11月13日 火曜日
ハンガリー ブダペスト
テントの中でゆっくり眠れた。
ここは誰も来ないし、警察にも注意されない。
首都の公園っていったらたいがい警察が見回りしてるんだけどね。
今日も地下鉄で中心部に行こうと、寝ぼけながら切符売り場へ。
昨日はど真ん中の駅まで行ったから320フォリントかかったけど、もう少し手前で降りれば、もっと安いチケットがあるんじゃないのかな?と自動券売機で調べてみた。
お、安いのあるじゃん。
シングルチケットってやつが昨日の320フォリントしたやつで、ショートチケットってのが280フォリントで買える。
ショートチケットを買って地下鉄に乗りこんだ。
昨日降りた駅のひとつ手前で電車を降りた。ここから歩いて行くとするかな。
と思ったら出口で駅員さんに止められた。
は?なんで止めるの?
チケット見せろ?
ちゃんと持ってますよ?
駅員さん
「あー、これ、これショートチケットなんだけど、ショートチケットって3駅しか移動できないんだよね。あなたが乗った駅からここまで5駅だから、これ違反。」
文武
「えー!!ソウナンデスカ!?」
いや、本当に知らなかったんだよ。ちょっと大袈裟にアピールしとく。ていうかなんで俺が違反してるってわかったんだ?この人ごみの中で。ブダペストの駅員さんの目、ハンパじゃねぇ。
駅員さん
「知らなかったの。そうかー、気をつけないとね。」
文武
「すみませんでした。以後気をつけます……ごめんなさい……」
駅員さん
「うん、じゃ8000フォリントね。」
は?(´Д` )
はぁーーー?!?!?!(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )
な、な、な、なにが8000フォリントなんですか?あなたの日給ですか?
駅員さん
「そんなに高くないよ。ダブルペナルティだと16000フォリント払わないといけないんだから。安いもんでしょ。」
え?まさか罰金の話をしてるんですか?
嘘だろ?40フォリントをケチって8000フォリントの罰金て笑えない(´Д` )
笑えなさすぎる(´Д` )
駅員さん
「はい、払って。」
文武
「そんな大金持ってないです……」
駅員さん
「いくら持ってるの?」
文武
「これだけしか持ってないんです………」
小銭がジャラジャラ入ったビニール袋を見せる。
文武
「8000フォリントですよね………はぁ……1枚……2枚……3枚……あれ?涙で数えられないや。」
駅員さん
「あー、もう数えなくていいよ。クレジットカード持ってるでしょ?ATM行こう。」
文武
「クレジットカードなんて持ってません………」
しばらく他の係員さんと話していた駅員さん。
戻ってきて、もう行っていいよと解放してくれた。
あー!!助かったー!!
焦ったー(´Д` )ハァハァ
ハンガリーの地下鉄怖すぎだよ(´Д` )
おかげでバッチリ目も覚めて、地上に出ると、雲の間から青空がのぞいていた。
メインストリートへ向かって歩く。
基本、建物は古い。
というかボロい。貧しい共産時代の名残りなのかな。
アジア料理で腹ごしらえ。
730フォリント。
そして早速路上開始!
地元の人も観光客も、最初は素通りだけど、1人が足を止めるとつられてドンドン止まってくれ、今日も人だかりができた。
お金もガンガン入る。
イタリアから来てる修学旅行生たちがワラワラ集まってきて、俺の演奏にあわせて踊りはじめた。
さすが!イタリアっ子は陽気だね!!
そのすごい盛り上がりにつられてさらにたくさんの人が足を止めてくれる。
うわー、ブダペストめっちゃ良い街やんかー。
そして警察に止められる。
いつものパターン(´Д` )
お巡りさん
「ストリートで演奏したらダメなんだよ。どんな楽器も。このあたりの路上は全部ダメなの。」
文武
「えー!!そ、そ、ソウナンデスカー!!綺麗な指してたんだね知らなかったよ並みに知りませんでした。」
お巡りさん
「向こうに広場があるから、そこなら18時以降ならやっていいよ。それ以外はダメなんだ。橋の向こうもダメ。悪いけどね、君はいいシンガーだよ。」
文武
「はぁ、本当ですかー……」
お巡りさん
「うん、じゃ5000フォリント。」
……………あぁぁぁぁぁぁーー!ーぁぁぁんだとぉぉぉぉぉおおおおーーー!!!!!!
なんだ!?また罰金払えってか?!
え?!
お巡りさん
「って本当は言わなきゃいけないんだけど、今日は注意だけにしとくよ。次に違反したら5000フォリントから20000フォリントの罰金が課せられるからね。」
お、お、お、恐ろしい(´Д` )
恐ろしすぎるぞ、ブダペスト(´Д` )
なにしてても罰金って言われそう(´Д` )
野宿してても罰金とか言われるんじゃないか?
なんとか2回とも払わずに済んだのは幸いだったけど、これでもうこの街では歌えない。
とりあえず結構お金も入って資金はできたので、次の町には行けるだろう。
さっさと観光すませて出発しよ。
今日のあがりは8700フォリント。
バーガーキングの店の前でちょっとネットのチェックをして、それからドナウ川へ向かった。
うわー、綺麗だなぁ。
王宮がひときわ荘厳に夜空にそびえ、街灯がドナウ川に溶けている。その上を渡るレトロな鉄骨の橋。
久しぶりのハイレベルな観光地だ。プラハに劣らない美しさ。
それから山にのぼった。真っ暗な森の中を歩道が入り乱れている。
この荷物でこの急坂はきつい!!
汗をかきながら、あるものを見たくて頑張ってのぼった。
そして頂上に到着。
すっげー………
これだよ、
ドナウの真珠、だよ、まさに。
世界三大夜景、知らないけど、ここがそのひとつでいいんじゃねぇかな。
眺めのいい場所でバッグの中からビールを取り出す。
用意周到(^-^)/
今夜の寝床はここだな。
明日の朝の景色も楽しみだ。
最高の野宿にカンパイ!!