スポンサーリンク ローリングストーンズとマジニアミスの夜 2016/12/18 2016/12/01~ イギリス, ■彼女と世界二周目■ 2016年12月3日(土曜日)【イングランド】 ロンドン21人ドミトリーのベッドで目を覚ました。このホテルは若者たちの安宿なので、ゆうべ俺たちが夜中の2時くらいに帰ってきたのに、まだ泊まってる人のほとんどが外出中だった。みんな飲み歩いていたんだろう。そして俺たちがベッドに入ってからしばらくして男性グループがドミトリーに帰ってきたんだけど、いきなり電気をつけて大声で笑ったりするようなボケたちじゃなくて、ヒソヒソ声で音を立てないようにしてくれていた。うん、ドミトリーのメンバーがそんな気配りのできる人たちで良かったなと思っていると、おもむろに女の子の声で、ちょっと静かにしてくんない?と聞こえた。俺たちの横のベッドの子だ。ええ?彼らこんなに音立てないようにしてくれてるのにまだ足りない!?って驚いてしまった。ドミトリーには色んな人がいる。久しぶりだな、この感じ。今日はアートの日にしようということで宿を出発。目指すはナショナルギャラリーと大英博物館。このふたつには超絶有名な芸術作品、超絶有名な人類の遺産が展示されているとのこと。さすがはロンドン。ていうかロンドン見所が多すぎて観光だけでも何日かかるかわからん!!!地下鉄に乗って街の中心部にやってきて、まずはミュージアムに行く前に腹ごしらえ。昨日しこたま日本食をやらかしまくったので、今度はロンドンっぽいものを試してみようということでフィッシュ&チップス!!カンちゃんが調べたところ、このお店はロンドンでもかなり有名なお店なんだそう。1871年からやってるなんてすげぇな。というわけで出てきたのこれ。で、デケエ……………!!!値段は16.5ポンド。2400円。高え……………!!!気になる味は、めっちゃ普通……………!!!ええええ……………こんな味なの……………?もっとこう魚自体に味があって、揚げ方も美味しくてとかそんなやつじゃないの?ニュージーランドで食べてたフィッシュ&チップスは美味しかったのになぁ。こっちが本場のはずだからこういうものなんだろうなぁ。ていうか高いし!!!オニオンリングも合わせて23ポンドだったのをチップで25ポンド払ったら3600円!!!!きゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!何普通にお昼ご飯で3600円も使ってるのおおおおおおおおおお!!!!!!オーストリアでケバブばっかり食べてたの思い出して!!!!ご飯を食べたらのんびり歩きながら博物館に向かったんだけど、まぁロンドンって人が多い!!コベントガーデンというエリアはもうとんでもない人の数だった。渋谷のスクランブル交差点もすごいけど、ここはそれと同じくらいの大混雑。歩道に人が溢れかえり、歩きにくくてしょうがない。そして内陸ヨーロッパから来てとても驚いたのが、車が歩行者に道を譲らないところ。内陸ヨーロッパでは歩行者が道を渡ろうとしていたら必ず車が止まってあげる。そして紳士的に手を差し出して、どうぞと道を譲る。ロンドンでは一部の横断歩道を除いてこれがない。歩行者が真横でキョロキョロして道を渡ろうとしていても、我先にと突っ込んでくる車たち。全然譲ってくれないので、内陸ヨーロッパの感覚で道を渡ろうとしたら轢き殺されてしまう。そして歩行者もマナーが悪くてみんな信号機を守らない。赤信号の横断歩道をみんな渡りまくっている。これもまた内陸ヨーロッパではほとんど見なかった光景だった。これがロンドンだけなのかイギリス全体なのかわからないけど、今のところロンドンでは内陸ヨーロッパの人々のような穏やかさは全然感じられない。他人に興味がない、都会のせわしさにどうも居場所が見つけられない感覚だ。ナショナルギャラリーに到着して中を見て回ったんだけど、とにかく広くて全部見ようと思ったら1日かかってしまいそうだ。展示されているのはイギリスの歴史上の偉人たちの肖像画が主で、日本でいうチョンマゲサムライの偉人たちのイギリス版だ。まさにファイナルファンタジーの世界。あまりの美しい写実に圧倒されてしまう。「ホラー、カンちゃんこの人どんな人なのー?」「この人はねぇ、イノキなの。」「じゃあこの人は何してるところ?」「この人は普通にポッキー食べてるところなの。気難しいの。」アホみたいな会話をしながら絵を見ていると何時間でもいられそうだけど、今日は大英博物館にも行きたいので早めに切り上げることに。よーし!!ナショナルギャラリー満喫!!!!と思ったらここはナショナルポートレートギャラリーという、ナショナルギャラリーの一角にある建物だったことが発覚!!!!危なっ!!!!全然違うところ見て満足してたし!!!!本物のナショナルギャラリーはさっきのポートレートギャラリーよりもさらに巨大で、マジで1日がかりだ。こりゃ今日は大英博物館は無理だな。ゴッホ、ダビンチ、ルノワール、モネ、ボッティチェリ、ミケランジェロ、ラファエロなんかの、ひとつあればその博物館のメインになるようなスーパー有名な絵が惜しみなく並んでおり、こいつは見応えがある。「はぁ~、みんな上手いこと描きやるねぇ。上手やわー。」関西のおばちゃんみたいなカンちゃん。可愛いなぁ。ちなみにこのナショナルギャラリーは入場無料。大英博物館も無料。そして写真も撮っていいっていうんだから太っ腹だよなぁ。ちなみにフラッシュ撮影は禁止。とにかく巨大で、美術品にまみれて迷子になってしまいながらもなんとか外に出てきた。すると、ナショナルギャラリー前にある広場から何やら色んな音が聞こえてくる。いたるところで人だかりも見える。あ、そうだ、ゆうべMさんがこのナショナルギャラリー前はバスカーの激戦区だって言ってたな。宙に浮いているように見えるヨーダやサンタクロースのパフォーマー、地面に何やら新聞みたいな字を書きなぐっている人、ダンスグループ、見たこともない民族楽器のバンドなどなど、様々なパフォーマーがこの広場で数メートルおきに陣取ってしのぎを削っている。マジですごい密度だ。中でも面白かったのが、操り人形でマイケルジャクソンをやってる人。マイケルジャクソンの音楽をかけながら人形を踊らせるんだけど、ちゃんとマイケルの動きを再現してるし、ムーンウォークまでやる。こりゃ面白いなぁ。世界屈指の美術博物館の前で、このストリートアートの大激戦。音楽にしてもそうだけど、ロンドンはやっぱり世界でも屈指のアート発信地だ。さて、すでに胸焼けしそうなほどアートにまみれていたんだけど、この日のアート巡りはまだ終わらなかった。この日もまたブログを読んでくださってる男性と会う約束をしており、待ち合わせ場所のブラックフリなんとかって駅にやってきた。「初めましてー、イギリス無事入国できて良かったですね!!」ロンドンの大学に通っているSさんはオシャレな金髪が似合う男前の若者だった。礼儀正しく、話しかたも快活で、頭の良さが伺えるパーフェクトボーイ。こんなインターナショナルな若者がこれからの日本の未来を担っていくんだろうなぁ。そんなSさんと向かったのはテムズ川を渡ったところにある大きなビル。なにやらこのビルの上にロンドンの街を見渡す展望台があるとのことで、オススメしてくださったのだ。しかも無料ってのが嬉しい。他のビルにある展望台はめちゃくちゃ高かったりするんだそうだ。展望台からはこのロンドンのコンクリートジャングルを360℃見渡すことができた。無数のビルが大地を埋め尽くし、そんな超人工的なロンドンのど真ん中をテムズ川が流れている。川にかかるたくさんの橋のひとつがあの歌で有名なロンドンブリッジだ。ひときわ高いビルが密集しているところがシティオブロンドン。ニューヨークのウォール街に並ぶ世界の金融の中心。そしてここからは見えないが向こうの方には観光地のひとつでもあるタワーブリッジがある。すげぇなぁロンドン。世界を一周して、世界のたくさんの場所を見た気になっていたけど、やっぱりこうした大都市は見といたほうがいい。自分たちがいる世界がどうやって動いているのかを、もっとリアルに想像することができるようになる。「金丸さん、ピカソの絵とか見たいですか?この建物の中にあるんで見に行きましょう。」え?ピカソの絵がこの建物の中に?マジで?と驚いたんだけど、どうやらこの建物はロンドンでも有数のアートミュージアムだった。テートモダンという、現代アートを中心としたビルなんだそう。というわけでビル内を見て回ったんだけど、あっちにもこっちにも通路と部屋が広がっておりとんでもなく巨大。なんかもう、現代アートだけにわざと混乱するように複雑に作ってんのか?という気にすらなる。展示されている作品もとてつもない数。現代アートってもっと少数派の人たちのものというイメージだけど、それが巨大ビル1個丸々っていうんだからすごい。ダリもあった。度肝を抜かれたのは、それぞれの展示ブースの作品群もさることながら、ビルの真ん中にある巨大な吹き抜けのスペース。何階分あるんだろうっていう吹き抜けの底で、人が何組も地べたに寝ている。なにしてるんだろ?って思ったら、寝っ転がってる人たちの頭上に謎のスクリーンとスピーカーが吊り下げられており、不思議な音楽が流れていた。どうやらこれもまた現代アート作品のひとつのよう。人々は横の箱に入れてあるブランケットをとって自由に地面に敷いて横になり、そのアートを体感していたのだ。ぐおお…………謎すぎる………………ナショナルギャラリーや大英博物館が無料なように、ロンドンはアートとの距離が本当に近い。「Sさん、ここめっちゃ楽しいですね!!こんな場所、普通の観光だったら絶対来られないですよ。ありがとうございます!」「喜んでもらえてよかったです!ここってあんまりガイドブックとかにも載ってないんですよね。」「この後何か予定ありますか?よかったら中華でも食べに行きませんか?」「あ、それだったら中華街ですね。すごい賑やかな場所ですよ。」というわけで電車に乗ってロンドンのチャイニーズエリアにやってきたんだけど、さすがはロンドン。他の中華街とは規模が違う。ものすごい数の中華レストランがどこまでも並んでおり、そして溢れんばかりの人でごった返していた。もうここ中国か!?ってくらいのレベルだ。ゆうべお会いしたMさんにロンドンで1番美味しい麻婆豆腐が食べられるお店を聞いていたのでそこを目指していたんだけど、調べてみたらそこはなかなかの高級店。あんまり連日贅沢をするわけにはいかないのでリーズナブルなお店に行くことにした。「ここがロンドンでもかなり安くて評判のお店です。サービス料がないってのもあって昔から人気なんですよ。」Sさんに連れてきてもらったのはそんな中華街のど真ん中の路面にあるデカいお店。店内は雑然としていて古びており、本当に中国の食堂みたいな雰囲気だ。当たり前に中国人が中華料理を食べていて、ロンドンには本当に様々な人種が普通に生活しているんだなと変な感覚を覚える。内陸ヨーロッパも多国籍な地域だとは思うけど、これほどではなかった。「ほら、店員が着てるTシャツにアップステアー、ダウンステアーって書いてあるでしょ。この店って昔ロンドンで1番店員の態度が悪い店って言われてて、客に対してアップステアーかダウンステアーしか言わなかったんです。だからそれを自虐ネタにしてTシャツにプリントしてるんですよ。」なんかそういうのも英語圏のセンスだよなぁ。町の食堂って感じがして気をつかうこともなくビールを飲みながらのんびり3人でお喋りしながら食べていたら、いきなり店の中で1人の欧米人のオッさんが大声でわめきだした。なんだ?なにやら怒っているようで、この店は冷凍食品を出してるぞー!!とかって叫んでいる。いやぁ、都会ってこんな変なオッさんとかいるよなぁと思っていたら、店員の中国人の兄ちゃんが近づいていった。なだめて落ち着かせるのかなーと見ていたら…………さすがはロンドン。「オラアアアアア!!!!ウッセーんだよボケ!!!出て行け!!!ゲットアウトだよ消えろ!!!!」オッさんの叫び声の5倍くらいの怒号が店内に響き渡り、中国人の兄ちゃんはそのオッさんを外につまみ出した。す、すげぇ……………それを見ていた他の客が、やるねぇ!みたいな感じで笑顔で兄ちゃんの肩を叩いている。都会怖いわ。お会計は38ポンド。5500円。腹ごしらえを終えて街を歩けば、もう本当お祭り騒ぎだ。22時のロンドンは凄まじい人の渦で、まさにここが世界の中心と言われてもなんの違和感もない。赤いバスが何台も連なって走り、人々は赤信号で道路を渡り、いくつもの通りが複雑に入り組みながらあちこちにのびている。でも他のニューヨークやシドニーみたいな欧米諸国の都市と違うのは、周りのビルがどれも古い中世の佇まいだということ。その由緒正しい雰囲気と街の軽薄なコピーとのアンバランスさがロンドンの不思議な魅力を醸し出していた。そしてバスカーの数も多い!!少し歩道が広がっているところがあれば、銅像パフォーマーが陣取ってクオリティーの高いパフォーマンスをしているし、ここまで歩いてくる間に何組路上ミュージシャンを見ただろう。ギターの弾き語りはもちろん、ハンドパン、サックス、見たこともない変な楽器などなど、さすがはバスキングという言葉発祥の地。バスキングって1860年頃からイギリスで使われ始めた言葉なんだって。世界屈指の激戦地だ。まぁ言葉が発祥の地ってだけで、昔から大道芸人は世界中にいたんだろうけどね。こんなバグパイプパフォーマーも。婚約指輪のためにお金貯めてます!って書いてある。本当かはわからないけど、素敵!とこっちに思わせた時点ですでにお金を入れる価値のあるパフォーマンスだ。ミスタービーンはあんま人気ない。地下鉄でもやはりやってる人たちがいた。ロンドンの中心部にはいくつもの地下鉄の駅があるんだけど、そのすべての駅でやってるんじゃないかな?ってくらいマジでどこにでもいる。ただちゃんと見てみると、彼ら地下鉄バスカーがパフォーマンスしている足元には半円のスペースがマーキングされており、その場所以外にはパフォーマーはいない。キチンとライセンスを持っている人たちが番組を持ってパフォーマンスしているということだ。このサックス激ウマだったな。今の所アンプを使ってないパフォーマーはほぼいない。でも俺も路上パフォーマーの端くれだ。一度はこのロンドンで歌おう。それからパブに行き、もう1杯飲んでSさんとはここでバイバイした。昨日のMさんとはまた違った若者目線のロンドンの話が聞けてすごく色々と参考になった。本当、この国は懐が深い。まだ全然つかめないな。Sさん!!たくさんお話聞かせてくれてありがとうございました!!今度は日本でお会いしましょう!!いやぁ、楽しかったねーと地下鉄に乗ってケンジントンに戻り、ほろ酔いでホテルに向かって歩く。その時、別に全然大した用事ではないんだけど、ちょっと気になったことがあったのでネットで調べ物がしたくなった。どこか野良ワイファイが飛んでないかなぁとiPhoneを開いてみると、スティッキーフィンガーズという名前の鍵なしワイファイが飛んでいた。周りを見てみると、路地の一角にロックっぽい雰囲気のバーがあった。あ、あそこのワイファイかな。ストーンズのアルバムタイトルを店名にしてるなんてロンドンっぽいなぁと思いながらネットで調べ物をし、そのままホテルに帰った。あのお店がビルワイマンのお店だったと知らずに…………………きゃああああああああああああああああいあああああ!!!!!!!!ビルワイマンのお店のワイファイ繋いだあああああああああああああ!!!!!!!マジビビった!!!!もうマジでビビった!!!!!なんなの!!??テキトーに野良ワイファイ探してて見つけた鍵なしワイファイがビルワイマンのワイファイってどういうことなのロンドンこんちくしょうすげすぎる!!!!!!いやぁ、これって数日後にたまたま調べ物してて知ったことだったんだけど、あの時知ってればソッコーで飲みに行ってたなぁ…………ビルワイマンに会えたかなぁ……………いるわけないわなぁ……………いや、調べてみたら実際本人も結構ちょくちょく来てるらしい。店の中には実際に使用してた楽器とかゴールドディスクとかポスターとか写真とかがゴッソリ壁に並んでて、ストーンズファンじゃなくても大興奮間違いなしのお店だったみたい………………マジ行きたかった………………こんなストーンズ大ファンの俺が、その店の前でワイファイだけで繋いで帰るとか冗談悪いよ………………もうマジでイギリスすげぇ。そうなんだよ。俺が今いるのは世界屈指の大国であり、世界屈指のロックの聖地なんだよ。そこらじゅうにレジェンドが散らばってるんだよ!!!!!そしてその事実を、この次の日にぶっ飛ぶほど体感することになるとはまだ知る由もなかった。マジで次の記事の出来事は一生自慢したい!!!!