スポンサーリンク





知識人たちのサロンにて

1月26日 土曜日
【キプロス】 レメソル





photo:18



寝袋の外に足音が聞こえたので、そっと中から覗いてみると、小さな子供が外から覗き込んできた。


寝袋から出ると、5人の子供が興味しんしんで俺を見ている。


ここは何かの施設の庭にあるベンチ。


子供たちの貧しそうな姿を見るに、孤児院かなにかかな。

お婆さんが近づいてきて、まだ寝てていいのよ、と笑ってくれた。

いい寝場所ゲットだ。









今日もいつものカフェで大好きなネスカフェ、ミルク入り、砂糖2個を飲む。

photo:19




もう何も言わなくても俺の好みを作ってくれるマスター。



そしてサンドイッチ食べ過ぎ。

photo:20




このサンドイッチ4食連続。

昼、夜、昼、夜。


毎日同じ味(´Д` )


だって高いんだもん、他のお店。

とにかくラーメンが食べたくて食べたくて吐きそう!!









今日も元気に路上。

なのだが……




うー、渋い。
みんなの足を止めて、財布を出させるまでが困難すぎる。


この半分死んだ町では、みんな財布の紐がかたい。

photo:21






キプロス、ギリシャサイドの人々の平均収入は8万~9万円。

日給3600円てところ。


その上、失業者の数も半端じゃないはず。


路上はその国の経済を如実に表す。


あがりは21ユーロ。

photo:22




photo:06








路上を終えていつものカフェに戻り、大好きなフラッペを飲みながらFacebookを開く。


うーん、穏やかな時間。




ん………?


あ、オヌルからメッセージが来てる。

どうしたんだろ?



「フミ、フィルムが完成したよ。楽しんでもらえると嬉しいよ。」




あ!!!すっかり忘れてた!!

ドキュメンタリーフィルムが完成したらFacebookに送るからってオヌル言ってたな!!

まだ数日しか経ってないのに、頑張ってくれたんだな。




ワクワクでYouTubeを開く。









う、うおおおあおおお
!!!!!!!

な、なんだこれはああああああああ!!!!!


カッコよすぎるぞ!!

なんだこれ!!完璧にプロの仕事じゃねぇか!!


ぱ、パンツ洗っててよかったああああ(´Д` )


あまりの出来栄えに興奮が抑えられず、日記関係なしでソッコーブログにあげました。



日本から遠く離れたキプロス、しかも問題のトルコエリアで撮ったドキュメンタリーフィルムだぜ、これ?


一生の宝物だよ、オヌル&ジョン。


マジでありがとう。









最高にあったかい気分になったところで、夕日も落ちた海岸にある水道でジャバジャバとシャンプー。


さ、さみぃ!!


足も顔も綺麗に洗う。
公共の水場があるのは嬉しいね!!





こんなに綺麗に身だしなみを整えたのはある場所に向かうため。

ゴロゴロとキャリーバッグをひきながら住宅地の中を歩き、やってきたのは裏路地にある綺麗な建物。

photo:07








ここかな……?


恐る恐るピンポンを鳴らすと、中からおじさんが出てきた。


「待っていたよ、フミ。」


彼はジーン。
2日前に路上で歌ってるところに声をかけてくださり、今夜の誘いをもらっていたのだ。

photo:10






みんなバハイって言う宗教知ってる?
150年ほど前にイランで生まれた宗教らしいんだけど、現在では世界中に600万人の信者がいるといわれているそう。


まぁ全く知らないよね。



今夜はそのバハイの人々の月例ミーティングにお誘いを受けたわけです。


7時30分になると、たくさんの人々が集まってきました。

みなさん上品でとても知性の感じられるマダムやジェントルマンばかり。
もちろん若い男性も女性もいます。

新興宗教にありがちな、盲信から来る歓待や排他などを微塵も感じさせない知識人たちのサロンと言った雰囲気。




みなさんと笑顔で挨拶をして回り、部屋の中に集まりました。

photo:08








そんな中で歌ですよね。

知性も国際性も真理への深い見解もない、アジア人放浪者の歌を興味深く聴いてくださるみんな。

最近度胸ついたな。





それからミーティングです。

photo:09




バハイというのは、特定の宗教のバックボーンがあるわけでもなく、宗派もない、とても思想的な宗教。

世界に神はただひとつで、国境を超えた人類の平和・平等、格差の排除、教育の普及など、NGO的な性格が強いなと感じる。

すべての宗教を認めており、それにより勧誘などは禁止されている。



ミーティングの内容は、これまたそんなおおらかな宗教らしく、世界中の宗教の教義や、優れた詩人の言葉などを連ねたテキストをみんなに配り、1人1人その中からピックアップして読み回していくというもの。


バハイの目的のひとつとして、真理の自己探求というものがあるそう。
その一環といったところかな。



中にはアフリカの土着信仰からの言葉もある。
有名どころでは、

私の~お墓の~前で~泣かないでちょうだい~

の元になったアメリカの詩もありました。





それらをみな流暢な英語で読み上げていきます。



僕の番になったので、テキストの中で1番短い言葉を選んだら、だよねぇ~!とウケました。


残してくれてありがとう!!









読み上げが終わると、ディスカッション。
魂とはなにか?という、とても深遠な題材にみなの意見が飛び交います。

まぁみんなの英語が流暢すぎて、ほぼ理解不能ですけどね。

しげちー並みに。


理解不能!!理解不能!!





「日本人の友達の見解もお聞きしたいわ。」


みんなの視線が集中します。





魂ってなんだろなぁ。
仏教的なイメージでいえば、ただのヤドカリみたいなもんだよな。

魂が体を動かして、体が死ねば次の宿に移動する。



仏教ではそれを7回繰り返す輪廻転生という教えがあります。

そして現世で良い行いをすれば来世でより高い位置の生を得ることができ、その逆だと来世で畜生になると爺ちゃん婆ちゃんに教えられるんです、とまぁ普通に説明しときました。











ミーティングが終わると、そこからは食事を交えてのフリートークですね。

photo:11




photo:13



みんなスープを上品に口に運びながら知的なお話をしてるけど、そんなんそっちのけでここぞとばかりにガッツキましたよね。

photo:12







「おほほ、よくガッツクこと。」

photo:14






ご馳走様です。




モコモコした犬がいたので構いました。

photo:15








ほらほら

photo:16








うひょー

photo:17















23時くらいになり、みなそれぞれ帰っていき、僕もお暇することに。

そしたら別れ際にレザーおじさんが、こっそりお礼を渡してくれました。


ご飯までご馳走になったのにダメです、と断ったけど、これはみんなからの気持ちだからとウィンクするレザーおじさん。



宗教なんて関係なく、人の優しさが1番の教えだよな。










昼間のゴーストタウンぶりから一変して、土曜の夜の街にはたくさんの人々が繰り出していて、バーやレストランでは大音量の音楽が流れていた。


そんな喧騒を背に街を離れ、昨日見つけた静かな公園のベンチに腰かけた。

優しい夜風が木々を揺らす。




バッグの中からカールスバーグを取り出し、よく歌った自分にお疲れと言いながらあおった。

夜空にはポッカリとお月様。




さっきもらったお礼の袋を開けると、なんと30ユーロも入っていた。

これで合計180ユーロ。

チケットが買えるぞ。






夜風が気持ちいい。
ビールが体に染み渡る。


輪廻転生とかどうでもいいよな。

今のこの人生をどれだけ豊かなものにするかだ。






スポンサーリンク



ブログのランキングというやつをやっています。
よかったらクリックして下さい。
クリックが投票の代わりになります。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ
にほんブログ村



世界中のホテルが予約できるサイトです。
家族旅行もバッグパッカーも、ここから予約してくれたら僕にアレがアレなのでよろしくお願いします! ↓↓