10月11日 金曜日
【メキシコ】 ずっとバスの中
志あるなら、実行あるのみ。
松陰先生ーーーーーーーーー!!!!!!!!
はい、なにひとつ書くことはありません。
武市半平太のどこまでも熱く、悲しいほどに純粋な生き様を見て、メキシコ人の帽子がウケねらってるとか言ってる場合じゃないなと反省している以外なにも書くことはありません。
あ、もうひとつ書くことありました。
バスの休憩のたびに、物売りのオッさんたちが入ってきて、謎のオモチャを売りつけようとしてきます。
これがそうです。
針金でできていて腕と足がポヨンポヨン揺れます。
口にはドルのコインをくわえています。
アメリカの資本主義社会に対する痛烈な皮肉でしょうか。
メキシカンのお兄さんも苦笑いです。
はい、これ以上もうないです。
バスはまぁ快適です。
快適さを表現するいい写真があります。
よくお分かりになったと思います。
メキシコ人、可愛いですよね。
今日1日、アラレ煎餅しか食べてません。
昨日の夕方に中華料理を食べて、明日の昼までずっとアラレ煎餅で耐え忍びます。
吉田東洋からの回答を待ち続けた武市半平太のように耐え忍びます。
でも我慢できなくなったら吉田東洋を暗殺したようにどっかでタコス食べます。
でも食べたら東洋暗殺の罪で切腹を命じられたように僕のお腹も横三文字に崩壊するので怖いです。
んー………
夜になると、映画を流していたモニターが消され、電気も消灯になる。
バスの中は静まり返り、みんな眠っているけど、1日なんにもしていないので当然眠くならず、ずっと窓の外を眺める。
窓の外は真っ暗闇が続いている。
どこまでも真っ暗闇で、何も見えない。
ここは昼間ならどんな景色が広がっていただろう。
すごく美しい景色だったかもしれない。
でも、ここの昼間を見ようと思ったら、他の場所が夜で何も見えなくなる。
俺はこの道を歩いているけど、一本隣の通りだったら、何か面白いものに遭遇したかもしれない。
指が痛くて歌うのをやめたけど、我慢してもう1曲歌えば、誰か面白い人が声をかけてくれたかもしれない。
ここ以外のどこかで、何かすっごくワクワクするようなことをやっているかもしれない。
それが我慢できなくて、 旅を始めた。
窓の外は真っ暗闇。
でもこの暗闇にも、何か面白いものを見出せるようになったら、旅は終わるのかな。
誰かが家の窓から、走っているこのバスを見つける。
俺もバスの中から、その家の窓明かりを見つける。
俺もお前も流れ星。
この夜明ければ、またふりだしだ。