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まずは軽く探検、カイロ

3月11日 月曜日
【エジプト】 カイロ










泥のように眠った。

汚い安宿のベッドの上。


天上の塗装がはげ、今にも崩れ落ちそうになっている。

電気のスイッチは壁からもげており、ぶら下がった状態。


このきしむベッドで今まで何人の旅人が寝てきたんだろうな。


ここはサファリホテル。
カイロの有名な安宿。




談話スペースに行くと、6~7人の日本人がネットをしていた。

壁に貼られた注意書きの文字はほぼ日本語。
本棚に並んだ漫画の数々。



ここもまた日本人宿ってやつだ。

photo:01











中東からエジプトには各都市に日本人ご用達の宿がある。

なぜみんなそこに行くのか。


日本人がたくさんいるから楽だし安心出来るってのが大きな理由のひとつだろうが、それよりも重要なのは、その値段。


日本人宿ってやつはまずその町で1番値段が安い。

格段に安い。


欧米人が泊まるホステルよりも2~3割安かったりする。



1泊500円以下で安全を買えるんだから泊まらない手はないよな。




なのでこの中東からエジプトでは日本人バッグパッカー同士が顔を合わせる機会が格段に増えるってわけだ。



このサファリもめちゃくちゃ有名な日本人宿。




しかも。





この6階建てのビル。


2階にスルタンホテル、
4階にベニス細川ホテル、
6階にサファリホテル、


ってな具合で、ひとつのビルに3つもの安宿が入ってシノギを削っており、すべて日本人宿ってんだから凄まじい。

photo:02





エジプトに来る日本人の9割がこのビルに集結するんじゃないだろうか。



何十年も昔からここで日本人を迎え続けてきたこのビル。

今までの日本人宿とは違う、一種異様な空気さえ感じる。

老舗って雰囲気だ。

なので泊まってる人たちもアクが強い。


世界中を渡り歩いてきたツワモノ旅人たちが沈没、というか住み着いており、他にも仕事をしながらここで暮らしていたり、もはや宿とっていいものかどうか。



こんなアフリカの、エジプトの、カイロの片隅に、ボロボロの姿で旅人を迎え続けるその姿。

なんだか世界放浪というカテゴリーの深みを覗いたような気分だ。

photo:03
















さて、そんなアフリカだけども…………



俺、別にアフリカにそんなに興味はない。


金も稼げないし。

ビザ代とかがめちゃくちゃ高いし。

危険過ぎるし。




なので、南には行かずにエジプトからモロッコまで北アフリカを陸路で横断するつもりだったんだけど…………


今の情勢だよね。


リビアもアルジェリアも泣けるくらい危ない。

とてもじゃないけど行けない。



じゃあケニアあたりまで下ってそれからモロッコに飛ぶか?


んー、ケニアまでの国のビザ代が高え。
入るだけで1万円とか取りやがる。


少数民族とか滝とか、アフリカらしい場面にきっと出会えることだろうが、別にそんなに興味がない。





というわけで、



シェンゲンの退去期限も無事過ぎたことだし、ちゃっちゃと進んでしまおう。


エジプトから一気にモロッコまで飛行機だ。




てなわけで今日はチケットをゲットするのがミッション。


宿を出て町に繰り出した。






photo:04



宿の周りは新市街になっており、汚いは汚いんだけど、それなりにオシャレなお店が並んでいる。

まぁ半端なく汚いけどね。
ゴミはひたすら散乱してるし。

露店は歩道を埋めつくしており、路駐もの列も二重、三重当たり前。

歩道がなくなり、かっ飛ぶ車を避けながら歩かないといけない。



こんなクソ汚い町だが、ふと目線をあげてみると、通りの建物のすべてが石造りの豪壮なビルということに気づく。

これはそう、ヨーロッパで見ていた壮麗な街並みだ。

photo:05







なぜかってのは歴史にある。


このエジプトは100年前、イギリスの領地だったわけだ。

なのでこうしたヨーロッパ風の街並みになっている。


ここらの路地も、本当は綺麗なホコ天のショッピングストリートなんだろうけどねぇ、





まぁ住んでるのはエジプト人。

100年前がどうだったかわからないが、現在はとにかく汚い。


外観はヨーロッパ。
中身はイスラム。

不思議な街、カイロ。






まずは露店で腹ごしらえ。
半端なく汚いし手とかぜってー洗ってないオヤジが素手でベトベト作ってくれる。

photo:06




photo:07





まぁ安いんだなー。小さいけどサンドが1ポンド。14円とかそんなもん。
カイロでは5ポンドあれば充分腹一杯になれる。

photo:08




photo:09











そんな新市街を歩いていくと、たくさんの航空会社のオフィスが並ぶ通りがある。


エジプトエアー
チュニスエアー
JAL


様々な航空会社が軒を連ねている。

それらを一軒一軒回って、ひたすらモロッコ行きの値段を聞いた。




まぁ値段はだいたい同じだね。


2300ポンド、32000円前後ってのが相場だな。

もちろん2500ポンドってとこもある。



10軒以上回って2100ポンドってとこを見つけた。

3万か………


話では先にスペインに飛んで、それからフェリーでモロッコに入ったほうが安いってな話もあるんだが、値段はたいして変わらない。

ならば直でモロッコ行きだな。




それからも何軒か回ったけど、やっぱり2100ポンドが最安だな。

来月なら1700ポンドってのがあるみたいだけど、そういった先割ってのが出来ないのが俺の旅の痛いところ。

しかしこの交渉を楽しめるところも俺の旅のいいところ。





よーし、購入だ。



どのお金換金しようかなぁ!!

1番持ってるのはノルウェークローナ。

貯めてきたお金を使うのは若干抵抗がある。

現地で稼いだ金で買いたいところだけど、このエジプトで3万稼ごうと思ったら何ヶ月かかることか…………






しょうがなし!!

ここでケチっても仕方ない!!

またヨーロッパで稼げばいいことだ!!


換金屋さんで2200クローナを換金。
2500ポンドをゲット。

photo:10








そして無事チケット購入…………






と、いきたいところなんだけど、








そうは簡単に行かないのがエジプト。







最初の2100ポンドからどんどん上乗せしていくのが奴らの手だ。


「はい、2200ポンドねー。」


「ちょ、ちょ、ちょっと待ておい!!2100ポンドって言っただろ!!」


「へ?2100ポンドは再来週の値段だよ。だったら来週?来週だったら2500ポンド。今週に出たいんだろ?だったら2200だよ。はい、えー、2200ポンドだねー。パスポートかして。」


「待てやコラ!!話が違うだろうが!!」


「ピラミッドピラミッド、ナイル?キョトン?」



このボ………!!


仕方なく2200ポンドで交渉成立………させてしまう。





「もう、これで全部コミコミなんだよね?他に何か払わないといけないってことないよね?」


「そう!!ノープロブレム!!すべてコミコミだから心配いらないから!!」


「タックスは?出入国税とかはないんですか?それもコミコミなんですね?」


「…………ちょっと待って。」




上司と話す兄ちゃん。



「税金あるわ!!ゴメンゴメン!!プラス160ポンドでぜーんぶコミコミ!!空港でも払う必要無しだから!!ここで買わなかったら空港で倍取られるよ。さ、プラス160ポンドよろしく。」







ウソつけボケこら?
何ドンドン上乗せしてんだ?
その手があったかみたいな顔してんじゃねぇぞ?





はいはい、わかった、なにがあっても払わないから早くチケット下さいと強引に話を進める。


「うん、まぁ、空港で何も言われなかったら払わなくていいからさ。チャレンジしてみてね。はいチケット。」




なにがチャレンジだ?
つまり払わなくていいってことだろ?
上手くごまかそうとしてんじゃねぇぞ。








まぁこんな感じで、なんとかチケット購入。

3万は痛かったけど、仕方ないか。



とにかくこれでエジプトのタイムリミットが決定。

出発は金曜日。
たった3日しかないが、ズバッと回ってやるぞ。









photo:11



それから少し新市街を散策。

photo:12




photo:13




photo:14





ケンタッキーやマクドナルドがまったく目立たないグチャグチャした通りを歩いていくと、なにやらパッと建物が切れて広場に出た。




しかし………なんだろうこれ?

photo:15





広場というにはどこか異様な雰囲気が漂っている。


ここはどう見ても車道。交差点。

交差点に車が走っておらず、壊れた信号の下を人が歩いている。

いくつかのバリケードも見える。

これもまた何かデモの影響なのかな。


嫌な空気のする場所だな。

あんまり近づかないでおこう。


エジプトのひずみをほんの少し垣間見たような気がした。

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photo:19



歩いていたらオッサンが英語で話しかけてきた。

ひたすら俺に楽しそうに話しかけてくるがどうせ暇なんだろうなとほったらかしていたら、お腹空いてるかい?オススメの安いお店あるんだよ、と言ってくるからそいつはいいねと向かうと、そこはコシャリ屋さん。

photo:17








勝手にふたつ注文するオッサン。




「なにテメーの分まで注文してんだよ。オッサン。」


「ノープロブレム、これを食べたらお茶をおごるから。ノープロブレム!」





そのお茶まで俺におごらせる気か?

もういいからどっか行けと言ったらありがとうねと最高の笑顔を残して去って行った。



うーん、早速たかられてしまったな。

それにしてもコシャリひとつでいい顔するね。

photo:18





















宿に戻るとみんながご飯を食べているところだった。


「あ、フミさんも食べます?シェア飯。」


ここサファリでもシェア飯があるようだ。

というか、1人の旅人が大量に料理を作ってみんなにお金をもらって食べさせているような感じ、


俺もいただいた。
スパゲッティとポテトサラダで5ポンド。70円。安い。

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宿には数ヶ月単位の沈没組と、数日単位のバックパッカー組とでグループが出来上がっている。


沈没組には数ヶ月ここに滞在してる人もいるようだ。
年齢層も高い。
2階の宿には20年近く泊まってる人もいる。







彼ら沈没組の持つ旅の知識は半端なものではなく、世界中の旅情報をこと細かく把握している。


そしてそれを日替わりでやってくるバックパッカーたちに得意げに話して聞かせる。



情報の有益さにおいてはガイドブックをはるかに凌ぐものがあるのだが、こっちで話しているところに、イヤイヤそれはそうじゃなくてねー、と割り込んできて自慢げに語られることをうっとおしく感じる人もいるだろう。


でも基本みんな悪い人ではないし、反発しない限りうまくやれる。






うまくやれない人………いるだろなぁ………

とにかく旅話で彼らを越えられる人ほとんどいないから独壇場になってしまうんだよな。
確かにすごいんだけどね。




それもまた老舗日本人宿の味ってとこかな。










さ、明日はカイロの深いところ、ちょっと覗いてみようかな。




蚊と格闘するヒョンジェ。

photo:21








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