7月1日 月曜日
【カナダ】 トロント
今この日記を書いているのはバスの中です。
そうです、アメリカに向かうバスの中です。
夜の闇の中を突っ走ってます。
も、もうちょっとゆっくり走っていいんだよ(´Д` )
今女の子を触れません。
手汗がすごいので、しとっとしてしまいとてもカッコ悪いですっていうか怖えええええええあああああああばばばばばばばばばば(´Д` )!!!!!!!!
さっきハミルトンを通り過ぎました。
マーシャルやトーマスがいるハミルトン。
ということは、あと40分もすればナイアガラに入り、滝を越えて国境になる。
あああああ…………
今女の子とチョメチョメできません。
チンチンが消滅するくらい小さくなっているのでとてもカッコ悪いですっていうか怖ええええええええああああああああああああばばばばばばばばばばばばば(´Д` )!!!!!!!!
と、とりあえず今日の日記だけ書こうかな。
えーっと、まずは起きてから部屋の片付けをしました。
布団やベッドカバーを綺麗にたたみ、散らかしていた荷物を全部まとめ、リビングへ。
1人でボチボチとゆうべの残りのギョウザや豚汁を温めて食べました。
あ、この家のみんなは豚汁のことをトン汁と言います。
金丸家はブタ汁と言います。
クソどうでもいいですね、ごめんなさい。
食器を洗い、シャワーを浴び、みんなに置き手紙を書きました。
食費やお酒代をナオトさんがいつも払っていて、払わせて下さいと言っても、そこは男気ナオトさんなので、ああ、後でいいですよと言ってついに最後まで受け取ってくれなかったので、置き手紙の上に小銭を置いといた。
ついでにこの秋くらいからイギリスに行くということなので、少しだけだけどヨーロッパで手に入れたイギリスポンドも置いといた。
なんだかんだやっていたら結構遅くなってしまい、16時に。
リックに挨拶しました。
「リックありがとう。本当に助かりました。なのに何もお返しできなくてごめんなさい。」
「何も気にしなくていいんだよ。ギフトも何もいらないよ。もしアメリカに入れなかったらいつでも戻ってきていいからね。」
リック、その優しい笑顔にとても癒されたよ。
女の子に少し厳しいところはやっぱり同性愛者かなって思うけど。
ありがとう。
「あー!!まだおったんですね!!もう会えへんかと思った。」
荷物をまとめていると、ミニモニカナコちゃんが帰ってきた。
「これ、持ってって下さい!!」
あ、アメちゃん。
さすがは神戸っ子(^-^)/
2人に見送られて家を出た。
ああ、長いこと滞在したなぁ。
たくさんパーティーしたなぁ。
こんなに落ち着く場所をカナダで見つけられるなんて。
みんな、ありがとう。
もし1人だったらアメリカ入国のプレッシャーで頭おかしくなってたよ。
みんなのおかげで今、完璧な状態で入国に臨める。
さぁ、行くぞ。
ストリートカーに乗ってクイーン・ヤングの交差点へ。
今日はカナダデーという国の祝日みたいで、みんなカナダの旗を手に持ったり頭につけたりして歩いている。
俺にとっても、1ヶ月滞在したカナダからついに出発する祝いの日だ。
ここ1ヶ月、ほぼ休みなく歌い続けた。
そして今日が最後の路上だ。
カナダに入ってからレパートリーに加えたジョニ・ミッチェルのサークルゲームは、いまや俺の得意曲のひとつ。
ハートオブゴールドは一体何回歌っただろうな。
ディランの曲で、ザ・バンドがカバーしたアイシャルビーリリーストも、大活躍してくれた。
北米はヨーロッパと違って街がやかましくて歌う場所を見つけるのがかなり大変だけど、今ではそれにも慣れ、車がバンバン通ってようがどこでだってやれるぞ。
どんどんパワーアップしているのを実感する。
まぁこれでしっかり稼げたら文句ないんだけど。
カナダ最後のあがりは26カナダドル。
「あひゃああああああああ!!!!!いたああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ギターをしまっているところにてぃちゃんがやってきた。
仕事終わりにわざわざ探しにきてくれた。
そんなてぃちゃんと一緒に、ある場所に向かう。
最後に行っときたかった場所。
相変わらずのみんながそこにはいた。
ゲートウェイ。
カナダで最も強い思い出と、最も強烈な日々を過ごした場所。
人の優しさには様々な形がある。
その形の多様さをまざまざと、ドロドロと見せつけ、教えてくれた場所。
初めてのシェルター生活は、俺にとてつもなくでかい経験をさせてくれた。
人間が生きていく上で必要なもの、不必要なもの。
彼らには与えられたプライドがあった。
そしてカナダ最後には同性愛者パレードという極彩色のプライドを声高に叫ぶ人たちを見た。
今こうして見て、そのあまりの対比に人間の強さや儚さが胸に迫る。
みんな同じ人間だ。
3階のベッドルームに行き、スティーブのところへ。
いつものベッドで爆睡していた。
ヘイ、ヘイ、と腕を触ると目をパチリと開けた。
「スティーブ、今からニューヨークに行くよ。ニューヨークに行くんだ。」
スティーブは体を起こすことなく、ニヤリと笑い、拳を突き出してきた。
俺もそれに拳をコツンと合わせる。
「スティーブ、元気で。いつかまた会おうね。」
「ゴッドブレスユー、フミ。」
そしてスティーブに背を向けた。
スティーブ、いつかノーファンやろうな。
バイバイ、ゲートウェイ。
バスステーションに行き、表のホットドッグ屋さんでてぃちゃんとホットドッグを買っているところに1台のチャリンコがやってきた。
ナオトさんだった。
3人でホットドッグをかじる。
カナダに着いた初日。
クリントンに車に乗せてもらい、ホステル代をおごってもらってベッドで眠った。
そして次の日、何もわからないままこの大都会の中をほっつき歩いて、ここのホットドッグを1人でかじった。
1ヶ月経った今、こんなにも心許せる友達と同じホットドッグをかじっている。
色んな人に会ったなぁ。
今じゃ全然心細くないぜ。
「金丸さん、出会えてよかったです。」
「うええええん、泣きそうだよおおおお。金丸さんだけイクなんてダメ!!私も一緒にイク!!」
てぃちゃん、いつもいい写真ありがとうね。
いくつものエンジン音が響くバス乗り場で、グレイハウンドのバスに乗り込む。
ナオトさん、てぃちゃん、ありがとう。
とても穏やかな気持ちでバスは走り出した。
そんで今ああああああああああああああああああばばばばばばばばばばばばばばば(´Д` )!!!!!!!!
今女の子の頬を優しく触ることができません。
手汗が異常なことになっていて、べちょってなって、気持ち悪いんだよ童貞ヤロウが!!って言われますっていうか怖えええええええええええええええええええええあええええいえあああえうあえう(´Д` )!!!!!
あんなに感動的な別れをしたのに、入国拒否られちゃったペロリン(^-^)/とかできねえええええ(´Д` )
あへひ…………
あ、あのこうこうとした料金所みたいな明かり………
つ、ついに見えてきちゃった…………
アメリカ国境のカスタム…………
うひぃぃぃぃぃぃぃぃ(´Д` )
しょ、勝負の国境越え!!!!!
行ってきます!!!!