5月9日 木曜日
【ベルギー】 ブリュッセル ~ リエージュ ~ ネールペルト
えー、女子高生に会いに行きます。
女子高生たちと今夜パーティーします。
自分が怖いです。
31歳だけど女子高生とパーティーとかしていいですか?いいです。
ち、違うんだ!!
な、なにかの誤解だ!!
ルーズソックスとかわけわかんない!!
古いとか言わないで下さい。
えー、前々からベルギーの北部にある町、ネールペルトってとこに留学でやってきている日本の女の子が、近くに来たら寄ってくださいね!!ってメールをくれていたんです。
現地に住む方からお誘いを受ければ、そりゃなるべく会いに行きたいです。
でもこのネールペルト、ちょっとルートから外れるんですよね。
このままブリュッセルから北に一直線に上がれば、オランダのロッテルダムです。
しかしネールペルトに行こうと思ったら、大きく遠回りすることになる。
もちろん時間も移動費もかさむ。
どうすっかなぁ。
シェンゲンの日にち、もったいないしなぁ。
でもせっかく誘ってくれてるしなぁ。
電車代高いだろうしなぁ。
でもここまで来て少しの距離を遠回りするのを面倒くさがって行かないのもなぁ。
ずっと前から言ってくれてたしなぁ。
いや、ほんとどうしようかなぁ。
そこにメールが来ました。
「金丸さん!今夜友達の女の子呼んでもいいですか?(^-^)/」
「すみません、ネールペルト行きのチケット1枚ください。」
え?3P?なんですかさんぴーって?
わからないです。
ベルギー来てから僕のチンチン、小便小僧みたいに可愛いことになってますからね。
どうせだからネールペルトに行く途中の町で歌って小銭稼いでから、夕方くらいに到着するようにしようと、ハッセルトって町へのチケットを買いました。
12.5ユーロ。
ネールペルトまで一発だと15ユーロ。
ハッセルトからネールペルトまで3ユーロでは行けないだろうけど、その分歌って稼げば問題ナシ。
このままじゃベルギーでまったく路上してないことになるしね。
というわけでハッセルトに向かったのですが、魔法にかけられてリエージュという街に着きました。
え?!
ええ?!
こ、ここどこ?!
地図を見たらベルギーのすごく東の街です。
天罰……かな。
女子高生と3Pとかクズみたいなことを思ったからかな………
すぐに駅でネールペルト行きの道を調べました。
「えーっと、これ。乗り換え1回で3時間半。チケットは16.5ユーロね。」
ブリュッセルから15ユーロ、1時間半くらいで行ける街なのに、なぜか計5時間、で30ユーロかかってる。
なんの魔法だろう。
俺がそんなに悪いことしましたか?
女子高生と3Pとか、少しくらい憧れさせてもらってもいいじゃないですか。
このブログをその女子高生の親御さんとかも読んでたら、風のように削除します。
せ、せめてリエージュに来たんだ。
歌って少しでも取り返さないと。
「えーっとね、街までは歩いて30分以上かかるわよ。」
………電車の時間は2時間後。
歌う時間なし。
ピザを食べました。
ブリュッセルに比べると少し物価が下がりました。
美味しかったです。
15ユーロ無駄に払ってこの街にはピザを食べに来ただけとなりました。
「ヘイ!!ジャパニーズ!!美味いかい!!」
陽気なおじさんが話しかけてきます。
電車間違えなければこのおっちゃんと会うこともなかったですもんね。
一期一会。
というわけでまた16.5ユーロ払ってネールペルト行きの電車に乗りました。
なぜかルビーチューズデイを口ずさみながら。
♫無駄にしていい時間なんてない
彼女はそう言った
夢を掴まなければいけない
取り逃がしてしまう前にと………
女子高生のことじゃないです。たぶん。
ネールペルトの駅に到着。
おあお、こりゃ田舎だな………
駅舎がないんですけど。
こんなところにピチピチの女子高生がいるのか?マジで。
まさかアレか?
俺は騙されてるのか?
部屋に引きこもって人生の時間を持て余しまくっている島根あたりの中学生のイタズラに踊らされたんじゃねえのか?
って思ってしまうほどの田舎。
しかし電車を降りると、そこには本物のピッチピチの女子高生がいた。
「文武さーん、はじめまして!」
う、うお、ちょっと緊張する…………
な、なに話せばいいだろ。
ホームステイ先のお爺さんの車に乗ってお家に向かう。
車は小さな町を通り抜け、ドンドン田園地帯の中に入って行く。
見渡す限りの畑と森。
あ、これアレか。
もっとひと気のないところに連れて行かれて男が待ち構えていて身ぐるみはがされて森の中にポイ捨てされるパターンか。
女子高生につられてノコノコついてきた俺がバカだった。
でも車は無事に家に到着。
広大な畑が広がり、その中にポツリと、本当に一軒だけ立っているこのお家。
植物におおわれていて完全に周りの自然と一体となっている。
まるで童話に出て来るような家。
「入ってくださいー。」
まぁ、家の中のオシャレっぷり(´Д` )
マジで童話の中。
「あ、あれ?家族の人たちは?」
「ホストファミリーは用事で出かけてますー。今夜帰ってくるかなー。わかんないです。文武さんビールでいいですか?」
女子高生2人と、広大な畑の中の一軒家に3人。
なにこのシチュエーション。
そんな3人で料理しました。
カレーうどん作りました。
麺を茹でました。
「か、固い棒状のものがフニャフニャになっていくー!!固いのが柔らかくなっていくうう!!!」(言ってない)
ナナセちゃんと、ホズミちゃん。
7ヶ月っていったかな?それくらいこっちに住んでいるので、もう言葉はペラペラ。
むしろ英語のほうが苦手みたい。
もちろんまだ高校生だから子供っぽいんだけど、高校3年とは思えないセクシーさもあってドキッとしてしまう。
お爺ちゃんとお婆ちゃんは裏の森の中に住んでいて、一緒にご飯を食べた。
ベルギー以外に住んだことがないという、お婆さん。
どこにでもいる田舎の、昔話とかたくさん知ってそうな優しいお婆さん。
この年で俺たちが作った下手くそな日本のカレーを食べてくれる。
きっと人生の中でアジア料理なんてほとんど食べたことないだろうな。
家の中には女子高生と俺だけ。
なにが起こっても変じゃない
そんな時代さ
僕らは生きてるミスターチルドレン。
スイスにいる彼女たちの学生友達とスカイプしました。
実はこのカズヒサ君が僕のブログを読んでくれていて、彼が面白い人がそっちに向かってるよとホズミちゃんに教え、Facebookにコンタクトがあったという流れ。
ホズミちゃんは俺のことまったく知らない。ブログも読んだことない。
なのに家に呼んでくれました。
「あ、ホストファミリー、帰って来るみたいです。夜中に。」
「あ、そっか、大丈夫かな俺がいて。ていうか俺のこと話してるの?」
「え?話してないですよ。多分大丈夫ですよ。」
よーしよし、新手の美人局ってわけか。
てめー、人の家に勝手にあがりこんでなにやってんだ?
生きてこの村出たかったら、今すぐ有り金全部出せ。あ?持ってない?よし、ATMに行ってキャッシュカードの限界まで引き下ろすぞ。あ?キャッシュカード持ってない?
よし、お前をムカデ人間の検体にする!!!
ムカデ人間、観ました?
あんまり面白くないですよね。
でも帰ってきたのは、絵に描いたような紳士淑女と好青年の息子でした。
「おー、ようこそようこそ。僕ら疲れてるからもう寝ちゃうけど、気にせず過ごしてね。」
というわけで夜中までお喋りして、寝たのは2時をすぎでした。
久しぶりに10代の日本の女の子と喋ったけど、若いね!!
吉田拓郎って誰ですか?って言われたよ。
ちなみにルーズソックスは履いてなかったです。