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パナマ入国なるか 後編

なんだよこれ?
最後の最後まで、奇跡的なトラブルの連続。

結局バスがやってきてのは1時間後。




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カリブ海眺めてる余裕ナシ!!

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変なおじさんが車内で謎のひとり芝居を繰り広げてお金を集金して回るノロノロのローカルバスに揺られ、国境に戻って来たころには、日も傾く16時すぎ。

国境が閉まるのは17時。

朝イチにやって来たのに意味なし。
いや、朝イチじゃなかったらヨユーで間に合わなかっただけマシか。







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戻ってきたぞコノヤロウ!!!


猛ダッシュでイミグレーションへ!!

汗で髪がぐちゃぐちゃになりながらパスポートを出すと、そこで出国カードを書けと言う。

めんどくせえ!!

出国カードに手を伸ばすと、横からやってきた黒人のおばさんがアメフトみたいなタックルをしてきて用紙をむしりとった。



「ちょ!!1枚くれ!!何枚もあるやろが!!1枚くれよ!!」


「どっか行けチーノ!!」


腰で弾き飛ばされる。
こ、怖え………(´Д` )


なんとかカードをゲットして記入してイミグレーションにぶち込んで、スタンプゲット!!

出国完了!!
この時点ですでに16時半!!









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ダッシュでパナマ側に向かう!!

ジャングルの中の川にかかる古びた鉄橋。


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錆びついた鉄橋の上には腐ったような板が雑に敷いてあり、足元を注意していないと隙間から落ちてしまうそうな危険な道。

バタンバタンと板を踏みながら急いで橋を渡り切る。

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よおおおおおし!!!!

パナマは先進国!!

入国に厳しいくらいだからそれはもう綺麗に整備の整ったカスタムなんだろうな!!って何これええええ!!!???


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今までと何も変わらねぇじゃねえか!?
なにこの地の果てみたいなジャングル!!
夏油!?夏油温泉!?




そこにボロ小屋があり、呼び込まれる。

怖え!!バタバタだったから慌ててここまで来たけど、ついにパナマ入国のミッション開始!!!









まずは入国カード!!

パナマの入国カード、他の中米諸国と違ってかなり厳密。
記入欄が多い!!

所持金をどこの国のお金でいくらずつ持ってるか、とかそんなのもある!!

ちなみにパナマ入国には現金で500ドル以上所持してることが必須になるので注意!!










そしてそして!!



なんと航空券のフライトナンバーの記入欄まである。


あっぶねえええええ(´Д` )
ダミーでも作っといてよかったああああ(´Д` )


ユウコちゃんが作ってくれたコロンビア行きのフライトチケット。
iPhoneの中に保存しておいたので、それを見ながら記入していく。


問題なし!!
係員のおじさんも、航空券は持ってるか?ってお約束みたいに聞くだけで、細かいチェックまではしない!!




その横に、パナマには何日滞在するのか?という欄がある!!

ユウコちゃんには3日先のやつをとっといてと願いしておいた!!

パナマは物価が高い!!
安ホステルでも最低で11ドルはする!!
所持金は足りるのか?という面倒な疑いをかけられないよう、早めに出ますよ!!というアピールで3日後でとってもらったのだ!!
ぬかりなし!!
元弁護士のユウコちゃん天才!!






えーっと、3日ですよ………と。





カキカキ…………



ん?………あれ……?


3日後…………だよな………?



ダミーチケットの日付をよく見る。









《4 ジャニュアリー 2014》










ジャニュアリイイイイイイイイイイ!!!!!

来月の3日後おおおおおおお!!!!!!

ユウコちゃああああああああああんん!!!!!
月の設定間違ってるうううううう!!!!!




記入欄の3の横に0を書き足す。

その瞬間、顔色の変わるおじさん係員。



「30日?お前30日も滞在すんのか?パナマで30日も何するんだ?」


「いやー、自分まじパナマヤベーと思っててー、運河っつーんすか?マジリスペクトッス。あー、運河ヤベー。」


「年越しもパナマでするのか?」


「15歳の時にヴァンヘイレンのパナマ聴いてからずっとパナマで年越しするの夢だったんッス。マジパナマ半端ねぇッス。チュっす。」



「荷物全部開けろ。」








荷物全開けえええええええええ(´Д` )!!!!

他の白人たちがスイスイ通っていく横で1人全開けで、コンドームを机の上に投げられて、これなんだ?コンドームです、という辱めを受ける。




しかしかろうじて3ドル払ってそのボロ小屋をクリアー!!


最後の難関イミグレーション!!
お、お、俺の実力見せてやるううううううううう!!!!!!!




「あ?なんだこれ?なんでてめーコスタリカに3日いたんだ?」


「ひょ!!………そ、それはゆうべ着いたんだけどすでにイミグレーションが閉まってて!!」


「ダメだ。こいつは問題だ。」



パスポートを投げ返される。


「いや!!で、でもちゃんと今コスタリカ側でスタンプをもらってきたんです!!」


「いーや、これは問題だ。こっち来い。」



別室でピーマンみたいな顔して立ち尽くしていたら、航空券を見せろと言われる。

心臓引きちぎれそうになりながらiPhoneの画面を見せる。

頼む!!頼む!!






ふん、


そう言って奥に入っていったおじさん。



戻ってきて俺にパスポートを渡してきた。


「ほら、もう行っていいぞ。」










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「へひ!?へ!!」


「パナマシティーに行くんだろう。だったらここから次の町までタクシーで行け。そこからパナマシティーまでの直通バスが出てる。」


「えへ!!はひ!!それは何時に出るんですか!?」


「18時が最終だ。あと20分後だ。急げ!!」



うぎゃああああああ!!!
タクシータクシー!!

タクシーいねええええ!!!


するとそこに1人のアメリカ人旅人発見!!
彼も慌てふためいている!!


「パナマシティー行くんでしょ!?タクシー乗りましょう!!」


「ああ!!早くタクシー見つけよう!!」



でもいない!!
タクシーいない!!

焦りまくる2人!!


そこにちょうどやってきた1台のタクシー!!
うおお!!


「パナマシティー行きのバスターミナルまでスーパーラピドでお願いします!!!!!」


「ひゃっほい任せとけ!!」



ジャングルの中のクネクネ道を車線無視で時速140キロ!!

わずか10分で隣町のバスターミナルに滑り込んだ!!
タクシー代、1人5ドル!!






「パナマシティー!!パナマシティー!!」


叫びながら切符売り場を探していると、今にも発車しようとしていたバスのドライバーが俺たちの荷物をむんずと掴んで有無をいわさず荷台に放り込んだ。

そして問答無用でバスに乗せられ、シートに座った瞬間、発車。



「え!?こ、これパナマシティーに行くんですか!?」


「そうだ、心配するな。」


「え、で、でも!!値段は……?」


「29ドルだ。明日の朝4時にはパナマシティーだ。心配すんな。」




アメリカ人と顔を見合わせてハイタッチ!!









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シートに倒れこむ。

つ、疲れた………

もう1ミリも動けねぇ………


朝にパンひとかじりとポテトチップスを少し。

それと昼にコーラを一気飲みしただけなので、体のエネルギーがもうすっからかんになっていた。


毎日毎日パンとポテトチップスをほんの少しだけ。



体が乾燥ワカメみたいにからからだ………

もう動けない………







でも……俺やったぞー………


中米最後の国までたどり着いた達成感が、疲れた体に染み渡った。






【中米ローカルバス南下】 7日目



★国境~チャングノイラ
タクシー2人で乗って5ドル 10分



★チャングノイラ~パナマシティー
29ドル 10時間



小計 39ドル

合計 91ドル


国際バス 126ドル

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