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明日は来るよ、君のために

8月7日 水曜日
【アメリカ】 ナッシュビル



photo:01




雨は相変わらず芝生を濡らし続けている。

静かな朝。

カラフルな小鳥が草むらから飛び出し、低空で飛びながら空に上がっていく。

たまにリスが木から降りて来て、芝生の上をちょろちょろと歩いてまた木に登っていく。











photo:02




昨日からほとんどこの公園に閉じ込められたまま身動きがとれずにいる。

出かける場所と言えば、近くのマクドナルドかスーパーマーケット。

誰かが荷物番をして、誰かが食材を買いだしに行く。

幸運なことに、ここにはコンセントが設置されており、パソコンなどを電池を気にすることなく使うことができる。

カッピーが持ってるデータの中から、音楽を聞いたり、映画を観たり。

カッピーは電熱コイルも持っているのでお湯を沸かすことができ、カップラーメンも食べることができる。



外界との接点はほとんどなく、この屋根つきのベンチは完全に日本人3人だけの空間になっている。

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早く先に進まないといけない。

気持ちだけがはやる。

しかしこの天気じゃどうにもならない。

もういっそバスを使うか?

でも使った時点でアメリカ横断ヒッチハイク旅は終了する。


別に前々からミッションとして決めていたことではないので、こだわる理由もないんだが、一度やり始めたらやりきってしまいたい気持ちはある。

お金の節約の面でも。

ロッキー好きという面でも。




とにかく明日まで様子を見よう。

バスを使うかは明日の天候次第だ。

photo:04







その時、ユージン君が音楽を流した。

ん?この曲なんだっけ?
小田和正か。



「♫もう 終わりーだねー」



その曲だけはやめてくれ………(´Д` )









photo:05




ああ……気が滅入るなぁ。


思えばこれまでが天気にも恵まれて順調すぎたんだよな。

アメリカを横断するんだもん。
良いことばかりの楽勝な旅になんてなるわけがない。

雨に打たれて、砂埃にまみれて、極限状態でたどり着くような、そんな旅のはず。
ここにきて、ようやくそれらしくなってきたってだけのことだ。

無理矢理巻き込んでしまって、カッピー、ユージン君には申し訳ない気持ちになってしまう。







そんな気持ちを察したのか、カッピーが小田和正の次にこの曲を流してくれた。

岡本真夜だ。


「♫涙の数だけ強くなろうよー ………」



いい曲だ。




そうだよ、どんなに陰鬱な気分の時でも、太陽はそのうち顔を出す。

太陽が乾かしてくれる気持ち良さを俺は知ってる。


明日は来るよ、君のためにー、だよな。







photo:06




新しいレパートリーのコード拾いをしたり、曲作りをしたりしてるうちにすぐに夜がきた。

今夜は、明日から気合い入れ直すために映画を観よう!!と決めていた。

その映画は………




ロッキーファイナル。




これほど気合いの入る映画はない!!

こいつを見て、困難に立ち向かう心、諦めない心に火をつけて、明日からまたヒッチハイクを開始しよう!!


と思っていたんだが………









さすがに3連泊はまずかったか………







ついにお巡りさんが来てしまった。
ここでは寝てはいけないよと注意を受けた。

もうここにはいられない。

荷物をまとめ、ゴミを拾い、公園を後にした。

photo:07











photo:08




夜の道路沿いを歩く。
今夜の寝床はどこだ。

そういえば、ここ3日くらいキャリーバッグのタイヤが調子悪かったんだけど、ついにぶっ壊れてしまった。

タイヤが崩れ、もはやバッグの底をズリズリと引きずりながら歩いているので、重すぎて引っ張る左腕が抜けてしまいそうだ。

買い直さないといけないかな………

photo:09












汗をかき、息を乱しながら歩き続け、ようやく脇道の奥に小さな芝生を見つけた。

何かの敷地なのか、荒れ果てた雑草だらけの駐車場はもう何年も使われた様子がなかった。

月は出ていない。
本当は屋根のある場所を探したい。
雨が降ったら面倒なことになるのは嫌ってほど経験してきている。

でもこの夜中に公園を追い出された俺たちには、これ以上一生懸命寝床を探す元気は残っていなかった。








芝生にテントを張り、アスファルトの上にあぐらをかいて、マクドナルドで買っていたサラダを食べる。

生ぬるい夜風がアスファルトの雑草を揺らす。

今日は早めに寝よう。

テントに潜り込んだのが0時を少し過ぎたころだったかな。











何時間か眠ったころだった。

突然ものすごい音で飛び起きた。

テントの外が白くなるほどの光がパッとまたたいた瞬間、ゴガガガガガという凄まじい雷鳴が轟いた。

そして次の瞬間、テントを潰すかのような勢いで雨が降り始めた。


バタバタバタバタバタバタ!!!!



うわうわうわ、やばい、どうしよう!!


とにかく、テントをキチンと張り直して浸水に備えないと!!

カッパをかぶり、意を決して真っ暗な外に飛び出した。

バタバタバタ!!と体を叩く雨。

凄まじい雨の中、手も足も髪の毛もびしょ濡れになりながらテントの杭を打ち直す。

うわぁぁ、もう嫌だー!!


カッピーたちのテントを見ると、中でライトがついて慌てふためいているのがわかった。


「おーい!!大丈夫かー!!」


「あ!!雨が漏れてきてヤバイよぉ~!!」


ど、どこか屋根のある避難できる場所は………

しかし周りを見渡してもそこには駐車場が広がってるだけの、絶望的な孤立しかなかった。

遠くのほうにガソリンスタンドの明かりは見える。

しかしカッピーたちは電気器具をたくさん持ってる。
ユージン君のギターはエレアコだ。

間違いなくあそこまでたどり着けない。





テントに飛び込んだ。

俺のカッパは耐水性が落ちており、薄いロンTがびしょ濡れになってしまっていた。

ズボンも髪も水がしたたっている。

テントの中も雨漏りを始めた。


しかし動くことはできない。
ここで雨が止むことを祈って、耐え忍ぶしかない。



「頼むー!!止んでくれー!!」


隣のテントから声が聞こえた。

雨漏りが水たまりを作っていく。

今まで何度もあった、この逃げ場なく追い詰められていく夜。


もはや祈るしかない。



夜中の3時。長い夜。


テントの中、体育座りで、染み込んでくる雨水の動きを見つけながら歌を口ずさむ。
自分に言い聞かせるように。




明日はくるよ、君のためにー

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