2016年3月7日(月曜日)
【インド】 アラコナム
Pneumonoultramicroscopicsilicovolcanoconiosis
これ何かわかりますか?
1番長い英単語らしいです。
カデルが教えてくれました。
ぷにゅぅものうるとらまなひきねほわや@#○×〒〆(´Д` )
っていう発音です。
言えるか!!!
カデルと話してると本当に普通に皆目見当のつかない英単語を使ってくる。
よくそんなの知ってるねと言うと、そりゃ子供のころから英語で育ってるからね、フミが難しい日本語をたくさん知ってるのと同じだよと言う。
インドは英語がセカンドラングエッジとはいうけど喋れる人はそこまで多くない。
でも喋れる人はほぼネイティヴレベルに喋る。
その差が半端じゃなく開いているのは紛れもなく教育のおかげなんだよなぁ。
インド人はマジで賢い人が多い。
そのことをカデルに聞くと、こんなことを教えてくれた。
NASAの職員の30パーセント
IBMの職員の35パーセント
アメリカのドクターの30パーセント
グーグルのCEO
ペプシのCEO
シティーバンクのCEO
MicrosoftのCEO
ドーハバンクのCEO
マスターカードのCEO
ノキアのCEO
アドビのCEO
ソフトバンクの3番目のポジション
ドウシェバンクのCEO
インテルを作った人
これ信じられないくらいだけど、全部インド人らしい。
マジ?
インド人で世界回せるやん…………
世界の金融はユダヤ人が支配してるって話はよく聞くけど、それはユダヤ人が古代から教育を何よりも重んじ、実践してきたからとイスラエルに行って感じた。
現在のインドはものすごい勢いで経済成長し、教育の充実を図っている。
これほど国際的に活躍できる人材をバンバン輩出してるってことは、紛れもなくインド人は優秀な頭脳を持ってるってことだ。
人種によってこんなに顕著に違いがあるんだもんなぁ。
でも昨日、チェンナイのアミューズメントパークで見た世界の政治腐敗指数についての統計では、インドは全ヶ国中、85位だったかな?
それくらい下にいた。
ちなみに日本は15位。
1位はデンマーク。
上位5位までに北欧が全て入っているというスカンジナビアの奇跡的な人間の美しさ。
インドの清濁あわせもつ異質さって、マジである意味奇跡的だよな。
最下位は北朝鮮だって。
怖え……………
さぁ、そんなインドで今週もお歌の授業頑張りましょう。
いつものオーディオビジュアルルームに行くと、ぞろぞろとメンバーがやってくる。
今日で3回目なので固定メンバーの顔も覚えてきた。
みんな端正な顔立ちをした美人揃いだ。
14歳の女の子たちで、まぁ箸が転んでも笑う年頃ってやつ。
俺が少し冗談を言っただけでキャッキャ笑ってくれるのでコミュニケーションもとりやすい。
しかも俺がリッスンって言ったらピタッとお喋りをやめて真剣な顔で俺の発言を待ってくれるという素直さ。
マジでなんでこんな素直なんだろ。
だいたいこれくらいの年頃だったら、必ず先生に反抗する奴がいるもんだ。
ケッ、歌なんか歌ってられるかよ、ってスカした顔してヤンキーを気取る子供。
もしくは先生に対して友達のように接してくるイマドキの子供。
それがマジで1人もいない。
日本の学校からしたら考えられないことだと思う。
「カデル、どうしてみんなこんなに素直なの?」
「ん?だってインドでは先生ってのは神様レベルの存在なんだよ。親よりも偉い。だから最大限のリスペクトを持つんだよ。日本ではそうじゃないの?」
全然違う。
マジでリスペクトなんかされない。
ていうか教師が飲酒運転したり生徒に猥褻行為を働いたりしていて、尊敬に値する人なんて少ない。
いやー、インドすげぇなぁ。
すでに3回目の授業ということもあって、レギュラーメンバーたちはもう曲の流れはつかんでいるようだ。
全員で合唱したら、それなりにキッチリ聞こえてくる。
歌詞のポジショニングもバッチリだ。
ただ音程はまだまだバラバラ。
はっきり言って絶望的なレベルだ。
合唱すればそれなりに聞こえるけど、個々では聞けたものではない。
これをどうやって矯正していくのか……………
そんな中でかなり正確に歌えている子もいる。
カトリーンだ。
いつも俺のすぐ横に陣取ってくる前に出たがりの子。
このカトリーンは生徒会長的存在らしく、先生やカデル家族からの信頼もあつい特別な女の子だ。
マジでオールラウンダーの天才で、何をやらせてもトップクラスの成績を出し、この前の全国模試では500点満点中で490点を叩き出したというこの学校の星だ。
ちなみに平均値は350。
このカトリーンがいるおかげでかなりメンバーにまとまりが出ているのはいいことなんだけど、カトリーンのワンマンになるのはあんまり良くないと思うんだよなぁ。
合唱はチームでやるもんだと思うから、全員のレベルを高いところで揃えたい。
でもやっぱりカトリーンの存在はでかい。
「みんな聞いてー。」
「イエスサー!」
「この曲の最終的な流れだけど、1番最初の出だしの2行。ここをソロパートにしようと思ってる。誰か1人に歌ってもらって3行目からみんなが入ってくるって感じ。ソロパートの子はみんなの中でも特に上手い子にやってもらいたいんだ。」
「カトリーン!」
「カトリーンカトリーン!!」
みんなが口々にカトリーンを指名した。
カトリーンもまんざらじゃない顔をしてる。
みんなの中でもカトリーンはデキる子っていうイメージが定着してるんだなぁ。
こういう代表するものはカトリーンにやらせとけば間違いないって感じだ。
でも最終的に選ぶのは俺だ。
カトリーンは確かに上手いし、華がある。
でも歌ってのはそれだけじゃない。人を惹きつける不思議な魅力を持ってる人ってのは必ずいる。
空気を作れるやつ。
ライブハウスとかでも、そういうやつがステージに立つとマジで空気が目に見えてガラリと変わる。
それをこれからメンバーたちに見つけていかないとな。
「よーし、最後に全員でいくよー。この~、だよ、この~背中に~~、出だしの音から気をつけてね!!」
「イエスサー!!」
ゴータムのお腹ずっと触りながら授業。
レギュラーメンバーの授業を終えたら、今度はカデルが幼稚園のほうに連れて行ってくれた。
カデルの学校には3歳から15歳までの子供が在学している。
幼稚園の子供たちにも歌を教えてあげてよ、ということで、やってきたんだけど、クラスに入ると、わらわらとミニインド人たちがひしめいていた。
超絶可愛い!!!!
なんだこのあどけなさは!!!
可愛すぎるぞ!!!
みんな人懐こくて、キャーキャー言いながら近づいてきて俺の体を触ってくる。
俺もお腹をプニプニ触ったら大喜びで笑っている。
お腹気持ちいい。
こんな子供に何を教えようかな?と考えていたら、カデルが「お空の星」を教えてあげてと言った。
カデルのお気に入りの日本の歌だ。
といってもトゥインクルトゥインクルって英語のバージョンのほうが有名だけど、カデルのリクエストで日本語で教えることに。
「それじゃあいくよー。キ~ラ~キ~ラ~ひ~か~る~お~そ~ら~の~ほ~し~よ」
「き~ら~き~ら~い~か~るぅ~お~と~な~ま~ら~な~は~!!!」
もうめちゃくちゃ(´Д` )
でも元気いっぱいに体全体で歌ってるのが可愛い。
いっぱい声を出すことが大事なんだよな。
女の先生たちも謎の日本人が謎の言語の歌を教えるところをニコニコしながら眺めていた。
「フミサン、コウチャ、デキマシタ。ドウゾ。」
毎日、日本語を教えていることでカデルも色んな単語を話せるようになってきている。
朝起きて、紅茶を飲み、朝ごはんを食べ、授業をし、ゆっくり散歩して、曲作りをし、夕方に先生たちでバレーボールをし、晩ご飯を食べて寝る。
規則正しい生活にオーガニックなご飯。
いい友達もいる。
町から離れた郊外の原野の中にポツリとあるこの学校。
風が吹くと静かに木々の葉が揺れて音をたてる。
牛がそこらへんでノンビリ草を食べ、周りには本当になにもない。
夕日が沈んでいき、真っ赤な太陽が大地を染め上げる。
この世界がITで動いていることから果てしなくかけ離れた場所で今こうして暮らしていることを1年前に想像できただろうか。
人生は美しい。
人間は美しい。
明日も子供たちと一緒に歌おう。