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活路を開け

12月24日 火曜日
【コロンビア】 メデジン





誕生日です。

12月24日です。


海外での2回目の誕生日です。



いやー、もう2回目かー。めでたい!!

確か去年の誕生日はあれですね!!

マイナス15℃くらいの極寒のブルガリアで、死ぬほど震えながら森の中のベンチで野犬に囲まれて1人でショートケーキを切り株の上に置いてロウソク立てて泣きながらハッピーバースデーをつぶやいてましたね。
泣きながら。
涙も凍るかと思った。




それが今年はたくさんの仲間に囲まれて美味しい料理食べて心のこもったプレゼントをもらいました。






こんなに恵まれてていいのかな。
受け止める資格なんかないよ。


でもないからこそ、それに値する32歳にしないといけない。

歌えない歌えないって嘆いていたって始まらないことなんてわかってる。

メデジンのセキュリティは厳しい。

きっとこれから先も南米はずっとこんな感じのはず。

だったらなんとかして、なんとかして突破口をこじ開けないといけないんだよ。



こじ開けるのが多少力技になったって仕方ない。

四の五の言ってられない状況なのは充分わかってる。

そして歌えないから、って諦めているのが甘えだということも薄々気づいてる。

いや、薄々じゃなくて完全に自覚している。





昨日あれだけみんなに祝ってもらったんだ。

ケータ君とナオコちゃんからは、音が狂って使い物にならなくなっていたGのハーモニカという嬉しすぎるプレゼントまでもらった。

こいつで32歳の初路上だ。

photo:01













と、路上に出るその前に、ちょいと行く場所がある。

次の街へのバスを調べるためにバスターミナルへ行かないといけない。


メデジンの次は一気にお隣のエクアドルに向かう。

目的地はエクアドルの首都、キト。

ここから25時間くらいの距離だ。



ナオコちゃんも同じルートなので一緒に行くことになりそうだけど、ケータ君はバイクを買ってここからは1人旅になる。

長く続いたケータ君との旅だけど、メデジンを出たらもう合流することもなさそうだ。






エクアドルまでの道中にはサルサの街であるカリや国境の町、イピアレスなどの小さな観光地もあるんだが、今はそんなとこに寄っている時間はない。

出来ればキトまで一発で行きたい。



しかしこれまでさんざん書いてきた通り、コロンビアからエクアドルへの道はゲリラや強盗が出ることで有名なルート。

細心の注意で進まなければいけない。
今回はナオコちゃんがいるから、とかそんなの関係なく、俺1人だとしても安全な道を選ばないといけない。

photo:02














エクアドルへのバスが出ている南バスターミナルへやってきた。

綺麗で大きなターミナルの中ではクリスマスの小さなイベントをやっており、たくさんの人たちでごった返している。


ターミナルの中には、ものすごい数のバス会社の窓口がズラリと並んでいる。

それらをしらみつぶしに回ってみた。

photo:03








まずは1番メジャーなバス会社、ボリバリアーノ。

このバスはトイレ、モニターはもちろんコンセントやWi-Fiもあるという長時間移動に最適のバス。


設備が充実している上に、ゲリラにみかじめを払っているらしく襲撃される心配がないことで有名。


ただエクアドルのキトまでではなく、国境までしか行かないので、こからは別のバスを探してさらに5時間かけてキト入りという流れになる。


ここまでは問題なし。



問題はここからだった。




席なんていくらでもあるだろうと甘く見ていた。

そう、今はクリスマスからニューイヤーのシーズン。

誰もが里帰りで移動する時期だというのは日本もコロンビアも同じだった。


「空席があるのは29日か年が明けて3日よ。」


マジか………
てことはまだあと5日もメデジンに足止めか………




いやいや、バス会社は他にもいくらでもある。
すべての窓口を回って聞いていく。





ここでわかったことは、どうやらキトまで直通のバスはないということ。

そしてボリバリアーノみたいに国境まで直通するバスもないということ。


どこも、国境までの中間地点であるカリまでしか行かないようだ。

カリまでのバスなら空席はいくらでもある。

やはりボリバリアーノは人気だ。





ではカリまで行き、そこで乗り換えて刻みで国境を目指すという選択肢はどうか。

まずは値段の問題。


ボリバリアーノで国境まで一発だと、値段は108000ペソ。57ドル。



中間地点のキトまでだと50000ペソ。26ドル。

さらにキトから国境までがだいたい50000ペソだという。


つまり刻みで行くのも、ボリバリアーノで一発で行くのも値段はほぼ変わらないというわけだ。


ただローカルなバスなので、駆け込み値段というディスカウントがある。

もう出発する。でもまだ空席がある。空席を埋めるために少し安くするから乗ってくれーっていうバス会社の作戦だ。

ただこれは予約が出来るものではないし、50000ペソが40000ペソになるくらいで、もし乗れなかった時のことを考えると賭ける価値はあまりない。







そして時間の問題。

ここから中間地点のカリまで12時間の移動になり、カリから国境までも12時間かかる。

となると、相当時間を計算して上手く乗り継がないと途中で2泊しないといけなくなる。

わけのわからない田舎町に夜に着いてホテルを探し回らないといけなくなるのは、この地域の治安を考えても賢い選択ではない。




刻んで行っても下手したらホテル代で余計高くつく。
乗り換えの間の危険がある。

かたや29日まで待たないといけないけど、国境まで一発で行ってスムーズに乗り換えてキトまでスパッと到達できる。


もはや南米は行きたいところにどれだけ効率よく進めるかが大事になってくる。

ボリバリアーノにしよう。


まぁ効率を求めるなら飛行機に乗るのが1番だけどね。そんなに高くないし。



29日出発のバスを購入。
108000ペソ。57ドル。

29日のお昼に出発して30日のお昼に国境に到着。
そこからキト行きのバスに乗れば5時間かけて夜に到着ってわけだ。

うまいこと計算されている。


ゲリラに襲われる心配も少なく、綺麗な車内では映画も見放題、コンセントもWi-Fiもあるってんだから楽勝の20時間移動だ。








「よし、ケータ君も一緒に行こうよ。バイクとか危ないからやめたほうがいいよー。」


「ほだらー。ゲリラに襲われたりコケて怪我したりするかもしらんぎゃー。一緒に行こまい。」


「ダメですって。これだけはやらんといかんとです。あー、でもみんなで年越ししたいー。」



ケータ君とはもう会えないかもしれないな。














メデジン脱出のメドも立ったところでケータ君たちと一緒にセントロへ向かう。

24日はクリスマスイブ。キリスト教地域である南米なので、コロンビアもやはり今日は祝日。

なので全てのお店が閉まってゴーストタウンになってるんじゃないか?と思っていたんだけど………






photo:04




photo:05




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おいおい、いつもより活気があるんじゃないか?

ただのお祭り騒ぎじゃねぇか!




こうなると血が騒ぐのが路上パフォーマーの性。

バイクを探しに行くというケータ君たちと分かれて、セントロのメインストリートへ。

photo:09




人ごみでぐっちゃぐちゃになっているセントロ。

もはや街全体が岡山の裸祭りみたいに人で押し合いへし合いになっている。

そんな人をかき分けて進んでいく。

photo:10






街角に立っているいつものセキュリティの人たち。

警察もたくさんいるんだけど、路上パフォーマーを取り締まっているのはセキュリティの人たちであり、警察は俺を止める権利は持っていないのはこの数日で確認済みだ。




そのセキュリティが目を光らせているけど、今日はそう簡単には諦めないぞ。





photo:11





彼らの目の届かなさそうな場所を探して歩き回る。

ボテロ広場のところまでやってきた。
相変わらずすごい人の数。
観光客の姿も多い。






その脇道に良さそうな場所を見つけた。

ここいいんじゃないか?

向こうの方にセキュリティたちが立っているけど、ここまでは巡回していないようだ。


よし、やっちまうか。
止められたらササッと動けばいい。

ギターを取り出し、思いっきり声を上げた。











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言われない。

何も言われない。

なんてこった、何も注意されないぞ。


どうやらセキュリティの人たちの管轄はメインの通りだけで、一本脇道に入るだけで彼らは俺を黙認している。


脇道なのでお金の入りはイマイチ。
コインが多くて伸び悩む。

だけど今はそんなことどうでもいい。

何も言われずにのびのびと自由に歌える解放感がたまらなく嬉しい。

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やったぞ、なんとか場所の確保はしたぞ。

これから29日まで毎日少しずつでも稼いでバス代くらいは必ず稼ぎ出してやる。

あがりは45000ペソ。27ドル。

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photo:21

















カオリさんの家に戻ると、知らない男の人たちがたくさんいた。

3人の新しいバッグパッカーがやってきた。


と言っても、俺たちよりも先にここにやってきており、ベネズエラのロライマ山にアタックしに行っていた人たちが戻ってきたのだ。


ユーキさんとユータ君とカズヤ君。



ユータ君の顔とこの変わったギターに見覚えのある方はかなりの世界一周ランキングマニア。

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GO世界のるーさんのブログで、キャンピングカーあいのりアメリカ旅をやった羨ましすぎるメンバーの1人だった人。



カズヤ君は自称オタクの新米のお医者さん。



ユーキさんもお医者さん。そう、サキちゃんの彼氏さん。
悔しいけど男前でお似合いのカップルです。
サキちゃんも久しぶりに彼氏に会えてテンションが上がっている。



一気に人口密度が増えたホステルカオリ。一人暮らしの部屋に8人もいる。
こんな大人数が押しかけても、ニコニコと迎えてくれるカオリさんは本当に懐の広い人だなぁ。


そんなみんなでクリスマスイブの晩ご飯に作ったのは、これ。





photo:22




お好み焼き。

うがーーー!!!おたふくソースの破壊力がハンパじゃねええええええええ!!!!!



えー、他の旅人のみなさんごめんなさい。

オタクのカズヤ君の言葉を借りれば完全にリア充ですね。

GO世界のるーさんチクショウ!!とか言う資格ゼロですね。









32歳の誕生日。

いい日になったよ、お父さんお母さん。

31歳のブルガリアでの極寒の誕生日とは大違いだよ。


美味しいご飯食べて、暖かい部屋で楽しいメンバーに囲まれてるよ。

ちゃんとシャワーも浴びたし、服も洗濯してるよ。



そして歌える場所も見つけてお金も稼いだよ。たくさんの笑顔に囲まれてるよ。


心配かけてるけど、もうこの歳で帰るから。
還暦と退職のお祝いは遅くなるけど帰ったらするから。

ありがとう。







photo:23




カオリさんの枕元にみんなからのプレゼントを置いた。

カオリさん喜んでくれるといいなと思いながら寝袋に包まった。






みなさんのクリスマスが良い1日でありますように。

いつも応援してくれてありがとう。

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