スポンサーリンク ノルウェーの町の入り口にあるオートパスが怖い 2016/7/27 2016/06/27~ ノルウェー, ■彼女と世界二周目■ 2016年7月15日(金曜日)【ノルウェー】 トロンヘイムトロンヘイムの町に入ってくると、またあいつがあった。オートパス…………またかよ……………そう、ノルウェーに入ってからなんだけど、大きめの町の入り口あたりに必ず設置されているこのオートパス。高速のETCみたいなもので、センサーが勝手に走行中の車の中の機械を読みとって支払いをするというもの。グーグルマップでは有料道路は通らない設定にしてあるけど、このオートパスはそういったくくりに入らないみたいだ。ちなみに徴収されるのは通行税というものらしい。だいたい値段は普通車で10クローナ前後だ。120円程度。これまでもオスロやクリスチャンサンでこのオートパスの機械を見てきて、なんのことかわからずにたくさん通過してきた。ゲートがあるわけではないので別に通り放題ではあるんだけど、完全にカメラに撮られているはず。ナンバーとか抑えられてる。これって俺たちも払わないといけないものなのか?そんなETCの機械なんて、ノルウェーに来る人たちがみんな買わないといけないわけはないだろう。もっとこう、特殊な通行税なんじゃないのか?ディーゼル車規制とかの。そんなふうに解釈して、今まで通り過ぎてはきたものの、やっぱりどこか引っかかる。もし万が一、俺たちも払わないといけないもので、反則金でも課せられたらこの物価の高いノルウェーでこうした違反罰金ってとんでもないことになるんじゃないのか?すでに何回も通り過ぎてるので、莫大な罰金が来るんじゃないだろうか?もういい加減気に入って仕方なくなってきたので、ワイファイポイントを探してネットで調べてみた。いや、これまでも調べなかったわけではなく、カンちゃんが路上の間に調べてくれてはいたんだけど、どうにもこの情報が出てこなくて困っていた。というわけで今度は英語のサイトを調べてみた。すると……………なんと1回の違反につき1万円の罰金と書いてある…………ぎゃああああああああ!!!!!!それだったら何万円払わないといけないんだああああああああああ!!!!!!!というのは冗談で、普通に後から追加金なしで請求書が送られますって書いてあった。あー、よかった。120円程度ならいくら溜まっても3000円くらいだ。これで心置きなくオートパスを通過できるぞ。さて、気になっていたことがスッキリしたところで今日も路上いってみようか。昨日ノルウェーでスーパーマーケットバスキングが通用することがわかったので、日中はスーパー、そして夜になって町に行って金曜の夜の路上を狙う流れでいこう。スーパーはワイファイがあるからカンちゃんも作業場所に困らないし、夜になったら町の駐車場も無料になるし、もうなんなのこの完璧すぎる計画、上手くいきすぎて怖い!!!若かったあの頃なにも怖くなかった、ただあなたの優しさが怖かった並みに怖い!!!!抱きしめるたびに怖くなる、溢れ出した愛がお前壊しそうで並みに怖い!!!ユキンコさんのインド旅並みに怖い!!!!!そして張り切って郊外にあるショッピングモールエリアに到着!!!たくさんのスーパーや大型のお店が並んでいて、みんな車で来てはひとつの入り口から出入りしているので、ポジションは簡単だ。そして止められてしまったとしても周りには無数にお店があるので選びたい放題。昨日みたいにいくらやっても止められないばかりかお店の人が笑顔でお金を置きに来てくれるところもある。まずはビビらずやってみる、そしてそこから次の流れ見つけていくのがいつものやり方だ。よっしゃまずは1番いい感じのキウィが入ったモールの前でブチかまして俺のキウィをあの子のフィヨルドでシャケしてやる!!先客。おお、さすがはジープスパイセン……………目のつけどころがキレてますね……………しかもこの人は物乞いではなく、アコーディオンのプレイヤーだった。スピーカーでオケを流しながら小気味良いロマ音楽を奏でている。うん、これは結構稼ぐだろうな。ニコニコしながらアコーディオンを弾いてるおじさん。同じジープスでも地べたに座ってしかめ面で紙コップを振っているやつらとは大違いだ。素敵な旋律だった。この場所は諦めて隣のバーガーキングなんかが入っているモールにやってきた。ここも結構賑わっているお店だ。早速エントランスから少し離れたスペースに座って演奏開始。いつものように10分くらいの間隔を空けて入り始めるお金。うん、こいつはいい感じだぞ。みんなが素敵な笑顔でコインや紙幣を置いて行ってくれ、声をかけてくれる。スーパーは生活に密着した場所だ。みんな必ず3日に1回は訪れる。そんな当たり前の日常にちょっとした変化と明るい雰囲気を与えられたら、買い物客の人たちもきっと喜んでくれるはずだ。が、1店舗目はフールストップザレインを歌ってるところで止められてしまった。だいたい40分くらいだった。ソーソーリー、俺は聞いていたいんだけどねぇ、ごめんね、と申し訳なさそうに言ってくれるおじさんスタッフ。そんな感じで言ってもらえたら、ソッコー片付けてアスファルトにモップかけていきます!!ってなるわ。とにかく少しでもやれてよかった。1店舗目は40分で494クローナ。 計画通り、お次は道路向こうにあった大きなモールの前。ここはかなり駐車場も広くて人がバンバン行き交っている。よっしゃいくぞーとすぐにエントランス横のスペースでギターを取り出す。すると何事だ?とチラチラ見ていく人たち。いい感じだぞーと、視線を感じながら演奏開始!!!ここもまためっちゃいい感じで演奏を進めていき、フールストップザレインも歌い終えた。お、こいつはここでは止められないかもしれないぞ?と次の曲のイマジンの1番を終えたところでスタッフさん登場。「ごめんなぁ、俺も音楽好きだから止めたくないんだけど仕事だからさ、ごめんね。」光のスピードでギターを片付けて2店舗目終了。ここも40分ちょいくらいしか出来なかったな。あがりは513クローナ。でもやっぱり40分やらせてもらえるだけありがたいな。3店舗目に見つけたレマ1000のスーパーがとても良かった。複合のショッピングセンターではなくレマだけの建物なのでそんなに大きくないけど、ここでは止められることもなく2時間みっちり歌うことができた。お客さんの数がそこまで多くないので入りは少ないけど、入れてくれる確率はすごく高い。これくらいの大きさのスーパーならジープスもいないしやりやすいのかな。ここなら入り口の前に軒が出ているので、予報が雨の明日もやれそうだ。レマ1000さん!!歌わせてくれてありがとう!!あがりは2時間で880クローナ。さて、時間は19時。そろそろ町に向かうぞ。この前までいたクリスチャンサンでは18時頃にホコ天のお店が閉まり出して、19時にはほとんどのお店がクローズしていた。しかし人通りはそれでも多く、特に週末の夜は21時くらいからが本番かのごとく人が町に溢れていた。このトロンヘイムでも同じような感じだったら、24時くらいまでいっちまってもいい。今日はまだ3時間ちょいしか歌っていない。喉はまだまだ元気だぞ。しかし、予想がはずれてトロンヘイムの中心部はとても静かなものだった。店はもちろんほとんど閉まって、人がまばらにしか歩いていない。あ、あれ……?こんなはずじゃなかったんだけどな……………どこかにバーやレストランが固まるナイトスポットがあるはずと、勘にまかせて町を歩いた。大きなホコ天のショッピングストリートを歩いていると、見覚えのある大聖堂があった。あぁ、ここ、確かに来たよなぁ。4年前、1人でこの町を歌える場所と寝る場所を探して歩いていた。確か大きな橋の下で寝ていて、夜中に大きな声で目を覚ましたら、地元の人が迷子の犬を探して回っていたよな。どうかしましたか?って橋の下からニュッと顔を出してたずねたら、いいの!?あなたは寝てて!!って普通にあしらわれたよなぁ。いやぁ、どう考えてもいきなり真っ暗な橋の下から人が出てきたら驚くと思うんだけど、めっちゃ普通に言われた記憶がある。そうして橋の下で寝て、朝に目を覚ますと、川の対岸に大きな大聖堂が見えた。それがこのニーダロス大聖堂だったんだ。懐かしい路地をカンちゃんと歩いていく。トロンヘイムはノルウェー第2の都市ではあるけど、1位のオスロがデカすぎるので、ここはとても小さな町だ。可愛らしい路地裏、カラフルな家並みと石畳の道。綺麗に整備された、程よい大きさの都市だ。ノルウェーの人に、ノルウェーでどこの町がオススメですか?と聞いたら、多くの人がトロンヘイムだね、あそこは素敵な町だよと答えるようなところ。ナイトスポット探しのつもりだったんだけど、いつの間にか観光歩きになっていて、有名な歩行者用の橋までやってきた。トロンヘイムで1番のビュースポットがこの橋で、独特な河岸の建物群を一望することができる。川という運河というか、このトロンヘイムの中心部をグルリと囲んで海と繋がっているこの水路。両側には大きな建物が水面にせり出して立っており、木の支柱が水中に伸びて建物を支えている様子がとても風情がある。古き良き水運の歴史をここで見ることができる。「綺麗だねー。」「うん!すごい可愛い町だね!」カンちゃんとぷらぷら歩いていると、もう結構満足してきた。日中に歌ったし、観光もできたし、そんなにガツガツ稼がなきゃ!ってならなくてもいいかな。いやー、いい1日だったね!と歩いていたら、ハーバーの赤レンガ倉庫群のところに完全なるナイトスポット発見。うおおお!!!あれだ!!!倉庫群の1階が水路に沿ってどこまでもレストランになっており、ものすごい数のお客さんがひしめいていた。おお、なんて優雅なロケーションの飲み屋街だ。まだ空は昼のように明るいけど、金曜日の夜はすでに始まっており、みんなガヤガヤとお酒片手に盛り上がっていた。よーし!!あんまりいい場所ないけどとりあえずやってみるか!!と強引にレストランの隙間のベンチでギターを取り出して歌い始めるが、周りのお店のガヤガヤにかき消されてまったく声が響かなくて切なくなって終了!!!泣ける!!あがりは50クローナ。ふぅ、まぁポテチ代にはなったか。今日のあがりは計22300円。まぁこんなもんかーとカンちゃんと橋を渡って車に向かう。ハーバーには小型の船が停泊しており、オシャレなアパートでは広々としたベランダで人々が日光浴をしながらグラスを傾けている。ここまで北上してきて、白夜がかなり濃くなってきた。彼らにとっては金曜の夜も、こんなに明るいものなんだよな。日本のネオン街がふと懐かしくなる。10円玉と野良猫と、トタン屋根。嬌声と演歌と、換気扇の店の匂い。やっぱり夜は暗いほうがいい。汚れたところが隠れるから。ていうかここってノルウェーなんだよなぁ。