12月1日 土曜日
【スロベニア】リュブリャナ
まだリュブリャナにいるの?!
はい、まだリュブリャナです。
ネドルコの家が居心地が良すぎます。
自動的に出現するコーヒー
自動的に出現するご飯
パソコン、Wi-Fi使い放題
寝心地の良いベッド
シャワー
街から歩いて5分
合い鍵もらってるので出入り自由
そして痒いところに手の届くネドルコの笑顔は、たまらなく愛に溢れています。
研ぎ澄まされていた旅人としての勘がすっかり鈍っていることでしょう。
旅の中でそんな居場所を見つけるということも、旅の大きな喜びのひとつですけどね。
今日は土曜日。
雨もかろうじて降っていないので歌いに行きました。
街を歩いていると、
「おーい、フミ!!歌いに行くのかい?!」
「今日はバーに来ないのかー!?」
とたくさんの人が声をかけてくれる。
これだけ滞在していると、みんな顔を覚えてくれる。
バーガーをかじりながらメイン広場に到着。いつもやっている場所があんまり反応よくないので、今日はポジションを変えてみた。
トリプルブリッジというその名のとおり、3本の綺麗な橋がかかっているこのメイン広場。
そこからのびる1番人通りの多いメインストリートへ。
いつもはおっさんたちがバンドでジャカジャカやっているんだけど、今日はいない。
張り切って演奏開始。
やっぱり場所って大事だなぁ。
次から次へとお金が入っていく。
そしてネドルコが何度も何度も言ってくる、笑顔が1番大事、笑顔は良いエネルギーを周りに伝えるという当たり前のことを意識して演奏した。
たくさんの人が足を止めてくれ、みんな声をかけてくれる。
スロベニアのユーロになる前の古い紙幣もいただいた。
これは大事なお土産だ。
黒人のバブーがめちゃ可愛い(^-^)/
15時くらいに、バンドのおっさんたちがやってきた。
俺のこと見ながら前を通り過ぎて、彼らがいつもやってる場所へ歩いて行く。
あんたらいつもこのメインストリート独り占めしてるんだから1日くらい譲ってねー、と思っていたんだけど、期待も虚しくすぐ50m先でジャカジャカやり始めた。
うるせえ(´Д` )
しかし路上には指定席なんてない。
先にやってたもん勝ちだ。
やりたいんなら、向こうでやりたいんだけどと一声かけたり、時間の交渉をするのが礼儀。
彼らは何も言わずにやり始めた。
しかも俺は彼らのレパートリーを知っているんだけど、どう聞いても俺の歌をかき消す賑やかな曲ばかりやっている。ミッキーマウスとか。
音が俺にどっか行けと言っている。
そっちがその気なら俺も考えますよ。
負けじと激しめの曲で応戦。
お金の入り具合では、完璧に俺の勝ちだった。
どんなもんだい!!
まぁ聴いてる通行人からしたら音が混ざって騒々しかっただろうな。
それでも今日のあがりは48ユーロ!!
これでクロアチアに行けるぞ!!
気分よくアパートに戻ると、部屋の中が暗い。
ネドルコはどこかに出かけていた。
んー、そのうち戻ってくるだろうと荷物を下ろした瞬間、家の電話が鳴った。
あー、ネドルコ出かけてますよと電話の液晶を見たら、ネドルコからの着信だった。
「今帰ったとこなのかい?ほらね、いいエネルギーはテレパシーで伝わるものなのさ。」
なんでもスピリチュアルに結びつけるネドルコ。
いつものバーで飲んでるから来なよとのこと。
リュブリャナに入った初日からほとんど毎日来ているこのバー。
もうすっかり常連気取りだ。
ユニオンビールとブルーベリーのスピリッツ。
隣のテーブルでは爺さんたちがチェスをしている。
おっさんが店員の女の子を一生懸命口説いてるのが微笑ましい。
気分よく酔っ払いながら、ネドルコと街を散歩。
土曜日の夜、川沿いの飲み屋街はたくさんの人で溢れている。
どのバーも店先にテーブルとホットワインのタンクを置いており、人々が湯気の上がるワインを飲みながら笑っている。
これが冬のヨーロッパの風景なんだな。
「月曜日になったら広場のイルミネーションが一気に点灯するんだ。すごく綺麗なんだよ。12月は特別な月で、みんな街に出る。花火があがりイルミネーションが光り、プレゼントを買い、クリスマスツリーを飾る。ハッピーディッセンバーを祝うのさ。」
イルミネーションの点灯、見たいな。
でもシェンゲンからの退去命令の猶予期間は明日まで。すでに不法滞在者だけど、あさってになったらもう完璧な悪質犯罪者だ。
でもそんなに沈んではいない。
むしろとても清々しい気分。
笑顔は良いエネルギーを周りに伝える。
俺の周りには素晴らしい人たちばかりだ。
若干不安な国境越えもきっとうまくいくさ。
明日、この街を出る。