3月5日 火曜日
【エジプト】 ダハブ
「おはよ~。いい天気だね~。」
「フミさん~、カフェ行きましょ~。」
レストランは今日も太陽がサンサンと降り注ぎ、強めの風が吹き抜ける。
レゲエが流れ、ゆったりと足をのばす。
もう体調はすっかり良くなった。
カフェ、フレンズで海を眺めながらフルーツジュース。
本当は水曜日のジャムセッションデーまで滞在しようと思っていたこのダハブだけれども、ゆうべ思いがけずプレイできたので、これでこの町でやるべきことはもうやった。
このゆったりとした生活にも若干飽きはじめている。
いい仲間がいて、天国のような気候、安い物価。
居ようと思えば1ヶ月なんて楽勝で飛び去ってしまう。
制約のない旅。
大学生たちのように航空券をとってしまってるわけでもない。
いつまでだっていていい。
でも、やっぱり、早く先に進まなければ。
また戦いの日々に戻らなければ。
このシナイ半島には、ある有名な山がある。
シナイ山だ。
なにが有名かって、あれです。
モーセです。
モーセが神から十戒を授かった山です。
モーセが神から十戒を授かった山とか、話が壮大すぎる(´Д` )ハァハァ
映画観たことある人いますよね。
めちゃくちゃ有名な話ですね。
今から3200年くらい前に、エジプトで奴隷のように使われていたヘブライ人たち。
神から啓示を受けたモーセはヘブライ人たちを約束の地、今のイスラエルに帰還させるため、エジプトを脱出。
しかしエジプトの王、ファラオは皆殺しじゃホーケーども!!と追っ手を差し向ける。
追い詰められたモーセとヘブライ人。
終わったー、マジ終わったー、マジモーセの口車にのったー、というところでモーセが杖を振り上げて海をかち割ります。
そして逃げます。
追っ手も割れた海を追いかけるけど、海が元に戻ってひどい目にあいます。
マジモーセやべえということでみんな彼についていき、ついに一行はシナイ山にたどり着く。
そしてモーセはここで神から十戒の石板を授かるわけですね。
その後もモーセは人々を率いて約束の地を目指すが、現在のヨルダンであとちょっとってところで死亡。
120歳だったそう。やべえ長生き。
そんな超有名、超聖地な山が、ここダハブから車で2時間くらいのところにあります。
行くしかないですね。
行く方法は、まぁバスがいいです。
といっても公共のバスはないみたい。
ツアーです。
ダハブの通りを歩いていれば、そこら中にツアー会社がひしめいていて、それぞれ同じような内容、金額でバスを出してます。
往復のバス、入山料、ガイド料、カタリーナ修道院の入場料、
これら全部コミコミで100ポンド、1400円ってのが相場。
夜にダハブを出発して、夜中に登山して日の出を見て、お昼くらいに戻ってくるって流れ。
ガイドなしでは山に入れないってな話だし、ヒッチハイクもおそらく無駄。
おとなしくツアーに参加しましょう。
ショウゴ君と2人で90ポンドで見つけたツアーに参加した。
というわけで徹夜になるので夜まで仮眠。
が、2時間くらいしか眠れず、目をこすって出発。
ツアー会社のオフィスからミニバスに乗り込む。
メンバーは8人。
外灯もほとんどない夜道をかけぬけ、しばらくすると、闇の中にポツポツと明かりが見えた。
駐車場にバスがたくさん止まっており、人がワラワラと群がっていた。
周りには小さな土産物屋が数件。
バスを降りると、冷んやりとした風が吹きつけた。
シナイ山は寒いと聞いていたが、ここまでとは。
そんな心を読むかのように、ベドウィンたちが群がってきて防寒着を売りつけようとしてくる。
仕事熱心だ。
なぜか荷物の中身チェックなんてものもありつつ、ゲートをくぐる。
ここですでに雇われているガイドのベドウィンさんにバトンタッチ。
俺たちのガイドはお爺ちゃんベドウィン。
彼を先頭に、俺たち8人のグループの登山が始まる。
最初は楽勝。
緩やかな上り坂をテクテク歩いて行く。
「いやー、ここシナイ山だよ。ヤバイよね。」
「マジヤバイっぺよ。モーセですよ?モーセ。」
「モーセが十戒授かったのっていつだっけ?」
「さぁ?2~3年前じゃないですか。ていうかモーセが十戒授かったの筑波山だっぺよ。」
まだそんな下らない話をする余裕がある。
足元は多少ゴツゴツしているが、ウエスタンブーツでなんの問題もなし。
とにかく、明かりのない山の中だから星がきれい!!!
こんなに夜空が星だらけになってるのはじめて見た。
「いやー、こんなとこでいちゃいちゃしたいっぺよー。シナイでしない?とか言って。」
「ジュッカイしない?とか言って。」
「うひょ!うひょうひょ!!」
「えへへへへー。」
マジくだらん(´Д` )
マジでショウゴ君といると会話の9割下ネタ。
「モーセがオシッコしたら勢いで海が割れたんですよ。そして歩いてたらイソギンチャクがいたから、チンチン入れてみたらマジヤベエってことでテンガが出来たらしいっすよ。」
そんな余裕の登山ってわけだ。