10月7日 日曜日
朝方、といってもまだ暗い時間に雨がパタパタと寝袋を打ちはじめた。
めんどくさくてテントを張るのをさぼったんだけど、そういう時に限ってこれだ。
眠い目をこすって荷物をまとめ、少し歩くとまた別の公園を見つけた。
大きな木の下にベンチがあったので、ここなら少しくらいの雨はしのげるだろうともうひと眠り。
朝、8時。
やっぱり雨が寝袋を打つ。
顔を出すと、かなりの雨が降っていた。
しかしここは大きな木の下。おかげで今まで気づかなかった。
ぼんやりと雨を眺めるが、いつまでもこうしてはいられないので荷物をまとめて近くのマクドナルドを目指した。
今日はほんとに何もしなかった。
コーヒー1杯で1日粘ってしまったな。
オーストリアは嬉しいことにたいがいどこもトイレは無料。
たまっていた日記を書き、ブログにアップロード。
色んな人とのメールのやりとり。
次の国やこれからのルートを決めるための下調べ。
そして久しぶりに彼女とスカイプ。
宮崎のこと、友達に三人目の子供ができたこと、友達が結婚したこと。
日本にいたころを思いだす日本の日常。
変化の小さい毎日では、こんな出来事は大事件となる。
しかし今こうして耳にしてみると、なんだか遠い遠い、自分にはあまり関係のないことのように思える。
もちろん関心がないわけではないし、俺にとってとてもとても大きな出来事なのだが、まるでテレビのニュースのように実感がおぼろげだ。
そう思うようになったということは、だいぶ日本が抜けてきたということか。
いや、放浪者として社会人の生活からかけ離れてしまっているからか。
いいことなのか、悪いことなのか。
しかし、今はこのままでいい。
行けるところまで行ってしまいたい。
こり固まった概念や先入観でしか物を見られない人生なんてまっぴらだ。
アスファルトは落ち葉の絨毯
カラカラ 風にさらわれて
誰かの舌打ち聞こえてる
カラカラ 風にさらわれて
もう終わりかと見上げれば
今日も一日が去っていく