2004年 7月18日
よっしゃ今日も行くぞーー!!!
まずは盛岡市内から46号線に抜けて小岩井農場へ。
小岩井といえば誰もが知ってる酪農王国。
1891年に小野さん、岩崎さん、井上さんの3人が創業したことで頭文字をとって小岩井になったというのは有名な話だが、ここからがマニアック。
発案者は井上さんで、他の2人が出資した感じなんだけど、岩崎さんは親父が三菱の創始者。
後に2代目になるんだが、その流れで農場は三菱の手中に。
キリンの小岩井リンゴジュースとかオレンジジュースとか有名な商品があるけど、あれは農場はノータッチらしく、親元の三菱が小岩井のブランド名を使ってるだけなんだそう。
小岩井のリンゴを使ってるわけではないってこと。
だからあれを飲んで、あーやっぱり小岩井のリンゴは美味しいね!!ってイキってる人はめっちゃ恥ずかしいってことだ。
農場の観光スポット、まきば園は日曜日なのですごい人ごみ。
カップルまみれ。
ていうかカップルしか目に入らない。
クソーーー…………
イチャイチャしやがってええええ…………
500円払って中に入ると、フリスビー投げて犬が口でキャッチするあれの大会をやっていた。
日本中から犬と飼い主が集まってすごいコンビ技を披露していた。
羊やられ放題。
牧羊犬の羊追いのショーがあったり、牛の乳しぼり体験があったり、ひとりぼっち以外ならすごく楽しいと思う。
ひとりぼっち以外なら。
マジただの拷問。
孤独すぎ。
バーベキューしてるカップルを見て1人で泣きそうになってきたので小岩井を脱出。
孤独なやつはもっと孤独な場所に行こうと、秋田県との県境あたりにある国見温泉に向かった。
どうでもいいけど途中、谷地の信号を過ぎたところにあるローソンの女の子がめっちゃ可愛かった。
なんとかしてナンパしようかと思った。
マジで飢えてる!!!
めっちゃ悶々としながら標高800メートルの山の中を走っていく。
景色はと言うといつものように濃霧。
ものすごい山道をひたすら登り続け、道の終点にいかにも登山客の拠点って感じの山小屋をふたつ見つけた。
歴史の古い石塚旅館は、宿泊客が多いからと立ち寄り湯は16時まで。
もう17時。
もうひとつの森山荘は20時まで。
やった。お湯にありつける。
緑色の湯って初めてだった。
酸性が強いのか、エキスがやたら濃くて、1時間誰も入らなかったら湯に牛乳みたいな膜が張るらしい。
温度はそんなに高くないのに身体中にジンジン染み渡ってかなり気持ちよかった。
長く浸かっていると、アトピーのところがヒリヒリする。
露天もちゃんとあり、目の前に広がる山々の緑がすごく綺麗…………と言いたいところだけど濃霧!!!!
でもまさに秘湯って感じですごく良かった。
冒険気分を味わって山を降り、さっきのローソンに行ってみると、まだあの女の子が働いてた。
「あの、旅の思い出に写真撮らせてください。」
「えーーー!!あの、私なんて全然ですから!!ホント、あ、え、ああああー!!」
めっちゃ慌ててめっちゃ可愛い。
さすがに写真は撮らなかったけど、マジで可愛かったなぁ。
岩手の女の人、可愛いなぁ。
翌日。
今日1発目は滝の上温泉へ。
もー、このあたりの温泉は、どこも山道の終点にある。
そこの温泉のために道を作ってるような感じだ。
川沿いに山を登っていくといくつかの宿があった。
周りの山や川のいたるところから立ち昇る大量の湯気。
温泉の奥には巨大な地熱発電所があって、ここもまた秘境感満点だ。
探検モードのスウィッチが入り、宿の裏手から無理やり山に入り、草をかき分け、湯気の立つあたりまでやってきた。
ここには植物は生えてなく、粘土のような地面からボコッボコッと灰色の熱湯が湧き出している。
穴からシュゴーーーー!!っと吹き出している蒸気に手をかざしてみた。
「アチィッ!!!!!」
あまりの熱さに驚いて坂を転げ落ちそうになった。
侍の時代にも、大和朝廷の時代にも、恐竜の時代にも、ずーーーーーーーっとこうして湯が湧き続けていたんだよなぁ。
鳥越の滝を見てから山を下り、玄武洞っていう巨大な柱状節理の絶壁を眺め、一気に盛岡市にやってきた。
とりあえず、この前行った酒蔵、南部関の河井さんに紹介してもらった酒販店「キブネ」を覗いてみた。
村井さんというご夫婦がやってるんだけど、このご夫婦がほんっとに親切で優しくて、いつもは蔵で作り手の話しか聞けなかったが、ここではそれを仕入れて売る側の話をたくさん聞かせてもらえた。
「やっぱり人と人との繋がりですよ。詳しい、信頼できる酒屋を近くに見つけることですね。」
すごい説得力のある村井さんのお話。
もっと話したいので後からまた来ますと伝え、市内の大手蔵「あさ開」にやってきた。
もーーー、麹から酛から蒸米からもろみまで何もかんもコンピューター制御で自動的に出来上がる。
売店にはお酒とは関係ないようなお土産物が並び、ツアーのおじちゃんおばちゃんが群がっている。
「さぁ日本一のお酒はこちらですよー。」
「蔵元限定のお酒でーす。素晴らしいお酒ですよー。」
蔵元の売店なのにほとんど常温で光ガンガン当ててる。
うーん、こういうところもあるんだよなぁ。
チャチャっと見学し、キブネに戻ると、村井さんが信頼する日本中の厳選された素晴らしい日本酒を試飲させてくれた。
1年貯蔵されたものと新酒を比べさせてくれたり、使ってる米が違うものを比べさせてくれたり、わざわざ燗までつけて冷やと並べてくれたり。
「私たちも先輩がたから大きすぎる恩をいただいて、私たちから先輩に返すことなんて大してできないから、次の人たちにこうして渡していきたいんです。」
村井さんめっちゃいい人。
また俺のとこにユイマールが回ってきた。
必ず次に回さなきゃな。
それにしても村井さんたちと取引先の蔵元さんたちとのやりとりを聞いていると、ホントに酒の世界って厳しい業界なんだなぁって初めて実感した。
勉強することは腐るほどある。
村井さん、本当に本当にありがとうございました!!!!
大量に飲んでしまったので今日はこのあたりで終了。
雨は相変わらず土砂降りだった。
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