2006年9月22日【和歌山県】
石川県からかっとびで和歌山県田辺市に向かう。
なんであんなにも富山・石川を飛ばしていたかというと、今夜田辺でものすごいライブが行われるから。
その出演者がハンパじゃない!!
ちょっと怖いくらいのメンバーが一堂に会するのだ。
ドキドキする胸を抱えて、風呂も飯も何する時間もないまま1日中アクセルを踏み続けて、紀伊の霊場を駆け抜け、海が見えた頃には残りわずかな夕日が水平線に沈もうとしていた。
「おーい、来たなー。」
いつもニコニコしているNPO法人『チャッカ白浜』の理事長、新井さんと落ち合って、まずはご飯を食べに新井さんオススメの南国風居酒屋『ブーザーズ』へ。
ここは店長が宮崎県出身なので、チキン南蛮なんかの郷土料理が食べられる。
新井さん、気を遣ってもらってありがとうです。
「お!!音楽やっとるんか!!聴きたいやんけー。よし!!明日やろう!!ここでやろう!うん、決定な!!!!」
オーナーのチョイ悪社長が強引に話を進めてくれる。
田辺では有名な社長さんらしい。
いやー、豪快な人だ。
エネルギー放ちすぎ。
そして19時になり田辺駅前にあるライブハウスにやってきた。
すでに人ギッチリ。
さすがは人気シンガーそろい踏みだ。
チケットもなんとか新井さんと、いつも仲良くさせてもらってるエロエロ西前さんのコネでゲットできたもんな。
居酒屋『すなふきん』のマスターにもいつも感謝です。
さぁライブスタート!!
『タイキ』
1発目は『アジアサンライズ』というグループで活動しているタイキさん。
この人のCDを『すなふきん』でいただいてから、北陸ではずっとかけっぱなしだったもんな。
歌詞がほんとやばい。
ガットギターでオーガニックな歌を聴かせてくれるんだが、まるで足が根っこになって地面に伸びていきそうな、そんな大地を感じられる空気に包んでくれる。
最近はこの人の歌が1番好きだ。
ライブもめちゃよかった。
『AZUMI』
知る人ぞ知る大阪のどブルースマン、AZUMIさん。
ギターが別の楽器に見えてくるようなわけのわからん奏法、ぼそぼそ何か呟いたり叫んだり。
さらには足元に何か装置をつけ、強烈な足踏みでバスドラの音を鳴らす。
うねるサウンド、正確なリズム、生き物のようなギター。
なんて泥臭い、人間臭い人なんだろう。
三重の剛兵太さんが必見と言っていた1人だったが、納得だ。
そしてトリが……………………
『加川良』
ぐおおおおおおおおおおおおおお!!!!!
きたああああああああああああああああ!!!!!
「レゲェとかロックとかブルースとかも好きなんだけど、それじゃ今の2人には太刀打ちできないから。僕はフォークをやります。フォーク得意なんですよ。」
「イエー!!」
「フォークやってーー!!」
もう何の説明もいらない。
日本フォーク界の重鎮、加川良!!!!!
レジェンドが今目の前に!!!
あなたにフォーク得意とか言われたらもうフォーク歌えません!!!!
高田渡の『生活の柄』が始まるともちろん店内大合唱。
「おいおい、まるでフォークみたいやんかー。ははは。」
いつのまにか店内は70年代にタイムスリップ。
簡単なストロークのギターと飾らない歌声が染み渡る。
シンプルな言葉とメロディー。
だからこそ深く胸に入ってくる。
人生経験豊富な人間のフォークは、1曲で小説1冊分の読み応えがある。
ライブも終わり、大満足の充足感で新井さんと店を出た。
俺は絶対弾き語りだわ。
こんなにもストレートな表現方法ないよ。
マジで感動したああああああああああああ!!!!!
富山・石川とばしてよかったああああ!!って両県の皆さんすみませんんんんんんんんん!!!!
翌日。
「カネヤンー、お昼食べ行こかー。」
以前、田辺の路上で声をかけてもらってからの付き合いであるスキンヘッドの西前さんと一緒にお昼ご飯へ行った。
あー、田辺落ち着くなぁ。
知り合いもたくさんいるし、町もほどよく田舎で自然も多くて、そして稼げる。
もう何回田辺来たかな。
そして今夜もまた色んなご縁に恵まれそうだ。
夕方、白浜でお風呂に入り、昨日ご飯に行った『ブーザーズ』にやってきた。
店に入るとすでにオーナーとたくさんのお客さんが待ち構えていた。
俺を見るなりオーナーが立ち上がって声を上げる。
「えー!!皆さん!!それでは金丸文武スペシャルライブを行います!!」
え、ええ!?
もうですか!?!?
でももうこんな無茶振りみたいなシチュエーションにもだいぶ慣れたよなぁ。
緊張しまくりだったけど生音で40分ほど歌った。
まぁまぁ盛り上がってもらえ、ありがたいことにCDも完売。
ギャラまでいただいた。
「新井君!!よかったわ!!またこれからこんな感じでライブしよか!!いいミュージシャン連れてきてな!!」
社長さんにもだいぶ喜んでもらえ、今後ライブやっていこうと盛り上がっている。
俺がきっかけで何かが始まる、うれしいな。
ブーザーズのみなさん、ほんとにありがとうございました。
そのままいつもの飲み屋街、味小路の路上に出て8000円の上がり。
そろそろ終わろうかなというところに新井さんと西前さんがやってきてくれ、少しスナックで喋り、店を出た。
これでもうしばらく田辺に来ることもないだろう。
いい出会いに恵まれた町だった。
田辺大好きだ。
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