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みんなどんな合コンする?

1月17日 金曜日
【エクアドル】 キト



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もう汚すぎる。

一体どんな育ち方をしてきたらこんなに散らかすことが出来るんだろう。


まぁ日本の可愛い女の子とかでも片付けられない子とかいるけど。


最近宿にどんどん新しいヒッピーたちがやってきているので、ベッドが足らず、それでも受け入れているので、階段の踊り場とかにマットを敷いて寝てるやつとかいる。

犬連れで旅してるやつとか、まだヨチヨチ歩きの子供を連れた家族とか。


カオス具合がとどまるところをしらないくらい加速しているんだけど、俺たちのこのクソ汚い、荷物で足の踏み場もない部屋にさらにもう1人汚いヒッピーが転がり込んできており床にマットを敷いて寝ているので、もうぐっちゃぐちゃにもほどがある。



そんなマットの上で朝から音楽をかけてモクモクと煙をたてており、ケータ君のベッドは完全にみんなのソファー兼物置きになっており、葉っぱのカスが散らばっている。

ついでに言ったらケータ君のベッドの下からウンコが出てきた。


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こいつの仕業。可愛いけど。






ここに長いこと泊まっているアレハンドロや他の奴らの部屋は、みんなある程度整理整頓をしており綺麗なんだけど、この部屋だけだらしないヒッピーの溜まり場になっており、いつも知らないやつらが出入りしており、挨拶しても返事しなかったり愛想が悪い。



帰って来た時にドアをノックしてもすぐに鍵を開けなかったりする時があって、とてもじゃないけど信用できないので、いつも全財産を持ち歩いている。


ママや管理人のダビに、あいつらどうにかするか部屋を移らせてくれと何度もお願いしてるけど、今満室だから無理なんだよと言われるだけ。

確かにこんなゴミだらけの部屋の床にマットを敷いて寝てるやつがいるくらいだからベッドは空いていない。


床で寝てるやつも可哀想だわ。

いつも上をまたいで歩かれてる。

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ゲンナリしながらも今日もバスキングだ。
なんとかこの週末で確実に稼がないと。

失敗は許されない。

金曜、土曜で100ドルずつ稼いだとしてもまだ少し足りない。



ここが正念場。
ここを踏ん張り切ったらあとは進むのみだ。


ギターを抱えてケータ君と宿を出た。











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いつものバス停からバスキング開始。

もうすでに2人のコンビネーションはバッチリだし、稼げる路線、人の多い時間帯も把握している。


ヘロニモたちがやっていたテクニックとして、歌い終わった後に自分でブラボーと言い拍手をして強引に盛り上げるという手法を取り入れてみたら、車内の一体感もグンと上がりお金の入りも良くなる。


今日は金曜日。
平日最後の日のバスはウキウキとした空気に満ちている。




のだが…………









疲れがめちゃくちゃ溜まっている。

先週までの雨が止んでから、キトで毎日毎日歌い続けていたので体がだるくて仕方ない。

2曲しか歌わないといっても、絶えず揺れ動いているバスの中で下半身だけで踏ん張りながら歌うのはかなり体力を消耗するみたいだ。



「いやー……疲れたよケータ君………」


「僕もです………毎日歌うってこんなに疲れるんですね………」


「あああ………昼間からビール飲みたいー………」


「あ、あれ……?じ、地震じゃないですか………?あ、地震だ。」


「ケータ君、地震じゃないよ。それはね、職業病だよ。」


「ええ?ま、マジですか?ああー、地面が揺れてるー………」



常にバスの中で揺れにさらされているので、エレベーターに乗りすぎた後みたいに地面が動いている感覚だ。


コロッケとコーヒーの糖分がしみる。

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そんなダルさの中、根性でバスを捕まえ続けること7時間。

かつてないほどのコインの数と連日のあがりが詰め込まれたケータ君の小さなリュックは、もはや俺のキャリーバッグよりも重いという異常な重力に。



「ぬぐおおお………バッグパック担いで歌ってるようなもんだ………どんな筋トレですかこれ………」




そしていつもの中華料理店でコインの清算。


あがりは…………










121ドル。


「す、すげえ…………」


「すごいですね………よし、ビール飲みましょう。」


「いや、まだ俺今から路上行くから………」


「よくやれますね………歌ってるだけの僕でもこんな疲れてるのに………」




飯を食べたらすぐに宿に戻って荷物をまとめ、旧市街へ向かう。

今夜は金曜日。

そう、あのロンダストリートにやってきた。




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「うおー、なんですかこれ、すげー!!」


金曜のロンダストリートはいつものようにお祭り騒ぎで、ヨーロッパ風の細い通りに溢れんばかりの人がひしめいている。


この通りの真ん中で歌えたら最高なんだけどなぁ………


しかしここでは出来ない。

パフォーマーたちを閉じ込めている小さな広場は、クラブの爆音と他のパフォーマーたちの音楽が轟いておりとてもじゃないけど生ギター1本では話にならない。


トンネルの中ではやはり盲目のフリのおばさんがマイク片手に歌っている。


うう、やっぱり厳しいな………




仕方なくいつもの坂の上の寂しい通りで歌う。

人通りはまばらだけど、ここなら警察も何も言わないし、お金も少しずつ入っていく。



1時間ちょい歌い、時計は23時になった。
今夜はこの辺だな………

夜のあがりは32ドル。

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全財産を持って歩いているので、急いでトロリーバスに乗り込んで新市街に戻る。


そしていつも行っている裏通りのバーへ。

バングラデシュ人やミャンマー人がやっているファストフード屋さんなんだけど、ビールがめちゃ安いし、みんないい奴で完全に常連になっている。


疲れきった体にビールが染み渡る。

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「はぁ……マジで疲れたー………」


「いやー……ここが宮崎だったら何します?」


「そうだなー………とりあえす弥次喜多で鉄板焼きを食べて、それから知り合いのバーで少し飲んでからスナック行ってウダウダかなぁ………」


「スナックいいですねー………呼び込みの兄ちゃんに本当に可愛い子いるのー?って聞いて………お仕事何してるんですかー?何してる風に見えるー?っていうアレですよね。あー、合コンしてー………」


「合コンやったらアレやね………万力で焼き肉食べてそれからビッグエコーにカラオケ行って、みんないい感じに酔っ払ったところでダーツバーに行って女の子とチーム組んでカウントアップを1投ずつに分かれて、変なとこ投げて、何してるとー!!とか言ってボディタッチが増えていって、えへ!!えへへ!!ってなって…………」


「楽しそうですね。でもここエクアドルですけどね………」


「うん、エクアドルだね………」


「あー!!日本人の女の子いねーのかー!!」


「よし!!今からホステルガラパゴスに殴り込みに行くぞ!!」


「………あ、金丸さん、ビール空ですよ。」


「あ、うん、ありがとう。」



こんな感じでいつも2人で飲んでます。

さぁ、明日も頑張るぞ………

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