スポンサーリンク マラウィ湖にいる寄生虫の薬 2017/4/30 2017/04/05~ マラウイ, ■彼女と世界二周目■ 2017年4月13日(木曜日)【マラウィ】 ンガラ ~ カスング朝起きて、すぐに横ですぴーすぴー寝ているカンちゃんの体を触った。…………熱くない。お、熱が下がっている。昨日、解熱剤を飲んだのは15時くらいだ。もうとっくに薬の効果は切れている。これは治ったのか?「どう?カンちゃん、気分は大丈夫?」「うん、大丈夫。ダルくもない。でも生理が消えたのがなんか不安だなぁ。」生理初日はちゃんといつも通りだったのに、1番多い2日目でぱたっと止まってしまったなんて、今までで初めてのことなんだそう。マラウィ湖にいるといわれている寄生虫のことを心配しているカンちゃん。もし体内に入って活動し出したら女性だったら卵巣、男性だったら精巣に害を及ぼし、生殖機能に障害が出るんだそう。マラウィの地元の人は、寄生虫?そんなんいないいない!!何を言ってるだーい!!ハッハッハー!!くらいにしか思ってないけど、実際日本のガイドブックにはそう書かれているんだから間違いないはず。今の症状が寄生虫によるものかなんてわかんないけど薬を飲んで安心しておきたい。「ていうか妊娠してたらどうする?」「そんなもんソッコー帰国ですよ。」「フミ君は旅の途中で妊娠して帰国なんて嫌じゃない?」「妊娠して帰国なんて1番最高の旅の辞めかたやん。理想的なくらいだよ。」「そっかー。」「子供欲しいけど、いないならいないでカンちゃんと2人で生きていく人生でも俺はいいかなー。」「そうだねー、私も授かれば嬉しいけど、フミ君との2人の人生もいいなぁ。旅もいっぱいできるしね。」カンちゃんの年齢は34歳。もうそろそろ子供を作らないといけない時期。そうなると今回の旅が最後になるのかもしれない。次に旅できるとしたら何十年後か、そんなもんだろう。後悔のないよう、この旅をやりきろう。元気なうちにアフリカに来られたんだ。必ず喜望峰までたどり着いてやるぞ。「気をつけて旅してね、またいつか会える日を楽しみにしてるわ。」宿のママに挨拶して出発した。オーナーのジョレックスさんは朝早くに仕事に出かけている。しかしさすがはジョレックスさん。ホテルから車道まで道が悪いので、2人の女性スタッフをお見送りにつけてくれていた。助かった、車道へ続くあぜ道はでこぼこだし、途中に池を越える難関がある。あそこを荷物全持ちはなかなかしんどい。女性スタッフは細い体なのにカンちゃんのキャリーバッグをヒョイと頭の上に乗せた。アフリカの人たちはみんな頭の上に物を乗せて運ぶんだけど、マジで相当な重量のものでも乗せており、首やられないのかなって怖くなる。頭の上に水樽を乗せ、両手に食器を持ち、さらに背中に布に包んだ赤ちゃんを背負っているというたくましいお母さんたちばっかりだ。女性スタッフは15キロはあるカンちゃんのキャリーバッグを頭に乗せたまま池をジャバジャバと越え、軽々と車道まで運んでくれた。すごいなぁ。助かりましたとチップを渡すと、おばちゃんたちは宿に戻らず一緒に車道で乗り合いバンが来るのを待ってくれた。これもジョレックスさんに、彼らのために車をつかまえてあげるんだよって言われているんだろう。みんな仕事に真面目だ。釣竿を持った子供、牛を追うおじさん、火おこしのまきをどっさり頭に乗せたおばちゃん。色んな人たちがバンを待つ俺たちの周りを歩いていく。本当にのどかで、心が安らいでいる。ようやく黒人さんだらけのアフリカに慣れてきたみたいだ。体と感覚が馴染んできている。そしてここがマラウィというのもデカイと思う。マラウィの人たちは写真を撮られることをほとんど嫌がらない。これがケニア・タンザニアでは、風景を撮っていても、そこに自分が映り込んだだけでノー!!とすごい顔をして怒ってくる人たちばっかりだった。なのでカンちゃんも俺もあまり人の写真を撮ることができなかった。それがマラウィではみんな大喜びで笑顔を向けてくれる。カメラのことだけでなく様々な面において、マラウィの人たちはスレてなく、ピュアで、優しくて、おおらかだ。みんな本当に人懐こい。マラウィは来る前から持っていたオアシスのイメージそのままだったな。いや、まだマラウィを出るわけではないか。最後まで気を抜かずに移動しよう。しばらくして乗り合いバンがやってきた。おばちゃんが手を上げてくれると、バンはウインカーをつけて目の前に止まった。まずはこの前行ったドワングワの町でバンを降りた。値段はンガラから500クワチャ、75円。そして銀行で足りなくなったクワチャを下ろし、そのまま先日俺の下痢薬を買った薬局へ。英語の喋れるお兄さんにマラウィ湖の寄生虫の話をすると、さすがに薬局のスタッフなだけあって、お兄さんは他の地元の人とは違いその存在を知っていた。が、逆にピリオド、生理という単語は知らず、カンちゃんが一生懸命女の子が月に1回くるやつーと説明してやってわかってもらえたんどけど、生理が正常に来ていない?そんなんノープロブレムだよー!!と笑顔で言っている。まぁ、そんなもんなんかもしれんけど。でもちゃんと寄生虫を殺す薬は売ってくれた。1箱2粒入りで200クワチャ、30円。やっす。これを1日2粒噛み砕いて飲み、次の日も2粒飲むという服用みたい。カンちゃんのお腹の調子が悪いのが寄生虫のせいかはわからないけど、とりあえずこれで気持ち的に安心だ。カンちゃんの熱も下がったし、俺も下痢も止まって体調全快だ。絶好調!!!食欲もあるぞおおおお!!!ンガラで雑炊しか食べてなかったから何か美味しいもの食べるぞおおおおお!!!!いつものビーフライス。選択肢がない…………ああああああ!!!!マクドナルドのハンバーガー食べてええええええええ!!!!!!!いつもはマクドナルド食べたいなんてまったく思わんけど今はあのジャンクな味気ないバーガーが恋しいよおおおおおおおおおおおお!!!!!仕方なくビーフをひと口。うっま!!なにこれうっま!!いやぁ……美味いんだけどもう疲れたなぁ……………そろそろ違うの食べたい……………用事を済ませたらドワングワからまた乗り合いバンに乗り込んで次の町コタコタを目指す。値段は1500クワチャ、225円。しかしこのバンがまた果てしなくオンボロで、オンボロの向こう側に突入しており、11人乗りのシートに20人詰め込んで、押しがけからスタート。これは基本です。ちょ、超狭い……………天井低くて首痛い……………ふぅ、精神統一だあああ………心頭滅却して素数を数えて……………ああああ!!!兄ちゃんの体臭がきつすぎて素数が5からわからん!!!ギッチギチに人を詰め込んだバンが解体しそうに震えて走っていくんだけど、すぐにゴトゴト変な音がしだして道路脇に止め、助手席の人たちを下ろした。そしてシートをガバッと上げて、そこに水をドボドボ入れている。どうやらラジエーターの水がないらしい。そしてまたシートを戻して乗客を乗せて走り出すんだけど、10キロくらい走ってまた止まってラジエーターの水補給。入れてるそばから車の下にドボドボ漏れ出ている水。いつ爆発してしまうんだろうこの車?そんなスリリングな車なのに、まだ人を乗せていくドライバー。おおおおい!!!もうこれ以上乗せんでくれええええ!!!!!そんな人間の年齢でいったら190歳くらいのバン。あああ、もうひと思いに楽にしてくれえええ………って言ってるのをひたすら押しがけさせまくって走らせ続け、かろうじてコタコタに到着。さぁ、ここでマラウィ湖岸の旅も終わりだ。ここから内陸に入り、そのままザンビアに抜けるぞ。ただ時間的に今日ザンビアに入るのは厳しいので、おそらく行けても国境のムチンジという町までかな。このコタコタからまず3時間くらいのところにあるカスングに行き、そこからムチンジがまた3時間くらいだ。今13時半。うまく乗り継ぎできればなんとかなるか?ぬおっ!!!救急車!!!!佐倉市のみなさーん!!救急車が乗り合いバンです!!!バンを降りた瞬間群がってくる客引きたちにカスングカスングーって言ってたら、カスング行きの車まで連れて行ってくれたんだけど、これがまさかの4トントラック。おおお?マジか?トラックで行くのか?「おおーい、お前たちカスング行くのかー?」「カスングですー。」「5000クワチャなー。」「3000ですねー。」「ハハハー、オーケー3000ね、トラック乗っとけー。」半信半疑でトラックの荷台にバッグを乗せて前の席に座っていたら、次第に人が集まってきて荷台に乗り込み始めた。おお、マジでトラックか。それにしても俺たちが1番最初に来ていたので前の席を取れたけど、これで荷台だったら大変だったな。助かった。いや助かってなさそう………………警告ランプつきすぎ!!!!そしてやはり日本の車!!まぁ、大丈夫かな…………値段はコタコタからカスング、3000クワチャ。450円。しかしトラックはなかなか出発せず、1時間、2時間と経過していく。太陽が暑くて、移動のために買った冷えたジュースが走り出す前になくなってしまった。兄さんに聞いてみると、トラックは16時出発みたい。マジか、せっかく13時半に着いたのに、これじゃ今日はカスングでストップだなぁ。マラウィの移動でこんなに待つの初めてだ。ひたすら待ち続け、時間は16時を過ぎた。あー、夜に着いて宿探しとかしたくないんだけどなぁ。そうして17時になり、やっとトラックは出発。荷台に大量の米袋や大量の魚などの積荷と、大量の人々を乗せてトラックは山の中に突入していく。道は未舗装でボコボコに陥没しており、穴を避けてくねくねと蛇行しながらゆっくり進んでいく。トラックが大きく揺れるたびに、荷台の人たちが落っこちないか心配だ。ていうか俺たちのバッグ、絶対誰かが座ってるだろうな…………「このあたりはね、よく象が出るんだよ。ホラ、あそこにあるのが象の糞だよ。」「え!?そうなの!?」「俺はいつもこのルートを走ってるからね。よく見るよ。デカいやつは結構危なくてね。気をつけないといけないんだ。」あたりを見てみると、深い森が広がるジャングルだ。確かにそこらへんに象がいてもおかしくなさそうな雰囲気。地図を見たらこのあたりは広大な森林エリアになっている。太陽が沈み、ぼんやりとした淡い空に木々のシルエットが浮かぶ。「あ、アレはハイエナだよ。」ヘッドライトの中に犬みたいな茶色い動物が2匹現れた。ハイエナって犬みたいなんだな。「ホラ、ここがホテルだよ。じゃあなー。」3時間してトラックは真っ暗になったカスングの町に着いたんだけど、運転手の兄ちゃんに安いホテル知らない?って聞いたら、わざわざホテルの前まで送ってくれた。助かったよと兄ちゃんと握手してトラックを降りる。マラウィではレストハウスっていう看板をよく見かけるんだけど、これはローカルの人向けの安宿のことなんだな。部屋はまぁ質素なものだったけど、結構綺麗だし値段は4000クワチャ。600円。ローカルの宿はかなり安い。近くのレストランで毎度のご飯を食べ、それからガソリンスタンドにビールを買いに行き、計算間違えられて500クワチャほど損しそうになって、あと500返してくださいって言ったら、え?なにが?ってしらばっくれるお姉さん。目の前でもう一度計算してもらったんだけど、足し算間違えてるし、店の商品の値段知らなくてテキトーに計算してるし、こっちが気をつけてないとめっちゃだいたいで請求されるので気をつけましょう。ふーん、あっそ、って感じで500クワチャ返してくれたお姉さん。これもTIAだ。マラウィ、楽しかった。さてー、明日はザンビアだ。ワイファイは相変わらず1ミリも飛んでないので、情報ゼロで国境越えにのぞまないといけない。ボッタクリとか気をつけないとな。それにしてもマラウィにいた10日間、一度もネットに繋いでなかった。マラウィの実力だな。あー、宿で電子機器充電できるなんてすげぇ!!!