2016年3月11日(金曜日)
【インド】 アラコナム
4月になったら彼女がインドに来るんですよと言うと、写真を見せて!ということになった。
そんなわけでカンちゃんの写真を見せた。
「なにこれ!ママじゃない!!」
「ママがいる!!」
みんなが口を揃えてママが写真に写ってる!!と言うので、どの写真だ?と思って見てみた。
この日からママのニックネームがキューピーになりました。
「ノー!アイムノーキューピー!!」
「キューピーだー!可愛いよ!!」
「ママキューピー!!」
「もう!!…………フミもそう思うの!?」
「はいとか言えるわけねぇし…………で、でもこれ赤ちゃんの人形ですからね。」
「あら!心は赤ちゃんのままよー!」
ど、どっちだよ……………
「いやー、これ可愛いわぁー。ママそっくりじゃない!!」
「あらまぁ、日本、中国、韓国、インド?」
そんなほのぼの家族のセルバム一家。
カデルは俺のiPhoneで写真を撮って、そのまま日本語設定のiPhoneを操作して自分のiPhoneに写真を転送してしまうようなアップル製品を熟知しているITボーイ。
腕にはアイウォッチをつけており、いつもそれで通話をしている。
写真もプロ級に上手くて、このセルバムスクールの学校紹介の写真やビデオはほとんどカデルが制作している。
このクオリティーが半端じゃなくて、カデルのセンスの良さがよくわかる。
しかも、カデルはすごくユーモアがある。
この前カデルの家に泥棒が入ったんだけど、その泥棒がたいしたものを見つけられずにココナッツを2つだけとって行ったというマヌケな出来事があった。
その様子が防犯カメラに映っていたんだけど、カデルは映像を上手く編集して文字とかを入れ込んで、まるでハリウッド映画の予告編みたいな面白いビデオを作った。
泥棒が柵を乗り越えるところで、アメイジングアクション!!バーン!!みたいな文字を入れてる。
クオリティー高くてめっちゃ面白い( ^ω^ )
よかったらどうぞ。
そんな賢いカデルや優しい家族のおかげで風邪もだいぶ良くなった。
まだ結構体はダルいけど、咳をするときの胸の痛みもほとんどなくなった。
これなら授業もできそうだ。
本当、体壊しすぎだよなぁ……………
こんなんでアフリカ行くのちょこっと怖いな……………
今日は学校のいつもと様子が違って、生徒たちが慌ただしく動き回っていた。
飾りつけなんかが施されていて、いつもの休憩スペースに長椅子が並べられている。
そう、明日はインドの敬老の日。
ハッピーグランドペアレンツデーだ。
明日の用意のために今日は全員総出で準備が行われていた。
「フミ、それじゃあ明日の最終リハーサルをやるから教室に行こうか。フミサン、紅茶ノミスギ、マイドオオキニ。」
日本語をどんどん覚えていくカデルと一緒にオーディオルームに行くと、そこではすでにリハーサルが行われていた。
子供たちのスピーチ、タミルの歌の発表、そしてタミルの伝統的な踊りの発表など、明日のために子供たちも練習を積んでいたようで、真剣な表情だ。
先生たちやママやハニーがビシビシ指示を飛ばしているのを見ると、どうやら明日のイベントは学校をあげての盛大なものだということがわかる。
おお、そんな中で歌うのか…………
翼をくださいガールズ、大丈夫かな…………
首をクイッ、クイッ、て横に水平に動かすあのインド的な踊りの動作、あれってやっぱりインドの伝統的な踊りの一部らしい。
「さぁフミ、準備はいい?」
まずはわらわらと幼稚園児たちが教室に入ってきた。
どうやら、キラキラ光るお空の星も発表するみたい。
だ、大丈夫かな………………
まぁこの子供たちの場合はとにかく元気いっぱいに歌えば間違ったってそんなに気にはならんか。
とにかく大きな声で歌うことだ。
結構まとまってきているのでこれで良しとしよう。
そして本番の翼をくださいガールズたちがやってきた。
みんなそこそこ緊張してるみたいだ。
人前で歌うんだからそりゃ緊張するよね。
でもお金とるんだったらこれの100倍緊張するんだよ。
とにかくスウィッチを入れること。
ステージに上がったら外があんまり見えなくなるくらい自分の中の湖に沈んで、沈んで沈んで、それでいて周りを俯瞰で眺めていられるような研ぎ澄ました集中力。それを持てるように………って、まぁそんなこと14歳の女の子たちに言ってもしょうがない。
しょうがないけど、言うけどね。
何が彼女たちの心の中に残るかわからん。
リハーサルとは言え初めてのステージで、みんな出だしは思いっきりバラバラだったけど徐々に合ってきて、それなりに綺麗に歌いきることができた。
でもまだ俺のリードがないと戸惑うところが何ヶ所かある。
そこはもっとみっちりやっていかないとな。
あとは全体の声量の流れや感情の込めかた、ステージングも少しアレンジしたいし、来週からはコーラスパートにもチャレンジしてみたい。
何人かは正確に歌えてる子もいるようだし。
ほんと、練習は何日も何時間もやるのに、発表するのはほんの数分なんだよなぁ。
でも必ずみんなの中にその経験とスキルは残る。
思い出だけにしとくにはもったいないよな。
夜はいつものように先生たちみんなでバレーボール。
まだ病み上がりでしんどいから勘弁してくれ………っていうんだけどあんまり人数がいないからどうしても参加しないといけない。
くたくたになってバレーボールを終えたら、みんなの宿舎でお喋りタイム。
いつもおどけてるスポーツマンのバラムルガンだけど、実はこれの先生。
数学。
1番わからんし(´Д` )
謎すぎる……………
そんな賢いインド人たちにマッチ棒パズルを出してみた。
マッチ棒を何回動かして正しい形にしなさいってやつ。
しかし簡単なやつを出してもすぐに解いてしまう。
「ヘーイ!!フミ!!ギブミータフクエスチョン!!ハハー!!」
そんなこと言うのでちょっと引っ掛けのこれを出してみた。
3本だけ動かして正三角形を4つ作りなさいってやつ。
「たった3回だと…………」
「ぬう………こいつはタフクエスチョンだぜ…………」
みんなめっちゃ悩んでる。
「わかる!!わかるんだ!!こいつはきっとめっちゃシンプルなんだろ!?」
「あ!!これでどう?!」
「それイクイラテラルトライアングルじゃないよ。(正三角形)」
「チクショウ!!なんて問題出すんだ!!眠れねぇじゃねぇか!!」
めっちゃ真剣にずっと考えてるのを見ながら横で鼻ほじりながらパズドラしてたんだけど、どうしてもわからないようなので正解を教えてあげた。
「こうだよ。ホラできた。」
「なんだとおおおお!!!これイクイラテラルトライアングルじゃねぇじゃねぇか!!」
「いや、ちゃんと正三角形だよ。」
「クソすっきりしねぇ!!!!」
答えはみなさん自分で考えてね( ^ω^ )
さぁ明日はついに翼をくださいガールズたちの初舞台だ。