8月22日 木曜日
【アメリカ】 ラスベガス
ぉぉぉぉおおおおおおらあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!
ラスベガス着いたぞチンカスウウウウウウウウウウウウウウウリリリリリリリリリリリリリリリリイイイイイイイィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!
金持ちが世界中から集まってギャンブルしてギャンブルしてギャンブルして金捨てまくってる街だから稼ぎまくってやるうううううううううあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!
とりあえずバスターミナルの床で就寝。
だって眠いし!!!!
1時間くらいで警備員さんに床で寝たらダメだよと叩き起こされる。
仕方ねぇ。
眠れる獅子を起こしてしまったようだね。
俺たちが街に繰り出したら美々津の神童と恐れられた恐るべき頭脳によりブラックジャックをカウントで攻略してセキュリティにふん捕まってタコ殴りにされてオシッコもらしてグッドです。
ていうか美々津の神童とかウケる。
まず言われたことないし。
パチンコもろくにしたことありません。
ただ映画「カジノ」のジョーペシがマジイカれかっけぇと思ったのは中学生のころです。
よーし、美々津の雀鬼と恐れられた俺の驚愕のギャンブルセンスでベガスを恐怖のどん底に叩き落としてやる!!!
の前に床がダメならと、ベンチで爆睡。
だって眠いし…………
お昼前にようやくバスターミナルを出ました。
ぬぎぃぃぃぃ…………
暑ぃ…………
熱風。
さすがは荒野の中の街。
今までよりも一段と暑い。
バスターミナルの前にいきなり巨大なカジノホテルですか。
でもまだこんなもんじゃないですよね。
ひとまず市バスに乗ってホテルへ向かいます。
ホテル?
こんな貧民楽団のくせにホテルなんて泊まるのか?ですと。
そうですよね。
僕らみたいな貧民には橋の下とか公園のベンチとか墓地の芝生がお似合いですよね。
わかってます。
しょーもないホテルですよ。
ホテルとは名ばかりのブタ小屋ですよ。
狭っ苦しくてボロボロのブタ臭いあばら家に泊まるわけですよ。泣きながら。
ほらね。
ふううぅぅぅぅぅ…………
グッドです。
最上階。15階。
ん?どんな犯罪を犯したのかと?
帰って彼女に顔向けできるのかと?
この部屋、1人10ドルです。
実はベガスはホテルの宿泊費が異常に安いのですよ、オービー君。
とりあえず血管が見えるまでシャワーで体を洗い、ロビーに降ります。
これです。
ロビーがカジノです。
すげええええ。
カジノだあぁ。
うわぁ、人生初のカジノだぁ。
「フミ君、ここでみんな散財するんだよ。だいたい世界一周の旅人はみんな最後にロサンゼルスから日本に帰るから、帰る前にベガスで遊びまくるんだよ。」
「ふーん、あっそ。俺、マジギャンブルとか興味ないっていうかー、マジ博打で熱くなる人って理解不能?みたいな。」
そうそう、俺ってこれでも実は計算高くて現実的な人間だからギャンブルとか勝算のない戦いには無駄に挑んだりしないんですよ。
散財する人とかマジウケる(´Д` )
あ、フォーカードになった。
「ユージン君、エースが揃ったエースが!!!」
「ウソ!?マジヤッベ!!マジヤッベ!!」
ほ、ほんのおおぉぉぉぉぉ
少しだけだからぁぁぁぁぁああああ
まぁ所詮安い勝負です。
ラスベガスのカジノ、って言ったら最低でも1000円くらいからしか勝負できないんじゃないか?ってイメージだったけど、1円からベットできます。
なのでルーレットで7が揃ったとしても、1円賭けだと100円にしかなりません。
案の定30分後には5ドルくらいすりました。
言っても500円ですけどね。
ていうか5ドル稼ぐのにどれだけ汗ぼたぼた流して歌わなきゃいけないのかわかってるのかああああはぁぁぁぁ(´Д` )
あああ、このカジノ。
なんか店員さんがやってきて、プレイヤーカードっての作ってくれます。
無料で。
しかも3ドルくらいすでにチャージされてるやつ。
バニーガールみたいなきわどい服のお姉さんが飲み物配って回ってます。
室内なのにタバコを吸っていいです。
ビールも飲みながらプレイできます。
疲れたらプールとかあります。
こ、怖えええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!(´Д` )
ラスベガス怖えええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!(´Д` )
だ、ダメダメ!!
ここにいたら人間が終わってしまう!!
俺たちはここに金を稼ぎにやってきたんだ。断じてギャンブルで勝つのではなく、路上で激戦区の中、ライバルたちに買って稼ぐんだ!!
よし!!ユージン君!!
早いとこダウンタウンに稼ぎに行こう!!
「あへあへあへ~~、もうビール買ってきて飲みながらプールで泳ごうよぉ~~、ポーカーやろうよ~~、あ、ブラックジャックも楽しいよぉ~~。みんなぁ~~、やろうよぉぉ~~。」
だ、ダメだ。
スタンドが消えて再起不能状態になったダービーと化している。
この男はもうダメだ。
か、カッピー!!相方なんだからなんとか言ってくれ!!
「ちょ、今忙しいから黙っててくれないかな?」
顔が博徒。
散財するために来たんじゃねえええええええ(´Д` )
と言いながら俺もポーカー。
30分後。
全員5ドルずつ負けました。
「人間なんて儚いね。」
「よし、今日俺メインストリートの噴水の前で拓郎の人間なんて歌うわ。」
ラスベガスで、人間なんてラララララとか洒落にならないので悲しくなってきたけど、それがいい具合にバスキングへの燃料になって、楽器をふん捕まえてダウンタウンへ向かった。
ラスベガスのいわゆるラスベガス!!っていう、誰もが思い浮かべる、あのど派手な大通り。
あそこの名前をストリップ通りという。
夜の中に次第に色とりどりのネオン看板が増えてきた。
ドキドキする。
どんなとこだろう!!
バスを降りると………
もうイカれてますね。
宮殿みたいな超巨大なホテルが通りの両側にどこまでも並び、凄まじい人で溢れかえっていた。
チカチカと眩すぎる看板とレーザービーム、火を吹く海賊船、荘厳な噴水ショーに歓声を上げる人々。
建物の中に入ってみれば、贅を尽くしたホテルロビー、端っこの見えないカジノホール、高級なブランド品を取り揃えたショップが、まるでエジプトの遺跡のような豪壮なモールの中にひしめいている。
なんだこりゃ?
街自体が欲望のテーマパークだ。
どんな神経してたらこんなに天井知らずなカオスを作り出せるんだろう。
まぁだからこそ人はそれに夢中になるんだけど。
雰囲気に飲まれて、俺たちもただうつろに楽しむだけの観光客になりきってしまいそうになる。
でももちろん、そんなことのためにラスベガスに来たわけじゃねぇ。
この雰囲気を逆に飲み込んでしまわないと金を稼ぐことはできないぞ。
勝負だ。
ひとまずこのストリップ通りを歩いてみたところ、ミッキーとか、キャプテンジャックスパロウとか、バットマンとか、分かりやすいキャラクターがそこら中につっ立っており、観光客相手に写真を撮ってチップをもらっている。
アメリカンゴットタレントっていうオーディション番組で見たことのあるダンサーが人を集めていたりする。
クオリティは………はっきり言って低い。
ニューオリンズの路上パフォーマーに比べたら天と地だ。
キティ微妙!!
とりあえずバスキング自体は禁止されてはいないみたい。
そこを1番心配していたんだけど、そうとわかれば人通りも半端じゃないし、バスキングにはもってこいの通りだ。
しかし、不思議なことに音楽系のパフォーマーが全然いない。
たまにアコーディオンや太鼓を持ったオッさんがハチャメチャに音を鳴らしているくらいで、本気の音楽を披露してる人はいない。
こいつはどうしたことだろう?
街自体がそこら中で爆音のスペクタクルショーを繰り広げていてやかましすぎるってのもあるかもしれないけど、それにしても不思議だ。
あ、物乞いはひたすら多いです。
20m間隔とかで地面に座ってます。
よし、とにかくめちゃうるさいけども、それはもうここまでのナッシュビル、メンフィス、ニューオリンズで嫌ってほど経験してきた。
これくらいどってことないぞ。
ストリップ通りの上にいくつもかかっている歩道橋の上。
ラスベガスのギラギラした夜景を背にギターを鳴らした。
うん、入る。
普通に入る。
人通りはめちゃくちゃあって、逆に足を止めにくいくらい混雑してしまうほど。
でも入らないとこはない。
あっという間に30分ほどで20ドルがたまった。
よしよし、いいぞー。
この調子で、と思っていたら警備員さんが来て止められてしまった。
どうやら歩道橋にもホテルの敷地になってるものがあるみたい。
「サー、ここではやっちゃいけないんだ。でも下の通りならバッチリだよ。君なら稼げるぜ。」
そう言ってウィンクする兄さん。
すぐに歩道橋を降り、少し静かめなベネチアを模したような雰囲気のある湖の前でギターを構える。
すぐにお金が入ってくる。
酔っ払いから写真を撮って回っている観光客まで、足を止めて歌を聴いてくれる。
あ、5ドル札も入った。
よっしゃ!!ラスベガス手応えあり!!!!
というところで、空から降ってきた雨粒が湖面を乱し始めた。
マジかー!!
急いでギターをしまう。
そしてそのままカッピーたちと待ち合わせていたマクドナルドへ。
今日のあがりは1時間ほどで30ドル。
カッピーたちも50ドルくらいは稼いだかな。
マクドナルドに着くと、ちょうどカッピーたちも到着したところだった。
店内に入り、賑わうテーブルに座る。
「どうだった?カッピー。結構稼げたんじゃない?」
「金丸さん、これを見ていただけますかな?」
なんだ?
カッピーがビニール袋の中身を見せてきた。
なんとそこには、50ドル札。さらに100ドル札が入っていた。
「マジでええええ!!!」
「フミ君!!この街はヤバイよ!!」
わずか1時間のバスキングでカッピーたちのあがり、脅威の185ドル。
すげえすげえ!!
やっぱりラスベガスだからお金持ちとかカジノで勝った人たちとかいるから、一気にデカイお金入るんじゃねぇの?って話してたんだけど、まさかまさかの100ドル札!!!
「やっぱり髪の毛切ったからさ!!今日の俺たちは持ってるんだよ!!」
さっきまでカジノで1ドル負けてこの世の終わりみたいな顔してたのに、余裕しゃくしゃくこきまくりながらホテルに戻るバス停へ向かう。
ラスベガスのきらびやかなネオンは夜が深まるにつれてその眩さを増していくようだ。
一攫千金、性欲、失望、人の欲望がこれでもかというほど渦巻くドロドロした街のくせに、その街明かりは少し離れたとこらから見ればこんなにも鮮やかで、綺麗だ。
人間なんて儚いもの。
いくら積み上げたっていつか全部消えてしまう。
そんなことを思いながら歩道橋のエスカレーターを上がっていたら、目の前に立っていた美女のミニスカートが風でめくれあがった。
ノーパンだった。
ぷりっとしたお尻丸出し。
「はかないね………」
「うん、パンツはかないね。」
最後まで持ってた俺たち。
ホテルに帰って勝利の乾杯をした。