スポンサーリンク ナポリで人生イチのピザ出ました 2017/7/6 2017/05/29~ イタリア, ■彼女と世界二周目■ 2017年6月18日(日曜日)【イタリア】 メッシーナ ~ ナポリ車の中にヘビが潜んでいるかもしれないと思いつつも、俺とカンちゃん快眠。つ、強え…………まぁ多分昨日のうちに車から落ちてしまってるだろう。そんないつまでも車にいてもヘビにいいことない。エサもないし。さあああああ!!!!!今日は走るぞおおおおおおおおおお!!!!!ついにこのシチリア島からもサヨナラだ。わずか10日間しか滞在しないで、町も数ヶ所しか行ってないけれど、憧れはより強い憧れになったよ。シチリアの優雅なリゾート地を満喫させてくれたタオルミナ。美しい歴史の町、チェファルー。山肌にへばりついたカステルブオーノ。そしてニューシネマパラダイスの映画そのまんまだったパラッツォアドリアーノ。たまたまたどり着いたプライベートビーチも、通りがかりにレモンをくれた爺ちゃんも、汚い都市のメッシーナも、その風景の一瞬一瞬すべてがシチリアだった。すべてが鮮明に頭に記憶されている。また戻ってきたいって思える場所は少ないけれど、シチリアには必ずまた来よう。ここの島の空気はマジで特別だったわ。相変わらず汚いメッシーナの町に入り、静まった日曜の朝の通りを走っていくと、ポツンと小さなパニーニ屋が開いていた。シャッター通りの中にそこだけポツンと開いている。中に入ると、雑然とした店内で爺さんがエスプレッソを立ち飲みしている。地元の人たちが来るボロい小さなお店で、そこでケバブを頼むと、おじさんと娘さんが珍しいアジア人客に張り切ってケバブを作ってくれた。トマトは?チリは?ソースは?と聞きすぎなくらい何度も質問してくるけど、もちろん全部イタリア語なので想像しながらスィースィーと答えた。出来上がったケバブを受け取って、最後のシチリア人だからと写真を撮らせてもらうと、おじさんは急に渋いキメ顔になった。そして撮り終わると、また笑顔になって、カッコつけてチャオと言ってくれた。ありがとうおじちゃん。最高にキマってるチャオだったよ!!!フェリーポートに入っていくと、すでに船が岸壁について車を乗せ始めていた。メッシーナとビラサンジョバンニを結ぶフェリーは朝の5時くらいから夜中の23時くらいまで、ほとんど40分おきくらいで運行しているので待ち時間はほとんどない。フェリーに乗り込むとすぐに出航した。甲板から島が見える。緑の山とささやかな町並み。これから先もこの島では何も変わらない生活が営まれていく。そしてトトのような子供が大人になり、ローマやミラノに上京し、遠い故郷を思うんだ。アルフレードと一緒に自転車で走ったあぜ道はいつでもここに残っている。シチリア最高だったよ!!!!!船は20分で対岸のビラサンジョバンニに着いた。あっという間にフェリーから滑り出ると、そのまま港を抜け出したところにあるインターから高速道路に上がった。やっぱり来た時と同じくここは乗り口に料金所がないので、無料区間なんだな。さてどこまで無料区間だろ。ビラサンジョバンニからはひたすら北に向かってアクセルを踏み続けた。ブーツの足の指から甲の部分と移動していく。風景は特別何かすごいものがあるわけでもなく、山々の木々が広がるばかり。高速の移動はこんなもんだ。でもおかげで距離はのびる。ノリ君とユキちゃん元気にしてるかなぁ、今どこらへんにいるのかなぁ、なんて話をしながらかっ飛ばした。あ、そうそう、いつものように途中のサービスエリアでシャワーを浴びていたら、パスティツェリアコーナーでこのお菓子を見つけた。これはシチリアの伝統的なスィーツで、カンノーロっていうもの。あ、これ結局食べてなかったやつやんと思って買ってみた。シチリア名物をシチリアで食べずに、島を出た瞬間食べるというレベルの高いやつ。ていうかうっま!!!!これうっま!!!!カスタードクリームがパリパリした生地にくるまっており、なんかとても懐かしい味わい。これを食べてキンキンの炭酸水を飲むと、マジで最高。あー、やっぱりシチリアいいなぁ。早くも恋しいわ。でも……………今夜はあいつが待っている。イタリアに来る大きな大きな目的がふたつあったんだけど、ひとつはもちろんシチリア。そしてもうひとつが今日、これからだ。ワクワクしながら車を飛ばした。休憩しながら走り続け、6時間後にようやくナポリに到着した。やっぱりこのビラサンジョバンニからサレルノの間は無料区間だったみたいで、お金がかからなかった。ただサレルノから先は2ユーロだけ取られた。250円。高速の上から途中途中に美しい町がいくつも見えたけど、もう全てに立ち寄ってる時間はない。イタリアはマジで全部回ろうと思ったら5年かかる。それにしてもこのナポリにどれほど期待してきたことか………………ナポリっていったら、ピザが思い浮かばない人はいないんじゃないかな。日本にあるピザ屋さんでナポリのなんとかって名前のとこなんかめっちゃある。「ナポリで修行してきたシェフがやってるお店です。」「ナポリから輸入した石釜でピザを焼いています。」イタリアの中でもナポリがピザの総本山だってことは誰でも知ってること。豚骨ラーメンでいったら福岡みたいな感じだ。無数のラーメン屋さんがひしめいてシノギを削っている超激戦区。イタリアに来る上でめっちゃ楽しみにしていたこと。それはもちろんナポリで最強のピザを食べるということ!!!!!!食べるぞおおおおおおおおおおお!!!!!!!!ていうかナポリから輸入した石窯ってどうやって輸入してるんだろ!!!!!ナポリの町に入ってくると、いきなり港湾の巨大クレーン群が見えた。大きなコンテナがたくさん積み上げられており、そんな港湾都市の風景もまた福岡みたいだ。それにしても町がボロい!!!!大きな都市ではあるんだけど、建物が全部廃墟レベルにボロボロのアパートばっかりで、壁は崩れてるし、手すりは錆ついてるし、水垢やらなんやらで黒ずんで、とにかく汚い!!!そんな建物がものすごくたくさん密集しており、隙間の路地なんかに入ってしまうと、迷路っていうか深い谷底にいるみたいな感覚だ。日の差し込まないアパートの谷底で、頭上にはベランダに干された洗濯物がずらーーーーっとはためいている。そんなベランダでおばちゃんが夕涼みしており、向かいのアパートのベランダにいるおばちゃんたちと大声で話している。よく見るとそんな光景がたくさんあって、あちこちのベランダにおばちゃんが出て、アパートの谷間の空中で会話が飛び交っていた。石畳もボコボコにゆがみ、ところどころ穴まで開いており、こりゃすげぇ下町感だな。ナポリ、すっごい下町。なんかナポリは都会だけどゴミゴミした雰囲気ってイメージが先にあったけど、こりゃ想像を超える古めかしい雰囲気だ。いつもの、中世的な古めかしさではなく、昭和的な。なんてノスタルジックなところだ。そんなゴチャゴチャした住宅エリアの中に車を止め、早速目をつけていたピザ屋さんに向かった。アパートの谷間、人々の生活感が濃厚に漂う路地裏を歩いて行く。こんなところにピザ屋さんなんかあんのか?って怪しくなってくるけど、確かに美味いラーメン屋はこんな路地裏にあったりするもんだ。そしてそんな路地裏の一角にあるピザ屋にたどり着いた。こ、これか…………?カンちゃんがネットで調べてくれたところで、数あるナポリのピザ屋の中でもトップレベルに人気のあるお店なんだそう。そんなお店がこんな町の中心部からだいぶ離れた住宅エリアの路地裏にあるってところに、ナポリのピザの大衆性が出てるよなぁ。さぁ席に着いたら、まず何を頼もう……………うー!!メニューいっぱいありすぎて選べん!!!!全然わからん!!!!!とにかく、マルゲリータはマルゲリータ発祥の店がこのナポリにあるので明日そこで食べるとして、他のものがいいんだけど……………選べん!!!!のでなんかわからん揚げ物!!!!「ぐおおおおおおおおおおお!!!!!美味しい!!なにこれ美味しい!!!」「うっま。ビビる、うっま。」ズッキーニの中にクリームチーズを入れたものを揚げているという日本人全員絶対好きなやつ。マジで美味い!!!ピザ以外ですでに漏れそうなんですけど…………そして問題のピザは……………マリナーラにした。ピザ屋さんのメニューを見たらどこのお店でもまず1番上に来る安いやつがマルゲリータ。しかしそれよりもさらに上に来る1番安いピザがマリナーラというもの。マルゲリータは生地の上にトマトソースとモッツァレラチーズを乗せて焼いただけの超シンプルなものだけど、マリナーラはさらにシンプルで、生地の上にトマトソースを塗っただけ。チーズなし。これが究極のピザの原型なんだろうけど、今まではずっと避けてきた。そりゃさすがに質素すぎでしょーって思ってた。ラーメンでいったら、具がネギのみ、みたいな感じだもん。いや、もはやスープと麺のみか?いらんもんそぎ落としすぎ。そんなんさすがに注文しない。いやー、まぁね。ここナポリですからね。一応、ここはやっぱり一応ですね、ピザの原型をイクならこのナポリしかないと思うんですよ。わかってます!!大丈夫です!!!どうせ質素すぎて、あー、なるほどね、確かにここから具を乗せていってそれぞれの好みの味にアレンジしていくわけですね、うんうん、だから当たり前に質素な味なわけですよね、ってそういうことですよ。わかってますって!!!あれですか?なんか本当に美味しい店は余計なものは入れないで、シンプルイズベストで勝負してる的なアレがありますよね。こだわり店主的な。私語ダメみたいな。笑っちゃいますよね、私語ダメってあなたそれ学校のテスト時間じゃないんですからそんな厳しいこと言わなくてもいいじゃないですか、あー、ゆまちゃんの二の腕を後ろから優しく抱きしめたいなぁなんつって、ほう?なかなかですな。ていうか注文してから3分くらいしか経ってませんよ?あれですか?ナポリではピザはリアルにラーメン並みのファストフードってことですか。ていうかもはや牛丼並みの早さですか。まぁ試食してあげましょうかね。マルゲリータよりもさらにシンプルなピザの原型、マリナーラさんですか?あーそうですか?あれですか?シロガネーゼですか?気取った50代のシロガネーゼマダムがランチでイタリアン食べにきますか?えーえー。そんな気取ったシロガネーゼのひらひらしたスカートを後ろから乱暴にまくりあげて俺のマリナーラをプロシュートですか。そして気に入ってもらえて週一でマダムの世話をする男娼になってお金貯めるっていうのどう?って友達に提案したら本気でやろうかなって言ってる人いました。若かったあの頃なにも怖くなかった。ただあなたのバカさが怖かったです。ていうかぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!今まで食べたピザ屋のみなさん、本当にごめんなさい。人生イチ、出ました。今まで食べてきたピザで1番ッッッ美味い!!!!!!これは文句なしにダントツでナンバーワンで美味い!!!!!!!「カンちゃん!!!!美味すぎる!!!!これは美味すぎる!!!!」「美味しいー!!!なにこれ!!チーズないのに絶妙すぎる!!!!ピザなのにチーズがいらないの!!??すごすぎる!!!!」絶叫ですよ。一口ごとにキエエエエエエエエエエ!!!!ってテーブルひっくり返しそうになりながら食べました。もう生地がまずモッチモチ。めっちゃ薄いのにもっちもちで存在感がすごい。そのくせパリパリしてて口当たり最高。それが上に乗ったトマトソース、ニンニク、オレガノ、粉チーズ、チェリートマトを包み込んでヨユーで究極。最強です。勇次郎出ました。なんかもうピザがオーガに見えてきました。ヒッティングマッスルです。そして会話もほとんどないまま食べ終わってマジで死にました。イタリアで食べたものトップ2が決まりました。サンマリノのシーフードパスタ。そしてここのマリナーラ。幸せです。大好きなカンちゃんと2人でこんなピザを食べられるなんて、マジで旅しててよかった。今イタリアだよ?大好きな人と2人で旅してる?あれ?今旅中?そう俺たち今旅中。ヨーロッパだよ?めっちゃ日本から遠い異国だよ?でも今旅中。あー、人間どこでも生きていける。美味しいものを探しに行く旅を世界規模でできてるって、すげぇ時代だなぁ。なんかもうこのマリナーラ、地球。スケールでかすぎる美味さ。地球を彷彿させる美味さなのに値段5.5ユーロ、680円。マジ奇跡。あ、でもマリナーラってどこでも1番安いメニューなので、本当は3ユーロとかそんなもんです。このお店はちょっといい店なのでこの値段です。本当は他の店に行ってピザハシゴをやらしたかったんだけど、ここの1枚目があまりにも世紀末的に美味しすぎたので、もうここであと1枚やっちまうか!!とホワイトピザを注文。ホワイトピザってずっと気になっていたんだけど、トマトソースを使わないピザのことみたい。出てきたのは、ズッキーニとかの緑の葉っぱがたくさん乗ったやつ。うん、これ普通。いや!!めっちゃ美味いよ!!!多分いつもの感じで食べてたら悶え苦しんだレベルのはずなんだけど、さっき食べたマリナーラが異次元すぎたので、これは普通の人類の食べ物だなって感想です。飲み物はビールがそこそこいい値段したのでいつもの炭酸水にして、サービスフィーが1人1.5ユーロついてお会計は23ユーロ。2850円。めっちゃお腹いっぱい。多分2枚目いらんかった。あれ頼まんかったら1900円。なんで日本のピザあんなに高いんですか?日本だったらピザ1枚でこの値段超えてきますよね。ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!ピザの町、ナポリなめてたああああああああああああああああ!!!!!マジで人生イチを叩き出してくれるなんて、本当来てよかった!!ナポリありがとう!!イタリアありがとう!!!!ほいの、ほいの、ほいいい!!!あんまり気持ちが良かったので、それから車に戻るのに遠回りして帰った。知らない路地に入り、テキトーにあちこちを眺めながら歩いた。アパートが両側にそそり立ち、錆ついたボロボロのベランダに洗濯物が揺れている。頭上で飛び交う会話を見上げたら、おばちゃんたちがベランダに置いた椅子に座って向かいの建物同士でお喋りしている。路上を歩いていても、ドアや窓を開けっ放しにした家が多くて、部屋の中が丸見えになってるし、そこからお婆ちゃんがボーッと外を眺めている。子供が追いかけっこしてキャーキャー遊び、仕事帰りの人が坂道を登ってきて、もう本当にベタベタするほどの下町の生活感に溢れている。すげぇなぁ、ナポリ。こんなに昔ながらの暮らしが残った町なんだなぁ。なんかあまりの生活感に異国情緒すら漂っている。イタリアというオシャレ極まりない国のど真ん中にありながら、まるで東南アジアみたいだ。きっとイタリアも北は洗練されていて、南は昔ながらの古ぼけた様子が残っているんだろうな。ブワッと風がアパートの間を吹き抜けると、通りに張られたイタリア国旗がパタパタとはためいた。あー、もうナポリ大好きだな。