2016年1月9日(土曜日)
【大分県】 佐伯
「おはよー!!!」
「おはよーございまーす!!」
「猿見るぞー!!お猿さんに股くぐってもらうぞー!!」
今日の目的地は大分県の南の町、佐伯なんだけど、せっかく別府に来たんだからちょっと観光していくことにした。
アツシ君とマイちゃんと合流し、3人で目指すは高崎山!!!
お猿さんがたくさん住んでる猿公園のある場所!!
おおお!!ザ・観光地ってやつ!!!!
「いやああああああ!!!お猿さんに会えるの楽しみすぎるううううううう!!!!!しかも今年申年やしいいいいいいい!!!!!浮かれていい!?ねぇアツシ君浮かれていい!?!アツシくうううううんんんん!!!!!」
「もう充分浮かれてるじゃないですか。いやー、なんか高崎山の猿が足の間をくぐってくれたら幸せになれるっていう話があるみたいですよ。」
「iPhoneとかシュパって持って行かれるけん、気をつけてくださいね。持っていかれたらもう絶対取り返せないですから!」
いつも冷静なアツシ君に仕方ないなぁ金丸さんは、みたいな目で見られながら、まずはご飯食べることに!!
やってきたのは小さな半屋台の唐揚げ屋さん!!
「僕があそこの海辺で寝泊まりしてる時に、ここで毎日ご飯食べてたんですよ。大盛り無料だし、美味しいし。」
「おう!お兄ちゃん!!最近見てなかったけどまだ別府におったんやな!!まだあそこの公園で寝とるとか?」
「今はアパート借りて住んでます。あ、この子、彼女です。」
「おー!彼女が出来たかー!」
最初この店に来た時、大きな野宿荷物を持って、世界一周してきたんですよーなんて話して、相当胡散臭そうな顔で見られていたそうだ。
そりゃそうだ( ^ω^ )
嘘ばっかり言ってる可哀想な流れ者。きっとどこにいってもテキトーなことばっかり言って嘘ついて人を騙してそこにいられなくなって、群馬から少しずつ南に流れてきたんだろう。
行くあてがないんだろ?ホラ、ご飯大盛りにしといてあげたからな、みたいなストーリーが目に浮かんで涙が出そうです…………
そんな人よくいるもんな。
そんな胡散臭そうに見られながらアツシ君はここで毎日唐揚げを食べてたそうだ。
「金丸さん、美味しいですよここの唐揚げ。」
ふーん、まぁいってもアツシ君は群馬出身だもんね。毎日焼きまんじゅうばっかり食べてた人からしたら大分の唐揚げはそりゃ確かに美味しいかもしれないけど、僕、鳥料理王国の宮崎出身ですよアッちゃん?なめてもらったら困りますよ。
あれ?大将その鳥ってどちらの養鶏場から仕入れてます?
え?ああ、ごめんね、やっぱり宮崎人ともなると鳥の育った環境とか気になっちゃったりするみたいな感じ?
いやー、ホントウケるー。上州からっ風とかマジウケるー。
赤城おろし!つって!
ていうか唐揚げととり天が死ぬほどやべええええええええええええええええ!!!!!!!
なんなの!?なんなのこの唐揚げ!!?
大分の唐揚げは美味しいの!?
綺麗な指してたんだね知らなかったの!?
ゆまちゃんのほっぺたに優しくキスしたいのおおおおおおおおおお!!!!!!
美味しかっです。
さて、別府市内から10分ほど南に下り、大分市との中間あたりまで来ると、綺麗な海沿いに水族館の海たまごがある。
ここに車を止めて山の麓に行き、ケーブルカーで登ったところに高崎山のお猿さん公園がある。
観光客に混じって3人で麓まで行き、そこで510円の入園料プラス110円のさるっこレール券を購入。
これで山の上の公園まで往復でケーブルカーに乗ることができる。
ケーブルカーに乗り込むと、すでにちらほらとお猿さんが森の中にいるのが見えた。
「うわー!!お猿さんがいる!!楽しすぎる!!!」
「楽しいですねー。」
そしてケーブルカーは山の上の公園に到着!!
降りた瞬間、いたるところに猿!!
「うわー!!猿めっちゃおるううううう!!!!可愛いいいいい!!!!!」
猿すごい可愛い。
そこらへんで遊んでるやつ。
家族で寄り添ってるやつ。
お母さんにしがみついてる子供と、その子供を優しく抱きしめてるお母さん!!
なにこれ超可愛い!!!!
ちょ!!そ、そんなにマジマジ見ないで!!!
猿はかなり統率された組織を作る動物ってのは有名で、この高崎山にはいくつもの猿のグループがあり、それぞれにボス猿が君臨している。
公園の真ん中ではスタッフのお姉さんが猿の生態について説明をしており、観光客たちが楽しそうに写真を撮って楽しんでいた。
めちゃくちゃ楽しい!!
お猿さんの動きが本当に人間みたいだから見ていて全然飽きない!!
でも俺たちが今日ここに来たのはただお猿さんを見てほのぼのするためではない。
お猿さんに足の間をくぐってもらって幸せになるためだ!!!
「本当に猿って股の間通ってくれるのかな?警戒して近づかないんじゃない?」
「猿にご飯をあげる時間があるんですけど、猿が大量に集まってくるからその時が狙い目なんです!!」
地元民のマイちゃんの言葉に従い、スタッフさんがご飯をまいて歩くルートのベストポジションに陣取り、大きく股を広げて立って準備は万端!!!
一頭でも通ってくれるかなぁ!!
そしてご飯タイムになった!!
スタッフさんがバケツに小麦粉かなんかを入れて歩いてくると、一斉に猿たちが集まってざわつき出した!!!
「すごいすごい!!めっちゃ集まってきた!!」
「あ!!金丸さん!!通った!!金丸さんの股の間通った!!!!」
「うわあああああ!!!!!やったあああああ!!!!!てかめちゃくちゃ集まってきた!!!!あ!!!マイちゃんの足の間通った!!!!」
「うわあ!!金丸さん!!親子連れ通った!!!」
「あああ!!アツシ君の足の下!!!!……………通らない!!!」
もう猿の大集結で公園が大パニックになり、一頭通るかな?とか思ってたら、マジで関門トンネルくらいの勢いでズババババ!!!!と猿たちが足の下を走りまくって行く!!!!
「すげえええええ!!!!もう何頭通ったかわからねえええええ!!!!」
「幸せにしかなれないいいいいいい!!!!!!」
もうボス猿みたいなデカいやつも小さな子供も、ガンガンに股の下をくぐりまくってくれ、すごいことになった。
ご飯タイムが終わると、猿が仕掛けをクリアーして賢くエサを食べたり、ジャンプして高いところのサツマイモをゲットしたりするようなコーナーなんかもあり、普通のありきたりな観光地ではあるんだけど、すごく楽しかった。
なんかこうやって霊長類を見てると、本当に人間に見えてくる。
猿の家族が抱き合ってるのを見ると、それを楽しそうに眺めている人間の家族と同じだなぁと思った。
可愛い小さな赤ちゃんを大事そうに胸に抱えている人間のお母さん。
家族っていいもんだなぁ。
高崎山、めっちゃ楽しかった!!
「よし!!今しかない!!あそこに行こう!!」
「今しかないですね、行きましょう!!」
猿に足の下をくぐりまくってもらって幸せパワーがえらいことになってる状態で行くところといったらここしかない。
別府で1番あたると言われる宝くじ売り場!!!!
「いやー、まぁ宝くじなんてそう簡単に当たったりなんかしませんからね、猿が股をくぐったくらいで宝くじが当たってたら俺毎日高崎山行きますよ。さ、無欲無欲。ね、マイちゃん。」
「そうそう、私はアッちゃんがそばにいてくれたらそれだけでいいよ。お金なんてたくさんあってもいいことないしね。無欲無欲。」
顔が真剣すぎ(´Д` )
本当はめっちゃお金欲しい顔してみて、って俺がリクエストしたんだけどね( ^ω^ )
というわけでインド人が駅で切符買おうとして順番無視して窓口に群がってガラス窓に腕突っ込んで腕が傷だらけになってるアレの勢いで窓口に腕突っ込んでスクラッチ購入!!!!
オラァァ!!!!
お猿さんパワーたのんますうううううう!!!!!
せめて5万円でいいのですううううううう!!!!!
5万円当たったら!!当たったらー!!!
当たったらー……………
何買おう?
あんまり物欲ないんだよな。
ドキドキしながらちびまる子ちゃんスクラッチ!!
はまじ!!
たまちゃん!!
ながさわくん!!
あああああああ!!!!!
最後の1個は……………ぶー太郎!!!!コンチクショウ!!!!!
「高崎山行ってきたんですか?この前お猿さんが股の下通ったっていう小さな男の子が来て1万円当たってましたよー。」
というおばさんの口車にまんまと乗せられてムキになり3人で3枚ずつ買って、結局当たったの俺の200円だけ。
オラァ!!猿が!!全然ダメじゃねぇかコノヤロウ!!!
あんなものすげぇたくさん通ったのに!!!
まぁこんなもんですね、と宝くじを全部ゴミ箱にダンクシュートしたら、ここでアツシ君とマイちゃんとはバイバイ。
アツシ君から誘ってもらって17日に博堂村でのイベントに出させてもらう予定なので、しばらくのお別れだ。
アツシ君、久しぶりに会えて嬉しかったよ!!
国内だけどまだ旅をしてる仲間がいるっていいね。
お互い、ここって思える住処を見つけられるまで安全に旅しような。
ロマンチックでドラマチックな旅。
マイちゃんと仲良くね!!
別府を後にし、2時間ほど車を走らせてやってきたのは大分県南部の港町、佐伯市。
もうここまで来たら宮崎県は目と鼻の先だ。
ほぼ1年ぶりの宮崎がそこにあるかと思うと、なんだか妙に緊張してしまう。
久しぶりに故郷に帰れる。
でも最後にキッチリいい路上をやるぞ。
佐伯は宮崎県の県北からはとても近いので、高校生の時からヒッチハイクして歌いに来ていた町だ。
町の規模に対して飲み屋街が大きく、ひとつの通りにスナックが密集しているのでかなり歌いやすい。
高校生からしたら、ヒッチハイクで知らない町に行って路上するなんてとても刺激的な旅で、それが隣の県でも胸躍らせるものだった。
優しい焼き芋売りのおばちゃんがいつも焼き芋をくれたのを覚えてる。
あのおばちゃん、元気かなぁ。
綺麗な年上の女の人に恋したこともあったし、この佐伯は俺の路上人生の青春が詰まった町だ。
当時、ゆずのおかげで路上がめちゃくちゃ流行った時期でもあったので、この佐伯でもあまりに路上をやるやつが出てきたせいで苦情が出て、一時期ここで演奏してはいけません、っていう看板が立てられたこともあった。
全国的にそういう風に路上が規制される事態になったんだけど、ブームも終わった今、路上でギター弾いて歌ってるやつなんてほとんど見なくなった。
おかげで規制も解け、今ではどこでやっても、お!珍しいな!と昔のように歓迎されるように戻っている。
佐伯で歌うのは10年以上ぶり。
どうだろう?と少し心配だったけど、やはりここでも同じように大歓迎の楽しい路上になった。
おじさんたち、若者たち、ガラの悪いチンピラ、怖そうなスーツの人、外回りのキャバ嬢、スナックのママさん、そしてタクシーの運転手さんも。
みんなが足を止め、上手いね!とお金を置いてくれる。
高校生の時だから、初めてここで歌ったのはもう17年前くらいになるのか。
す、すごいな…………俺ってもうそんなに路上で歌ってるのか…………
まだあの頃は家にあったお父さんのアコギを持ち出して弾いていた。
ちょっと上手いって言われて調子に乗って、夜の町の危険な空気に魅せられて、いつも深夜まで歌っていた。
ここ、この場所で、歌ってたんだよなぁ。高校生の俺が。
あれから色んなところに行ったな。
ずいぶん遠くまで。
少しはいい歌を歌えるようになったと思う。
やっぱり佐伯はいい町だ。
日付が変わり、ギターをしまって車に戻ってエンジンをかけた。
エアコンをつけて冷えた体を温めながらアクセルを踏む。
暗い夜道がヘッドライトに照らされて、森の木々がちらつく。
あれから、もう何度目の帰郷だろう。
さぁ、故郷に帰ってきたぞ。
お知らせ!
インド出発までのライブですが、まず次が兵庫県。
1月19日(火曜日)
三田市『Bar ニューオリンズ』
(南ヶ丘 1-17-38)
19時オープン
19時半スタート
1500円(ドリンク別)
あと変更なんですが、1月24日の東京品川でのライブ。
好評につき、僕の呼べる人数枠を増やしてもらえました。
もうちょっといけるんで、東京最後のライブ、良かったら見に来てください!!
★日にち………2016年1月24日(日曜日)
★場所…………『カフェ Ours』 品川区北品川5-7-2
★チケット……投げ銭
★オープン……14時半
★スタート……15時
次に1月25日(月曜日)に、旅出発前の飲み会したいと思います!!
誰でも参加オーケーです!!
場所は東京三軒茶屋のバー、四軒茶屋です。
20時から飲み放題、軽食付きで3000円です。
東京で遊んだみんな、しばらく日本離れるので飲もう!!!
岩国ライブ、詳細発表!
最後が山口県岩国市。大好きな町で、かなり渋い場所で歌います。2日後には飛行機です!!
日本最後のライブ、共演も豪華なのでぜひ遊びにきてください!
★日にち………2016年2月7日(日曜)
★場所…………山口県岩国市 『水西書院』
★オープン……13時
★スタート……14時
★チケット……1500円(ワンドリンク付き)
★共演…………原田侑子、高瀬裕充