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滋賀県でのワンマンライブ








2006年4月24日 【滋賀県】






さぁ今日は久しぶりのワンマンライブだぞ!!!!




午前中からライブハウス入りしてみんなで手分けして店の中をライブ仕様に変身させていく。


テーブルを外に出して掃き掃除拭き掃除。

切れていたトイレの照明を取り替え、パイプイスを並べて準備万端。


こうやって手作りで設営するなんて久しぶりだ。




それにしてもライブハウスのオーナーさんは朝から姿を見ていない。


完全に持ち込み企画ってことでオーナーはノータッチって感じだ。


その方が俺的には気が楽で助かる。









ルーシーさんと2人で風呂に入りに行き、近くの宇奈月っていうラーメン屋さんで食事を済ませ、早速リハ開始。


よーし、いいライブを…………………





ってうそ……………




全然声が出ない………………




調子が悪いなんてもんじゃない。


いつもの音域の半分くらいしか出ていない。



な、なんで!?!?


声が出らん!!!!!



えええええええええ!!!!!


うそだろおおおおおお!!!!


別にここのところ路上で無理していたわけでもないのに!!!


なんか精神的なやつか!?!?

緊張で変になるとか!!!!




やべぇ、どうしよう……………




「うわーーーい!!!!だれ!?だれ!?アンタ!!」



「ねぇ!!ここ!!ココどうやるのーー!?」




焦ってるところに子供を連れたオーナーがやって来た。


話ではいつもライブの時に子供が騒ぐので今回は子供は入れないようにする、とルーシーさんが言っていたが、どうなるんだろう。



笑顔で挨拶するとオーナーもぎこちない笑顔を返してくれた。

なんか思うところはありそうだが、とりあえずなんとかなりそうだ。




「ルーシー君!!ちょっと途中に次のライブのこと喋ってくれるか!!こんな機会やしの!!」



準備してる横からそう言ってくるオーナー。


そんなオーナーの言葉に不満そうなルーシーさん、大林さん、神田さんの3人。


前回、俺がこのお店に来た時にオーナーとモメたせいで、今回のライブはオーナーはノータッチ。


すべての段取りをこの3人が取しきってくれている。



それなのに、このライブハウス史上最高の人数が集まると分かったら次のライブの宣伝をしろというオーナー。


ルーシーさんも大林さんもいまさらとやかく言われたくないという心境なんだろうな。



あー!!もう!!


なんで出演者が店側の内情に心乱されないといけないんだ。


子供たちが走り回ってせっかく並べたイスをずらしまくってるし。


1人で店の外に出て集中。









開演の19時が近づきどんどんお客さんが集まってきた。


こりゃ30人以上はいるぞ。


こんな知らない土地で無名の俺のワンマンに30人以上。


ルーシーさん、大林さん、神田さんのおかげだな。




電気が消えルーシーさんの前説が始まる。


さすがのしゃべくりで笑いが起こる。

さぁ、喉が心配だが、精一杯歌うぞ。


















そうして1時間半後。


お客さんのはけた店内でビールをあおった。


アンコールも含めて14曲。


前もってCDを聴いてくれてた人が一緒に俺の曲を口づさんでくれたのには感動したな。



魂を出し切った体にアルコールが染み渡る。


ワンマンライブの後のビールはなんてうまいんだ!!




「あれ?そういえばオーナー、客席にいませんでしたね。帰ったんですか?」



「ん?忍者にさらわれたんちゃうか?」



「シー………………」




忍者やっぱ怖ぇ。






ともあれ久しぶりのワンマンライブも終わった。


この日のために準備して来たこと、全部出し切れたと思う。


ルーシーさん、大林さん、神田さん、そして甲賀衆のみなさん、ほんとにありがとうございました!!










翌日。










「ありがとうございましたーーー!!!!!!」



「お、おう、がんばれよ。」




ライブが終わって一夜明け、出発する前にオーナーのところに挨拶に行った。


これでもかってくらいの大声で挨拶すると、たじろいでいるオーナー。


これでまた挨拶がどうのこうと言われたらたまったもんじゃない。


完璧に、ちゃんと義理を果たし、車に乗り込んだ。


こんだけやったらさすがに問題ないだろう。




「ライブに来てくれた人の名簿作ったさかい、なるべく早めにハガキ出してくれ。そうやってつながっていくんやさかいな。」



最後の最後までキッチリと面倒をみてくれるルーシーさん。


ライブに来てくれた人に対してそこまでするもんなんだなってすごく勉強になった。




本当に感謝します。


さぁ、出発だ。










滋賀を出て、一路、三重県紀勢町にやってきた。



晴れ渡る空、輝く新緑と水の張った田んぼの中を駆け抜け、錦峠を越えると一気に青い海が広がった。



「おー!!久しぶりー!!」



錦のさびれた漁村でおちあったのは、四畳半パンクシンガーの剛兵太さん。


久々の再会だ。


家にお邪魔すると奥さんが1番下の子、アイレンちゃんをあやしつけていた。


今日はみんなでバーベキューをしようと剛さんと計画していたのだ。


俺も奮発して昨日のギャラでいい牛肉を買ってきている。






奥さんの淹れてくれたココアを飲みながら遠藤ミチロウさん話で盛り上がってると、トップ(洗剤)を両手に抱えた女の子がやってきた。


剛さんの音楽仲間のシンガー、さっちん。


さらに剛さんのいとこでこれまた弾き語りシンガーのトシタカ君。


元気いっぱいレン君、カレンちゃんが保育園から飛び帰ってきたところで、炭に火をつける。


気の合う仲間同士、ビールを飲み会話もはずむ。











肉をつつきながら、しばらくするとやっぱり始まるそれぞれの曲披露。



「それもこ・ん・や・は・いいじゃないいいいい!!!ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」



ご、剛さん、庭でそんな断末魔みたいな声で山本リンダ叫んだらご近所さんからあそこの旦那さんイカれた思われますよ…………



ていうか、この前オヤジバンド大会に出場し、並居る強豪バンドの中でこの山本リンダを1人絶叫し倒して、見事4位という脅威の高評価を勝ち取ったという剛さん。



選曲……………



それにしてもこのスタイルで4位は驚異的!!!!



しかも4位ってのは観客の票のせいで、審査員の票では3位だったみたい。



「んー、だいたい女の子は耳を塞ぐか店出て行くねー。歌う度に敵がどんどん増えていくよねー。はははー。」



剛さん、普段は虫も殺せない優しい人なんだけどな。


でもこのギャップがたまらない。





トシタカ君、さっちんのさすがの歌声が小さな入り江に響く。


あー、いい夜だ。




リアルタイムの双子との日常はこちら





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