あけましておめでとうございます!!
2013年ですね。
干支はなんだっけ?
今年もガンガン行きます!!
目標、死なない!!
そしていつもブログを読んでくれてありがとう!!
旅の中で、ブログを通して日本とのつながりを持てることはとても大きな励みとなっております。
こんな下品なブログだけど、今年もなるべくタイムラグのないよう更新していきますので、変わらず読んでくださると嬉しいです。
今年は上品なブログを目指します!!
早漏とか書かない!!
みなさんにとって2013年、素晴らしい出会いと実りに溢れた歳になることを祈っています。
それではトルコ!!
いってみよう!!!
12月29日 土曜日
【トルコ】 エディルネ
トルコ行きのバスは人気があるのか、深夜の便だというのにほぼ満席だった。
乗務員さんがコーヒーと紅茶の無料サービスに回ってくれる。
茶菓子まで配ってくれる。
うーん、トルコって人のいい国って聞いてたけど、いきなりその片鱗を味わう。
ぼっこぼこに穴のあいた最悪の道を、歩く方が早いんじゃねぇか?ってスピードでウネウネ蛇行しながら進んで行くバス。
まったく眠れない。
二日酔いで一刻も早く寝たいのに全然眠れない。
出発からわずか2時間ほどで国境のカスタムに着いた。
まずはブルガリアの出国ゲートだ。
近代的な立派な検問ゲート。
寝ぼけ眼をこすってバスを降り、列に並んでパスポートチェック。
みんなすいすい通り抜けていく。
俺の番。
別室行き。
え?!なんで!???
雨の中、ゲートの横にあるビルに連れて行かれる。
おおお、今までめちゃ楽勝だった国境越えなのに………
なんでですか?
そんなに早漏がいけないことですか?
「スロバキアで何か問題起こしたかい?」
オフィスの中、偉そうな方のデスクで聞かれた。
ああ、そういうことですか………
オーバーステイがこんなとこで響いてきたのか。
ことの成り行きを説明する。
ば、ば、ば、ばばばば罰金だって払ったんだからね!!
あんたたちシェンゲンじゃないでしょ!!
「うん、ブルガリアとルーマニアはシェンゲンじゃないから問題ないけど、スロバキアではどんな罰を言い渡されたの?早漏なの?」
「スロバキアに3年入れなくて、シェンゲンに3ヶ月入れないよって言われました。早漏ではないと自分では思っています。」
「うん、それは違うよ。シェンゲン全体に3年入れないんだよ。ちょっと勘違いしてるみたいだね。君は早漏だよ。」
………………なんだとおおおおおおあおおあおおおおあお!!!!!!
俺は早漏じゃねえええええええええ!!!!!!!!!
じゃなくてシェンゲンに3年入れないだとおおおおおおおお!!!!!!!
知らねー。俺全然知らねー。
だってスロバキアのお巡りさんたち言ってたし、完璧にしゃべれる日本語通訳の兄さんにも何度も何度も確認したもん。
俺知らねー。
チョーだりい(´Д` )
ええええ、なんなのそれ?
よく聞く話だよ、警察の対応ってのはその警察によってまちまちだって。
スロバキアの外国人警察の人も言っていたよな。
運悪く親切じゃない警察に捕まったらめんどうなことになるかもしれないからね、って。
これがそういうことなのか。
どうなのか。
とにかく、今ここでは問題はない。
重要なのは3ヶ月後にモロッコからスペインに入る時に、俺の話とスロバキア語の書類が効力を発揮するかということだ。
もし入れなかったら、ヨーロッパの先進地域、スペイン、フランス、イタリア、オランダ、スイス、ベルギー、そしてギリシャという世界屈指の遺跡たちを見ることが出来ない世界一周になってしまう。
なんとしても、なんとしても、ケツを貸してでも国境をクリアしなければいけない。
3ヶ月後、どうなることやら…………
オフィスを飛び出し、バスに戻り、みんなにゴメンナサイ!!と言うと、笑いながら大丈夫だったかい?と心配してくれる。
みんな優しい。
そして今度はトルコの入国ゲートだ。
ゲートに突入する前に、なんか小綺麗な建物に立ち寄るバス。
みんな降りていくから俺もついて行ってみたら、そこは免税店的なところだった。
タバコが腐る程売っている。
3カートンで60ユーロか。
1箱160円ね。
まぁ、今から安いところに進んでいくからここで買う必要もないだろう。
最近はタバコが安いのでパイプはお休み中。
買い物を済ませた人々を乗せて、さぁトルコのカスタム。
入国税はいくら払わなきゃいけないんだろう。
何日滞在できるんだろう。
ゲートに入り、みんなバスを降り、荷物のチェックだ。
荷台の荷物を全部引っ張り出し、外に並べ、それを国境警察官が開けて調べて行く。
といっても簡単なもので、開けた中身を手でさっさっと触るくらい。
荷物チェックが終わると、バスの中も入念に調べられる。
座席の隙間や、頭上のスペースなどを調べている。
ドキドキしながら終わるのを待ち、それから荷物を荷台に詰めなおし、今度はパスポートチェック。
あー、緊張する!!!
さっきの別室行きがすごく引っかかる!!
そうだよ、気にしてなかったけど俺のパスポートはすでに傷物なんだよな。
今までは大丈夫だったけど、これから厳しい国に行く時、いつもこれがネックになっていくのかな。
さらっとパスポートを返される。
バスに乗り込む人々。
出発。
トルコ入り。
あ、あれ?
なんもなし?
入国税は?
みなさん、トルコ入りは楽勝です。
トルコ好感度うなぎのぼり。
「フミ、もうすぐバスはあなたを降ろすために止まるわ。レストランがあるから、そこで待っていればエディルネ行きのミニバンが来るから、それに乗って。」
カザンラクのバスターミナルで出会った可愛い女の子が俺のところに来て教えてくれた。
カスタムでもずっと俺を気にかけてくれていた。
そして彼女は自分の財布から何やら汚れた紙切れを取り出した。
「フミ、これはイスラムの大切な言葉を書いた紙よ。私の叔父が書いてくれたものなの。ブルガリア語だからわからないだろうけどきっとあなたを守ってくれるはずよ。持って行って。」
そしてバスは見渡す限りの荒野の中の一本道に止まった。
俺を降ろすとあっという間に走り去って行った。
静寂の夜明け前。
小雨が降りかかる。
広大な暗闇の中にポツンとレストランの明かりが見えた。
荷物をかつぐ。
レストランの中に入ると、暇そうにしていた従業員らしきおじさんたちがジロリと俺を見た。
こんな明け方、田舎のドライブインに紛れ込んだアジア人。
人生初のトルコ人との遭遇!!!
優しいと有名なあのトルコ人。
ホントに優しいのか?!
優しい優しいって、俺もたいがい優しい人に会ってきたからね、
並大抵のことじゃ驚かないよ?
「どっから来たんだい?」
「日本です。」
「はい、これ。」
タバコを差し出してくるおじさん。
受け取ると火をつけてくれる。
★タバコをくれる。
★トルコティーを運んできてくれる。
★タバコをくれる。
★帽子をくれる。
★トルコティーを持ってきてくれる。
★タバコをくれる。
ここまで入国から20分の出来事です。
こ、こ、こ、これがトルコ人か(´Д` )
優しさが異常(´Д` )
その後も眠くてしょうがないのに6~7人のトルコ人に取り囲まれ、あれやこれやのおもてなし。
「マイフレンド、お腹は空いてないかい?」
「あ、サンドイッチ持ってるので大丈夫です。」
「そうなんだ、わかった。」
奥に入って行った。
そしてパンとスープを持って戻ってきた。
ウインクするおじさん。
この人わかってねえ(´Д` )
わかったって言ったくせに(´Д` )
てかもうよくわかんねえ(´Д` )
その後も、トイレ有料なんだけど、俺はフリーパス。
やってきたミニバンもなぜか無料。
え?俺、ケツを貸さないといけないの?
この鼻ヒゲの兄さんにケツを?!
ウトウトしてるうちにトルコの国境の町、エディルネに着いた。
ここにはとても古いトルコを代表する立派なモスクがあると聞いている。
イスラム教の本場、トルコのモスク。
一体どれほどのものなのか。
そしてこれまで訪れた東欧の国々で何度も耳にした最強軍団、オスマン帝国の遺跡をどれくらい見ることができるか。
さらに最強帝国だった人々のトルコ人としての気概はいかほどのものか。
うわー!!探検し甲斐がありすぎる!!
「フミ、いいホテルを知ってるからそこにチェックインして荷物を置いて、観光しよう。大丈夫、何も心配しなくていい。有名なところに連れて行ってあげるよ。」
そう言って俺のキャリーバッグを引きながら路地に入っていくおじさん、ドロンとユセル。
怪しさが止まらない(´Д` )
なんだよ、解放してくれないのかよ。
案内してくれるのは嬉しいけどさ、1人でのんびり周りたいよ。
やってきたホテルは、もう見るからにボロボロで営業してんのか?って感じのお化け屋敷。
中に入ると、白黒映画で見るような雑然とした受け付けがあり、壁に写真や国旗が飾ってある。
ストーブを囲んだ爺さんと婆さん。
ドロンとユセルが爺さんと話している。
もちろんトルコ語なので一切わからない。
「フミ、30トルコリラだって。15ユーロくらいだよ。これはとても安い値段だよ。」
うーん、高いと思う。
これまでの東欧ではホステルで10ユーロだった。安いとこなら8ユーロくらいでもあった。
それがこんなお化け屋敷で観光客もほとんど相手したことありません、みたいな爺さんたちしかいないホテルに15ユーロはどう考えても高い。
もちろんWi-Fiなんかないし。
ていうかWi-Fi?なにそれ?みたいな爺さんたち。
申し訳ないが他も見たいと、ドロンたちに言っていったん外に出る。
「他を当たってもいいけど、ここはホントに安いよ。他のホテルなら30ユーロはするよ。」
それはホテルだからだろう。
ホステルならきっともっと安いし、旅人たちへの情報も充実してるはず。
ここは世界遺産のある町。
必ずホステルはある。
が、しかし、目の前にはドロンとユセルがどうしたいんだ?と待っている。
雨と強風で2人とも震えている。
ていうかこいつはあれか?
ホテルとグルで客を連れてったらマージンもらえる的な客引きなのか?
雨は降り続ける。
もういいやと、お化け屋敷に戻った。
荷物を置いて、今度は換金所へ。
ホテルのお金を払わないといけない。
25ユーロを換金。
「よし、じゃモスクを見に行こう。」
小雨の降る中、世界遺産のモスクへ。
ここエディルネのセリミエモスクは、トルコを代表するイスラム建築の最高傑作とも言われるものらしい。
イスラムの町名物のバザールを抜け、感じのいいショッピングストリートを歩いていく。
怪しいトルコ人と一緒に。
カタコトの英語で一生懸命、町の説明をしてくれる。
これ絶対あとでガイド料くれって言われるな………
断りたいけど断れない。
そして目の前に現れたのがこいつ。
半端じゃねえとしか言えねぇ。
宮殿だよ、宮殿。
これ宗教施設か?
でけえにもほどがあるぞ!!?
ミナレットが今までのものの5倍くらいでけえ。
まるで宇宙船かなんかが着陸してるような、そんな風にも見える。
入り口にまわり、靴を脱いでいざ中へ。
うおー…………
すげぇ…………
巨大すぎる………
そして美しすぎる………
床にはフカフカの絨毯が敷かれており、長方形の模様が描かれている。
この長方形ひとつが、1人分のお祈りスペースだ。
これ全部。
つーことはこの建物に隙間なく人々が並び、せい然と土下座をするってのか。
他にも観光客の姿がある。
白人たちが写真を撮りまくって記念撮影している。
その横で普通にイスラムのおじいさんが床に額をつけてお祈りしている。
我関せずと。
すげぇ………
自由すぎ。
これキリスト教の教会なら写真撮るなって言われるよ。
ていうかこんな素晴らしい建物なのに入場料ナシ。
いつでも誰でもどうぞ好きにしてください。
ただ女の人は被り物で髪の毛隠してね。
そんな感じ。
イスラム教の懐、半端じゃねえ広い!!!!
興奮する俺をその後も案内してくれるドロン&ユセル。
ていうかあなたたち夜勤明けで眠いんじゃないの?
「ズルズル、大丈夫、何も心配しなくていい、ちゃんと連れていってあげる。ズルズル。あ、これはオスマン帝国時代の建物で………」
2人とも顔がすげー疲れてますから(´Д` )
しかも雨と強風で鼻水すすりながら震えているのに、大丈夫大丈夫とガイドしてくれる。
なんでそんなに全力投球なの(´Д` )
顔白いよ(´Д` )
大丈夫(´Д`
もうここまでくると必ずガイド料とられるな。
仕事みたいに案内してくれてるもん。
それかドロンだけにお金とってドロンするのか?
ウケる。
そうでもないか。
「よし、このタクシーに乗ろう。」
タクシーに乗り込み、郊外へ向かっていく。
あ、これもしかしてタクシー強盗ってやつか!?
郊外に連れて行かれて仲間が待ってるってやつか!?
しまった!!!
が、しかしたどり着いたのは小高い山の上の施設。
第一次世界大戦中、トルコ軍がギリシャやブルガリアの勢力を迎え撃った砦で、山頂にいくつもの穴が掘られている遺跡だった。
穴の中に入ると、完全に衣料品店にあるようなマネキンが銃を持って立たされており、いくつかの写真や資料が展示されていた。
ここでの戦闘の後、数百年君臨したオスマン帝国は瓦解したんだな。
トルコ人にとって、とても重要な場所なんだろう。
まぁその割には無人ですげー適当だけど。
無人なのでもちろん入場料ナシ。
トルコ人もうちょっと観光で儲けようとしてもいいと思うよ(´Д` )
おおらかすぎ。
歩きながらこれはアレで、これはアレで、と説明してくれるドロン&ユセル。
鼻水すすりながら。
うわー、こんないいとこ連れてきてもらえるなんて。
しかもタクシー使ってまで。
まぁガイド料払わないといけないか………
見学を終え、待たせていたタクシーに乗りこみ、街に戻って今度は食事。
トルコ人はホント紅茶が好きだな。
いつでもどこでも紅茶飲んでる。
この小さなグラスで。
ミートパイとチーズパイを食べ、紅茶でひと段落。
「さて、それじゃ俺たちは帰って寝るから。」
う、ガイド料くれって言ってくるぞ…………
「じゃあねー。」
「え!?ちょ、ちょっと!!帰るの?!」
「うん、疲れてるからさ、今夜も仕事だし。あ、ここ払っといたから。」
「いくらでしたか?自分の分を払います。」
「は?なにいってるの?君はゲストだよ?何も心配いらないって言っただろ?トルコを楽しんでね。」
帰って行ったドロン&ユセル。
うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!
刺してくれえええええええ!!!!
ドロンがお金とってドロンするとか言った俺を刺してええええ!!
1mmでもあなたたちを疑った俺を刺してくれえええええええ!!!!!!!
トルコおおおおお!!!!!
なんなんだトルコ人ーーーーー!!!!!!
え?!なに?!
優しさの皮をかぶった獣なの?
毎日紅茶飲んでたらこんなに優しくなれるの?
よし!!俺紅茶毎日飲む!!
トルコおおあおあお!!!!!!
感動しながら宿に戻り一眠り。
夜に目を覚まして、それから散歩にでかけた。
すれ違う人がみんな、お!ハロー!と笑顔で声をかけてくる。
ケバブ屋さんのおじさんが、ちょっと寄ってくかい?と笑顔で手招く。
しかし不快ではない。
ユーゴスラビアの鬱陶しい客引きたちはみんな、
オラア!!タクシーだよ!!ホテルだよ!!来いよ!!来ないの!?バカじゃないの?死ねば?
みたいな感じなんだよ。マジで最後キレるからね。
それがトルコ人の客引きは、
あ、マイフレンド、もし良かったら寄っていかないかい?あ!いや!!もし良かったらだよ!!あ、必要ない?そっか!!いいんだよ!マジ大丈夫!!全然気にしないで!?トルコマジ最高だから楽しんでね!!紅茶飲む?
笑顔が本物。
心からのウエルカムがにじみ出ている。
国で性格がこんなに変わるか?
トルコ人、すげえよ。
路地に入れば確かに建物はボロく、アルバニってる。
(ひどい国の例え。アルバニアごめん。)
でもなんだか居心地がいい。
空気が肌にあう。
待ち望んだ国だったし、最初に出会ったトルコ人が神に限りなく近い男たちだったというのもあるんだろうけど、この暖かい空気はそれだけじゃない。
トルコの醸し出す不思議な空気はマリファナのように滑らかに体を包んでくれる。
バーで軽く飲んで気持ちよく酔っ払った。
ビール1杯6トルコリラ。250円。
今までに比べて高いけど、そんなことは小さなこと。
お店を出入りする時、必ずドアを開けてくれるトルコ人の優しさに比べたら安いビールだ。
帰りの夜道は人もほとんど歩いておらず、普通なら少し警戒するところなのに嬉しくて嬉しくて、バカみたいに走り回ってしまった。
バカみたいに。
俺を見つけた兄ちゃんたちがカフェから飛び出してきた。
「イヤッホー!!日本人だあああ!!紅茶飲め!!」
ゴメン、ノルウェー。
ゴメン、オーストリア。
ゴメン、ハンガリー。
トルコ1位だわ。