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さぁ次の町へ

11月3日 日曜日
【メキシコ】 オアハカ





目が覚めると、部屋の中にフミちゃんの姿がなかった。


荷物も綺麗になくなっている。


えぇ!?俺たちが下ネタばっかり言うから嫌気がさして夜逃げしたの!?






というのは冗談で、フミちゃんは今日朝イチでカンクンに向かうため、空港へと旅立っていった。

深夜に帰ってきて、ベッドにバタンキューした俺は出て行ったことにまったく気づかなかった。



枕元に置き手紙があった。



「一緒に過ごせて楽しかったです!」


フミちゃん、俺も短い時間だったけど、本当に気兼ねなく過ごせてとても楽しかったよ。

日本に帰ったら山岡屋に行こうね!!

いっぱい食べる君が好き!!






よっしゃ、死者の日のフェスティバルも終わったことだし、俺もそろそろ出発しよう。

日本人宿と化していたこのホテルチョコレートも、今朝になり一気に宿泊者たちがチェックアウトして静かな雰囲気。


次の目的地は、メキシコで1番楽しみにしていたマヤ文明の遺跡、パレンケだ。








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とりあえず、ケータ君と一緒にいつもの中華料理店でご飯を食べ、バスターミナルへ向かう。


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ごちゃごちゃと汚いにもほどがあるこのエリア。
観光地区はまだマシだけど、このあたりはもうゴミは山のように捨てられてるし、建物も廃墟みたいだし、ものすごく臭い。

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そんな中で屋台で野菜とか売ってるってのが、いつもの後進国の光景だ。

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ケータ君と行き先が同じなので、別れ道がくるまで一緒に行こうということになってるんだけど、まぁこの2人なのでヒッチハイクで行ってもいいところ。


これまでアメリカからずっとヒッチハイクと野宿で下ってきたケータ君なので、俺も気兼ねする必要はない。
宮崎人2人がメキシコでヒッチハイクってのも面白いもんだ。


ただ一応バスの値段もチェックしておきたい。

安ければ迷わず乗る。
高ければヒッチハイク。



photo:05




これまた窓の割れまくったズタボロのバスターミナルにやってきた。

いくつかのバス会社を尋ねて回ると、パレンケに行くにはまずその途中にあるトゥストラという町に行き、そこから向かうのが良さそうだ。


そしてそのトゥストラのすぐ横にはサンクリストバルというほんと小さな町があるよう。


メキシコに来てから日本人たちからさんざん聞いてきたこの名前、サンクリストバル。


世界を旅する人々の中で、欧米人に人気の場所と日本人に人気の場所ってのは結構違う場合が多い。

それは趣味も違うだろうし、それぞれの口コミによるところも大きいと思う。


サンクリストバルは良いという話。
よし、じゃあ行こう。

そしてサンクリストバルはメキシコの山の中の小さな小さな町なのに、日本人がたくさん訪れる場所になっているようだ。


別に興味はないが、まぁどうせ通り道だし、ケータ君も行ってみたいと言ってるし、目指してみるのも悪くないか。



このオアハカからトゥストラまでが、11時間の道のりで260ペソ、20ドル。

トゥストラからサンクリストバルが地図で見る限り1時間くらいの距離なので、30ペソも払えば行けるだろう。


安い。よし、バスで行こう。

出発は夜。それまでちょいと歌ってバス代稼ぐか。











と、その前にオアハカに来て壊れたものがふたつ。


ひとつ目、サンダル。

何度も修理してきたけど、もう限界。
というわけでメルカドという戦後みたいな闇市場の中でサンダル購入。
70ペソ。540円。

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もうひとつがGのハーモニカ。


うおおおおお舐めてんじゃねぇぞコノヤロオオオオオオオ!!!!!

この前ロサンゼルスでケンジさんと買ったばっかりじゃねぇか!!!

しかもすぐ壊れないように少し高めの30ドルくらいするやつを買ったのに!!!

あああああええ!!!1年くらい壊れないハーモニカが欲しいいいい!!!!


しかし今日は日曜日。お店は閉まっていたので、仕方ないく音が出ない部分と音が狂ってる部分があるハーモニカでごまかしながらやっていくしかない。コンチクショウ。


こういう必要経費を出来るだけ削っていきたいんだけどなぁ………














よし、バスの時間までちょいと歌うか。

今日もまだ喉の調子はめちゃくちゃだけど、がんばってギターを鳴らして歌った。

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1時間半くらいやって409ペソ。うーーん、やっぱりこの町すげえ。

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photo:12




このバブーが可愛かったからちょっと動画撮りました。

よかったらどうぞ^_^

http://youtu.be/Duah8SBFyt0













「こんにちはー。お終いですかー?」


日本語で話しかけられて顔を上げると、そこには見覚えのある日本人女性。

あ、ペンションあみーごにいた女の人だ。住んでるみたいにずっと滞在してた方。


「私も路上でヘナタトゥーやってるんですよー。」


ヘナタトゥーってのは植物の油で書くタトゥーで、洗い落とすと肌に跡が残り1週間くらいで消えていくという、お手軽なオシャレ。

どこ発祥かは知らないけど、ミュージシャン、銅像、に並んで世界中の路上で見ることが出来る人気のパフォーマンスだ。

これを実際に日本人が漢字でやったらウケるだろうなぁとは思ってたけど、やっぱりやってる人いるね。



「私もこの前始めたところなんですけどねー。おとといはそこの路上でやって150ペソくらい稼ぎましたよ。」




ちょうど話してるところにケータ君がやってきたので3人でご飯を食べに。

こうしてパッタリ海外で知り合いの日本人と会えてしまうって感覚。すごいな。

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南米では、あのヨーロッパに腐る程いた中国人観光客をほとんど見かけない。
ていうかまったく見かけない。


中国人には南米は面白くないところなのかな。
その分日本人の旅行者はまぁすごい数だ。

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毎日日本人に会わない日がないな。
これからも南米はずっとそうだろう。

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宿に帰り荷物を担ぐ。

お世話になったチョコレート屋さんのみんなに別れを告げ、路線バスに飛び乗ってバスターミナルへ。6ペソ。50円。






するとターミナルの中にあの美女軍団がいた。


「あ、今から行くんですねー。」


話してると、どうやら彼女たちもあさってにサンクリストバルに向かうそう。
ケータ君は彼女たちとすっかり仲良しなので、向こうで会おうという約束をしている。



こうして出会った日本人たちとまた南米のどこかで再会したりするんだろうな。
そしてFacebookに共通の友達がいて驚いたりして。




笑顔で手を振り、俺たちはバスに乗り込んだ。


さて、明日の朝には、また次の町だ。



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