海外でのこうした病気話なんか書いたところで、ただ心配をおかけするだけで、さらにはかまって欲しいみたいな風に見えてしまうってのもわかっています。
しかしこのブログは旅日記。
毎日、その日あったことを忠実に書いているので、どうしてもこういう日もあります。
そしてなるべくリアルな空気をお伝えしたいと思っているので、あ、いや、めんどくさいからかな………記事の予約投稿という手法もとりません。
ネット環境が悪くなれば更新はできない。
良くなればアップする。
読んでくださってる方には申し訳ありませんが、これからもそんな自分勝手なやり方でやっていきます。
心配してくださった皆さん、心からありがとう。そしてごめんなさい。
皆さんの暖かいコメントにとても励まされます。
ここらで気合い入れなおします!!
よっしゃ!!日記!!
3月1日 金曜日
【エジプト】 ダハブ
寝袋の中でぐっしょりと汗をかいた。
熱くて熱くて、はだけそうになるのを我慢してブランケットを頭までかぶっていた。
まどろみ続け、嫌な夢にうなされ、目を覚ますと目の前には嘘のような青い空。
上半身を起こす。
体に湧き上がる力。
汗をかいたせいか、ずいぶん体が楽になっていた。
ああ、変な病気とかじゃなくてよかった。
「アンタは少しよくなったからって外なんか行っちゃダメ!!ほんと耳ついてるのかい?!言うこときかないとほっぽり出すよ!!」
サンレストランのママはなかなか厳しい。
おかげで散歩にすら行くことが出来ない(´Д` )
「日本の風邪と海外の風邪は別物なんだからね!!風邪をこじられせて帰国した人とかいくらでもいるんだし、死んだ旅人とかだっているんだから!!」
病院嫌いで、日本を旅してるころからいつも薬も飲まずに自然治癒力で治していた俺。
自分の体の力を信じている。
今回の旅でも野宿中に風邪をひいたって、根性で歩き、歌い続けてきた。
でもやっぱり、これからはアフリカとか南米での病気には細心の注意を払っていかないとな。
ゆうべはけっこう怖かった。
ママの固いガードのおかげで建物の屋上で軽い監禁状態なので、やることもなく、服の洗濯をした。
海が近いからか、浄水設備がしっかりしてないからか、トイレの水がしょっぱい。
そんな水で極限に汚れていた衣類を手洗い。
水がコーヒーみたいになった(´Д` )
サンサンと降り注ぐ太陽と暖かい風。
洗い物も一瞬で乾く。
今日も雲ひとつない空。
目の前に広がる青い海では、ウインドサーフィンが小さくひるがえっている。
誰もが若いころに思い描いたような、自由で、無邪気で、子供っぽい、そんな秘密基地のような場所、サンレストラン。
さて、そろそろエジプトのミニお国情報いってみよう。
★首都……カイロ
★言語……アラビア語
★人口……8300万人
★宗教……イスラム教
★通貨……ポンド
★レート……1ユーロ = 8.8ポンド
★世界遺産……文化6件、自然1件
世界4大文明ってやつだよね。
古代エジプト文明!!
もう、ロマンの塊だよ。
エジプトを南北に流れる大河、ナイル川沿いに、無数の巨大遺跡が点在しており、ルクソールやピラミッド、スフィンクスなんて、地球に存在する遺跡の中でも最重要の部類だよな。
小さいころからテレビで太陽神とかいろんな古代人の壁画を見てきたし、ピラミッドの作りの精密さとか、たくさんの謎にドキドキさせられたもの。
あのエジプトに今いる!!
そんな驚きが気づく時、心から旅してよかったと思える。
人類史上でもっとも大事な歴史を持つエジプトだけども、現代では次の先進国入りに数えられる発展を進めているとのこと。
とはいっても主な収入はスエズ運河の運営と観光ってことだけどね。
スエズ運河ってのはアフリカ大陸とシナイ半島の間の陸が細くなっている部分を人工的に削り、船の航行ができるようにした場所のこと。
1869年に完成。
1隻の通行料はなんと約2500万円。
スエズ運河があることにより、アジアとヨーロッパを行き来する船の航路が格段と短くなる。
アフリカ大陸の南端までをぐるりと経由せずにすむから。
さらに、これは聞いた話だけど、大量の地下天然ガスを保有しているということもあり、欧米やアジアの先進国と優位な立場で外交を進められ、経済が傾くたびにそれらの国から援助をガンガン引き出している。
そんなエジプト人の気質を、ここダハブにいる日本人たちは、あいつらセコイからね~、とバカにしたように話すけれど、今のところ俺はそんなひどいエジプト人には出会ってないのでなんとも言えないな。
セコくてクソな奴らなヨルダンで嫌ってほど見てきたし。
これからシナイ半島のリゾート地を数日回って稼ぎ、カイロに向かい、遺跡巡りだな。
死ぬまでに行きたい場所の世界イチじゃねえかな?ピラミッド。
楽しみだーー!!!!
まぁこんなに素晴らしい天気だけど、どこにも行けず暇なので、バッグの中でグチャグチャにまとめていたお金の整理をすることに。
これまで、訪れたほとんどの国で稼いだお金を換金せずに貯めてきているんだけど、それが混ぜこぜになっている。
あんまり持ち歩くのはよくないから、早くどこかに送らないとな。
それぞれの紙幣を仕分けしているところに、山さんがやってきた。
これまで世界中を自由に渡り歩いてきたかなりの旅人。
「あら、フミ君それまずいよ。ドルとかユーロならいいけど、マイナーで弱いお金はその国か、せいぜい隣国あたりじゃないと換金できないんだよ?」
マジかあああーーー!!!!
なんかそんな気はしてたんだけど、やっぱりそうか(´Д` )
ボスニアヘルツェゴビナて(´Д` )
マケドニアて(´Д` )
マイナーすぎる(´Д` )
一応ヨーロッパの大きな銀行に行けばやってもらえるかもしれないけど、レートは相当悪いはず。
チクショウ!!
旅の最後にドバッ!!と換金しようと思ってたのに!!
これからはちゃんとそれぞれの国を出る前に銀行でドルかユーロに替えていかないとな。
しかし今いる場所は日本食レストラン。
この状況を利用しない手はない!!
毎日やってくる旅人たちに、
「ハンガリーフォリントあるよー……クロアチアクーナあるよー……等価交換だよー………」
「ブルガリアもイケるよー………兄さんこれからのルートは?ブルガリアの予定は?」
と声をかけまくる。
闇両替商(´Д` )
でも等価交換だからね。
俺も相手も、手数料を引かれないから良いことばかりの取り引き。
サンレストランに両替商がいる、ってなとこ、(´Д` )
牛肉とナスの丼!!20ポンド。280円。
サンレストランの大人気メニュー!!
おかげで、これから北に登るという大学生とトルコリラで交渉が成立。
現時点のレートで94ユーロ分あった。
やったぜ!!
まぁトルコは人気あるからな。すぐ見つかったけど、
ボスニアヘルツェゴビナどうしよう(´Д` )
まぁ、安宿に行けばバックパッカーは腐るほどいるので地道に聞いてまわるかな。
「フミさーん、調子どうっすかー?」
「フミさーん、ポーカーしましょー。」
ここセブンヘブンは、ダイビングのライセンスが格安で取得できること、日本人のインストラクターがいるということで、やってくる旅人のほとんどがダイビングをする。
彼らはとても勤勉で、朝からソッコーダイビングの講習で海に潜り、夕方に帰ってきて夜は筆記の勉強をして、明日のダイビングのために早寝している。
そして免許を授与されると、次の日にはサッと出発していく。
まぁそんな人たちはほとんどが短期旅行の大学生とか。
ここサンレストランに集まってくる屋上組は、ダイビングもなにもせず、毎日ただひたすら海を眺めながらのんびりすることを楽しんでいる1年プランとかの長めの旅人たち。
この毎日何もしないということ。
日本でなら2日も何もしなかっただけで、焦燥感や虚無感で頭がおかしくなりそうになってしまうもの。
そして何もしないことが苦痛になっいく。
それは日本がとても忙しく動いているから。そんな激しい流れの中で自分だけ動きを止めるということが罪悪感となってしまう。
ここダハブはすべてが緩やかだ。
暖かい風の流れに身を任せていれば、勝手に時がすぎていく。
いい仲間たち。みんなやママのおかげで体調もほとんどよくなった。
明日、この屋上組たちがほとんど出発する。
俺も明日にはお酒飲めそうだ。
明日は宴会だね!!とみんなで笑った。