スポンサーリンク 人生って贅沢だなと思わせてくれる町 2017/2/27 2017/02/15~ クロアチア, ■彼女と世界二周目■ 2017年2月16日(木曜日)【クロアチア】 スプリトどうしよう、もう僕はどうしよう。ちょっと卑猥なこと叫んでいいですか?せーの、ドビュッシイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!あー、天領うどん食べたい。クロアチアが天国すぎて、テンションが常軌を逸してます。逸してますううううう!!!ええ、もうどうしよう!!今のテンションだったらコギャルの合コンも楽しめそう!!嘘!!それは無理!!気まずくなって途中で逃げ出す!!ああぁ、神様、僕に普通に日記を書かせてください…………普通に日記を書きたいだけなんです…………そして日記に写真を貼り付けてブログを投稿したいだけなんです…………普通に、普通に日記を書きたいだけなのにどうして指が勝手に卑猥な言葉を書いてしまうんだろう!!!!あああああああ!!!!キンタマーニイイイイイ!!!!(バリ島にある村の名前)ちなみにキンタマーニにはキンタマーニ高原という綺麗な高原があるらしいです。キ、キンタマーニからの高原て…………!!なんて組み合わせしてやがるんだ…………頑張って日記書きます。朝、夜行電車の中で目を覚ますと、窓の外に海が広がっていた。ああああ……………なんて綺麗なんだ……………青い海、青い空、海沿いに広がる民家はどれもクリーム色の壁に赤い屋根で統一されていて、これぞアドリア海といった風景。背後には大きな岩山がのび、その乾いた空気が中東が近いことを教えてくれる。その風景を見て心がほぐれていく。日本にこんな風景はない。でもなぜか里帰りするような安堵感がじんわりと胸をなでる。「綺麗だね、カンちゃん。」「うん、こんな綺麗な海、イギリスにはなかったね。」地方色のある風景ってのは旅感を与えてくれるもの。電車の窓から見るアドリア海の風景はまさにアドリア海らしさに満ち溢れていて、先進国イギリスの無機質な石壁にはない温かみがある。電車は6時半にスプリトの駅に着いた。23時出発だったので、7時間半の移動だったな。さー着いたねー、と駅を出た。マジで天国。もうこれほどの天国感、久しぶりすぎる。あまりの感動にどうしていいかわからんなる。日の出前の空は薄オレンジに染まり、ウミネコが飛び交っている。何色と言っていいのかわからない不思議な色の海が、とても静かにその空をうつしている。これはまぎれもなく、アドリア海だ。パームツリーが並び、その海沿いに巨大な城壁がそびえている。これはかつての宮殿の城壁だ。ここスプリトは1700年前にローマ帝国の皇帝が住んでいた場所で、その宮殿が時を経て廃墟の姿で残されている。イギリスでは廃墟は整備された入場料のかかる観光地だった。しかしここスプリトではそのかつての宮殿の廃墟に人が住み、現在も暮らしている。宮殿の廃墟にカフェがあり、宮殿の一部にスーパーマーケットがあり、薬屋さんがあり、住宅がある。まさに時の止まったアドリア海の町。ていうか遺跡の皮をかぶった天国。天国うううううえううえうえええええええうううううう!!!!!!!!!!「ほらー、カンちゃん、向こうに緑の山が見えるやろ。あの山の頂上で野宿したんだよ。大きな旗がバサバサ揺れててね、それが人の足音に聞こえてめっちゃ怖かったんだよなぁ。」「そうなんやー、温かくなったから寝やすかったんじゃない?」「そうそう、あの時は毎日マイナス10℃とかそんな雪の中で野宿してて本当辛かったんだよなぁ。それがアドリア海に出てきた瞬間めっちゃあったくなって、ここ天国かなって思ったもん。」そう!!!アドリア海は気候が温暖!!!今日の気温は20℃くらいまで上がるし、快晴だし、風がカラッと爽やかだ!!!ああああああああああああああ!!!!!イギリスで毎日毎日、曇りと雨と霧で地面が常に濡れてて、空気がどんよりジメッとしてたのなんだったんだああぉあああああああ!!!!!あの陰鬱な空気はここには1ミリもない!!!なんだったのあれ!?イギリスなんだったの!?なんであんなに暗いの!?あああああ!!!気持ちいいよおおおおおお!!!!!そしてエスプレッソ。もうすでに気持ちは神です。全てを手に入れた覇者のたたずまいでエスプレッソをちびりと飲んで、昨日買ったポールモールに火をつけたら、気分は完全にyazawaです。バリバリです。そしてテラスでMacBookを開いてスパッとアゴダで宿を検索して、スパッと予約完了。無駄がない。完璧すぎる。あああ!!旗の音にビビってたあの頃の俺に見せてやりたい!!!9時になるころには太陽がサンサンと輝きだし、真っ青な空がクリーム色の町の上に広がる。メインのホコ天通りには人が溢れ、通りが切れたところに水平線が見える。そんな美しい通りの端っこでは、現地の路上ミュージシャンが麗しい音楽を奏でている。クロアチアの言葉で歌うそのメロディが柔らかく地面を流れ、風に吹かれる。アンプを使ってはいるけど、イギリスみたいに野外ライブ並みの爆音を鳴らしたりしない。ほんの少しだけ大きくしてるだけだ。やりやすいなぁ。内陸ヨーロッパは本当に路上がやりやすい。本当、マジでイギリスは誰も彼もアンプを使っていて、みんな目立つためにどんどん音を爆音にしていき、もはや生音でやってるやつなんて完全に風景の一部。それが内陸ヨーロッパでは基本みんな生音。爆音で俺が俺が!!とアピールしてくるガツガツした感じがない。みんな黙々と職人気質な感じで演奏している。やりやすいなぁ。あああ、綺麗だなぁ。なんて綺麗なんだろう。飛行機2本からの夜行電車で結構疲れているけど、この最高の路上を前にして久しぶりにうずいた。路上が楽しくなかったイギリスでは、途中からこのうずきもなくなっていたけど、クロアチアは1発で忘れかけてたあの路上欲を取り戻させてくれた。ギターを取り出す。あぁ、路上結構久しぶりだなぁ。歴史あるアドリア海の町は古い石造りなんだけど、その長い年月で人々が滑らかにした地面の石はピカピカに光っている。そんな地面にギターケースを置き、リハビリもかねてゆっくりギターを鳴らした。はっきり言ってひどい声だ。アイルランドで喉を痛めてずっと咳をしていたんだけど、こんな喉の状態ではまともな声は出ない。でも頑張って歌う。そして歌うことが楽しい。久しぶりの路上、それがこんな天国、青空と降り注ぐ太陽、温かい風、人々にはみんな余裕が感じられ、コインを入れてくれる時に素敵な笑顔を向けてくれる。何言ってるかわからない人もいるし、カタコトの英語の人もいるけどみんなたくさん声をかけてくれる。イギリスなんだったんだー。本当は路上ってこんなに楽しいものなんだよ。この楽しさをずっと忘れていたよ。あー、最高すぎる。声は最低だけど。1時間だけ歌ってあがりは119クーナと1.5ユーロ。2100円。うん、この国の物価なら上々だ。それから宿に入ったんだけど、ここがまた最高。旧市街のど真ん中にあって、ホコ天通りから歩いて1分。オーナーのおばちゃんはとっても優しくて、それでいてお節介になりすぎない距離感がちょうどよく、すごく居心地がいい。部屋もとても綺麗なツインベッドルームで、トイレ・シャワー・冷蔵庫・テレビがついてて、湯沸かしポットまである。さらにバスタオルとミニタオルも置いてくれてて、ワイファイもばっちり。この最高のロケーションの個室が、都市税入れて1泊なんと2200円。ぐおおおおおおお!!!!ドミトリーで2000円するイギリスなんだったんだああああぉあああ!!!!!!もう本当スプリト住める。最強にもほどがある。でも!!!!!まだ大事なものがある。それは食事。いくらいい国でも食事が残念だったらポイントはあんまり良くない。これってめっちゃ大事。というわけで荷物を置いてホコ天に行ってみたら魚市場をやっていた。前回の一周中ではスプリトでこんなに魚市場やってたかな?ってくらい印象になかったんだけど、どうやらこの町はお魚が有名みたい。そりゃそうか、これだけ海辺の町だもんな。アドリア海の新鮮な恵みだ。色んなお魚が並んでいて見てるだけでも楽しいので、ここはせっかくだから海の幸を食べてみよう。市場のすぐ横にお手軽そうな小さな食堂があったので、そこに入って注文。やってきたのはエビフライバーガーとイカフライバーガー。どちらも値段は30クーナ、480円。まぁまぁ、イギリスでもさ、フィッシュ&チップスってのがあってさ、だいたい魚だけで700円もしてすごい大きさでね、まぁ味はそんなに大したことないんだけど、ソルフード?ってやつ?あの大国イギリスのソルフードを何度も食べた俺たちにこんなチンケなバーガーなんてマイッチャウよね!!本当馬鹿にしてもらったら困るっていうか俺の息子がビッグなベンになっちゃうぞ!!なんつって!!食べた瞬間、走馬灯が見えました。小学生のころにトハラ商店でアイス買ってお釣りもらおうとしたらおじさんがなかなかお釣りをくれなくて、あれ?なんでだろうって思いながらも世間話をしながら間をつないでみるけどやっぱり返してくれなくて、ぱっと気がついたらそれは60円のアイスじゃなくて100円のアイスだったわけで、ちょうど100円渡してたからお釣りももちろんなかったのに俺はずっと粘ってて、きっとおじさんもなんだこの子?ってちょっと変な感じになってたはずなんだけど、俺はそれよりも間違って高いアイスを買ってお小遣いを使い果たしたことに悲しくなってしまったけど、交換してくださいとも言えずにそのいつもは食べない100円の高価なアイスを食べながら家に帰ったという遠い記憶の走馬灯が、クロアチアの食堂でエビ食って見えたと同時にイギリス2秒。2秒で消し飛びました。凛々と泣きながら弾けて飛んで泣きっ面にションベンひっかけられるくらい消し飛びました。俺ちょっとなんか迷ってた。こんなに美味しくないフィッシュ&チップスをイギリスの人たちは何十年も前からずっと食べててそれが国民食になってて、彼らだって普通のインターナショナルな先進国民なんだからそんな変な味覚持ってるわけないし、だったらこれを美味しく感じられない俺の味覚がおかしいんじゃないのかな?ってちょっと思ってた。違う。俺の味覚、おかしくなってない。クロアチアの飯、死ぬほどうまい。ぐあああ!!!!があああ!!!幸せすぎる!!!!こんなウルトラ美味いものがファストフード価格でどこでも食べられるなんて贅沢すぎて泣けてくる!!!うううう………イギリス辛かったよぅ…………外食ほとんどせずに、レストランにもほぼ行かなかったこの2ヶ月半。物価を気にして縮こまって、腰が座らずにいたこの2ヶ月半。マジで、マジで半端じゃない開放感で泣きそうだー。「カンちゃん美味しいよーー!!めっちゃ幸せだー!!」「ねー!最高だねー!!イギリス大変だったよねぇー!!幸せー!!」カンちゃんと2人で大興奮しながらモグモグと幸せをかみしめた。それからゆっくりと旧市街を散歩して回った。かなり広大な歴史地区が全て、車が入れない迷路のような路地裏が入り組むエリアになっている。両側にそそり立つ建物で空が狭く、ときおり太陽が差し込んでは美しく路地を照らしている。建物は全て古びたクリーム色の石でできており、きっと何百年も前からなにも変わっていない姿なんだろうな。建物に渡された紐に洗濯物が干されている。そんな迷路のような旧市街をさまよい、あっちを曲がりこっちを曲がりしていると、パッと視界が開ける広場に出る。そこには巨大な塔がそそり立ち、いくつもの柱が取り残された立派な遺跡がある。これはディオクレティアヌス宮殿というギリアウトな名前の遺跡で、これを中心にスプリトの町は形成されている。この町自体が世界遺産だ。そんな宮殿の中を歩いていると、見覚えのあるアーチの下で地元のおじさんがギターインストでゴッドファーザーのテーマを弾いていた。懐かしいなぁ、4年前、ここで俺も歌っていた。我ながらいい場所選んでたなぁ。宮殿の城壁を抜けて海沿いのプロムナードに出ると、太陽がこれでもかと降り注いでいた。パームツリーが並び、それと並行してどこまでもカフェのテラス席が続いている。どこのカフェもこの陽気のおかげかほぼ満席で、遊歩道に設置してある無数のベンチも満席。誰もが太陽の下で気持ちよさそうにいこっている。海の水は透明度が高く透き通っており、波もなくとても穏やか。人間だけじゃなく、あちこちで猫が寝っ転がって無防備に眠っているのも見かける。そういえばイギリスではまったく猫を見なかった気がする。あれなんでだったんだろ?このスプリトでは猫たちが自由にのんびり寝っ転がっているんだけど、猫のいる風景ってとても平和に見える。面白いのはそれらの猫の近くに餌らしきものが置いてあったり、水飲みの入れ物が置いてあること。野良猫に対して町の人がこうしてご飯をあげたりして可愛がっているのがわかった。いいなぁ、平和だなぁ。みんな優しいなぁ。それから前回俺が野宿した山に登った。中腹にある展望台からスプリトの美しい町が見渡せるこの展望台。真っ青な海。港に密集する旧市街の赤い屋根はこれぞアドリア海の町だ。低い建物が港を覆っており、そこにさっきの宮殿の塔がポコンと頭を出している。旧市街の外に広がるのは現代的なマンションなんかの高い建物。そしてその背後にかすんでいるダイナミックな岩山の連なり。ため息しか出ない。暖かい風が髪を揺らす。本当に、クロアチアに来てよかった。ここは天国だ。スプリトの町に夜が訪れて、街灯がロマンチックに迷路の旧市街を浮かび上がらせる中、2人でレストランを探した。そう、今日は俺たちにとって振り替えバレンタインデーの日。アイルランドがあまりにも物価が高すぎたので、どうせなら物価の低いクロアチアで贅沢なことをしよう!!と決めていたのだ。というわけで町の中を歩き回って一軒のお店に入った。食べるのはもち、魚介類!!!ただ単に最高。スモークカジキの前菜、イカスミリゾット、石焼きマグロステーキ。めっちゃ贅沢!!!バッグパッカーなのになにしてるの!!!味は特別素晴らしいわけではないんだけど、アドリア海の海の幸を堪能し、ビールを飲み、本当に本当に喜びが心の底から湧き出てくる。「カンちゃん美味しいねぇ、これイギリスで食べようと思ったら死ぬほど高いだろうねぇ。」「そうだねー、余裕で1万円超えるだろうねー。」「ていうか俺、イカスミって人生初かも!!別にしょっぱいわけではないんだね!!」お会計は307クーナ。5000円。もう本当最高。他に言葉がうまく出てこん。天国。イギリスからの反動がデカすぎて、ここがとんでもない天国にしか思えない。あぁ、旅楽しいなぁ。贅沢な人生だなぁ。