5月17日 土曜日
【ニュージーランド】 ピクトン ~ パーマストン
最近よくコアラの夢を見ます。
気がつくと森の中にいて、周りの木にたくさんの可愛いコアラたちがいる夢です。
うわぁ、可愛いなぁと思いながらコアラを間近で眺めます。
俺オーストラリアでコアラ見られなかったことどんだけ後悔してんだ(´Д` )
なのでニュージーランドを出たあとにペンギンの夢をしばらく見るかもしれません。
結局会えなかった………
キィウィにも多分遭遇できないだろうなぁ。
ニュージーランドに住んでる人でさえ動物園でしか見たことないっていうし。
羊なら毎日ゲロ吐くくらい見てるけど。
羊が1頭、羊が2頭、羊がぶわあああああああ………で溢れかえって逆に眠れないよ。
そんな動物たちの夢を見て今日もパッと目が覚めてしまう。
もうそろそろ朝かなと寝袋から顔を出すと、まだ空は真っ暗で月がぽっかりと浮かんでいた。
時計を見ると朝の6時。日が登るのが遅い。
そして心配していた夜露なんだけど、寝袋の中綿に染みるほどにビショビショなっていた。
おかげで寝袋が冷えてとても寒い。
太陽が登ってくれればすぐに乾いてくれるのにな………
美しい夜空の下、屋根も壁もないむき出しの場所で眠るということは、しかしとても癖になる開放感がある。
星空を眺めていたが顔が凍てついてきたので寝袋をかぶった。もう少し寝よう。
次に目を覚ますともう太陽が登って明るくなっていた。
坂道で寝ていたのでずいぶん下にずり下がっている。
マットの上に水たまりができていた。それほど夜露がすごかった。
寝袋はまだビショビショ。
この場所は山の影になっているので太陽が差し込まず、ずっと日陰のままだ。
乾かさないでバックに入れるのは嫌だけど時間はもう9時。
フェリーは11時だけど45分前には来てねと言われている。
少し急いで荷物をまとめて坂を下りた。
今日も最高の天気だ。
晴れ渡った空の下、気持ち良く歩いていく。
クライストチャーチに着いた時は雨の予報ばかりでどんな大変なことになるだろうと覚悟していたけど、実際は多少雨に打たれたことはあったけど、それほどでもなかった。
晴れの日にはとことん美しい空を見せてくれるし、星も月もいつも綺麗だった。
多くの旅行者が絶賛する南島の自然。
ファンタジーな光景はまさにリアルロードオブザリングだったし、そんな自然の中で様々なアトラクションが用意されている。
こりゃあ虜になるのもわかるな。
今から北島。
ニュージーランドの経済の中心で、首都のウェリントンや最大都市のオークランド、その他たくさんの町がある。
どんな顔を見せてくれるかな。
ってゆっくり回る時間はないけど。
フェリーターミナルに着き、大きな荷物をカウンターに預け、乗船。
結構大きな船で、船内にムービールームなんかもあったりしてサービスも充実している。
観光船ではない。当たり前に地元の人たちが日常的に利用している船だもんな。
北島と南島を繋いでいるのは飛行機かこの船だけだ。
船はゆっくりとフィヨルドの間を進んでいく。
複雑に入り組んだギザギザの陸地の隙間に海が深く入り込み、美しい景観を作り出している。
デッキに出ると、冷たいけど爽快な風が髪を巻き上げる。
きらめく太陽が船跡の筋を輝かせている。
こんなフィヨルド観光みたいなルートに航路を作ってくれたフェリー会社に感謝だな。
しばらくするとフィヨルドを抜け出し、水平線の中を進むこと3時間。
フェリーは北島の入り口でありこの国の首都のウェリントンに着岸した。
港の向こうの方に巨大なビル群が見えた。
いくつも重なり合う近代的なビルが太陽の光を反射してきらめいている。
南島では見なかったその文明国の象徴に少し驚いた。やっぱりここはニュージーランドなんだよな。
羊と山だけの国じゃないんだ。
軽く散策しようかとも思ったけど、今はオークランド行きを最優先させよう。
北島は南島に比べて都会だ。もしかしたらヒッチハイクがつかまりにくいかもしれない。
時間はあと2日。
ゆっくりはできない。
まずはフェリーターミナルの前から2ドルのバスに乗りトレインステーションへ。
2ドルって安いなと思ったけど、実はめちゃ近いので歩いていけます。
それから電車で郊外に出ようと地図を見てテキトーに駅員さんに値段を聞いてみた。
「すみません、プリマートンまでいくらですか?」
「8ドルよー。」
「結構安いな。じゃあプケルアベイまではいくらですか?」
「9ドルよー。」
プケルアベイってここからなかなか遠いんだけど、それで9ドルなら全然安い。
やっぱりバスより電車の方が安いのはオーストラリアと一緒だな。
チケットを買って綺麗すぎる電車に乗り込んだ。
電車はいくつかの小さな駅に止まりながら、30分ほどでプケルアベイに着いた。
森の中の無人の小さな停車場。
東都農みたい。
別に東都農に用はない。
とにかくこれだけ町から離れればヒッチハイクもしやすいだろう。
フェンス横の小さな駐車場とか駐輪場とか懐かしいなと思いながら森を抜けると、そこには大きな幹線道路が走っており、たくさんの車がひっきりなしに往来している。
さー、今日はどこまで行けるかな。
時間はもう16時前。
隣町くらいまで行ければいいだろう。
そして上手くいけば明日の夜には、上手くいかなくても明後日にはオークランドに着けるはずだ。
映画ホビットやラストサムライのロケ地、温泉が湧くロトロアという日本人が大挙する観光地などそれなりに見所はありそうだけど、別に興味をそそられるほどではない。
一気にオークランドまで行ってしまうぞ!!
気合いで親指を立てる!!
ドギャン!!
10秒!!
「どこ行くんだいー?」
「オークランドですけど、北ならどこでもいいです。」
「乗ってきなー。パーマストンって言う町に今から帰るんだー。そんで明日の朝オークランドに行くから乗せてってあげるよー。」
一撃。
一撃オークランド。
嘘だろ!?
「じゃあ今夜パーマストンで寝て明日一緒にオークランド行こうか。泊まるとこないのかい?ならちょっとお金払うけど俺の弟のとこに泊まったらいいよ。」
そう言って弟さんに電話をかけてくれるマイケルおじさん。
「…………あ、もしもしアンドリュー?今日本人のヒッチハイカー乗せたんだけど泊めてやってくれる?いくら?40ドル?ちょっと高いな。15ドルでどうだい?OK。それでいいね。じゃあ後で連れてくから。」
電話を切るマイケル。
「明日の朝ちょっと早いんだけど2時半に迎えに行くよ。そしたらオークランドに8時くらいに着くからね。今夜アンドリューのとこで寝て、夜中に迎えに行って朝にはオークランドだ。それでいいかい?」
…………一瞬にしてオークランド行きの1番の道が完成。
「え、ま、マジで!?マジですか!?」
「大丈夫、なにも心配いらない。俺も朝早い運転は眠くなるから誰かいてくれたら助かるしね。」
普通のおじさん。マイケルおじさん。
あまりの展開にビビるが、マイケルおじさんは普通のことをしてだけだよといういたって自然な振る舞い。
ちょっと手伝ってくれよと、リサイクルセンターへ行って冷蔵庫を物色して5ドルで冷蔵庫をゲットして一緒にかかえて車に積み込む。
いたって自然な会話。
俺にとってすごく大きなヘルプをしてくれているのに、そんなことまったく鼻にかけていない。
「ハンティングは最高だぜ。ウサギなら1分で皮を剥いでさばける。食べるまでに10分もかからない。」
「鹿もさばけるんですか?」
「当たり前だぜ。鹿肉は全ての肉の中で1番だぜ。」
これから向かうパーマストンにはなぜか日本人のかなりでかいコミュニティがあるそう。
そして北島は東海岸エリアが危険な場所なんだとか。
まぁ危険といっても知れてるけどなと言うマイケルおじさん。
少しずつこうやって話を聞いて、その国のことを知っていく。
この何気ない時間がとても心地よくて、旅してる実感を与えてくれる。
辺りが暗くなり、田舎の一本道をヘッドライトで照らしながら走っていく。
しばらくすると街灯が見え始め、それなりの大きな町に入った。
ここがパーマストンか。
車は郊外の住宅地へと向かい、その中の1軒の家に止まった。
玄関をノックすると中から大きな男の人が出てきた。
マイケルも大きいけどこの人も大きい。
兄弟揃って熊みたいだ。
そして兄弟揃ってなんとも暖かい笑顔だな。
じゃあ明日迎えに来るから早めに寝るんだぜと言ってマイケルは帰っていった。
弟のアンドリューが部屋に案内してくれるとすでに来客用に床が用意してあり、布団の上にバスタオルも置いてある。
しかし後はただの一般家庭の家だった。
宿泊料を取るとのことだったのである程度そういう設備があるのかな?と思っていたんだが、本当にただの家だ。
まぁ40ドルってところを15ドルで泊まらせてもらうんだ。
ホテルみたいなサービスなんてもちろん期待しない。シャワーを浴びてベッドで寝られるだけでありがたいと思おう。
「アンドリュー、ご飯を買いに行きたいんだけど、スーパーマーケットって近くにある?」
「飯?飯ならあるよ?」
キッチンで何か料理をしていたアンドリューに声をかけると、何をとぼけたこと言ってんだ?みたいに返事された。
アンドリューがまさに今鍋の中で煮込んでいる白いものが今日の晩御飯であり、俺の頭数もその中に入っていた。
お金を払って泊めてもらうんだ。
いつもみたいにご好意で家に招いてもらったわけではない。
ベッドは提供するが後は自分でやってくれ、っていうものだと思っていたのに、まさか晩ご飯を作ってくれるなんて。
「あ、じゃあビールが飲みたいからビール買いに行くよ。」
「ドイツのビールでいいかな?」
冷蔵庫の中からベックビールを出して栓を抜いてくれた。
それからはご飯を食べ、1人息子のロバートと3人でソファーに座ってあーだこーだ言いながらニュージーランドのテレビを見たりニュージーランドのポップミュージックを聞いたり、プレイステーション3のゲームをしたりした。
シャイで内気なロバートだけど、ゲームのことになると張り切って喋り初めて俺にやり方を説明してくれる。
お金を払って泊まっているはずなのに、すっかり友達というか家族の一員のようになっていた。
「アンドリュー、このデイブドビンってシンガーすごくいいね。」
「そうさ、彼はずーっと昔から有名なシンガーなんだ。他にもたくさんいるんだぜ。うんたらかんたら…………」
楽しくてもっと遊んでいたかったが、明日というか夜中の2時半にマイケルが迎えに来ることになっている。
俺を乗せてオークランドに行くのは、話し相手ができて眠らないで済むから俺にとってもいいことなんだよ、と言っていたマイケル。
ということは俺が助手席で眠ることは死んでも許されない。
そろそろ寝るよとアンドリューに声をかけ、まだまだこれからいいところなのに、と残念そうなロバートにお休みと言った。
そしてロバートに見えないようにアンドリューに20ドルを差し出した。
15ドルの話だったけど、晩ご飯とビールへの感謝も込めて。
「やっぱりいいよ。とっときな。来てくれてありがとうな。」
そして熊みたいなアンドリューはニッコリと笑った。
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コメント欄について
もう限界が来ましたのでコメント欄を消しました。
ここ数日、頭のおかしいボケが張り付いており、僕に対する挑発的な発言を何回も何回も繰り返し、それに反応した他の読者さんたちにも噛みつきまくり、さらにはそんな荒れ放題のコメント欄につられて暇人たちが集まってきて、自殺だの病気だの怪しい宗教だのなんだかんだと、もはやなんのコメント欄かわからないようなめちゃくちゃな状態になっていました。
色んな意見が飛び交うのはとてもいいことなのですが、もはやただのゴミの遊び場になっていたので、あんな状態ならないほうがいいです。
毎日毎日、何十件も挑発的な言葉を書き込みまくって荒らしてくれたボケは、少し前にいたちゃというボケと同一人物でしょう。
日本の友人たちからこいつのIPアドレスを教えろというメールが殺到していますが、それはまぁ、教えませんよ。
さすがにひどいことになると思いますので。
読者さん同士が交流したり、僕にとっていい情報がもらえたりと、コメント欄は非常に有益なものだったんですが、これからはお手数ですか、何かありましたらホームページのコンタクトからメッセージをいただけると嬉しいです。
すでにたくさんの方からこちらにメッセージをもらっています。
もちろんゴミからはなんのメールもありませんが。
ただみなさんに構ってもらいたかったんですね。
まぁコメント欄を消させたという成果はあげたので、僕の負けですね。
旅も残りあと少しです。
ブログは最後まで続けます。
今はシンガポールにいますが、なかなか面白いことになっています。
風邪できついですが…………
というわけでこれからもよろしくお願いします!!