4月11日 木曜日
【ポルトガル】 ポルト
朝飯のクオリティがやばすぎる。
コーヒー、紅茶はもちろん、フルーツジュース、ホットチョコレート、
シリアル、パン、美味しいチーズとハム、色んな種類のジャム、
貴族が使うんですか?ってくらいピカピカの食器。
至れり尽くせり。
うますぎて朝からお腹いっぱい。
今日はまずポルトの観光から!!
ミユキさんと一緒に回ることに。
どんな名所があるのかまったくわからないけど、ミユキさんが地球の歩き方を持ってるので、それを見ながらブラブラ。
最初に向かったのは、世界一美しい本屋、といわれるお店。
世界一美しい本屋ってどういうことだ?
すげえカテゴリーだな。
古い街並みの中にある、普通の本屋さんにたどりつく。
ふーん、まぁこんなもんかな、と中に入ると、
はい、世界一。
小ぢんまりとした店内には、もちろんたくさんの本が並んでいるんだけど、もう天井やら壁やら本棚までが、ものすごい装飾。
お店の真ん中には2階に上がる階段があるんだけど、これまた貴族の屋敷みたいなオシャレな階段。
すげすぎ。
こんな映画のセットみたいな場所なのに、みんな普通に本を見ている。
ここだけじゃなく、通りに軒をつらねるお店は、刺繍屋さんや、食器屋さん、雑貨屋さんなど、どこも歴史のありそうなたたずまいで、個性的で味わい深い。
ヨーロッパらしいメルヘンな雰囲気にワクワクする。
そんな街を歩いて川の方に坂をおりて行く。
まぁこの辺りも建物が全部古い!!
黒ずんだ壁、ベランダの鉄格子、
こんなお店も。
ポルトガルはコルクの生産が有名みたいなんだけど、こんな小さなコルク屋さんを発見した。
ジブリの海が聞こえるやったっけ?
裏路地にある、どこかあやしげなアンティーク屋さん。
あんな雰囲気のお店ばっかり。
ほんとに昭和のたたずまい。
寂れた地方都市のあの懐かしい記憶が蘇る。
そしてこれもんです。
あー、やられた。
魔女の宅急便の街ランキングTOP3入り。
密集する赤い屋根の家々の上をウミネコが飛び、ニョキっと教会の塔が立ち尽くしている。
いくつもの橋が川を越え、対岸に人々が歩いているのが見える。
こんな景色見たことある。
どこかわからないけど、頭の中にある懐かしい景色。
そんな不思議な気持ちにさせてもらえる。
港というものの郷愁。
カモメの鳴き声と寂れた町には、人の心に触れる侘しさがある。
どうせ出て行くこの町なのに、こんなに焦がしてくれるなんてな。
あ、岸壁で喧嘩してました。
みんな大注目です。
なんだなんだ?
なんだなんだ?
微笑ましい。
さて、いつまでも浸っていたいところだけど、歌わないとパリにたどり着けないので路上に出ます。
メインストリートの人通りは今日もすごい。
そんな中で声を上げる。
んー、今日も渋い。
向こうの方で心配そうに見ているミユキさん。
年上のミユキさん。
こんなヨーロッパの街のど真ん中でいきなり日本語の歌を歌うなんて信じられないといった泣きそうな顔してる。
はい、男としてカッコ悪いとこは見せられんですな。
誰からも見向きもされず声を枯らしてるとこなんて見せたくねええええええ!!!!!
いつもより一段と気合いも入ります。
ツバを吐きかけられて、心配されて、だ、大丈夫だよ、うん、俺って強いからさ、あ、あれ?この頬を伝うものはなんだろう?しょっぱいや、えへへ………
みたいなことにはならずに、少しは格好もつきました。
あぶねええええ(´Д` )
あがりはなんとか24ユーロ。
「フミ君すごいよ!!歩いてる人たち、みんな足を止めて口ずさんで、リズムとって、サッとお金を置いていくんだね。お爺ちゃんも子供も。なんかすっごい感動しちゃったよぉぉ。」
喜んでくれたミユキさん。
宿のクオリティが高すぎるので今夜まで泊まることにしたんだけど、そんなミユキさんが今夜は料理を作ってくれることに。
バツイチのミユキさん。
おっとりとした性格で、なんにもできなさそうだけど、元主婦です。
そんな主婦の料理の腕前は…………
どこの高級レストランですかぁぁぁぁぁぁ!!!!!
ズッキーニ!?
ズッキーニとか下ネタの材料にしか使ったことない!!
「こんなのただ焼いただけだよー。へへへー。」
こんなおっとりした人なのに、酒豪です。
このポルトはポートワインというワインの産地で、さっき行った川沿いの岸壁には無数のワインセラーが並んでいるんだけど、まぁ値段はピンキリ。
20~30ユーロくらい。
しかしビビることに、町場の小さな酒屋で激安のワインを見つけた。
750mlのワインが1.6ユーロ。
腐ってるんですか?
うめええええええ!!!!!
ズッキーニとワインとかバカアアアアアアアアア!!!!!!!
この宿には、これまでの中東・アフリカにいたような汚いバッグパッカーの姿はなく、みんな学校の休みを利用して遊びにきている小洒落た若者たちばかり。
そんな若者たちが小洒落たキッチンでパスタなんかの小洒落た料理をしてワイワイと騒いでいる。
まるでビバリーヒルズ青春白書。
日本人はそういうビバリーヒルズ宿に行くと、馴染めなくて肩身の狭い思いをするのが常。
みんなかなりペラペラな英語だからね。
ヨーロッパではそういうホステルがほとんど。
なので日本人が日本人しかいない日本人宿に安らぎを求める気持ちはよくわかる。
欧米人バッグパッカーは夜中までクラブに行ったりして騒ぎまくるからね。
まぁ、日本人も群れると酒飲んで馬鹿騒ぎするけど。
今夜はそんなネイティブな英語が飛び交うビバリーヒルズ宿のリビング。
ズッキーニとワインでゆっくりと時間を楽しむ日本人2人。
2人でワインを2本、さらに欧米人たちが次から次にワインを注ぎにやってきて、したたか酔っ払った。