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南米で日本人タッグ

1月14日 火曜日
【エクアドル】 キト





「金丸さん………金丸さん……おはようございます。」




ケータ君が追いついてきた。

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メデジンでバイクを買ったものの役所が休みで書類が受け取れず10日間も足止めを食らっていたケータ君がようやくキトにたどり着いた。

もう会うことはないだろうと思っていたのに、キトでの腰を据えた貯蓄生活のおかげでケータ君にまた会えた。



それにしてもゆうべは24時を過ぎたような時間によくこの秘密の宿にたどり着けたな。



「いやー、ゆうべ本当は20時にはキトに入ってたんですけど、あまりにもここの場所が分かりづらくて………ほんと参りましたよ。」



メデジンからの過酷な移動でゆうべはフナムシみたいな顔をしてたケータ君。

疲れ切った身体で眠ろうとしたら、コロンビア人の女の子が生理だったみたいで、いきなり血のついたベッドで眠らされるという旅のネタに困らない男。



「なんなんですか……ここ………看板もないし、入った瞬間ものすごいマリファナ臭いし、ヒッピーばっかりだし………すごいとこ泊まってますね………」




そんな絶望的な顔をしていたケータ君だけど、一夜明けるといつもの爽やかな表情に戻っている。









よしよし、疲れてるとは思うけど、ちょっと手伝ってもらえないかな。



バスバスキングの助手を。




「バスの中でやってるんですか!?もう完全に現地人じゃないですか!?ウケるわー。全然いいですよ。やりましょう。」


「分け前は7対3くらいでいい?」


「いやいや、ビールおごってもらえればいいですよ。面白そうだし。」


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てなわけで、ケータ君と2人で身軽な格好で宿を出た。



いつもの中華料理店で腹ごしらえとインターネット。


「いやー、マジでキツかったですよ。ずっと山道で雲の中走ってましたもん。ものすごい寒かったし。どうせバイク3日くらい休ませて整備したりしたかったからちょうどよかったです。」


かなり過酷な3日間の移動だったんだろうな。
ていうかやっぱり南米野宿かましてるんだな………




「あ、そうだ、バスバスキング僕も1曲歌ってみていいですか?」


「いいけど何歌うの?」


「メデジンのカオリさんの家で覚えた曲があるんですよ。スペイン語の。」



よし、じゃあ1曲目、俺がギターを弾いてケータ君が歌う。
そして2曲目を俺が歌ってる間にケータ君にお金回収をしてもらって、歌終わりと同時にスムーズに下車って流れか。


いっちょかますぞ!!




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「よおおおおおし!!!!ケータ!!この野郎!!歌うのはいいけどバスキングなめんなよ!!バスキングってのはなぁコノヤロウ!!よく聞けよフニャチン、1番大事なのはなぁ、」


「金丸さんバス来ましたよ。」


「あ、うん、行こうか。セニョール!!ドスカンシオネス、ポルファボール!!」




2人でバスに乗り込む。
いつものように珍獣を見る目の乗客たち。


「オラー!!ブエナスタルデス!!メジャモフミ!!」


「メジャモケータ!!」



2人で自己紹介し、演奏開始!!

ケータ君がメデジンで覚えてきた曲というのは、「ウンベソイウナフロア」という曲。

ひとつのキスとひとつの花という意味。


俺も曲だけは把握している。
なんかスペイン語の曲をやってよー、って現地の人に言われた時にこの曲を鼻歌でも歌っただけで、大盛り上がりの大合唱になるような、ラテンアメリカ圏ではスーパーメジャーな曲。

日本でいう上を向いて歩こうみたいな国民的な名曲で、旅立ちの歌だ。






ケータ君が歌い始めた瞬間、すぐににこやかな表情になる人々。

一緒に歌ってくれる人も。

気難しそうだなと思っていたおじさんも窓の外を眺めながら口ずさんでいる!!




け、ケータ、コノヤロウなかなかやるじゃねぇか………



で、でもさ!!音程は不安定だし、リズムも先走るし、バスキングをなめてもらったら困るよね!!

俺は高校生のころから路上で歌ってきて今まで散々けちょんけちょんにバカにされながらもがんばってやってきたん…………



「アーリパールティー、ウンベソーイウナフロー♫」



客席を回りながら手を広げて堂々と歌うケータ君。

おお………バスキングで1番大事なビビらず堂々とやるっていうことをよくわかってやがる………







笑顔で楽しそうに歌うケータ君。
まだ2曲目に入る前からチップを渡そうとする手が客席からのびる!!


うおー!!ケータ!!コノヤロウ!!グッジョブだぞ!!









1曲目が終わり、拍手とともに俺の歌開始。

ケータ君がいつものさわやか笑顔と日本代表みたいなフレンドリーさでお金を回収して回る。

マジで8割りくらいの人たちが帽子にお金を入れてくれる。


そしてスタンドバイミーがバーン!!と終わって後ろの出口から、ありがとー!!とバスを降りた。

そんな俺たちに車内から手を振ってくれる人たち。


「か、金丸さん!!すごいです!!4ドルくらいありますよ!!やべぇ!!バスキング楽しい!!」


「おい、ケータ!!バスキングなめんなコノヤロウ!!」


「あ、あのバスいいですね、行きましょう。」


「え、あ、うん、なんかごめん。」





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そこからひたすら5時間。

ミスも多い。

人が全然乗ってないバスに乗り込んでしまったり、逆に多すぎて身動きとれないような状況でオッちゃんの顔面にチューしそうな近さで歌ったり。

オッちゃんゴメンね(´Д` )


でもそんなオッちゃんも笑顔でお金を入れてくれたり。







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わけわかんないバスに乗ってしまい、ものすごい郊外のひと気のないようなところまで運ばれてしまって途方に暮れてみたり。

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山の天候らしく夕方になったらスコールが降ってきたり。

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そんなこんなの日本人2人のバスバスキング。

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18時を過ぎてそろそろ終わろうかという頃には、もう何本バスに乗ったかも覚えておらず、疲れて近くのバーに転がり込んだ。

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そしてそんなバスバスキングのあがりは…………








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89ドル。





うぽおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!

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1人45ドル!!!!!



「オラアアアアアアアアアア!!!!高い順に食い物持ってこいやああああああああ!!!!!!」


「金丸さん!!ここ1番高いの3ドル!!」




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すげええええええ!!!!

バスバスキングすごすぎる!!!


今まで中南米であんなに苦労して警察やホームレスや雨や騒音と戦いながら路上やってたのは一体なんだったんだ!!?

こんなやり方があったなんて!!

やっぱ旅のヒッピーの情報は確実!!

ヘロニモ!!マリアンナ!!
ありがとう!!!



「ビール持ってこおおおおおおおおいい!!!!」


「ダメ!!お金入ったらすぐ使ってしまうの宮崎人の悪いとこ!!!」







やっべぇぜ…………

オーストラリアまでの航空券代、なんとかなるぞ!!


もちろんケータ君1曲、俺1曲と同じだけの働きなので、取り分は半々。


ケータ君にしてもマチュピチュやウユニ塩湖などの金のかかる観光地のためにここで稼げるのはとてもいいこと。



よおおおおおおおおし!!!!!

キト!!やっぱり大好きだあああああああああああ!!!!

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