9月26日 水曜日
………もう飲めない………
シュナップス………いらない……
エプロンドレスを………
エプロンドレス……。
はっ!!
目が覚めると歩道のベンチの上。
通勤の人たちが歩いている。
結局タンポポから300mも歩いてない(^-^)/
いやー、二日酔いまで含めてのオクトーバーフェス、満喫。
な、俺たち満喫したよな、トロール。
………トロール?
お、お、おおおおお、お前、シッポがなくなってるじゃないか。
なんて哀れなことに(´Д` )(´Д` )(´Д` )
あまりにみんなに触られたから、どっかでちぎれたんだな(´Д` )(´Д` )
ゴメンな、トロール。
シッポなくてもトロールはトロールだよな。
タンポポに戻り、コーヒーを飲みながらカナコさんにお祭りの報告をして、駅に向かった。
やってきた電車に乗って、まずはミュンヘン中央駅へ向かう。
二日酔いで若干気分が悪い。
ふらりと電車を降りた。切符のチェックがない。
キセルし放題。
あー!もう飲めない!!
東ドイツ満足!!
次の国、オーストリアの入り口の町、ザルツブルクまでは電車で2時間。24ユーロ。
中央駅に到着する電車からなだれ出てくる伝統衣裳の人々。
みんなオクトーバーフェスに行くんだな。
あそこで飲んでたら友達くさるほど出来るはず。
ミュンヘン好きだな。
都会だけど古い建物が多く、人は懐っこく、優しかった。
少し名残惜しいが先に進もう。
ここから先、より深い歴史の町が数多くひかえている。
グッバイドイツ!!
Dankde!! German people!!
すっかり大好きになったドイツを背に電車は国境を越えて、ザルツブルクの駅で止まった。
ここはオーストリア。
音楽の国。
えーっと、日本ぬかして7ヶ国目か。
頭がかゆいので駅前のショッピングモールのトイレで頭を洗った。
トイレ無料。
トイレが無料だと国の好感度がぐんと上がる。
そしてそのモールの中にあるマクドナルドでWi-Fiゲット!!!!
うおーー!!!
オーストリア好感度上がりまくりーーー!!!
最近いろいろ放ったらかしだったからブログや旅動画、Facebookのメッセージやらを更新しまくった。
そんでもってオーストリアについて調べる。
☆人口800万人。少ないね。
☆GDP世界10位。豊かだね。
☆北海道とほぼ同じ大きさ。小さいね。
☆オペラ4ユーロとかで観られる。安っ!!
☆都市の町並みがほぼ世界遺産。古いんだね。
あとはー、ハプスブルク家ってのが世襲で支配していた王国だったらしく、第一次大戦まで650年間もその王国は続いたみたい。
かつては中央ヨーロッパから西ヨーロッパ、アフリカとか、ものすごい広い地域を領地に持つ、一大帝国だったようだ。
ハプスブルク家は政略結婚がうまく、
どこどこの王子様と結婚して、
どこどこのお姫様をめとって、
ってな風に領地を広げまくってたみたい。
日本にある様々な中世を舞台にした物語は、まさにこのハプスブルク家をモデルにしたんじゃないかと思えるほどだ。
そんなヨーロッパらしさのカタマリのようなオーストリア。
やはりお城や宮殿などの史跡も多く残っており、このザルツブルクも町並みが世界遺産。
さっき電車の窓から大きなお城が見えたけど、ほんと、いきなり興奮させてくれる国だ。
サウンドオブサイレンスの舞台とか、ドナウ川流域の景観、ウィーンやグラーツの旧市街、ハプスブルク家の宮殿、など美しい世界遺産も多い。
んー、何日かかるかなぁ。
1週間くらいで抜けられればいいけど。
それにしても、今マクドナルドの中なんだけど、さっきから汚いじいさんが1人でわめいている。
どう見てもホームレス。
なんで店員さん追い出さないんだろうと思っていると、そのじいさん、お客さんの置いて行ったゴミを片付けて回っている。
ヨボヨボと、独り言を言いながら。
これはおそらく支援の一環なんだろうな。
それにしても俺にはわからないが、みんなは同じオーストリア人だからこのじいさんが何をブツブツ言ってのかわかってるはず。
それでも許されているのだから懐の深い国だな。
そしてマクドナルドはやはり偉大だ。
あ、オーストリアはドイツ語だ。
寝床を探しに歩きはじめた。
あのお城の方に行けばどこか寝るところがあるだろう。
街の真ん中を流れる川が、ライトアップされたお城をうつしている。
小高い丘の上に築かれた地味なお城。
ノイシュバンシュタインとは大違いだ。
しかしそれはこのお城が実戦的で実用的だからだろう。
ノイシュバンシュタインは道楽のお城だからな。
しかしこの地味さが逆に物言わぬ迫力を持って迫ってくる。
お城の足元に広がる旧市街に入りこむと、そこは今までのどの街よりも美しい路地が入り組んでいた。
え?、なにこの町?
映画のセットですか?
ウンコ漏らしそうなくらいゲロ綺麗。
中世、中世ってこれまで何度も言ってるけど、ダントツ1位に踊りでたよ、ザルツブルク。
外灯が石畳の路地を照らす。
皮の靴をはいた魔法使いが歩いている。
銅像のたくましい腕、キリストの痩せこけた腕、
誰もがお城に憧れて眠る夜