2016年3月15日(火曜日)
【インド】 アラコナム
ラーメン食べたくて発狂しそうだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!
三軒茶屋の佐とうーーーーーーー!!!!!!!!
家系ええええええええええええええええええ!!!!!!!!!
海苔を最後のほうまでとっといて、ラスト前でスープを染み込ませて太麺と一緒に頬張りたいよおおおおおおおおおお!!!!!
あの無愛想な店長に会いたいよおおおおおおおおおお!!!!!
毎日カレーーーーーーー!!!!!!!
あぁ、もう禁断症状で毎日のグレイビーソースのカレーが、ラードの浮いた豚骨醤油の家系に見えてきて、あははぁ!!家系だぁ!!って口に入れたら超カレー。
しかもインドのマジカレーだから日本のやつみたいに日本的な味つけじゃない。
酸っぱくて色んなスパイスがきいてて、米も細長いパサパサしたやつだし、豚なんてもちろん食えないのでカツカレーとか夢のまた夢っていうか豚食べるの?バカなの?死ねば?みたいな感じ。
ぎゃあああああああああ!!!!実家のポークカレーに唐揚げ乗せてマヨネーズつけて食べたいいいいいいいいいいいいゆまちゃあああああんん!!!!!!
というわけで我慢の限界が来て、ゆうべカデルにわがまま言ってカップラーメンとコーラ買ってきました。
ベジタリアンで、口に含むものはすべてこだわったオーガニックフードという、健康第一、ジャンクフードはただのポイズンとしか考えていない神聖なカデル家に猛毒を持ちこみました。
そんな俺を見ていつもニコニコのお父さんも苦笑い。
き、キレないでください!!
いいんです!!どうせもうドッロドロなんです!!
ドブ川なんです俺の体なんて!!ボウフラのわいた!!
だからお願いなのでカップラーメンをコーラでカマさせてください!!
お湯うううううううううううう!!!!!
カップラーメンがカレーの味がする…………………
なんなの?チキン味って書いてるやん。
もうひとつマサラ味ってのがあったから、スタープラチナ並みの精密な動きでマサラをかわしてチキン味をゲットしてきたのに。
どうやってもカレー地獄から逃れられない………………
おかげで食も細くなるし、規則的に寝起きし、適度な運動もやって、さらにバナナが必ず出てくるからそれも食べている。
めっちゃ健康的に減量していってます。
あぁ、家系にゴマいっぱいかけて食べたい……………
さて、今日も朝から元気にカレーを食べて学校へ。
今日もまた新しいグループにイマジンを教えてくれということで教室に入ると、50人くらいの子供たちが待ち構えていた。
お、多すぎる……………
こんなにたくさんにいっぺんに教えられない。
「もち分かってるよ。この中から教える子を選んでよ。」
そういうことか。
ならばと、ギターを抱えて1人1人、音程をチェックして回った。
ドレミファの発声テストだ。
「はい、サレガマパダニサ~。」
「サレガ~マ~………パダニサ~………」
「クラスプリーズ。」
音がちゃんと捉えられてないやつはソッコーでバイバイ。
ドレミファソラシドが歌えなかったら話にならない。
このニミオーディションに落ちたやつは自分の教室に帰ってもらった。
この数日、学校で歌を教えてきて思うのは、マジで音程が絶望的なやつにちゃんと音を捉えさせるのは、新しい言語を覚えさせるくらい難しいってこと。
いくら目の前でド~~、と発声しても、レ~~とかシ~~って言ってくる。
それが間違ってることすらわかってない。
逆に音感のいいやつは最初からドレミファソラシドくらいは発声できている。
本当はみんなに分け隔てなく教えたい。
こうやって、出来ないやつをふるいにかけて除外して、センスのいいやつだけを集めるのは結構抵抗がある。
でも昨日凹んでマジで思った。
態度の悪いやつとか、努力する気のないやつに教えるほど俺は気が長くないようだ。
ギターを抱えて1人1人にドレミファソラシドを発声させて、容赦なくズバズバ切った。
残ったのは11人だった。
みんなそれなりに音程がいい。
と言っても、めっちゃ上手いわけではない。
ドレミファソラシドの8つのうち、5つ音を外さずに発声できるくらいだ。
8つ全部正しく発声できるやつしか取らなかったら50人中3人くらいしか残らない。
そんなレベルだ。
ニミオーディションをやったおかげで、さすがにみんな物覚えがよかった。
音程のいいやつはリズムもまぁまぁいい。
それにオーディションから選ばれた者、っていうエリート意識が彼らの授業態度にも出ている。
これなら結構レベルの高いグループになりそうだ。
ちっちゃいミニー可愛い。
午後1番は昨日教えたイマジングループへの授業。
うん、やっぱりこいつら態度が悪い。
キャーキャー騒いで俺の言うことをあんまり聞かないし、ギターをいじってくるし、音程もバッラバラだ。
「俺たちもう歌えるからフミは歌わないでギターだけ弾いてよ!!やってみよう!!」
そんなクソ生意気なこと言ってくる。
俺がリードしてないとまったく出来ないのに。
試しにやらせてみた。
……………もうただ歌詞をわめいてるだけ。
音程無視。
え?音程ってなんですか?声出せばいいんでしょ?くらいの感じだ。
歌の途中で集中力が切れてキョロキョロしたり席を立ち出したりして、もうどうしようもない。
ギターを止めて、ふぅと息を吐いた。
俺に注目してる子供たち。
そしてすぐにベサメムーチョ歌ってよー!タミルの歌うたってよー!!フミー!フミー!!と騒ぎ出す。
キレそうになりながらもグッとこらえて、また1人1人ドレミファソラシドの発声練習から。
「ド~~、」
「レ~~。」
「レじゃない、ド~~~~~~~」
「レ~~~~!!」
音程が変わらず声を大きくしてるだけ。
あああ!!もうやだ!!!!クソがー!!
「カデル、すまん、このメンバーもできる子選んでいい?どうしようもないわ………」
「うん、俺も聞いてて思ったよ。できる子を選んで今日の午前のメンバーに加えよう。」
そしてこの12人の子供たちの中からある程度ドレミファソラシドが出来るメンバーを選んだんだけど、
たったの3人。
あとはドレミファソラシドの8つの音のうち、1つも正しく発声できないような子ばかり。
そりゃ歌になんかならないよ……………
みんなオーディションに落とされたことも知らずに、フミー!!また明日ねー!!次の歌教えてよー!!と言ってみんな教室に帰っていった。
あぁ、もやもやするなぁ。
そして15時から最後に翼をくださいガールズの練習。
昨日コーラスのパートを教えてみたんだけど、まったく形にならずに、むしろ余計ガタガタになって終わっただけだった。
でも簡単なコーラスくらい出来てほしい。
1ヶ月教えるんだからより質の高いものを残して、子供たちにも難しいことをやり切った達成感を味わってもらいたい。
しかしまったくどうにもならない。
天才カトリーンですら、俺がコーラスを入れると主旋律がズレる。
しかしカトリーンはまだ主旋律をキープしよう、という気持ちがあるからいい。ハモりというのを理解してる。
でも他の子は、なにいつもと違う音程で歌ってるの?って感じで余計にバラッバラになって終了だ。
中学2年生だったらコーラスくらい結構すぐ覚えてくれそうなものなのになぁ。
なんでだろう。
やっぱりこれって小学生、いや幼稚園のころからお歌の授業をし、リコーダーとかの楽器に毎日のように触れることができる日本の学校教育のおかげなのかなぁ。
知らず知らずのうちに音感が養われていってるから、ほとんどの日本人が音を追って歌えるんだろうか。
フィリピン人って歌が超絶レベルで上手い人が多いけど、やっぱり音感ですら人種によって得意不得意があるのかなぁ。
今さらだけど、翼をくださいガールズにも1人1人ドレミファソラシドを発声させた。
できるのは12人中、カトリーンやカニモリを含む4人くらいだ。
他の子は8つの音のうち、3つくらいしか合わない。
比較的上手いほうのアイダですら、ドレミファソラシドのソから高い音が出なくて、ドレミファソソソソになってる。
翼をくださいを全員で歌ってるときは、このソよりも5個くらい高い音を歌えてるのに。
流れに乗らないと出せないんだよな。
いくら目の前でギターで音を鳴らしてもそれが発声できない。
ドレミファソラシドを歌いながら、途中で止めて、その音!!そのラの音をキープ!!!ってやり方で正しい音を発声させる。
でもすぐズレる。
俺が頭を抱えてるのを見て、フミ!日本のご飯ってどんなの食べるの!?ってニコニコしながらのんきなことを言ってくる。
できない子、できる子。そりゃあそれぞれだ。
みんなが最初から出来るはずはないってのは分かる。
できない子にもきっと素晴らしい長所があるし、ひとつが出来ないからって見捨てるのは教育ではない。
差をつけたくない。
差をつけたらいけない。
日本でいったら中学は義務教育だ。
全員を一定の水準まで高めないといけない。
でも出来ねぇんだもん…………
世の中の先生ってできない子に対してどうしてるの?
お前ダメ、つってほったらかしにするの?
そんなことないよな?
俺の記憶の中の学校の先生はそれなりにみんな教えてくれた気がする。
いや、美化しすぎかな。
でも補習とかあったもんな。
先生からしたら補習とか面倒くさいだろうなぁ…………
この前、福岡の聖子さんからメールが来たんだけど、ひたすら根気よく単音で発声していくことが大事ですよってアドバイスをもらった。
聖子さんはミュージカルの舞台音楽の作曲、指揮をしてる方だ。
今の俺みたいな状況を毎日のように経験してらっしゃるはず。
どうやったらちゃんと音が捉えられるようになりますか?って聞いたら、それがわかったら論文書けますよって言われた。
それくらい永遠の課題なんだろうなぁ。
「みんな……………今のこの授業はお金を稼ぐためのものじゃない。でも俺はお金をもらって歌ってきたんだ。」
ギターを置いてみんなにゆっくり話した。
西日が窓から差し込んで教室の影をのばしている。
「ライブハウスとかで演奏するやろ?もしいい演奏が出来なかったら、マスターにお前はクソだから地元に帰れって言われるんだよ。それでもっと練習する。そしてライブする。またお前はクソだって言われる。悔しくてもっともっと練習する。指から血が出て、声が出なくなるまで歌って、そしてまたお前はクソだって言われる。なんでもそう。これからみんなが学校を卒業して仕事をするとして、お金を稼ごうと思ったら必ず壁にぶち当たる。その時にもっと頑張ろうって思えなかったら成長はしないんだ。」
みんな真剣な表情で俺の話を聞いてくれる。
中学生の時にこんなオッさんが学校にやってきて人生のことを話してくれたとして、俺だったらどれくらい記憶の中に残るだろう。
一瞬で忘れてしまうかもしれない。
でも自分の経験を伝えなきゃいけない。
それが子供にものを教えるってことだと思う。
「今は金を稼ぐためではないから、楽しむために歌おう。でもいいものを作ろうね。」
「イエスフミ!!」
「イエス!!」
今日も疲れた。
翼をくださいとイマジンの発表は4月15日の学校の卒業式。
それまでにやれるだけのことをやろう。
最後に一言。
ラーメン食べたい。
家系いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!