スポンサーリンク スコットランドから今年もよろしくお願いします 2017/1/13 2017/01/01~スコットランド, ■彼女と世界二周目■ 2017年1月1日(日曜日)【イングランド】 アレンデール~ 【スコットランド】 エジンバラ2016年が終わり、2017年になりました。ブログでは時差がありますので、すでに三が日も終わって普段の生活が始まったかたがほとんどだと思います。昨年中は本当にたくさんのかたがたにお世話になりました。こんな未熟者にたくさんのご指導をいただき、ありがたいお言葉をちょうだいいたしました。心から信頼できる人生の先輩がたから、人として、男としての生き方、心の持ちようを教えていただき、常に勉強し、成長することの大切さを痛感したしました。また、たくさんの友人たちからもいつも大切なことを教えていただいております。今年は日本を出発し、旅先で結婚式をするという僕にとってとても大きな1年となりましたが、その全てが仲間たちがいてこそやれたことだと思っております。かけがえのない存在はいつも僕の心の支えであり、自分の不甲斐なさを気づかせてくれ、前に踏み出す勇気と向上心を与えてくれます。2016年にやり残したことはたくさんあります。やらなければいけないことは胸の中でずっとしこりとなっています。でもその全てをがむしゃらにほじくり返すのか。前に進むためには置いていくべきものも、もしかしたらあるのかもしれない。自分で自分に課したものに取捨選択なんかしたくないと思いはしますが、これからもっと濃度の濃い人生を歩んでいくために、自分の見るべき道をしっかり見据えて進んでいくことが大事なのではないかと思っています。こんな未熟者ですが、どうぞ2017年もよろしくお願いします。お父さんお母さん、兄貴、いつもありがとう!!ブログの読者のみなさん、本当にありがとうございます!!カンちゃん!!ありがとう!!2017年もいい旅するぞ!!!イングランド北部の牧草地帯は、元日だろうがきっといつもと何も変わらない。どこまでも草原が広がり、その中にポツポツと白い羊が散らばっている。古い石積みの囲いが草原の中に線を引いており、遠くに1軒だけポツリと民家が見えた。こんな寂しげなところで暮らしていて、外界と隔絶された気持ちにはならないんだろうか。あの家の人たちも、この羊たちも、古い年が終わり、今日が元日だということをわかっているのかな。そんなことを考えながら車を走らせていく。天気が良く、晴れ晴れとした気持ちだ。新年初日からこんな天気だなんて幸先がいい。ふと気づいたんだけど、ここまで来て窓の外に広がる景色がこれまでのイングランドと違って見えた。牧草地帯と散らばる羊ってのはいつも通りではあるんだけど、うねりがすごい。大地が波打つようにどこまでもうねっており、その中にのびる一本道はまるでジェットコースターだ。ぐいーんと坂を登っていき、道がなくなったかと思うといきなり急激な下り坂になり、それがいくつも続いている。自然とスコットランドっぽい風景だと思えた。こうした寂しげでダイナミックな風景こそ、きっとスコットランドのはず。大海を漂う一艘の船のようにハンドルを切っていく。スコットランドはもうすくだ。すると、一本道の脇に面白い文字が見えた。一旦通り過ぎてしまったんだけど、その言葉が面白くてついUターンをして戻った。「ラストカフェ イン イングランド」この国最後のカフェだなんてイカしたコピーだ。日本でも、山に入る前に、ここが最後のガソリンスタンドですよーっていう看板は見かけるけど、それが国ってなるとすごい。島国の日本には陸続きの国境はない。寂しい草原、その中にたつこの国最後のカフェ。まるで童話の中の光景のようだ。店内には数人のお客さんがいて、カフェが似合わないおじさんがコーヒーを作っており、いかにも田舎の食堂って雰囲気だった。メニューはどれも簡単なものばかりで、インスタントカプチーノを注文したけど確かにまぎれもなくインスタントで、笑えてくるほど美味しくなかった。まぁそんなもんか。この国最後のカフェを出て走り始めると、さっきまでの天気がガラリと変わっていきなり雨がパラつき始めた。おいおい、勘弁してくれよと思っていると、その雨粒が白いものに変わり始めた。雪だ。マジかよ。こんな僻地で雪とかやめてくれ!!走れなくなったり事故ったらシャレにならん!!!周りもあっという間に降りしきる雪で閉ざされてしまい、草原地帯が何も見えなくなってしまった。やべぇなぁ、こりゃ慎重に慎重に走らないと、元日からスリップして事故なんかしてしまったら先が思いやられる。その時だった。吹雪の向こうに何か旗が揺れているのが見えた。白と青の2色の旗が雪にあおられてはためいている。あ、ここが国境だ。草原地帯の中、少し標高の上がった丘陵のピーク部分がスコットランドとの国境になっていた。道路脇にあったパーキングに入ってみるが、まぁ例によってカスタムもなく、みんな素通りだ。ここから先はれっきとした違う国ではあるが、スコットランドはユナイテッドキングダムのひとつ。パスポートコントロールはなく、ただ道の脇にスコットランドと書かれた大きな石が置いてあるだけだった。小さな展望スペースがあったので降りてはみたが、みぞれが暴風で顔にうちつけて痛いほどの悪天候で、震えながらすぐに車に逃げ込んだ。が、国境を越えて丘陵を降りていくと、面白いくらいパタリと雪が止んで空に雲間が見え始めた。えー………なんだったんだよ?あの国境の一瞬だけ、嵐の中みたいだったな。とにかく、67ヶ国目かな。新しい国、スコットランドだ。途中、廃墟の修道院が見えたのでちょっと立ち寄ったりしながらのんびりと車を走らせ、北へ北へとのぼっていく。通り過ぎるスコットランドの町並みはこれまでのイングランドとさほど変りはしない。石造りの家々が、多少色がくすんで古びた様子がうかがえるくらいのもんだ。でもきっと、様々なものが変わっているはず。イングランドの人たちが、スコットランドには独自の言葉や文化、習慣が今も残っているんだよと言っていたのを覚えている。本州と北海道くらいの差だろうか、それとも本州と沖縄くらいか。違いがあればあるほど楽しくなるはずだ。いやー、元日に新しい国に行くなんて旅人みたいで嬉しくなるわ!!ちょいとテスコに寄って食材を買い込み、それからも北へ走り続けた。テスコはこれからのスコットランドでもお世話になりそうだ。元日も開いてるんだからやっぱり頼りになる。そしてこの日はエジンバラの近くまで走り、港湾の工場地帯の中に入りこんで車を止めた。高い塀の向こうに工場の明かりが見える。塀の上には有刺鉄線がはってあり、煙突が煙を吐き、もうずっと誰も出入りしてなさそうなゲートが荒れて放置されている。この工場地帯の禁断エリア感が昔から大好きだった。絶対に立ち入ることのできないゲートの中には、迷路みたいに複雑な工場の建物が入り組んでいる。巨大な秘密基地みたいで、潜入してみたくて潜入してみたくてウズウズしてしまう。子供のころ、延岡っていう工都に住んでいた遠い記憶がそうさせているのかわからないけど、この高いコンクリートの塀は、いつもどこか冒険心をくすぐってくる。今俺はスコットランド。この工場地帯のゲートの先に行くことはできないけれど、そのかわりブリテン島の北部に広がるスコットランドって国を思いっきり探検してやるぞ。