10月4日 木曜日
iPhoneをアップデートしたら日記の使い方が微妙に変わり、押すところを間違えて日記が消えた。
気が狂いそうなくらいムカつく。
はぁ、頑張って書くか。
もう一度!!!!!!!
メルク大聖堂は9.5ユーロ!!
ファイナルファンタジーみたいな杖とか僧侶の服とかいろんなキリスト教の宗教美術品が展示されてる博物館!!!
メルクの町と周辺の丘を一望する展望スペース!!!
はるか昔からの図書館には黒ずんだ貴重な本が並んでる!!!人類の宝!!!!
聖堂の中!!!
めちゃすごい!!!
あと周りの美しく造成された公園!!!
以上!!!!ムカつく!!!
ピザ屋さんで最後のピザ。
今から町を出るんだと言うと、陽気なおじさんはサービスで色んなトッピングをしてくれた。
スペシャル美味い。
帰り際にチョコレートをくれた。
おじさん、いつかまた食べにくるよ。
ホントにありがとう。
さぁ、メルクから始まるドナウ川の至宝、ヴァッハウ渓谷、攻略開始だ。
ここから35kmの区間、川沿いに歴史をとどめた小さな集落が点在し、美しい教会や古城が山の上にたたずんでいるという。
想像しただけでリアル中世。
マジでリアル中世だから世界遺産に登録されてる。
渓谷の終点であるクレムスの町もそれはそれは綺麗なところなんだって。
てなわけでオーストリアでは1発目のヒッチハイク開始。
10分でゲット。
クレムス行き。
オーストリア最高ーー!!!
お医者さんであるおじさんは、スティングみたいな男前でお話が大好き。
ガイド顔負けの説明をしてくれる。
あのお城はイギリスの王子様が幽閉されていたお城
あの山の上のお城はロビンフッドのモデルの王子がいたところ
ほら、あれは有名な青の教会だよ
聞けば聞くほど、おとぎ話の世界がつづくこの道。
でも写真ひとつも撮れない(´Д` )(´Д` )
さすがに止まってはくれないスティングさん。
あー、ボロボロの廃墟になってる
お城がー…………
あー、美しい古城がー…………
仕方ない(´Д` )(´Д` )
向こうの山の中腹に小さくお城の廃墟が見えるよね!
道沿いにはどこまでもブドウ畑が広がっている。
周辺の山の斜面には、瀬戸内でよく見るような石垣の段々畑が築かれており、やっぱりブドウが作られている。
オーストリアっていったらワインだもんな。
ワイン音痴の俺でもそれは知ってるし、味も好きだ。
このドナウの地域では白ブドウが作られており、白ワインの産地としてとても有名とのこと。
点在する小さな集落には、それぞれに世界的に有名なワイナリーがあるらしい。
ブドウを収穫したトラクターがとことこ走っている。
古城と教会とブドウ畑。
ここは夢の中か。
なんて美しい場所だ。
「オーストリアは世界で1番美しいところだよ。楽しんでな。」
イカしたスティングさんを見送りクレムスの町を歩く。
あーあ、ここもまた半端なく綺麗だよ。石畳とカラフルなアパート、噴水。
そしていたるところにブドウのモチーフを見ることができる。
ドアノブにまで(^-^)/
さらにどこからかアルコールの匂いがする。
日本酒の蔵巡りをしてるときによくかいでいたあの発酵の匂いが路地に漂っている。
さすがはワインの産地。醸造所がそこらじゅうにあるんだな。
たまらず一軒の造り酒屋に入ってみた。
古めかしい、老舗であろう店構え。Bailoniってブランドで、ビワのお酒の作ってるところみたいだ。
1.5ユーロで小瓶を購入した。
どこか綺麗な場所を見つけたら、ゆっくり楽しむとしよう。
橋の上からクレムスの町を眺める。
ここはドナウ川。あまりにも有名なその名前。
はるかな歴史の中を流れ続けてきた雄大な川。
たくさんの人々の人生を抱いてきたドナウに俺も触れることができたんだという事実が、不思議な落ち着きを与えてくれる。旅情とはまったく違う、安らぎのような。
バーンホフのほうへ歩く。
え?バーンホフって何って?
中央駅のことをドイツ語でバーンホフっていうんだよ。
ムカつくよね(^-^)/
ほとんどの人が知らないであろうことを当たり前のことのように話してくるやつ。
で、バーンホフのほうに歩いて行くと、大きな塔が見えてきた。
この塔をくぐると旧市街が………
ほらね。
めちゃ綺麗で賑やかなメインストリート。
この雰囲気は100パーセント稼げる。
明日ここで歌うか。それからペルテンに移動してライブに飛び入りだな。
通りに並ぶカフェでは、誰もが白ワインを飲んでいる。
このドナウ地方に来て白ワイン飲まなかったら犯罪者だよな。博多に行ってラーメン食べないのと同じだ。
てなわけでメインストリートのはずれにある一軒のカフェにフラリと入ってみた。
小ぢんまりとしたカフェの中では常連さんたちがくつろいでゆっくりワイングラスを傾けている。
俺を見るなり、楽しそうな話し声が止む。
なんだこのイカれた汚いアジア人は?みたいな視線が集中する。
白ワイン下さい!!!
なんと値段、1.2ユーロ。
信じらんねぇ安さ(´Д` )(´Д` )
ドイツといい、ここといい、アルコールが安すぎ(´Д` )(´Д` )
アル中になれということですね(´Д` )(´Д` )
ハイ、ナリマス(´Д` )(´Д` )
テラスで、いざワインを飲む。
わずかな発泡の後に甘みと苦味がやってきて、飲み込むとあっさりと消えてなくなる。
うめすぎる、と足をバタバタさせて喜んでいると、常連さんたちが話しかけてくる。
どうだい?美味いだろう?俺たちは毎日これを楽しんでるのさ!!
すぐに仲良くなり、みんなで輪になって会話を楽しむ。
オーストリアの人たちはとてもフレンドリー。紳士的で、そして優しい。
みんな笑顔がとっても素敵。
サムライサムライと言ってくるので俺なりにサムライの説明をした。
もちろん今の時代にサムライはいない。
しかし日本の男は、みな心の中にサムライの魂を持っている。
サムライは決して諦めず、弱音を吐かず、人に助けを乞うようなことはしない。
おー、とみんな感心している。
我ながらいい説明だ。
夜がふけると、常連さんたちも1人、また1人と帰っていき、お店には俺と店員のスージーと、スリランカ出身のキャメルの3人になった。
うちに泊まればいいよと言ってくれるキャメルおじさん。
陽気な黒人のおじさん。
スージーを手伝って、みんなでテラスのテーブルと椅子を運びこんだ。
店を閉め、オレンジ色の街灯が照らす町をキャメルおじさんと歩く。
調子に乗って結構飲んでしまったな。石畳にうつる影がふらつく。
文武
「あー、気持ちいい。家までどのくらいかかるんですか?」
キャメルおじさん
「2時間くらいかな。郊外のほうにあるんだよ。」
…………………
あーーーーーーーん!!!!?????
2時間だと??!!!
あんた頭イカれてんのか?!??!
キャメルおじさん
「たった2時間半だよ。丘を登ったところにあるアパートなんだよ。」
文武
「ごめんなさい。2時間半は歩けません。僕には無理です。他に寝床探します。」
キャメルおじさん
「なぜ?君は若いんだし、私たちには歩ける足があるんだよ?」
文武
「そうですけど、僕の荷物はとても重いし、2時間半も歩けません。すみません。」
キャメルおじさん
「冗談だよ。」
そう言って目の前のアパートのドアを開けるキャメルおじさん。
サ、サ、サ、サ、サムライは、け、け、け、け、決して(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )
弱音を吐かない(´Д` )(´Д` )(´Д` )(´Д` )
そんな冷たい目で見ないで(´Д` )(´Д` )(´Д` )
あまり裕福ではないキャメルおじさんの部屋は、物置のような小さな部屋。
石壁がむき出しの冷たい部屋。
床に散乱している雑誌や写真を脇に寄せ、そこにマットを敷いて寝転んだ。
電気を消すと、小さな窓から表の街灯の光がさしこんだ。
ベッドでいびきをかいてるキャメルおじさん。
テレビではCBCニュースが韓国と日本の竹島問題のことを報道している。
日本寄りではない、外国から見た報道がとても新鮮で、客観視できる。
観光地で見る中国人はマナーが悪く、日本人は礼儀正しい。
でも見方を変えれば、中国人は外国でも堂々としていて、日本人は引け目の中でコソコソしているとも言える。
Japanese man in europe
サムライとして、誇り高く、媚びず、乞わず、人に優しく出来る、強い男でいたいな。