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夢の中のビーチ

10月2日 水曜日
【メキシコ】 サンフェリペ





目を覚まして、冷蔵庫の水を飲む。

部屋の外で楽しげな声が聞こえる。



カーテンの隙間からのぞくと、中庭のプールでメキシコ人の家族が楽しげに泳いでいた。

よく見るとジェニファーさんも水着でその家族と一緒に泳いでいる。

ほんと、一瞬で誰とでも仲良くなれる人だな。







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パンツ1枚になってビーチサイドの椅子にもたれる。

日記を書いていたら、水着姿のジェニファーさんがコーヒーを持ってきてくれる。

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怖くなるほどの原色の空。

まるで深い海のように青が濃い。


そして焦げそうなほどに太陽が近い。

これがメキシコ。

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そんな中で風に吹かれていると、あまりの気持ちよさに身体中の力が抜けていく。

骨抜きとはこのことか。
体がとけてトロトロになってしまいそうだ。

誰も知らない秘密のビーチ。



世界中でここだけ取り残されたような潮騒とパームツリーの葉ずれ。

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あああ、ここはマズイ。

まるで麻薬のように体の芯から快感がじわじわとしみてくる。


風がいろんなものを連れてくる。
遠い思い出たちが胸をしめつける。

記憶のかけらに寄り添うことが何よりも大きな快感に思える。


この痺れ。たまらない。

こんな場所にたどり着けるなんてな。世界には嘘のように気持ちのいい場所がある、

これこそ旅だなぁ。











少しドライブに行こうと、車に乗り込み、観光エリアであるビーチに向かった。



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サンフェリペの観光エリアはほんとに小ぢんまりとしたもので、300mほどのビーチ沿いに土産物屋やレストランが並んでいるだけで、一本裏道に入ればそこはもう廃墟や空き家だらけの寂れた風景になる。

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メインのビーチ沿いにしても、ほとんど人は歩いておらず、店員さんが椅子で寝てたり、寝転がったりしてる。

猫が歩き、数人の物売りが暇そうに防波堤でアクビをしている。

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どこまでもノンビリとした空気が漂っており、澄み切った空気の向こうにくっきりとした水平線が空に線を引いている。


たまらなく力が抜けていく。








何をするでもなく、砂浜を2人で歩く。

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お喋りなジェニファーさんは黙っている瞬間が3秒続かない。

考えごとをしていて俺が気のない返事をしても、ニコニコと話し続けている。

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それがBGMのようにも聞こえてとても耳障りが心地いい。

映画のワンシーンのように、遠い記憶の中を歩くように。

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ふと海を見ると、ペリカンがいた。

あ、ペリカンなんて郵便のマークでしか見たことない動物だな、と思ったらそのペリカン、青空をクルクルと旋回してから急に急降下をはじめ、海の中に鋭く突き刺さった。


そしてザブンと海面に出てきて、あのぶかぶかの顎の袋を震わせながら、おそらく仕留めたであろう魚を飲み込んだ。



「うわーー!!すげー!!」


「いやああああー!!!カッコいいいい!!!!」



こんな光景テレビでしか見たことない!!
あまりの動物の自然なハンティングの様子を目の当たりにして、改めてここが新たな土地であることを実感した。

そうだよ、中南米は自然の宝庫。
動物と人間が共生する楽園なんだよな。


そんな土地に今こうしていることが震えるほど嬉しかった。


ね、ジェニファーさん。










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ちょっ、共生の楽園(´Д` )





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ビーチ沿いで食事をして、それから町の外へドライブへ。

本当に小さな集落なので、ビーチを離れたら、すぐにサボテンと山々が広がる険しい荒野が広がる。


どこまでも寂しげな原野が広がり、それにそって波のない紺碧の海が空の青ととけている。

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ここはなんだ。
夢でも見てるんだろうか。

あまりにも現実離れした風景に、自分が1枚の絵の中に描かれた人物かのような虚空にさえ襲われる。

思考が散り散りに風にさらわれていく。


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ボロボロの看板、廃墟の門が何もない原野にポツンと取り残されている。

その海と大地の間をどこまでものびる一本道の道路は、アスファルトが割れて所々穴があいていて危ない。



「ジェニファーさん、運転大丈夫ですか?こんな道ですけど?あ、気をつけて!そこ穴あいてますよ!!」


「ああ!?こんなもん伊勢よりええわ!!伊勢は舗装されてへんからな!!立派な道やわ!!あ、ウチ実家は伊勢な。渡鹿野島とか知っとるかー?」




何度も車を止めてもらって、写真を撮った。

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ホテルカリフォルニアに戻る。
今日もお客さんのいないホテルはシーンと静まり返っている。

プールサイドでビールとカクテルでサルー。

俺たちの話し声だけが、ホテルの中に響く。




「あああ、たまらんわー…………気持ちよすぎるでー………最高やなぁ。」


星空が降り注ぐ荒野の中のホテル。
パームツリーが夜空に揺れる。

サンフェリペはそれだけで麻薬のような場所だ。



「気持ちええなぁ………なぁミゲル。」


「………なんで僕ミゲルなんですか?」


「だってもうミゲルでええやんけー。首も少し短くなってきとんで。」


「僕は文武って名前ですよ。」


「漢字どないやって書くん?」


「文武両道の文武です。」


「へー、文武両道ってええ名前やなぁ。うちなんて男女両刀くらいのもんやで。」


「あ、それ面白いですね。ブログ書かせてもらいます。」


「ちょ、ほんまやめてやー!!ブログの中のウチ、ただのアホやんかー!!もっと可愛く書いてやー。お風呂大嫌いとか書いたらアカンでー。」


2人の笑い声が中庭の壁に跳ね返って反響する。








プールの際でジェニファーさんが踊った。タンゴのステップを踏む。
外灯が水面に光り、ジェニファーさんのシルエットを浮かび上がらせる。
手の動きとピンと伸びた背筋。





これは一体なんだろう。
まるで夢の中の出来事のよう。

地球の忘れられた地。



彼女は踊る 甘美な汗と夏の終わり
思い出すための踊りと
忘れるための踊りと

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