもしれません。


ただ、いつも私服が山本寛斎のセーター、セカンドバッグを脇に抱えて、サンダルをはいてるという格好だったので、一緒にいるのが恥ずかしかったです。





あれからずいぶん月日も経ちました。

いつかトラック乗りになって日本中を駆け巡るとですよ!!って、オグラでチャンポン食べながら言っていたケータ君の言葉、今も覚えているよ。


あのケータ君が今、南米の地でこんなにこやかな笑顔をしているのかと思うと、あの頃が懐かしく思い出される。


あの頃のすさんだケータ君がこんないい笑顔しているのがすごく嬉しいよ。






嘘です。
ケータ君とはこの前メキシコで会いました。

若い頃のケータ君とか知りません。
日南最凶ではないと思います。

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はい、今日はそんなケータ君の鬼ドリフトで山攻めをしに行きます。

なにやらこのバニョスの町からバイクで20分くらいのところに大きな滝があるそうな。
ホステルのスタッフが言うにはエクアドルで1番の滝みたい。


普通はみんな自転車をレンタルしてサイクリングしながら向かうみたいだけど、俺たちにはケータ君のバイクがある。


旅中にバイクでツーリングできるなんて思ってなかった!!!

嬉しい!!
ケータ君!!後ろに乗るのが男でゴメン!!




てなわけでホテルのスタッフにヘルメットどこでレンタルできますか?と聞いたら、俺の持って行けやと自分のヘルメットを貸してくれたので、超グラシアスって言っていざ出発!!!








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ただの日之影みたいな町を抜けて走って行きます。

太陽に輝く緑がとてつもなく気持ち良くて、宮崎の田舎育ちとしては開放感に心から包まれます。

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大きなダムがあったり、水がしたたる暗いトンネルがあったり、日本の山を駆け巡っていた頃が懐かしい。

まるで木曽街道あたりを走ってるみたい。

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道の途中途中に観光客用のアトラクションがあり、谷に渡されたワイヤーを滑車で滑り、体ひとつで飛んでいくという恐ろしいことをやってる白人たち。

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ゴーカートみたいな小さな車でブンブン山道を走っていく白人たち。


さらにさらに、クラブミュージックをガンガン谷間に響かせながら走ってきたのはド派手なトロッコバス。
白人の若者たちがたくさん乗っており、フォオオオオイイイ!!!!イエエエエエイイ!!!と叫びながら走っていった。


一体何が楽しいんだろう………





そんな白人たちを横目に、道端のあばら家でチキンを焼いてたおばちゃんのところでご飯を食べ、さらに先へと進んでいく。

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しばらくすると、ほんの小さな集落に入った。

食堂や土産物屋さんがポツポツと並んでおり、ここがそれなりの観光地だということがわかる。


道をたずねながらそんな集落の脇道に入り、ガタガタの未舗装道路を進んで行く。

周りにはひたすら森が広がり、遠い山から流れてくる川には透き通った水が流れている。


高地の澄んだ空気と川のせせらぎが混ざり合い、とても心地がいい。

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そこから先にはゲートがあり、入場料の2ドルを払う。

ジャングルの中の遊歩道を歩くのってワクワクさせてくれる。

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澄んだ川沿いに歩いて行くと、遠くから低い音が聞こえ始め、急に豪快な滝が現れた。

流れ落ちた川は神秘的な色をたたえた滝壺の空間に飛沫をあげて吸い込まれていく。

木々のツルが垂れ下がり、秘境感を演出している。

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緑色のきらめきと薄暗い滝壺が、宮崎の高千穂を思い出させる。








いやー、綺麗だね、

うん、まぁまぁだったね、






と話しながら帰ろうとしたんだけど、まだ先に道があったので散歩がてら行ってみることに。


ジャングルの中を進んで行くと、所々、木に同化するかのようにかつての橋の跡やワイヤーが残されており、過ぎ去った時間が胸に迫る。

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昔からの観光地だったんだなぁ………と歩いて行くと、いきなりこんなものが目の前に立ちはだかった。







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ちょ、これ無理!!

高すぎる!!!




目のくらむような断崖絶壁に吊り橋がかかっていた。

山々の間に渡された冗談みたいなスケール。

さっき入場ゲートのおじさんが、お酒は飲んでないよね?と確認してきた意味が分かった。


これはマジでヤベェ(´Д` )




「どうしたんですか?行きましょ?」


そう言って平然な顔をして橋に足を踏み入れるケータ君。


おお、お、俺だって綾の大吊橋がある宮崎出身の男だ。





恐る恐る足を乗せると、ぐわんとたわんだ。


ここここかここ、ここ、怖すぎる(´Д` )!!!



ちょ、ケータ君!!待って!!マジオシッコ漏らす!!


うわっ!!すげぇなんだあれ!!!





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橋の途中から横を見ると、切り立ったものすごい高さの崖から水が吹き出して一筋の滝が落下していた。

さっきの神秘的な滝はただの始まりにすぎず、こいつが本物のエクアドル1番の滝だった。


落下した滝ははるか下の滝壺で砕け、また川となり流れていく。

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よく見てみると、その滝の両脇のいたるところに展望スペースがあり、人の姿が見える。

滝が巨大すぎて人の大きさが米粒みたいだ。


その壮大なスケールが一端の冒険をしてるような気分にさせてくれる。





頑張って吊り橋を渡りきり、滝に近づいていく。
そして手を伸ばしたら滝に触れられるところまて行くことができる。

滝の裏側に回ることもできる。

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こいつはすげえ。

滝のエネルギーと、山の中にいきなり現れる秘密のものを見つけたような感覚が大好きで、日本でも100名瀑をたくさん見て回った。



このディアボロの滝だったかな?

スケールや吊り橋などのシチュエーションも含めて、日本100名瀑に負けない見応えだ。

ちなみに100名瀑のお気に入りは尾瀬の三条の滝です。
他にもいっぱいあるけどね。

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この人は何をやってるんだろう。









そんなアドベンチャー気分を味わえる滝と緑が気持ちいいツーリングを楽しみ、また来た道を戻ってバニョスの町に帰ってきた。


その足でそのままやってきたのは…………









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温泉。



なにこの完璧な行楽コース。

栃木?ここ栃木?

佐野ラーメン食べたい。







入泉料は2ドル。水着の着用が必須で近くの商店で1ドルでレンタルしている。


鉄分を含んだ赤茶色のお湯で、大きな浴槽に湯の花が付着している。

たくさんの人々がお湯につかり、子供たちがキャーキャーはしゃいでいる。

俺たちもすぐに着替えてお湯につかった。
少しぬるめだけどじんわりと温まり、火照る顔に冷たい風が気持ちいい。


目の前にそびえる大きな崖と、そこから流れ落ちる滝。
大自然に抱かれたこのシチュエーション。まぁよく出来た観光地だ。











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とまぁどこまでも自然を堪能できるこのバニョス。
こんなに小さな町なのに観光客がものすごく多いってのもうなづける。

こんなエクアドルなんて目立たない国なのにな。

日本人の感覚からしたらエクアドルなんてキトとガラパゴスだけ回って10日もあればOKって感じだけど、欧米人の旅行者たちはこんなマイナーな場所も細かく巡りながらじっくりと旅している。

まぁ欧米人と日本人ではガイドブックに載ってる情報も違うんだけど、マイナーなところに行こうとする冒険心の量も違うような気がする。


まぁ俺も駆け足の旅をしてる日本人。
目立たないところをガンガン攻める時間もない。
早いところサンペドロを体験して先に進むぞ。







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よーし、今日は土曜日!!

ギターを持ってメインストリートに向かうと、すごい数の観光客で溢れかえっている。

観光も温泉も堪能したし、これでバッチリ稼げたら最高だぜ。


さすがに土曜日なので、通りのあちこちに銅像やフォルクローレのパフォーマーがいるが、俺も負けてられない。

たくさんのレストランとお土産物屋さんの間に場所を決めて、ギターを抱えた。







で一瞬でお巡りさん登場。


「ここでやっちゃダメだよ。」


「でもあっちで色んな人がパフォーマンスしていますよ。」


「彼らはこれを持っているんだ。」



そう言って何かの紙を見せてくるお巡りさん。
どうやらパーミッション、ライセンスのようだ。

どこで取得できるかたずねると、月曜じゃないと手続きできないと言う。






終わった…………



この土日で頑張って稼ごうと思ってたのに、歌うことができない。

宿代はすでに3日分支払っている。

なのに歌うことができない。


あああああ!!!どうしよう!!!


この世の終わりみたいな顔をしてるとお巡りさんが続けた。



「夜の21時以降ならこの交差点でやっていいよ。ここの角だけだからね。」


「マジですか!?やったーーーー!!!!ありがとうございます!!!」


昼間に歌えないのはものすごく痛いけど、仕方ない。
夜だけでも頑張って稼がないと。









てなわけでいったん宿に戻ってロビーで日記を書いたりしながら夜を待つ。

この宿には日本人のおじさんが1人泊まってるけど、いつもイヤホンしてケータイいじくってて挨拶しても目も合わせてくれないような人なので一切仲良くなれてない。

そんなおじさんとロビーで無言でiPhoneをいじくり、夜になって部屋から降りてきたケータ君といざ出発。









土曜日の夜のメインストリートは活気に満ちていて、大騒ぎ状態になっていた。

腹ごしらえをして狙っていたポジションへ。
まだ20時30分。

すぐそこでさっきのお巡りさんがこっちを見ている。




ギターを取り出してチューニングをしてケースを広げる。
スタンバイ完了で21時を待つ。

人混みが溢れかえり、早く歌いたくてソワソワする。




あと5分………あと3分………あと1分………



21時と同時に演奏開始。

それと同時に集まってくる人だかり。



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そこから2時間。

土曜の夜のクラブの爆音がやかましくて喉が枯れてしまうまで歌いまくった。

エクアドルではまだ見ていなかった5ドル札が2枚も入り、足を止めてくれた人たちと大合唱の大盛り上がり。

やっぱり白人のノリはすごい。

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「ヘーイ!!!フミーーー!!!」



なんだ?
声のした方を見ると、そこにはなんとキトの宿で仲良くなったあのヘロニモとマリアンナがいた。


「うおーーー!!!ヘロニモーーー!!!」


「元気そうじゃんかーー!!あれからバスでは歌ったかい?」


「そうだよ!!あれからずっとバスで歌ってて、ついに飛行機のチケット買ったんだ!!ヘロニモとマリアンナのおかげだよ!!」


「イエーーーーイイ!!!」



喜んでくれる2人と思いっきりハイタッチした。

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サンペドロの情報をくれたこの大好きな2人とも会うことができ、めちゃくちゃいい雰囲気で今日の路上は終了。

開始が21時なので、そんなに長い時間できないんだよな。



それなのにあがりはなんと2時間で55ドル!!!



こりゃ1日やったら100ドルいくな。

月曜日ライセンス取りに行こうかな。






「フミ、俺たち明日は近くの町に仕事に行くけど一緒に行かないかい?」


「もちろん!!一緒に行こう!!」


マクラメのアクセサリーや小物を地面に並べて売っているヘロニモたち。
彼らはこの編み物もやるし、歌も歌うし、ジャグリングもやる。

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あらゆる手段で金を稼ぎながら南米中を旅している筋金入りのホーボーだ。

彼らの仕事、また勉強させてもらおう。
きっと面白い1日になるぞ。










よーし、2人に会うことはできた。

秘密のサンペドロまで、あともう少しだ。

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